TeamHackersでも度々お伝えしているタスク管理。個人はもちろん、チームの入り組んだタスクを滞りなく進めるには、タスク管理が必要不可欠です。本稿ではタスク管理のメリットやコツ、ツールを紹介します。
タスク管理とは?
タスク管理とは、やるべき作業を洗い出して整理し、進捗を管理することで業務効率化を図る手法です。タスク管理を行うことで、タスクに優先順位をつけながら適切な順序で対応が可能となります。
一般的に、タスクとは期限までに行うべき小さな単位の作業を意味します。管理すべきタスクには、個人で完結するタスクとチームで連携して行うタスクがあります。
個人タスクとチームタスク
例えば「クライアントへの提案書送付」であれば、「提案書の作成」がチームのタスク、「資料探し」「提案書のフィードバック」などが個人のタスクとして割り当てられるはずです。
また、今後より良い提案書を作成するために、過去の資料の見直しや分析をするのも個人のタスクになるでしょう。
タスク管理の対象がチームか個人かで、その位置付けは大きく変わります。
個人タスク
メンバーが個々に与えられた作業が個人タスクです。個人タスクの場合、自分のやるべきことを洗い出し、優先順位をつけて期限内に完了できるように作業の順番を決めます。
個人のタスクの場合、自分だけで完結するものと、他のメンバーとの連携が必要なものがあります。特に連携が必要なタスクは遅れてしまうと他者に迷惑がかかるので、優先的に取り組まねばなりません。そのため、両者を明確にした上で管理をする必要があるのです。
チームタスク
複数名の連携によって成り立つタスクは、チームタスクとして管理します。チームでのタスク管理は、プロジェクトをスムーズに進行させることを目的としています。
プロジェクトマネージャーは全体のスケジュールや進捗状況を踏まえて、各メンバーへのタスクの振り分けや責任者のアサインを行います。
チームタスクのほとんどが依存関係にあるため、着手する順番や進捗状況を明確にする必要があります。
タスク管理とToDo管理との違い
タスクとToDo管理は、往々にして同じ意味で使われていますが、大きな違いは、タスクには期日が設定されており、ToDoには期日が設定されていないという点です。
ToDoは、いつかやらねばならないものの、基本的には期日が設けられておらず、タスクのストックのような位置付けて管理されます。ToDo管理の方法は人によって異なりますが、空いた時間にToDoを差し込んだり、定期的にToDoリストを見直して、優先度が上がったToDoに期日をつけてタスクにしたりする人が多いはずです。
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タスク管理の目的
タスク管理を行う目的は、ビジネスをスムーズに進めることです。日頃、作業を進める中で発生するタスクは、順序正しくやってくるわけではありません。これらを管理せずにいると、作業の漏れや遅延が発生するでしょう。
それらはビジネスを進める上で致命的なミスになりかねません。タスク管理を行えば、作業すべきタスクが見える化され、着手する順番が明確になります。
タスク管理を行うメリット・必要性
では、工数を割いてまでタスク管理を行うメリットや必要性はどこにあるのでしょう。タスク管理を行う意図を理解するために、5つのメリットを挙げてみました。
タスクが明確にできる
日々増えたり減ったりするタスクの全貌が明確になることが、タスク管理の大きなメリットです。仮にメンバーの急な休みがあっても、タスク管理を行っていればスムーズな引き継ぎができるでしょう。
また、緊急でやらねばならないタスクが振り分けられても、抱えているタスクのボリュームや進捗状況が見えているので、スムーズに着手でき、業務の進行に及ぼす影響を最小限に留められるはずです。
ただし、タスクを明確にするのであれば、入ってきたタスクをタスク管理するツールにもれなく記載することが必要です。出先などでも容赦なくタスクは発生するので、フレキシブルな入力や編集が求められます。
優先順位を決めて効率的に仕事ができる
通常、タスクはやるべき順に発生することはほぼありません。五月雨に発生したタスクを振り分け、適切な順番で着手する必要があります。タスク管理を行い、重要度と作業期日を整理していないと、目先のタスクや取り組みやすいタスクを優先してしまい、必要なタスクが後回しになってしまうこともあるでしょう。
タスク管理を行うことで、優先順位が明確になり、効率的な作業ができるようになります。
また、タスクを完遂できない時には適切なタイミングでサポートを求めるなど、臨機応変な動きができるようになるのです。
進捗状況を可視化できる
仕事に追われていると、今どれくらいのタスクが完了していて、どのくらいのタスクが残っているのかが見えなくなることがしばしばあります。
タスクを洗い出して整理することで、進捗状況の可視化ができるでしょう。
作業の抜け・漏れを防げる
複数名が関わるプロジェクトの場合、今誰がどの作業をしているかまで把握するのは困難です。すると、必要以上に待ってしまったり、作業の抜けや漏れが発生してしまったりします。
タスク管理をして担当者や責任者、対応期日を明確にすれば、それらを防ぐことができます。
タスクのお見合い状態がなくなる
今誰がどの作業をしているかが見えないと、同じタスクを重複して対応してしまうことがあります。逆に誰かがやっているだろうと思い込み、気づけば誰も手をつけていなかったというケースも起こりうるでしょう。
タスク管理では担当者や責任者を明示するため、タスクのお見合い状態を防ぐことができます。
タスク管理のコツ5選
タスクを書き出して管理するだけというと、タスク管理は極めてシンプルな印象を持つかもしれません。しかし的確なタスク管理には、覚えておいてほしいコツがあります。当たり前のことかもしれませんが、改めてみていきましょう。
すべてのタスクを漏れなく書き出す
作業開始時や就業時には、タスクを漏れなく書き出してリスト化します。この時のポイントは、頭の中で考えるのではなく、実際に紙やデジタルツールに書き出すことです。
実際にタスクを書き出して見える化すると、忘れていたタスクが出てきたり対応漏れをなくしたりできます。
行動が明確になるまでタスクを細分化する
書き出したタスクは、作業単位になるまで細分化を行いましょう。抽象的なままでは作業に移しにくいので、できるだけ具体化することが重要です。
例えば「会議資料の作成」というタスクの場合、データの収集、パワーポイントでの資料作り、印刷もしくは関係者へのメール送付、といった細分化ができるでしょう。
各タスクの期日を決める
細分化したタスクには対応する期限を決める必要があります。納期から逆算し、期日を書き出しておきましょう。
期日を決める際は、多少ゆとりを持って設定しておくと、急なタスクやトラブルが起きてもフレキシブルな対応ができます。
各タスクの作業時間を見積もる
細分化したタスクごとに作業の所要時間を見積もります。作業時間の見積もりは慣れるまで誤差が発生しがちです。期日同様、ゆとりを持って設定しておくといいでしょう。
あわせて、実際にかかった時間も記録しておくと、今後の作業時間の見積もりに役立つはずです。
優先順位を決めてスケジュールに落とし込む
作業期日と作業時間を考慮して優先順位を見立てます。優先順位の高いタスクから完了できるように、スケジュールに落とし込みましょう。
優先順位付けはタスク管理のキモといっても過言ではありません。緊急度と重要度のマトリクスを用いて、タスクの分類を行うことをおすすめします。
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タスク管理を行うための方法
タスク管理には大きく分けて3つの方法があります。アナログかデジタルか、コストをどれくらいかけるか、企業やチームの特性など、置かれている状況はさまざまなので、適したツールを選ぶといいでしょう。
紙・付箋
シンプルなタスク管理の一案として、紙や付箋にタスクを書き出す方法があります。複数名での共有が必要な際は、ホワイトボードなどメンバーの目につきやすい場所に貼り出します。
紙や付箋によるタスク管理は最も導入が簡単ですが、テレワークが主流の企業や外回りが多い業種などは、リアルタイムでの進捗状況の更新が叶わないため、タスクの扱いには注意が必要です。
また人によってタスクの記載方法や粒度に差が出てしまい、管理がしにくいというデメリットもあるでしょう。
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Excel・Googleスプレッドシート
ExcelやGoogleスプレッドシートで表を作ることで、タスク管理ができます。両者とも基本的な操作方法は同様ですが、Googleスプレッドシートであればクラウド上での管理が可能です。更新したタスクがリアルタイムでメンバー全員に共有されるので、利便性が高いと言えるでしょう。
ExcelやGoogleスプレッドシートでのタスク管理を行う際には、タスク管理表を作らねばなりませんが、テンプレートを利用すればタスク管理表を作る手間が省けます。自社に合わせたカスタマイズも容易にできるため、効率良く導入できるはずです。
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タスク管理ツール
タスク管理ツールとは、タスク管理をするための専用ツールです。タスク管理に特化しているので、ExcelやGoogleスプレッドシートよりも管理がしやすいはずです。
近年多くのタスク管理ツールが開発されていますが、そのほとんどがクラウド上で管理されているので、リアルタイムに進捗状況が更新されます。また、期日が迫ったタスクを上位に表示させたり、進捗が分かりやすいガントチャートの作成ができたりと、利便性がさらに高まることは間違いないでしょう。
おすすめのタスク管理ツール
最後に、企業やプロジェクトでよく使われるタスク管理ツールを5つ紹介します。さらにたくさんのツールを比較して選びたい人は、下記記事も合わせてご覧ください。
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Backlog
Backlogは元々エンジニアのタスク管理に使われていたツールです。タスクの進捗状況を直感的・視覚的に把握できるシンプルさが特長です。
例えば、ガントチャート機能を使って各タスクの発生から完了までの流れを可視化したり、バーンダウンチャート機能を使ってプロジェクトが計画通りに進んでいるかを確認したりと、機能もさまざまです。
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Trello
すべての機能が使え、同じボードを利用できる人数に制限がないことから、多くの企業で導入されているのがTrelloです。
カードにタスクを書き出し、直感的な操作で管理を行います。カードにはコメントを残したり必要な資料を添付したりできるので、タスクの完遂に必要な情報が集約できるでしょう。
ただし、機能面では他のタスク管理ツールには劣ります。しかしその分、操作が覚えやすいといえるでしょう。
また、Trello専用のChrome拡張機能が非常に多いため、必要に応じたカスタマイズも可能です。
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Asana
チームコラボレーションを効率化するための、プロジェクト管理ツールがAsanaです。直感的なUIや高い操作性を持ち、ITに慣れていない人でもすぐに操作ができるようになると言われています。
タスクはボードに集約して視覚的に管理を行うため、タスクの進捗状況が一目で分かります。タスクの担当者と次のステップが明確になるので、チームでの連携も取りやすいと言えるでしょう。
カンバン形式やリスト形式を選べたりアプリや他のツールとの連携ができたりと、個々が使いやすいようにカスタマイズが可能です。
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TeamHack
コミュニケーションのしやすさに特化したチーム向けのタスク管理ツールがTeamHackです。通常、コミュニケーションツールとタスク管理ツールはそれぞれ異なるツールを用い、画面を切り替えながら業務を行いますが、TeamHackならタスク管理ツールとチャットツールを連携させているため、ツールを行き来する手間が省けます。
タスクごとにチャットを交わせるため、会話に一貫性が生まれるのはもちろん、過去のコミュニケーションが遡りやすいのも特長です。
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Stock
Stockはチーム内の情報共有とタスク管理に特化したチーム向けのタスク管理ツールです。UI・操作性ともに極めてシンプルなので、ITに不慣れなメンバーでも操作がしやすいと言われています。
タスクに関連する情報は「ノート」にまとめて保存しておけるので、スムーズにタスクに取り組めたり情報を見返したりできます。
また、ノートごとにタスク管理やチャット機能がついているので、トピックごとに一貫した管理ができることも特長です。
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まとめ
「うっかり忘れていた!」とタスクの対応漏れを経験したことがある人にこそおすすめしたいタスク管理。コツや適したツールが分かれば、タスク管理を導入する意義がより実感できるはずです。
もはやタスク管理はビジネスをスムーズに進めるための必須のスキルといってもいいでしょう。タスク管理ができておらず、タスクの抜け漏れや遅延を起こしてばかりでは社会的な信用を失いかねません。
チームやプロジェクトにあったタスク管理の方法を見つけ、トラブルのないスムーズな進行を目指しましょう。