ラーニングピラミッドとは?7つの階層や効果的に学習を進める社員研修実施のポイントなども紹介

近年、時代の変化に合わせて知識やスキルを獲得するリスキングやアンラーニングに注目が集まっており、社会人でも学ぶ姿勢が求められています。

学習方法と学習定着率との関係を表したラーニングピラミッドに注目が集まっています。しかし、「ラーニングピラミッドとは?何のために必要?」と疑問を抱えている方も少なくないでしょう。

本稿では、ラーニングピラミッドとは何か、7つの階層やメリット、社員研修で活用するポイントについて紹介します。

ラーニングピラミッドとは?

ラーニングピラミッドとは、学習方法を学習定着率でランク付けをし、7階層で表したピラミッド図です。

学習定着率とは、「どれだけ効率良く、知識を頭にインプットできるか」を表した数値を指します。

ラーニングピラミッドは、1960年代初頭にアメリカ国立訓練研究所(National Training Laboratories Institute)の研究によって導き出された概念です。日本では、別名「学習ピラミッド」とも呼ばれています。

ラーニングピラミッドでは、ピラミッドの上から下にいくにつれ、学習定着率が高いことを示します。

つまり、7階層に分けた学習方法の中で、最も学習定着率が低いとされるのが「講義」、最も学習定着率が高いとされるのが「他者に教える」です。このように、学習方法の学習定着率を、視覚で確認できるのがラーニングピラミッドの特徴です。

ラーニングピラミッドの7つの階層

ラーニングピラミッドを構成する、学習方法の7階層は以下です。

・講義
・読書
・視聴覚
・デモンストレーション
・グループ討論
・自ら体験する
・他人に教える

それぞれどのような学習方法なのかを確認しましょう。

講義

講義とは、主に大学などの高等教育機関で行われている授業方法の一つです。学習者が席に座り、先生や教授の話を聞いて学ぶ学習方法であることから、別名「座学」とも呼ばれています。

講義は、ラーニングピラミッドの頂上に位置し、学習定着率は5%です。7階層の中では、最も効率の低い学習方法とされています。

ただ話を聞くだけで、深い知識を身に付けることは困難です。しかし、ノートをとったり、自主的に復習したりすることで、学習定着率の向上が期待できます。

読書

読書とは、教科書や書籍を読んで学ぶ学習方法です。

話を聞くだけの講義に比べ、読書は自分の意思で文字を読む必要があります。自主的な行動が伴うため、読書の学習定着率は10%と講義よりもやや高くなります。

ただし、与えられた書籍や課題図書を流し読みをするだけでは、想定よりも学習定着率は低くなるでしょう。一方、興味がある書籍を自ら選んだ場合には、学ぶ姿勢をもって読み進められるため、学習定着率はさらに高まる可能性があります。

視聴覚

視聴覚とは、視覚と聴覚の両方から知識を身に付ける学習方法です。具体例として、学習内容に関連したテレビ番組やDVDの視聴が挙げられます。

文字だけの読書と比べ、視聴覚は映像や音声など情報量が多い学習方法です。そのため、記憶にも残りやすく、学習定着率も高まります。

聞き流しているだけでは記憶に残りづらくなり、学習定着率が低下するため注意が必要です。静かな場所で視聴したり、必要に応じてメモをとったりなど、視聴覚には集中できる環境づくりが欠かせません。

デモンストレーション

デモンストレーションとは、言葉だけではなく、実技を見て学ぶ学習方法です。工場見学に行ったり、経験者の姿を見て覚えたりなど、いわゆる実演が該当します。

実際に体感するデモンストレーションは、読書や視聴覚よりもさらに情報量が多くなり、学習定着率も高まります。

疑問点が生まれた際には、積極的に質問することで、さらなる学習定着率の向上が目指せるでしょう。

グループ討論

グループ討論とは、複数のグループに分かれ、与えられた議題に対してグループごとに討論を行って知識を得る学習方法です。具体例として、さまざまな意見を出し合うディスカッションや、異なる立場に分かれて討論を行うディベートなどが挙げられます。

グループ討論では、自分の考えや意見を言葉にすることが重要です。そのためには、議題内容について、理解を深めることが欠かせないため、聞くだけや読むだけの学習方法よりも効率的であるとされています。

自ら体験する

自ら体験するとは、実際に自分の手や体を動かしながら知識を身に付ける学習方法です。ビジネスでは、職場の上司が後輩に対して実務を通じて知識や技術を伝えるOJT(On the Job Training)やロールプレイングが該当します。

知識を身に付けるだけでなく、その知識をすぐにアウトプットできるのが特徴です。ラーニングピラミッドにおける学習定着率は75%と、極めて効率的な学習方法といえるでしょう。

他人に教える

他人に教えるとは、自らが講師役となり、得た知識を誰かに教える学習方法です。研究発表したり、誰かに説明したりといった行動が該当します。

物事を第三者に教えるためには、表面上だけの理解だけでは足りません。教え方を考えたり、質問に答えたりなど、深い理解と応用力が求められます。

学習定着率は90%、ラーニングピラミッドでは最下段に位置し、最も効率的な学習方法であると示されています。

教える過程において、質問に回答できないケースが発生することもあるでしょう。疑問点をそのままにせず、学び直しを行うことで、さらなる学習定着率の向上も目指せます。

ラーニングピラミッドにおけるアクティブラーニングとは?

近年、各教育機関では、現代的な学習方法として「アクティブラーニング」の導入が進められています。

そもそも学習方法は大きく分けて、2つに分類できます。受動的学習と能動的学習です。アクティブラーニングは、後者の能動的学習を指します。

受動的学習とは、受け身で行う学習方法です。多くの知識が得られるものの、その知識はすぐに忘れ去れやすく、記憶に残りにくい性質があります。ラーニングピラミッドでは、「議論」「実践」「他人に教える」「デモンストレーション」が、受動的学習に該当します。

一方、アクティブラーニングと呼ばれる能動的学習は、自らが主体となって取り組む学習方法です。実践や問題解決など、学習者が積極的に関与するため、得た知識は自然と身に付きます。

ラーニングピラミッドでは、下部に位置する「グループ討論」「自ら体験する」「他人に教える」が、能動的学習に該当します。

ラーニングピラミッドが注目されるようになった背景

ラーニングピラミッドは、1960年代から存在する概念です。古くからある概念が、なぜ今になって注目されているのでしょうか。

ラーニングピラミッドが日本で注目されるようになった背景には、文部科学省が公示した新しい学習指導要領があります。

2020年度からスタートした新しい学習指導要領によって、先述したアクティブラーニングの視点による、授業改善が重要視されはじめました。文部科学省によると、アクティブラーニングは「主体的・対話的で深い学び」であるとされています。

ラーニングピラミッドの中でも学習定着率が高いとされる「グループ討論」「自ら体験する」「他人に教える」が、アクティブラーニングそのものであることから、学習の成果を最大化できるのではないかと注目されるようになりました。

ラーニングピラミッドのメリット

ラーニングピラミッドの具体的なメリットは以下です。

・効果的な学習方法を選択できる
・現代社会に適応する力が身に付く

一つずつ解説します。

効果的な学習方法を選択できる

ラーニングピラミッドの最大のメリットは、効果的な学習方法を選択できることです。

「勉強しているのになかなか身に付かない」と悩んでいる場合、学習定着率が低い学習方法で学習を行っている可能性があります。学習定着率を高めるためには、正しい学習方法を選択しなければなりません。

ラーニングピラミッドを確認することによって、学習定着率の高い学習方法を選択でき、積極的に取り入れられます。

現代社会に適応する力が身に付く

IT技術の進化やグローバル化などにより、現代社会を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。

これからも変化し続けるであろう現代社会で生き抜くためには、その変化に素早く対応できる適応力が必要です。そのためには、アクティブラーニングの導入が欠かせません。

ラーニングピラミッドにより、アクティブラーニングの導入もスムーズとなります。高い学習定着率が期待できるだけではなく、自ら考えて行動できる力や他者との会話によって合意を形成する対話力など、現代社会に適応する力の習得も促せるのです。

アクティブラーニングを導入でき、現代に必要とされる適応力が身に付けられることも、ラーニングピラミッドのメリットといえるでしょう。

ラーニングピラミッドを活かして効果的に学習を進める社員研修実施のポイント

ラーニングピラミッドは、ビジネスでの効果的な社員研修実施にも有効です。

ラーニングピラミッドを活かす社員研修実施のポイントは以下です。

・参加型の研修にする
・研修と実践が繋がる内容にする
・社員同士で教え合える環境を用意する

それぞれのポイントを詳しく解説します。効果性を高めるためにも、ポイントをおさえた社員研修を実施しましょう。

参加型の研修にする

効果的な学習を進めるためには、講師が一方的に話す座学型の研修ではなく、参加型の研修にすることがポイントです。

ラーニングピラミッドに当てはめると、座学型の研修は「講義」に該当し、参加型の研修は「自ら体験する」に該当します。ピラミッド上の位置からもわかるように、参加型の研修を実施することで、学習定着率を大幅に引き上げることができます。

研修と実践が繋がる内容にする

研修を受講後、すぐに現場で実践できるよう、研修と実践が繋がる内容にすることも意識しましょう。

いくら研修で知識やスキルを身に付けたとしても、その後の業務でいかせなければ意味がありません。研修と実践の内容がかけ離れることがないよう、研修では自社の業務内容や業務フローに当てはめた内容にすることが重要です。

研修で学んだ知識を実践で活かすことで、学習定着率はさらに向上するでしょう。

社員同士で教え合える環境を用意する

社員研修をより有益なものにするためには、研修で得た知識を社員同士で教え合える環境を用意します。情報共有の場として、朝礼を活用したり、報告会を開催したりすると良いでしょう。

社員同士で教え合うことは、ラーニングピラミッドのうちで最も学習定着率が高いとされる「他人に教える」に該当します。「自ら体験する」からさらに学習定着率を引き上げられ、社員研修の効果を最大化させることが可能です。

まとめ

ラーニングピラミッドは、7つの学習方法の学習定着率を視覚で確認できる図です。効果的な学習方法の選択が可能となり、より良い学習に取り組めます。

どの学習方法がアクティブラーニングなのかも明確となり、知識だけでなく、行動力や対話力など現代社会に適応する力の習得も可能となります。

効果的な学習方法を知ることは、社会の変化に素早く対応が求められるビジネスパーソンにとっても重要です。企業の社員研修にも活かすことで、知識やスキルの大幅な向上が目指せます。

ラーニングピラミッドを積極的に取り入れ、自身の市場価値を高めましょう。

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