リモートワークやギグエコノミーが普及し、プロジェクトの形も多様化しています。それに伴いプロジェクト管理も複雑化し、その方法に頭を悩ませるプロジェクトマネージャーも少なくありません。今こそ、改めてプロジェクト管理とは何か? そして、目的ややり方、成功のポイントについて考えてみましょう。
プロジェクト管理とは
プロジェクト管理とは、プロジェクトを成功に導くために計画し、コントロールやサポートすることをいいます。より具体的にみてみましょう。
人・モノ・時間・お金・情報を管理
目標達成に向けてプロジェクトを進めるには、限られた人・モノ・時間・お金・情報を管理する必要があります。メンバーのリソースやスケジュール、経費、品質など、さまざまな面でプロジェクトの要件を満たすために、細やかな管理を行います。
これらの管理は、主にプロジェクトマネージャーが行います。納期の遅れや品質低下が起きていたら、原因を突き止めて対策をし、変更があったら臨機応変に調整をする必要があります。
プロジェクト管理の目的
プロジェクト管理を行う目的は、決められた納期や予算内、かつ求められる品質以上の成果でプロジェクトを完了させることです。ビジネスシーンでは、これらの管理すべき項目を「Quality(品質・仕様)」「Cost(コスト・予算)」「Delivery(納期)」の頭文字を取って「QCD」と呼びます。
決められた納期、決められた予算、決められたクオリティでプロジェクトを完了させることができれば、プロジェクトが成功したといえます。
そのためにも、プロジェクトに関わる多くの人や複数のチームが、各々のタスクを滞りなく進められるように管理をします。
ほとんどのタスクは相互に関与しており、タスクの遅れや漏れ、変更などが発生すると、プロジェクト全体に影響を与えることになります。それらの影響を最小限に抑え、プロジェクトの円滑な進行を取り戻すために、なくてはならないのがプロジェクト管理なのです。
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プロジェクト管理の目的とは? プロジェクトマネージャーが意識すべき10の要素を明確にして成功に導く方法
プロジェクト管理のメリット
プロジェクト管理のメリットを理解することで、プロジェクト管理はさらに意味のあるものになります。3つのポイントに分けて、細かく解説してみましょう。
期間や時期の順守
多くのプロジェクトには納期や期限が存在します。その期日をゴールとし、プロジェクト管理を行いますが、プロジェクトを進める道中にはさまざまなトラブルが予想されます。
日頃から管理の行き届いているプロジェクトであれば、タスクやフローの見直しや役割の再分担などを行いながら、プロジェクトに遅延が発生しないようにコントロールできるのです。
利益の最大化
プロジェクトにはたくさんの不要なタスクやプロセスがあるものの、見える化されず習慣的に続けています。プロジェクト全体を俯瞰することで、不要なタスクやフローを見つけ出し、削減することができます。
さらに、プロジェクト管理によってチーム間の連携がスムーズになることから、コミュニケーションコストを下げることができます。
結果、コストが削減され、プロジェクトの収益アップにつながることも大きなメリットです。
チームワーク向上
たくさんの人が関わる以上、チームワークなしにプロジェクトの達成は困難をきたします。そこでチーム間の連携を高め、チーム力を向上させるためにプロジェクト管理を行います。
プロジェクト管理により、チームのメンバーの進捗状況が一目でわかり、サポートや指導ができる関係性を築きやすくなります。
また、メンバーの意思統一ができるため、チームの一体感やモチベーションアップも期待できるでしょう。
プロジェクト管理のやり方
ここからは具体的にプロジェクト管理を進めていきましょう。まずはプロジェクト管理の進め方を解説します。
プロジェクトの要件・ゴールを決める
プロジェクトが目指す品質や納期、予算などの前提条件や目的を決めます。これらが決まると、プロジェクトのゴールが明確になり、チームの目指す方向性の統一やモチベーションアップにつながります。
また、要件や目的から逆算することで、タスクの優先度を適切に判断できます。
プロジェクトのタスクの洗い出し
ゴールに向かうために必要なタスクの洗い出しを行います。タスクの洗い出しが不十分で、後から後からタスクが出てくると、進行やコストの見直しが必要です。プロジェクトのスタートからゴールまでを具体的にイメージし、漏れのないよう洗い出しましょう。
タスクの洗い出しには、WBSという作業分解構成図を用いてタスクを分解し構造化する手法が非常に便利です。
WBSを作成する方法については「WBSとガントチャートを作るには? それぞれの違いや作成のポイントを解説」をご覧ください。
洗い出したタスクは、作業の内容や優先度、依存関係を元に整理します。また、タスクの担当者もしくは責任者や、対応期限の設定も行います。そうすることで、タスクの分担や着手すべき順番が把握しやすくなります。
プロジェクトの進捗の管理
納期から逆算し、洗い出したタスクをスケジュールに落とし込んだら、プロジェクトがスタートします。プロジェクトマネージャーは、プロジェクトが目指す品質や納期と作業の状況を比較し、予定通り進んでいなければ軌道修正をします。
進捗状況は常に確認できるようにし、既に起きてしまった遅れはもちろん、今後遅れやトラブルにつながりかねないリスクも早めに見つけ、対処することが求められます。
正確な進捗状況を把握するには、定期的なミーティングの開催やプロジェクト管理ツールの導入で、作業状況を共有するといいでしょう。
また、トラブルが発生したらスケジュールの見直しやタスクの変更、メンバーの増員を検討します。
プロジェクトをレポートし振り返る
プロジェクト完了時はもちろん、マイルストーンやフェーズごとにプロジェクトをレポートし、振り返りを行います。振り返りは、今後に向けた課題を見つけられるチャンスです。
これまでのプロセスを客観的に思い返し、スムーズに進んだ点や修正が必要だった点、リスクになりうる点などを見つけ、今後に活かしましょう。
振り返りは短いスパンで行った方が、思い出しやすいのはもちろん、課題を早めに見つけることができるので、大きなトラブルになる前に改善ができます。
振り返りを行う際には、問題に対する責任の追求はしません。また、自分に責任があっても必要以上に反省し落ち込む必要はありません。プロジェクトをよくすることを目的とし、真摯に向き合う姿勢が必要です。
プロジェクトで得た経験やナレッジは報告書等にまとめ、今後に活かせるように保存しておきます。
プロジェクト管理の成功のポイント
プロジェクトが成功するか否かはプロジェクトマネージャーの腕の見せどころ。では、プロジェクト成功に必要不可欠な要素とは? 具体的な成功のポイントを3つ解説します。
タスクの細分化と管理
プロジェクトはたくさんのタスクの積み重ねです。プロジェクトマネージャーは複数のタスクからなるプロセスをすべて管理しなければなりません。
作業を細分化したうえでの管理が、プロジェクト管理成功のカギをにぎります。
細分化したタスクは、詳細・納期・担当者・連携などを明確にして管理することはいうまでもありません。誰がどのタスクをいつまでに行うのかは、誰もがわかるように見える化することも成功のポイントになるでしょう。
プロジェクトメンバーのスキルを管理
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトに関わるメンバーのスキルや性格、経歴を踏まえて管理を行います。チーム編成やタスクの割り振りにおいて、スキルなどを把握していると、無駄のない人材配置ができます。
また、プロジェクトに発生した遅延や突然加わったタスク、トラブル対応も、メンバーのスキルがわかっていれば臨機応変に対応できるので、プロジェクトへの影響は最小限で済みます。
円滑なコミュニケーション
社内・社外問わず、プロジェクトには複数のメンバーが関わることがあります。メンバー間のコミュニケーションは、意思の疎通やすれ違いの防止、信頼関係の構築のために欠かせません。
万が一プロジェクトに関するネガティブな報告があったとしても、メンバー間の良好な関係性が構築されてさえいれば報告がしやすく、早急に対応できます。
プロジェクト管理に欠かせない【PMBOK】とは
PMBOK(ピンボック)とは、Project Management Body Of Knowledgeの頭文字をとった言葉です。プロジェクト管理に関する必要な知識やノウハウを体系的にまとめたもので、いわばプロジェクト管理の参考書のようなものです。
現在では、プロジェクト管理の世界標準として、世界各国に浸透し、プロジェクトの成功を収めるための指針にもなっています。
PMBOKの目的とは
PMBOKの目的は、適切なプロジェクト管理を行い「QCDを達成する」ことです。QCDとは、Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)の頭文字を並べた言葉で、プロジェクト管理の重要な要素とされています。
プロジェクト管理の成果を左右するQCDの達成、つまり品質を維持または向上しながらコストと納期を計画・実行をすることが、PMBOKの目的といえるでしょう。
プロジェクト管理にPMBOKを取り入れるメリット
プロジェクト管理にPMBOKを取り入れることで、数多くのデータによる知識を活用できれば、効率的にプロジェクトを推進できます。さらに、目標達成に至るまでのプロセスも細かくコントロールできるため、プロジェクト管理の精度が高まり、改善点の洗い出しも可能です。
また、PMBOKは、プロジェクト管理の世界標準とされているため、海外メンバーとも共通認識を持つことができます。ビジネスのグローバル化が拡大している現代社会において、国や地域差なく、メンバー全員が同じ認識を持ってプロジェクトを進められることも、PMBOKを取り入れるメリットといえるでしょう。
PMBOK第6版概要
2017年に出版されたPMBOK第6版では、49個のプロセスが「10の知識エリア」と「5つのプロセス群」に分類されています。
10の知識エリア
プロジェクト管理に必要となる知識を、「10の知識エリア」として10分割しています。これらの知識エリアは、それぞれが密接に関わっており、バランスを取りながら適切に管理を行う必要があります。
統合管理
統合管理には、他の9つの知識エリアをとりまとめて管理し、プロジェクトを成功に導く役割があります。それぞれの知識エリアを個別に見るだけなく、全体的に確認しながら、プロセスの調整や管理を行います。統合管理は、プロジェクト管理の中心となる知識エリアといえるでしょう。
スコープ管理
プロジェクトを成功させるために、どのような作業が必要かを洗い出し、無駄のないプロセスを作ります。最終的な成果物のために必要な作業を明確にすることで、成功への道筋を作り、目標達成の確率を高めることができます。
スケジュール管理
スケジュール管理では、スコープ管理で定めた作業や成果物を、いつ・誰が・どのように行うかを具体的にします。プロジェクト全体を計画通りに進めるためのスケジュール管理だけでなく、作業の優先順位を見極め、生産性の向上を高める管理も行います。
コスト管理
コスト管理、つまり費用のマネジメントを行う知識エリアです。プロジェクトの遂行に必要な費用の見積もりをはじめ、資金の調達や財源の確保など、費用の管理も含まれます。
品質管理
成果物の品質基準を明確にし、品質を維持する管理を行います。各プロセスにおいて品質を継続的に監視するだけでなく、成果物がクライアントの要求を満たしているかのチェックも行い、品質低下を防止する役割も担います。
リソース管理
プロジェクトを遂行するために必要な人材、物資、時間などのリソースを管理する知識エリアです。プロジェクトに必要なメンバーの起用やチームの編成、人材の育成を行います。人的リソースだけでなく、物的リソースの調達・管理も含まれます。
コミュニケーション管理
従業員や取引先といったステークホルダーとの間で、情報交換を円滑に実施することを目的とした知識エリアです。相手が理解できるように情報を伝えるだけでなく、正しく伝わっているかを確認することも重要です。
リスク管理
プロジェクトを遂行する過程において、リスクを分析し、プロジェクトを妨げることがないよう処置を検討します。ここでのリスクとは、必ずしもマイナスな影響を与える事象を指しているのではなく、プロジェクトに影響を与える可能性がある不確実な事象を指します。
プロキュアメント(調達)管理
プロジェクトに必要なサービスや人員、資材を調達し、管理する知識エリアです。調達先の選定や契約、進捗管理や検品など、調達に関わるすべての範囲をカバーします。
ステークホルダー管理
利害関係者を洗い出し、良好な関係性を構築する知識エリアです。プロジェクトに影響を与えるステークホルダーを特定し、その影響力や期待値を分析します。プロジェクトに対し、ステークホルダーが効果的に関与してくれるように管理することが求められます。
5つのプロセス
PMBOKでは、プロジェクトの開始から終了までの流れを、5つのプロセスに分類しています。それぞれのプロセスについて詳しくみていきましょう。
立ち上げプロセス
プロジェクトに必要な情報を集め、目標や予算、成果などを定義します。プロジェクトを公式に認可する文書「プロジェクト憲章」の作成やステークホルダーの特定も行います。
プロジェクト憲章に基づき、プロジェクトが正式に承認されることによって、プロジェクトが立ち上がります。
計画プロセス
立上げプロセスで定義した内容に基づき、プロジェクトの成功するための計画を策定します。
PMBOKでは実作業の計画だけでなく、コスト、人員、予算、リストなど、実作業以外の管理項目にも目を向け、計画書を作成します。
実行プロセス
計画プロセスで企画・設計した計画に基づき、必要なリソースの確保と調整を行い、プロジェクトを実行するプロセスです。
プロジェクトの遂行過程で生じた問題や課題から、計画の見直しや目標の再設定なども行う場合もあります。
監視・コントロールプロセス
実際にプロジェクトを進める中で、計画と進捗状況を比較しながら、ズレが生じていないかを確認するプロセスです。ズレが生じている場合は、必要に応じて軌道修正を行います。
実行プロセスの結果、軌道修正が必要な場合も、監視プロセスでプロジェクトの点検を行います。
終結プロセス
計画したプロセスが問題なく完了しているかを確認し、プロジェクトを正式に締めくくるプロセスです。
プロジェクトの実行で得た情報やノウハウを保管し、次のプロジェクトへ活かせるよう準備を進めることも大切です。
PMBOK第7版概要
市場環境やトレンドの変化などに対応するため、PMBOKは定期的に改正されています。最新版は、2021年にリリースされたPMBOK第7版です。
PMBOK第6版までは、コンテンツの主体はプロジェクト管理のハウツーが主体だったのに対し、第7版ではプロジェクトの方針や考え方などの原理・原則がコンテンツの主体となっています。
また、プロジェクトの遂行目的が「成果物提供システム」から「価値の提供システム」へと変更されたのも大きな特徴です。
12のプロジェクト・マネジメントプリンシプル
第6版で定義されていた「5つのプロセス群」は、変化の激しい現代社会にも柔軟な対応ができるよう、第7版では「12のプロジェクト・マネジメントプリンシプル」へと変更になりました。
ここでは、プロジェクトを進めていくための原則的な指針「12のプロジェクト・マネジメントプリンシプル」について解説します。すべての指針に従うのではなく、組織のプロジェクトでより効果が高まるよう、適合することが大切です。
スチュワードシップ
スチュワードシップ(Stewardship)とは、執事や管財人を意味する「スチュワード(Steward)」から派生した言葉で、「受託責任」という意味があります。
プロジェクト管理では、責任を持って行動し、誠実さや信頼性を意識した活動が求められます。
チーム
プロジェクトの成功には、協働的なプロジェクト・チーム環境を構築することが重要です。協働的とは、共通の目的を達成するため、互いの特性を認識・尊重し合い、対等な立場で協力する関係を指します。
お互い尊重しあえるチームを作ることで、個人で作業するよりも効果的かつ効率的に、プロジェクトの達成を目指すことができます。
ステークホルダー
プロジェクトに関わるステークホルダーと効果的に関わることも大切です。プロジェクトの成功とステークホルダーの満足度に貢献するためには、積極的にステークホルダーを巻き込む姿勢がプロジェクト管理には欠かせません。
価値
プロジェクト管理の究極の目標は価値です。計画通りに成果物を生み出したとしても、価値が実現できていなければ、プロジェクトの成功とはいえないでしょう。
成果物をゴールにするのではなく、価値を重要視してプロジェクト管理を行う必要があります。
システム思考
ここでのシステムとは、インターネットや機械として捉えるのではなく、プロジェクトやタスクといった組織全体をシステムと捉えます。
組織全体を大きな仕組み(システム)と考え、各部門が相互に作用していることを認識し、適切な評価や対応することが大切であることを示しています。
リーダーシップ
リーダーシップとは、周囲のモチベーションを高め、影響を与えて指導することです。
リーダーシップには、モチベーションを上げるコーチ型や部下に任せる放任型など、さまざまなスタイルがあります。どのスタイルが一番良いというものではなく、状況に見合ったリーダーシップが求められます。
テーラリング
テーラリング(tailoring)とは、「洋服の仕立て」という意味がある言葉です。
プロジェクトの状況や背景は常に異なるため、同じプロセスややり方を適用することは望ましくありません。テーラリングは、状況に合わせたプロセスを、自分たちで組み立てる必要があることを示しています。
品質
これまでのプロジェクト管理では、成果物の品質に焦点をあてていました。しかし、プロジェクトの遂行目的が「価値の提供システム」へと変更になったことから、成果物だけでなく、プロセスにも品質を求める必要があることを示しています。
複雑さ
プロジェクトは複雑であるため、どれだけ綿密に計画を立てたとしても、すべてが計画通りに進めることはできないという認識を持つことが大切です。
プロジェクトは複雑であることを理解した上で、プロジェクトを円滑に進められるよう、知識や経験を活かしながら複雑性に対処することが求められます。
リスク
PMBOK第6版のリスク管理と同様、プロジェクト全体に発生する可能性がある不確実な出来事や状態のリスクを把握し、リスクの影響が最小限になるよう対処します。
リスクの把握は一度きりではなく、プロジェクトを進行中は継続的に対応しなくてはなりません。
適応力と回復力
「適応力」とは変化する状況に対応する能力、「回復力」とはトラブル発生時のダメージを最小限に抑え、迅速に回復する能力です。
どのようなプロジェクトも、トラブルが発生したり失敗したりすることは当然のこととし、適応力と回復力を持つことが大切であることを示しています。
変革
プロジェクトの成功や組織としても未来像に向かうためには、変革そのものではなく、「変革できるようにすること」が求められます。
プロジェクト管理では、従来のプロセスに固執するのではなく、新しいプロセスを積極的に採用し、挑戦する姿勢が必要不可欠です。
プロジェクト管理の代表的な手法
次に、代表的なプロジェクト管理の手法や管理の流れをまとめました。
ガントチャート
タスクの進捗を可視化するために使用されるチャートをガントチャートといい、昨今では幅広くプロジェクト管理の際に活用されるようになりました。進捗状況や作業工程、スケジュールやマイルストーン、担当者など、プロジェクトに関わる情報を効率良く把握・共有できます。
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ガントチャートとは?プロジェクト管理で利用する3つのメリットとおすすめツールをご紹介
WBS
【プロジェクトのタスクの洗い出し】の章でもお話ししたWBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトで発生する作業を細かく分解した構成図です。作業を書き出すことでプロジェクトの全体像を把握し、タスクを明確にします。
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進捗管理
タスクごと進捗状況を数字などを用いて具体的に示し、目標までの達成値を明確にします。日報やガントチャート、カンバン方式などを用いて管理するケースが多く見られます。
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進捗管理とは? プロジェクトを成功させるためのコツやおすすめのツールを紹介
プロジェクト管理ツール
オンライン上で共有できるプロジェクト管理ツールを利用すれば、プロジェクトの進行状況を効率的に管理できます。
プロジェクト管理ツールなら、スケジュール管理やタスク管理がしやすく、プロジェクトの優先順位や課題がわかりやすくなります。
また、メンバーが自発的に動ける体制が作られ、プロジェクトマネージャーも的確な指示が出せるようになるでしょう。
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プロジェクト管理ツールで業務を効率化! おすすめのツールや選定方法も紹介
プロジェクト管理の成功のポイント
プロジェクトが成功するか否かはプロジェクトマネージャーの腕の見せどころ。では、プロジェクト成功に必要不可欠な要素とは? 具体的な成功のポイントを3つ解説します。
タスクの細分化と管理
プロジェクトはたくさんのタスクの積み重ねです。プロジェクトマネージャーは複数のタスクからなるプロセスを全て管理しなければなりません。
作業を細分化したうえでの管理が、プロジェクト管理成功のカギをにぎります。
細分化したタスクは、詳細・納期・担当者・連携などを明確にして管理することはいうまでもありません。誰がどのタスクをいつまでに行うのかは、誰もがわかるように見える化することも成功のポイントになるでしょう。
プロジェクトメンバーのスキルを管理
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトに関わるメンバーのスキルや性格、経歴を踏まえて管理を行います。チーム編成やタスクの割り振りにおいて、スキルなどを把握していると、無駄のない人材配置ができます。
また、プロジェクトに発生した遅延や突然加わったタスク、トラブル対応も、メンバーのスキルがわかっていれば臨機応変に対応できるので、プロジェクトへの影響は最小限で済みます。
円滑なコミュニケーション
社内・社外問わず、プロジェクトには複数のメンバーが関わることがあります。メンバー間のコミュニケーションは、意思の疎通やすれ違いの防止、信頼関係の構築のために欠かせません。
万が一プロジェクトに関するネガティブな報告があったとしても、メンバー間の良好な関係性が構築されてさえいれば報告がしやすく、早急に対応できます。
プロジェクト管理ツールの選び方
プロジェクト管理ツールは、プロジェクトの全容を見渡せ、情報共有ができる便利なツールです。必要事項を埋めるだけで進捗状況をタイムラグなく可視化できるため、プロジェクト全体の進捗状況を把握できます。万が一トラブルが発生したとしても、早急に対応できるでしょう。
そのためには、プロジェクトに合ったツール選びがカギとなります。この章では、プロジェクト管理ツールの選び方を紹介します。
機能で選ぶ
プロジェクト管理ツールの主軸は「タスク管理」と「スケジュール管理」です。そのほかに、ガントチャートや工数管理、wiki、チャット、ダッシュボードなど、ツールによってできることは異なります。どれもプロジェクト管理において便利な機能ですが、必要以上の機能は使いこなすことができず、ツールの操作が複雑化します。
プロジェクト管理ツールに何を求めるかを明確にし、必要な機能を見極めましょう。
導入形態で選ぶ
プロジェクト管理ツールの導入形態は、web上のサーバーに情報を保存する「クラウド型」、個々のパソコンに情報を保存する「インストール型」に分かれます。
それぞれメリットとデメリットがあるため、プロジェクトの特性や組織の方針に合った導入方法を検討しましょう。
クラウド型
情報をクラウド上で管理してサービスを利用する導入形態です。インターネット環境がなければ利用することはできませんが、いつでもどこからでも閲覧や更新が可能です。オフィスだけでなく、在宅勤務でも利用できることもメリットといえるでしょう。
インストール型
パソコンなどにツールをインストールして利用する導入形態です。インターネット環境がなくても利用でき、サーバーを共有しないためセキュリティ面の高さがメリットです。インストールから保守・運用までを自社で行う必要があるため、手間とコストがかかります。
金額で選ぶ
プロジェクト管理ツールの導入には、初期費用とランニングコストがかかります。
一般的な初期費用は、クラウド型なら比較的安価で、インストール型やオンプレミス型は構築費用がかかるため高価な傾向があります。クラウド型はインターネット環境が必要となるため、それも考慮しましょう。プロジェクト管理ツールの利用期間を考慮し、費用対効果を検討する必要があります。
また、利用人数や容量、機能に応じてランニングコストがかかります。スタート時の環境で判断せず、プロジェクトが今後どの程度大きくなるのかを想定して選びましょう。
プロジェクトの規模が大きくなった時に、プロジェクト管理ツールをアップグレードできるかや、その場合のコストまで見越しておきます。
コミュニケーション機能をチェック
チーム間での情報共有が頻繁なら、コミュニケーション機能がプロジェクト成功のカギを握ります。頻繁なメッセージのやりとりやリアクションによるコミュニケーション、申し送りを必要とするプロジェクトの場合、コミュニケーションが取りやすいツールであることが決め手になるでしょう。
操作性で選ぶ
日常的に使用するツールは、使いやすさが重要です。メンバーのITリテラシーと管理ツールの性能の差が大きく開いてしまうと、ツールを導入する際の学習コストがかかります。
また、使いこなせずにお飾りのようなツールになっては意味がありません。直感的に操作できるかどうかは、デジタルに不慣れなメンバーが使用することも視野に入れて判断しましょう。
無料トライアルがあれば、必ず導入前のモニタリングをおすすめします。
プロジェクトの規模で選ぶ
プロジェクトのボリュームに適したツールであることはもちろん、さまざまな立場のメンバーが参画する場合は、メンバー管理をする必要があります。メンバーの招待や削除、権限管理、ログイン履歴の確認などができれば、プロジェクトの機密保持ができ、セキュリティ面でも安心して利用できるでしょう。
まとめ
過去、定期的な会議で進捗報告をしたり、エクセルで作った表を使ったりしプロジェクト管理を行っていましたが、IoTが進むとともに、webツールなどを活用したプロジェクト管理を行うようになりました。これにより、プロジェクト管理の質や効率は大きく向上しました。
一方、冒頭でお伝えしたように、多様化するプロジェクトにおいて、プロジェクト管理の難易度も上がっています。
プロジェクト管理はプロジェクトの土台。ますます高まるプロジェクト管理の必要性とともに、そのスキルが求められています。プロジェクト管理の基本に立ち返り、スキルアップを目指してはいかがでしょうか。