レゴブロックで育てる発想力と理科の学力

答えの見えない時代に柔軟な発想力と理科的な素養のある子どもを育てたいという保護者の方もいるのではないでしょうか。

経団連会長が「終身雇用を続けるのは難しい」という発言をしたことがニュースやSNSで話題になりましたし、大学生の新卒採用も4月入社だけでなく通年の採用に拡大するというニュースも報じられました。令和時代の日本は既存の価値観やルールが通用しなくなる時代です。与えられたことを素直に聞くだけでは生きていくのも難しくなるのではないでしょうか。

そんな不確実な時代を生きる子どものために土台をレゴブロックでつくるのです。

実はいま、発想力と理科の力を育むのにレゴ・ブロックを使った遊びを通して学ぶプログラムが注目を集めています。実は有名小学校のカリキュラムでもとりいれられている教育法でもあります。今回は、レゴブロックを使って、遊びを通して発想力と理科の素養の土台を育てる方法についてお伝えします。

レゴを使った教育と特色

レゴはデンマークの玩具会社です。プラスチック製の組み立てブロック玩具で有名な会社です。子どもの頃に触ったことがある人や聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

LEGOの名前の由来はデンマーク語で「よく遊べ」を意味する”Leg Godt”からきています。また、ラテン語でLEGOには「組み立てる」という意味があります。名前の由来のとおりレゴブロックは子どもがプラスチックのブロックの組み立て遊びをするための玩具です。

実は、このレゴブロックを通した遊びと組み立てが子どもの潜在的な能力を引き出すのです。

それでは、レゴ教育の特色や事例、強みをご紹介していきます。

体験を通して考える力を育む

レゴ教育はレゴブロックを使って組み立てる体験を通して物事の仕組みや関連性を探求し多くの知識を自然に学んでいくカリキュラムになっています。

・自分で考えながら遊ぶ
・手先を使って組み立てる

この2つがレゴ教育の特色です。子どもは発達段階に合わせレゴブロックの組み立てを通して試行錯誤を繰り返しながら学びます。

レゴ教育の理科学習の事例

小学校の理科教育には、「地球と月」というテーマがありレゴ教育にも対応しているプログラムがあります。

レゴブロックで自転する地球と公転する月のモデルを組み立てながら、月と地球の大きさや自転・公転の違いを学んでいきます。レゴ教育では自発的に自分の手を動かしながら能動的に学ぶことを通して仕組みや考え方を理解していきます。

地球は月よりも大きいことも地球を中心に月が回っていることも実際にレゴブロックで模型を組み立てることを通して学べます。子どもの発達段階では動画や本を読むメタ的な認知力がそもそも育っていないことも珍しくありません。むしろ具体的な活動や遊びを通して学んだことの方が身につきやすいのです。

本を読んだり受動的に動画だけ見ていてるよりも、実際に手を動かしながら体験を通して身につけていけるのでレゴ教育の方が子どもの記憶にも残りやすく深い理解につながります。

理科教育でも体験を通して学ぶことの重要性がさけばれています。教師が児童の前で理科の実験を実演してみせるのは簡単です。しかし、本当に子どもの学力を伸ばすのは一方的にうけとる情報ではなく自分の手と頭を動かした実体験です。

レゴでプログラミングの力も養える

レゴ教育にはプログラミングの学習教材もあります。例えばレゴブロックやモーター、センサー、付属のソフトウェアなどがセットになった組立キットが用意されています。

子どもはレゴで組み立てたロボットをタブレットやパソコンの専用アプリを参考にしながらプログラミングで動かして試行錯誤を繰り返します。手を動かし考えることを通して子どもはプログラミングを身につけてるカリキュラムになっています。つまりロボットをつくる遊びを通してプログラミングを学べるのです。

小学校ではプログラミング教育が2020年から必修化されます。プログラミングは英語と並んで、これからの現代社会を生きるための教養のひとつとして注目されています。しかし小学校の教員はプログラミングの専門家ではありませんし指導にも慣れていません。しかも義務教育課程で用意されるプログラミングの教科書や教材の質もいまのところ子どもにとって良い教材かどうか判断も難しいのが現状です。

手を動かしながら遊びを通してプログラミングを学べる良さがレゴ教育にはあります。

レゴをとりいれている小学校が増えている

レゴブロックで遊びを通して学ぶことなど本当にできるのかと考える方もいるかもしれません。しかし、既に日本の有名な国立大学付属や私立大学付属の小学校ではレゴをとりいれた教育カリキュラムを提供しているところもあります。

筑波大付属小学校

教育系の大学として有名な筑波大付属小学校ではアクティブラーニング教材の「レゴWeDo2.0」を用いた授業が取り入れられています。レゴWeDo2.0はアメリカのマサチューセッツ工科大学の協力や世界中の識者からの意見などをヒアリングし開発されており専門家のアイデアや経験が取り入れられているため十分、信頼できるでしょう。日本の理科教育に関連したプログラミングに合わせたカリキュラムでも使えるようになっています。

全国の小学校でも有名な教育系大学の流れを組む筑波大付属小の公開授業でレゴを使ったアクティブラーニングが実施されているため全国の小学校でも参考にするところが増えていくのではないでしょうか。

帝京大付属小学校

私立大学の付属小学校でもレゴを取り入れた理科教育がカリキュラムに組まれています。理科は体験を通して学ぶべきだという理科教育の理念のもとレゴのロボットの組み立てや学習指導要領から外れた滑車・光・音などのエネルギー科学の分野もカバーした発展的な理科教育の指導に力をいれています。

国公立だけではなく私立の学校でもレゴ教育は取り入れられています。

家庭でも可能なレゴ教育

レゴ教育は限られた国公立の付属や私立の小学校でしか受けることはできないのかといえば、そんなことはありません。例えば関東、関西、東海、東北、沖縄エリアにはレゴスクールがあります。
もしも近所にレゴスクールがあれば放課後などに習い事の一環として通わせることもできます。

またレゴ教育のキットを購入し子どもと一緒に手を動かしながら親子で学ぶことも可能です。子どもと一緒に手を動かしながら遊びを通して自ら学ぶ力と理科の学力が身につきます。

レゴエデュケーション:https://education.lego.com/ja-jp
レゴスクール:http://www.legoschool.jp/

Googleをつくったモンテッソーリ教育とのレゴの共通点

モンテッソーリ教育をご存知ですか?モンテッソーリ教育は「子どもには、自分を育てる力が備わっている」として子どもにもとから備わっている自主性・独立心・好奇心を引き出すマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。

世界の検索エンジンシェアの約9割しめるIT企業Googleをつくったのは実はモンテッソーリ教育だと言われています。Googleの創業者のラリー・ページとセルゲイ・ブリンはモンテッソーリ教育を受けて育ちました。

Googleの元副社長のマリッサ・メイヤーは

You can’t understand Google unless you know that both Larry and Sergey were Montessori kids. …
(ラリーとセルゲイがモンテッソーリ教育で育ったことを知らずしてGoogleは理解できない)

と述べています。モンテッソーリ教育を受けた人の中には現代社会で成功をおさめているクリエイティブな人材が多数います。

そして実は、このモンテッソーリ教育とレゴ教育には共通点があるのです。

子どもの手先を動かし体験を大切にするところ

レゴ教育もモンテッソーリ教育の手先を動かした意見を大切にするところに共通点があります。レゴ教育はレゴブロックを組み立てることで手先を動かし何かを組み立てることを通して学びます。モンテッソーリ教育でもモンテッソーリ教具と呼ばれる積み木やパズルなどを触りながら遊びを通して学びます。

子どものうちにある発想力を引き出すところ

レゴ教育もモンテッソーリ教育も子どもが本来持っているの好奇心や発想力を活動を通して引き出していくところに共通点があります。モンテッソーリ教育では教えこむ教育ではなく活動を通して発想力を引き出すことが主眼におかれています。レゴ教育も子どもが自分で考え手を動かしながら自分で考え問題を解決していきます。子どもを育てるときは発想力を引き出すという観点をもって接するべきです。

子どもを育てるときに大切なのは教えこみではない

現在、注目を集めているレゴ教育も過去に多くのクリエイティブな人材を輩出してきたモンテッソーリ教育でも子どもに詰め込み教育や丸暗記を強要するような教育をしていません。子どもを育てるときに大切なのは一方的な教えこみではありません。丸暗記や一方的な情報・知識の詰めこみでは思考力や自分で課題を解決する力がなかなか養われません。

また子どもの発達段階では抽象的な情報を教えこまれても十分に吸収できない、読解力が未熟なためテキストを読みこむだけの学習に向いていないなどの特徴もあります。

体験型のアクティブラーニングは子どもの発達段階にも合っており自ら考え課題を解決するのに適しています。また頭だけで学ぶよりも子どもは手先を含め全身をバランスよく使うことを通して学ぶ方が脳が育ちます。

子どもを育てる際には一方的に言い聞かせるのではなく、子どもが内に秘めているものを引き出す環境を整えることが大切です。

子どもには実際に活動する機会を用意しましょう

子どもには実際に手を動かす機会を用意するべきです。子どもは体験を通して具体的な経験から学びます。たとえ面白い話をしても分かりやすい動画を見せても一方的な情報の受け手として終わらせるべきではありません。私は昔、理科教育の担当を小学校でしていたこともありますが一方的な講義よりも実験や体験を通した授業の方が子どもが生き生きしていたのを覚えています。

一方的に情報を受けるだけでは子どもは退屈しがち

私が小学校の指導に慣れていない頃は一方的に知識を教えたり黒板や動画を見せることで授業を行なっていました。理科の実験や体験を通した活動の機会を準備するよりも一方的に情報を伝える方が手間もなく楽だからです。

しかし、いくらきれいに板書を見せても分かりやすい動画の教材を見せても、つまらなそうにしている子どもがたくさんいました。

実際に活動している子どもは生き生きする

子どもは一方的に教えるよりも何か課題に向かって自分で考えているときの方が生き生きとしています。一時期、私は一方的な講義をいかに分かりやすく綺麗に見せるかに拘っていました。しかし児童をよく見てみると何か自分で課題に取り組んでいるときの方が集中力を発揮し考えている様子が見られました。

主役は教師ではなく子どもです。そこで板書や動画で綺麗に情報を見せるよりも子どもが実際に手を動かし学ぶ機会を整える裏方に徹して授業を進めてみたら、やはり子どもは生き生きと課題に取り組んでいるのです。

このような経験則も個人的にあるため実際に手を動かし活動することが中心のレゴ教育は子どもに合っているだろうなと思います。

答えのない時代だからこそ課題を自ら解決できる子どもを育てる

現代社会は変化が激しく既存のルールもどんどん変わっていきます。そんな時代を生き抜くのに必要なのは一方的に教えられたことを覚える能力ではありません。自分で問題を解決していける人が変化の激しい社会で生きていけるのではないでしょうか。

レゴ教育と共通点のあるモンテッソーリ教育は子どもの潜在的な能力を伸ばす環境を整えた教育で世界のGoogleを生み出しました。FacebookのザッカーバーグもAmazonのジェフ・べゾフもモンテッソーリ教育で育ちました。

現代社会にあった新しく開発されたレゴ教育はモンテッソーリ教育のように世界をリードする人材を育てる土台になれるのか注目されます。

まとめ

レゴ教育はレゴブロックを組み立てる体験を通して物事の仕組みや関連性を探求し多くの知識を自然に学んでいくカリキュラムです。日本の有名な小学校でも実際に取り入れられており注目を集めています。実際に手を動かし自ら学び考えることで発想力や理科の力、さらにはプログラミングまで伸ばすことができます。

モンテッソーリ教育と同様、子どものもつ潜在力を引き出し伸ばす工夫がレゴ教育にはあります。
GoogleやAmazonをモンテッソーリ教育は生み出しました。モンテッソーリ教育との共通点もあり現代の教育理論やプログラミング学習が盛り込まれたレゴ教育は次世代をひっぱる人材を育てられるかが注目されます。

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