タスクマネジメントをはじめようと思っても、何から手をつけていいのかわからず止まっている人、いざはじめてみたものの、もっと効率の良い方法があるような気がするという人は少なくないのではないでしょうか。
正しい方法やコツを覚えれば、タスクマネジメントをスムーズにはじめることができるはず! この記事では、タスクマネジメントの正しい方法やコツについてまとめてみました。
タスクマネジメントとは?
まずはタスクマネジメントを行うにあたり、基本をおさえておきましょう。
ToDoとタスクの違い
「ToDo」は直訳すると「〜するべき」「〜する必要がある」を意味する言葉です。対する「タスク」はビジネス用語として使用され、英語の「task」に由来します。「task」を直訳すると、任務・仕事・課題・作業を意味します。
どちらも似た意味で使われますが、両者には若干の違いがあります。
ToDoは明確な期限が決まっていない作業を指すことが多く、タスクは期限が明確に決められた作業を指すことが多い傾向にあります。そのため、タスクは重要度の高い業務を指すことが多いとされています。
タスクマネジメントはなぜ必要なのか?
ただでさえ忙しい日々の中で、工数をかけてまでタスクマネジメントを行うのはなぜでしょう。その疑問に応えるべく、タスクマネジメントの必要性について考えてみました。
タスクの対応漏れを防ぐ
タスクマネジメントを行うことで、担当者や納期、進捗状況が把握できるため、タスクの対応漏れの防止につながります。
タスクの対応漏れが起こると、プロジェクトの進行やチームでの業務に多大な影響を与え、時に大きな損害につながりかねません。タスクの対応漏れを防ぐことができれば、損害が起こるリスクを減らすことはもちろん、プロジェクトのスムーズな進行やクオリティの維持が可能です。
業務の優先順位を明らかにする
タスクマネジメントを行うためには、日々の業務を洗い出し細分化します。そうすることで、優先すべき重要なタスクと非優先のタスクが明らかになります。
タスクの優先順位がはっきりすると着手する順序や不要なタスクがわかるので、タイムマネジメントやスケジュール管理にも役に立つでしょう。
リソースの最大活用
組織やチームによっては、忙しい部署とそうでない部署、タスクを抱えがちなメンバーやそうではないメンバーがいます。タスクマネジメントができれば、タスクの偏りや空いているリソースに気づき、適切なタスクの割り振りができます。その結果、ひとり当たりの生産性を向上させます。
働き手不足が叫ばれる昨今、チームの人員を最大限有効に活用するためにはタスクマネジメントが必要です。
タスクマネジメントの手順
次にタスクマネジメントの方法を、順を追ってみていきましょう。必ずしもこの手順で行うというわけではありませんが、マネジメントしやすい体制を作るためには有効な手順です。
タスクの洗い出し
最初にすべきことがタスクの洗い出しです。プロジェクト内で発生しうる業務や、どんな作業が必要かをリストアップします。
頭の中でタスクを思い描いてもタスクの量は掴みにくく、チームで共有することができません。洗い出しは、必ず紙に書いたりパソコンに打ち込んだりしましょう。
優先順位の決定
洗い出したタスクの着手する順番や割り振りを決めるために、優先順位をつけます。重要なタスク、急ぎのタスク、後回しにできるタスクを見定めましょう。
スケジュール・期限を設定
タスクの期限や着手するスケジュールを設定します。
この時、ギリギリのスケジュールでは焦ってしまい小さなミスを引き起こしかねません。また、緊急性の高いタスクが突然舞い込むこともあるでしょう。
ギリギリの期限設定にすることは避け、余裕を持ってタスクを完了できるようなスケジュール設定を心がけましょう。
進捗状況の管理
計画通りにタスクが進んでいるか、進捗状況を管理します。スケジュールだけでなく、品質が維持されているかも忘れずに確認しましょう。
遅延や品質低下を迅速に発見し軌道修正をするためにも、進捗状況の管理は数日おきや1週間おきなど定期的に実施しましょう。
改善作業
進捗状況を管理する中で、思いの外早く完了していたり遅延が発生していたり品質が維持されていなかったりと、計画とのズレが起きていたら、スケジュールや担当の見直しをします。
また、遅延や品質低下が起きた原因を探り、繰り返すことのないように改善を行います。
タスクマネジメントの具体的な方法
タスクマネジメントには
・紙とペン、ホワイトボードなどを使い、手書きで行うタスクマネジメント
・メールの受信トレイやフォルダを使ったタスクマネジメント
・表管理ソフトのエクセルを使ったタスクマネジメント
・タスクマネジメントの専用ツールの利用
など、規模や性質によってさまざまな方法があります。
タスクマネジメントの基礎や実践方法はTeamHackersでも紹介しています。タスクマネジメントの手法に迷う時は、参考ご覧ください。
参考:基礎から実践まで! タスク管理の必要性や方法を解説します
タスクマネジメントを成功させるためのコツ
タスクマネジメントによって成果をあげるためには、意識したいコツがいくつかあります。この記事では、5つのポイントに分けて解説します。
タスクはできる限り細分化する
タスクマネジメントでは、やるべきタスクを全て洗い出すことからはじめますが、できる限り細分化することが大切です。
例えば「請求書の送付」というタスクの場合、
「フォーマットの作成・必要事項の照会・必要事項の記入・添え状の作成・送付」
という5つに分けることができます。
このように、タスクを細分化することでタスク完了までにやるべき具体的な作業がひと目でわかるようになります。
重要度・緊急度を意識して優先順位を決める
タスクに取り掛かる順番をはっきりさせるには優先順位をつけるといいでしょう。優先順位をつけるには、重要度と緊急度の2つの視点でタスクを分類します。
重要度はどの程度プロジェクトの進行や品質に影響を与えるか、緊急度はどの程度迅速な対応が求められているかを指標とし、判断をします。
優先順位を意識したタスクマネジメントには「重要度と緊急度のマトリクス」が有効です。

優先順位の付け方や、それと元にしたタスクの進め方については、TeamHackersの「重要度と緊急度のマトリクスとは? タスクの優先順位の付け方や進め方のコツを解説」で詳しくまとめています。
実現可能な目標設定・タスク割り振りにする
タスクを進めるスケジュール設定や担当の割り振りを行う際は、実現可能であるかを意識します。
全てのタスクがトラブルなく進むことを前提とした目標設定や割り振りでは遅延が発生しやすく、後々スケジュール調整やタスクの再割り振りによる混乱が起きかねません。見直す手間もかかるため、無理のないタスクマネジメントをしましょう。
進行状況をこまめに確認する
遅延や着手忘れがないかなどは、タスクの進行状況をこまめに確認することですぐに発見し、フォローが可能です。
チームでのタスクマネジメントであれば、チーム内での負担の偏りなども発見できます。
また、タスクの予定工数と実績工数に差分がないかも忘れずに確認し、データとして蓄積しておきましょう。今後出す見積もりをより正確にしたり、潜在的に眠っている課題に気付けたりします。
情報共有を迅速に行う
こまめに進行状況を確認するためにも、情報共有は重要です。
タスクの進捗にタイムラグが極力少なくなるような仕組みを導入し、迅速な情報共有を行いましょう。複数のメンバーで共有ができ、リアルタイムで更新されるタスク管理ツールなどを活用すると便利です。
「簡単にタスク管理ができるコツや方法を解説します! 個人・グループにおすすめのツールも紹介」では、タスクマネジメントを成功させるコツについて、より細かく解説しています。
タスクマネジメントに役立つツール
タスクマネジメントの質を高めるためには、タスク管理ツールの導入も視野に入れることをおすすめします。
「【2021年版】タスク管理ツールおすすめ・Todo管理ツール34選を徹底比較(無料プラン有り)」では、TeamHackersおすすめのタスク管理ツールやその特徴のほか、タスクマネジメントに必要な基礎知識やタスク管理ツールを導入するメリット、タスク管理ツールの選び方まで、詳しくまとめています。
まとめ
タスクマネジメントの方法やコツを解説しました。より理解を深めてもらえるよう、関連記事も紹介しているので、詳しく知りたい人はぜひ関連記事もご覧ください。
タスクマネジメントを正しく行えば、プロジェクトの達成や作業の効率アップにつながります。組織やチームによって適したマネジメントを見つければ、より有意義なタスクマネジメントになるはず。業務の円滑化のためにも、ぜひ実践してみてください。