私たちの日常には、タスクを使ったビジネス用語や混同しがちなタスクの類語が溢れています。それらの用語を当たり前のように使っていますが、その意味を正しく理解していますか?
今回は、「タスク」やその類語、関連する用語の意味や使い方を詳しく説明します。タスク管理やプロジェクト管理に活かしたい人、基本から見直しを行いたい人は、今回紹介する用語をきちんと理解し、毎日の業務に取り入れていきましょう。
タスクの意味・定義
英語のtaskを語源とする「タスク」は、主に「やるべき仕事」を意味し、使われることがよくあります。タスクに関連する用語として「タスク管理」「タスクフォース」などといった言葉も、ビジネスシーンでは飛び交っているのではないでしょうか。
ただし、職業、役職という広く業務全般を指して使われる「仕事」とタスクは異なるニュアンスをもっています。タスクは、仕事や業務を構成するための最小単位である「やるべき作業」を意味します。
タスクという言葉を使用する2つのシーン
「タスク」には、「やるべき仕事」以外にも使われ方があります。片方はビジネスシーンで使われるタスク(やるべき仕事)、もう一方はコンピューター用語として使われるタスクです。それぞれの使われ方を比較してみましょう。
ビジネスシーンでの使われ方
ビジネスシーンで「タスク」というと、決められた期間内に遂行すべき「業務・作業・職務」を意味します。
一般的に、「会議用資料の作成」というような大枠の業務ではなく、「参考資料のリサーチ」「パワーポイントにまとめる」「印刷」など、業務全体を小さな単位に分けた作業を指して使われています。
一人ひとりが受け持つ作業の最小単位として「タスク」という言葉が使われているのです。
・タスクをたくさん抱えているので優先順位をつけて整理しよう。
・タスクは山ほどあるので分担しよう!
・今進めているタスクが終わらないと、次のタスクに着手できません。
というように、ビジネスシーンでは日常的に使われている言葉です。
コンピューター用語としての使われ方
タスクは「コンピューターが処理するプログラムの最小単位」という意味も持っています。「アプリケーション」も同様の意味合いで使われています。
例えばパソコンで表を作る場合、表作成ソフトの動作がタスクです。
・タスクバーから選択する。
・タスクマネジャーを起動してアプリを強制終了させる。
・マルチタスクに対応しているスマートフォン。
など、知識のない人には難しい言葉に感じるかもしれませんが、普段何気なく行っている動作を文字にすると「タスク」という言葉が使われているのです。
タスクを使った用語(ビジネスシーン)
ビジネスシーンでは、さまざまなタスクに関連する用語があります。用語の意味を改めて考えてみましょう。
タスク管理
タスク管理は各々が担当するタスクの優先順位や納期、進捗状況などを管理することを指します。タスクの対応漏れや遅延などのトラブルを防ぎ、業務の効率化や利益の最大化を図ることを目的としています。
個人・チーム問わずタスク管理を行うことができ、その手段もアナログ・デジタルとさまざまです。
一般的には、作業の細分化を行い、優先順位や期限を設定してタスク化し、その進行を管理するのがタスク管理です。チームで行う場合は、さらにタスクごとに担当を決めて管理をします。
タスクチーム
課題解決や緊急の業務の対応を目的とし、臨時で組織された集まりを「タスクチーム」と呼びます。
通常のチームと異なる点は、特定の目標や目的のために組織される特別なチームであるということで、基本的に活動期間が決められています。
タスクフォース
「タスクチーム」と似た意味で使われる用語に「タスクフォース」があります。
元来「タスクフォース」は「機動部隊」を意味する軍事用語です。軍事用語を語源としていることからもわかるように、ビジネスシーンで使われる「タスクフォース」は、緊急性の高い問題に対して、短期的に取り組む精鋭チームであることがほとんどです。
そのため、「タスクフォース」には、より会社にとって緊急性や重要性の高い課題が与えられます。
マルチタスク
「マルチタスク」とは、複数の作業を同時進行すること、もしくは短期的に作業を切り替えながら並行して作業することを言います。
例えば、
・ミーティングに参加し、話を聞きながら議事録を作成する。
・電話をしながらメールチェックする。
などがマルチタスクにあたります。
スマートフォンの普及で複数のデバイスを使い分けるようになり、何気なくマルチタスクが行われることが多くなったのではないでしょうか。
マルチタスクには、複数のタスクが同時進行でき作業効率がアップするというメリットと、注意力が欠如しがちだったり頻繁に頭の切り替えが必要だったりするというデメリットがあります。
1つのタスクに集中して作業をする「シングルタスク」との使い分けが求められています。
タスクを使った用語(コンピューター用語)
コンピューター用語でもさまざまな「タスク」を使った用語があります。IT化が進む昨今では身近な言葉となりつつあり、使用されるシーンも増えているのではないでしょうか。
パソコンやスマホでの作業ではたびたび使われる言葉なので、意味も含めしっかり覚えておきましょう。
タスクマネジャー
「タスクマネジャー」とは、起動中のアプリやプログラムを管理する機能のことを言います。
スマートフォンの動作が重くなった時には、「タスクマネージャーから不要なアプリを終了させる」という方法を実行した人は少なくないはずです。
windowsのパソコンの場合、タスクバーにカーソルを当てて右クリックし「タスクマネジャー」を選択すると確認ができます。
パソコンの動きが悪くなった時には「タスクマネジャー」を開き、「アプリケーション」というタブに表示される現在起動中のタスクを確認しましょう。不要タスクがあれば選択し、強制終了が可能です。
スマホでのタスク
スマホを使用する上で、「タスク」とは起動中のアプリのことを指します。
複数のアプリを起動させて、切り替えることを「タスク切り替え(画面切り替え)」、複数のタスクを同時に実行できるシステムを「マルチタスク」というように、さまざまな動作で「タスク」という言葉が使われています。
スマホの動きを軽くし、バッテリーの消費を抑えるために、使っていないアプリを終了させる動作は「タスクの削除」と呼ばれています。
タスクスケジューラ
「タスクスケジューラ」は、windowsに搭載されているツールです。ルーティン化された作業に便利な自動化ツールで、定期的に処理が必要な作業に役に立ちます。
windows内のアプリ「タスクスケジューラ」を起動して「基本タスクの作成」から設定を行いましょう。
定期的にバックアップを取りたい、ウイルスチェックをしたいなど、決められた日時に決められた作業を繰り返し行うよう設定することで、業務の自動化ができます。
タスクと間違われやすい用語
続いて、タスクに似た意味を持っているため間違われやすい用語をまとめてみましょう。
Todo
「Todo(トゥードゥー)」は「やるべき仕事・作業」を意味するという点では、タスクと同義と捉えられがちです。
しかし、タスクとTodoは作業を完了すべき期限があるかないかという点で異なります。Todoは「いつか実行しなければならないが、具体的な期限は定められていない」作業のことを指します。
Todoは「やるべきことのリストアップ」というニュアンスであり、優先順位をつけて処理することは困難です。
タスクを書き出してリスト化したい時にはTodo、期限や優先順位をつけて作業をしたい時にはタスクと、使い分けて管理をすると良いでしょう。
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プロジェクト
「プロジェクト」とは、複数のタスクからなる大きな計画を意味します。基本的に複数のメンバーでチームを作り、目標や目的の遂行のために業務を行います。
作業の最小単位である「タスク」とは、関わる人数や規模という点で異なります。
プロジェクトとタスクの違いは「参加人数」と「規模」の違いです。タスクは基本的には1人で作業し、会議の資料作りなど細分化された仕事のことを指します。
例えば、「説明会の開催」というプロジェクトは
・日程を決める
・会場のリサーチ
・会場の予約
・資料の印刷
・参加人数の確認
などといったタスクが集まって成り立っています。
つまり、「プロジェクト」という大きな単位の中に、複数のタスクが内包されているのです。
スケジュール
日時が決まっている、もしくは期間が区切られた予定を「スケジュール」といいます。
例えば、2022年5月20日10時から開催される「説明会」は、特定の日時に実行されるため、スケジュールにあたります。一方、「説明会用のスーツを用意する」、「資料を読む」、「会場までの交通手段を調べる」などの作業は、日時が特定できないため、スケジュールではなくタスクです。
また、ほとんどの場合「スケジュール」は他者が関わっているケースが多いといえます。日時が決まっているため、カレンダーやスケジュール帳に書きこんで管理を行います。
タスクを管理するのにおすすめのツール
【タスクを使った用語】の章でお伝えした「タスク管理」は、ツールを用いることで効率や確実性をアップさせます。今回はアナログ、デジタルともに、タスク管理におすすめのツールを紹介します。
紙とペン
紙とペンを使ったタスク管理は、デジタルが得意ではない人やタスク管理を始めたばかりの人におすすめです。難しい操作や専用ツールの導入などもなく、誰もが普段からやっている「メモをとる」ことの延長のようにタスク管理ができます。
・タスクを書いた付箋を手帳やホワイトボード、カレンダーに貼り付けて管理する。
・ノートにタスクを書き出して管理する。
・スケジュール帳を使って管理する。
など、さまざまな方法が挙げられます。
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Excel
デジタルツールなら、Excelの表を使ったタスク管理が可能です。Excelはパソコンやタブレットを使って仕事をする人にはなじみのあるツールなので、気軽に導入できるのではないでしょうか。
タスク管理用の表を作る際は、テンプレートを利用すると便利です。使いやすいようにカスタマイズができ、知識があれば数式を組み込んで、タスク管理を効率よく行うこともできます。
複数名でタスク管理をする場合はクラウドに入れるなどして、タスク管理表を共有しましょう。
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タスク管理ツール
TeamHackersが最もおすすめしたいのが、タスク管理ツールです。
・表を作る必要がない。
・複数名でタスクの進捗状況を共有できる。
・リアルタイムに更新される。
など、多くのメリットがあります。
タスク管理ツールがどんなものか、「TeamHack」を例にとってみてみましょう。
管理するタスクをTeamHackに登録すると、複数のプロジェクトを抱えていても横断的に管理ができます。また、複数のメンバーが同時にアクセスし閲覧や編集ができるので、タイムラグなく情報が共有されます。
登録したタスクは随時編集ができ、担当者や作業期限のようなタスクの詳細を設定したりタスクに必要な資料を紐付けて管理したりできます。タグやスターを利用しタスクを分類すれば、タスクの優先度も明示されます。
TeamHackは、タスクごとにチャットスペースがあることが特徴です。タスクに紐付いた会話が交わされるので、見落としが少なく、履歴を見直す際もスムーズです。
「全文検索」をすれば、タスク管理ツール内を検索できるのも非常に便利な機能です。タスク管理ツールに入力したタスクやドキュメント、チャットから検索されるので、必要な情報をすぐに取り出すことができます。
チームの規模に合わせ、いくつかのプランが用意されています。お試しプランなら無料でTeamHackを試すこともできます。
まとめ
今や日常的に使用される「タスク」の意味や使われ方、類語との違いがクリアになったでしょうか。タスクの意味や使われ方を知ることで、タスク管理やスケジュール管理への理解もグッと深まります。
ここで紹介した用語を意味を理解した上で使用すれば、仕事での会話がよりスムーズになるはずです。IT化の進む現代、知らない言葉がますます増えていくかもしれません。積極的に理解を深め、ビジネスシーンに活かしていく姿勢が求められているのではないでしょうか。