タスク管理ツールを導入するにあたり、チームで使うか個人で使うかでは、選ぶ時のポイントが大きく異なります。本稿では、複数名からなるチームにおすすめのタスク管理ツールを紹介しています。
チームにおけるタスク管理を任された時に知りたいタスク管理の基本として、タスク管理の方法やタスク管理ツールの選び方をまとめました。
タスク管理とは
チームでのタスク管理ツールのおすすめをお話しする前に、タスク管理とは何か? について考えてみましょう。ビジネスシーンでもよく使われるタスク管理ですが、似た言葉に「プロジェクト管理」があります。両者にはどのような違いがあるのでしょう。
タスク管理とプロジェクト管理の違い
タスク管理とプロジェクト管理の違いは、管理する対象にあります。タスク管理で管理する「タスク」は、個々の小さな作業や課題を指しています。一方、プロジェクト管理が管理するのは、定められた目標を達成するために集まったチームや計画です。プロジェクト管理の中には、チームのメンバー個々のタスクも含まれています。
タスク管理はそれぞれが自分の裁量で自分のタスクを管理するのに対し、プロジェクト管理は、プロジェクトマネージャーが全体を見渡しながら、品質・コスト・納期の3つの視点で管理を行います。
プロジェクトを成功させるには、タスク管理とプロジェクト管理の双方が必要なのです。
タスク管理が注目される理由
近年、タスク管理が注目されているのはなぜでしょう。
タスク管理が注目される背景には、働き方の多様化があります。働き方改革によるワークスタイルの変化や、新型コロナウイルス感染症流行によるリモートワークの普及など、さまざまな働き方を選ぶ人がいる中で、タスク管理が複雑化しています。
これまで同じオフィスで過ごし顔を合わせていたものが、顔を合わせなくても仕事ができるようになる中で、タスク管理の重要度と難易度は上がっているといってもいいでしょう。
そのため、気軽に会話を交わすことができない環境下、どうしたらタスク管理がうまくできるかに悩む人が増え、タスク管理が注目されるようになりました。
タスク管理ツールの導入はもちろん、タスク管理の手法を取り入れるなど、さまざまな施策を打ち出すチームが増えているのです。
チームのタスク管理の方法
ほとんどのプロジェクトは、複数名からなるチームで動いています。多様なメンバーが所属するチームにおいては、タスク管理の方法を明確に示すことで、適切な管理ができるようになります。
タスクを細分化する
タスク管理は、タスクを洗い出して細分化することからはじめます。これは、「どのようにタスクを進めればよいか」をすぐに判断できる状態にする目的を持ちます。
プロジェクトのスタートからゴールまでに必要なタスクを具体的に洗い出したのち、何から着手すればよいかがわかる程度の粒度まで、細分化をしましょう。
タスクの書き出し忘れのないよう、タスクの細分化には「WBS」という手法が便利です。
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タスクの優先度を決める
重要度と緊急度で分類する図を活用し、タスクの優先度を決めましょう。優先度を決めることで、タスクに着手する順番や重きをおくべきタスクが分かります。
上図は「重要度と緊急度のマトリクス」と呼ばれる表で、縦軸に「重要度」、横軸に「緊急度」を置き、以下の4つにタスクを分類します。
A:重要かつ緊急なタスク
B:緊急ではないが重要なタスク
C:重要ではないが緊急のタスク
D:重要でも緊急でもないタスク
最も優先すべきタスクはA、最も非優先であり、誰かに任せたり削減したりすべきタスクがDです。基本的にはAの次にCに着手しますが、長期的な視点でみるとCよりもBのタスクの優先度が高くなるため、Cのタスクに追われないようにコントロールが必要です。
限られたリソースを有効活用するためにも、必ずタスクの優先順位を設定しましょう。
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担当者へのタスク配分を適切に行う
優先度ごとに分類したタスクは、メンバーの適正やリソースに合わせて配分します。タスク管理において、適切な配分はその後の進行におけるカギとなります。
タスクの配分が適切ではないと、スキルのアンマッチや業務負荷の偏りが生まれ、プロジェクトの作業効率が悪くなってしまいます。
メンバーのスキルや経験、タスクの納期と個々のスケジュールに無理がないかを把握した上で、タスクの割り振りを行いましょう。
クリティカルパスの確認
クリティカルパスとは、プロジェクトを進行する上でスケジュールに影響を与える作業経路のことをいいます。これは、前のタスクが完了しないと着手できないという依存関係を持つということです。
クリティカルパス上にあるタスクの遅延は、プロジェクト全体の進行に大きな影響を及ぼしかねないので、タスク管理をするにあたって、必ず確認しておく必要があるのです。
クリティカルパス上のタスクは優先度を高くし、タスクの担当者も慎重にアサインします。
これにより、スムーズなタスク管理はもちろん、正確なスケジュール管理やリスクヘッジにもつながります。
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タスク管理にツールを活用する
これまで紹介した、タスクの細分化や優先度、担当者の割り振りを落とし込んで共有できるのがタスク管理ツールです。タスク管理に必要な機能が備わっているので、効率の良いタスク管理が可能です。
例えば、チームのタスク管理に特化したTeamHackの場合、ツリー型のタスク管理ツールなので、細分化したタスクを階層的に管理ができます。
また、タスクの優先度や担当者、概要や期限など、タスクに付随する情報の見える化も可能です。
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タスク管理ツールの選び方
近年、さまざまなタスク管理ツールがリリースされています。どのツールも機能や操作性に特徴を持っていますが、選ぶ方からすると多岐にわたるタスク管理ツールを前にすると、迷ってしまうでしょう。
しかし、チームにあったタスク管理ツールを選ばないことには、導入しても使われずに放置となってしまう可能性も…。タスク管理ツールを選ぶ時、比較すべきポイントをまとめてみました。
機能性
タスク管理をする際、何を重視しているかによって必要な機能は異なります。
・チームの誰でも操作しやすい
・専門知識のあるメンバーの使用に特化したい
・コミュニケーションが取りやすい
・タスクだけをシンプルに管理できればよい
など、チームの方針にあった機能を検討しましょう。
また、タスク管理全般をバランスよく効率化させたいのであれば、機能がオールインワンで備わっているタスク管理ツールを選ぶとよいでしょう。
機能性を確かめるには無料トライアルを利用して、チームメンバーでタスク管理ツールを運用してみることをおすすめします。
サポート体制
どんなチームであっても、サポート体制は必ず確認しておきましょう。ITに強いメンバーで構成されていたとしても、トラブルやエラーなどがあった際には、ベンダーのサポートが必要です。
サポート窓口の対応時間、コンタクトを取る手段、対応言語をチェックします。さらに、デザイナーやエンジニア、コンサルタントによる専門的なサポートがあれば、タスク管理ツールがさらに使いやすくカスタムできるでしょう。
金額・プラン
ほとんどのタスク管理ツールは、人数や容量、機能の制限なく利用する場合、コストがかかります。タスク管理ツールを選ぶ時には、導入時にかかるコストやランニングコストを比較しましょう。
小規模なチームで行うプロジェクトであれば、無料で導入できるタスク管理ツールもあります。できる限りコストを抑えたいのであれば、無料の範囲でどの程度活用できるかをチェックしてみましょう。
また、今後プロジェクトが大きくなる可能性があるのなら、導入時のプランからどの程度アップしうるかもチェックしておくといいでしょう。人数や容量、機能、タスク管理ツールによって、課金の条件は異なります。
他ツールとの連携
近年ではタスク管理ツールに限らず、便利なツールがたくさんあります。チャットツールやスケジュール管理ツール、クラウドのストレージなど、すでに導入しているツールがあれば、連携ができるツールを選ぶと移行の手間がかからなかったり、導入後にツールを行き来したりする手間を省くことができるでしょう。
チームで活用できるタスク管理ツール5選
最後に、チームでの活用におすすめのタスク管理ツールを5つ挙げてみました。タスク管理ツールを選ぶ際の参考にご覧ください。
Trello
直感的な操作や視覚的に把握できるUIが特徴のTrelloは、ドラッグ&ドロップでタスクを動かして、優先順位や進行状況を管理するツールです。気軽に操作できることから、ITに詳しくないメンバーがいても導入しやすいツールといえるでしょう。
タスク管理に必要なタイムスケジュールは、タイムラインビューやテーブルビュー、カレンダーなど、視点を変えて管理ができます。
無料プランはストレージ容量に制限があるものの、人数無制限で使用できます。有料のプランにアップグレードすると、使える機能の幅が増えます。
Microsoft Planner
Microsoft社が開発する、タスク管理ソフトウェアがMicrosoft Plannerです。プロジェクト管理ツールほどの機能は必要なくとも、個人のタスク管理ツールでは事足りない時に適したツールです。
Microsoft 365のアプリケーションとの連携ができ、特にMicrosoft Teamsを使用しているチームにおすすめのツールといわれています。
1ヶ月の無料体験ののち、本導入となった際はユーザー数ごとに課金されるシステムです。使える機能によってプランを選択します。
Stock
Stockは、チームの情報共有とタスク管理に特化したツールです。チャットでは見逃しやすく、ファイルの共有では面倒なチームの情報を簡単に蓄積でき、チームのメンバーならいつでも取り出すことができます。
極めてシンプルな操作性を持つため、さまざまな人が所属するチームでも無理なく導入ができるでしょう。
無料のお試しプランがあり、本導入となった場合、チームの規模によってプランが変わります。いずれもノート機能は無制限に使用が可能です。
Todoist
シンプルにToDoを管理するツールがTodoistです。シンプルながらも多機能で、優先順位や期限、カテゴリーなども設定できます。しかし、ToDoの管理に特化したツールであることから、大規模なプロジェクトにおけるタスク管理の場合、機能が不足するかもしれません。
難しい操作は一切ないので、初めてタスク管理ツールに触るような人でも、すぐに使いこなせるでしょう。
5人までは無料で導入できますが、最低限の機能しか使えません。チームでタスク管理をする場合、有料版の検討をおすすめします。
TeamHack
TeamHackは、タスク管理や時間管理、コミュニケーションツールなど、全ての機能がまとまったチーム向けのタスク管理ツールです。複数の案件を横断的に管理できるツリー型でタスクを見える化し、タスクには付随する情報を設定できます。
タスクごとにチャットを交わせるようになっているので、タスク管理と並行し、関連するやりとりが可能です。また、細部までこだわりの詰まった便利な機能が備わっていることも特徴です。
無料のお試しプランを利用したのち、利用人数ごとに加算される有料プランにアップグレードすると、利用制限がなくなります。
まとめ
チームで同じ方向を向き目標を達成するためには、タスク管理ができる環境を整える必要があります。そのためにも、タスク管理の方法を理解し、適切なツールを導入することが重要です。
TeamHackersでは、タスク管理に関するさまざまな記事を紹介しています。本稿では触れていないタスク管理のコツや、今回紹介できなかったタスク管理ツールを紹介しています。合わせてご覧ください。
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