なぜ「読書量と年収は比例する」のか?その理由と読書を習慣化させる3つのコツ

「読書量と年収は比例する」とは、よくいわれます。海外だと、ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏が、国内だと立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏やピースの又吉直樹氏などが読書家として有名です。

ただ、本を読んでお金をもっと稼げるようになる理由はなんでしょう? 

「本を読む→知識がつく&頭が良くなる→仕事が上手くいく→出世し収入が増える」くらいのふわっとした理解をしている人がほとんどだと思います。本記事では、「本を読む→お金が増える」という通説を論理補強します。

「本を読む量と年収は比例する」は事実か?

「読書量と年収は比例する」実は、これを十分に証明する学術調査・研究は今のところありません。しかし、「読書量と年収が比例する」ことを示すデータはあります。

一番信頼できる調査は、「総務省 統計局 統計調査部 消費統計課」が全国9千世帯を対象にした「家計調査」(2018年)でしょう。次の表をご覧ください。

年収別の書籍購入費用のグラフ。
出典:総務省統計局「家計調査」(2018)より作成

上の表を見ると、書籍購入費(月)と年間収入に正の相関があることが一目でわかります。

その他にも、雑誌『PRESIDENT』(president.co.jp)が1002人のビジネスマンを対象にしたネットアンケート(2012年)によると、「月に4冊以上本を読む」のは、年収500万円ゾーンが17.0%であることに対して、年収1,500万円ゾーンが34.6%であるとしており、約2倍の開きがあります。また、日本経済新聞社(nikkei.com)が2009年に実施した書籍購入費(月)に関する調査では、年収「〜400万円」ゾーンの平均が1,914円である一方、年収「800万円」ゾーンの平均は2,910円、と示しています。

これらのデータから、「読書と年収が比例する」という説は妥当そうです。

どうして「読書量と年収は比例する」のか?

本章では、「読書量と年収は比例する」という説を支える筆者の意見をまとめます。

世の中の流れを知ることができる

読書をすると世の中の流れを知ることができます。一般的に、私たちの情報との接点として代表的なTVと新聞、インターネットそして書籍を5つの要素から次の表で比較しました。

  
TV新聞ネット書籍
網羅性×
方向性受動的受動的能動的能動的
偏向性×
信憑性××
精密性×
多様性

少し書籍ひいきな気もしますが⋯⋯(笑)

いずれにしても、書籍のメディアとしての有用性は随一です。「網羅性」「精密性」「多様性」が「◎」ですので、社会の様々な情報を具体的に知ることができます。つまり、世の中の流れを知るにはうってつけというわけです。また、「信憑性」「偏向性」も「◎」で、TVや新聞のように偏ることなく、信頼性の高い情報にアクセスすることができます。そして、情報を能動的に取得する姿勢が求められるので、世の中に対するアンテナを高く貼り、あらゆる出来事から役に立つ洞察を得ることができます。

多様な価値観に触れ、変化に柔軟になる

本の著者の一人一人が、様々な価値観を持っています。一般的に、年齢を重ねるとどんどん頑固になり、柔軟な思考ができなくなると指摘されています。しかし、読書を習慣にしている人は日々、あらゆる価値観と出会っているので、年をとっても新しい考え方でも柔軟に受け入れることができる傾向があります。すると、仕事においても変化に柔軟で、適切な対応をとることができます。

自分の意見に自信を持てるようになる

本を一冊読むと、まとまった知識/知恵をインプットすることができます。本から学ぶことは客観的に筋道が立っていて、情報の間違いも少ないです。そして、インプットする量を増やしていくほど、あらゆる分野の知識/知恵が身につき、自分の意見に自信を持つことができます。これは、営業や企画、会議の場において強い味方になるでしょう。

他の読書家とつながり、思考を深めることができる

筆者は、友人や知人と貸し借りすることができるため、電子書籍ではなく紙の本を買うようにしています。。もしかしたら、読書は孤独な作業だと考えている方もいるかもしれませんが、他の読書家と読んだ本についてディスカッションすることで、思考はより深めることができます。このような読書仲間を作り、意見交換する機会を自発的に設けていれば、思考力そのものが高まり、仕事に対しても好影響があるでしょう。

「成功の法則」を身につけることができる

本を読むと「成功の法則」を身につけることができます。特に、たくさんの人から時代を超えて愛され続けている古典の名著において顕著です。

『人を動かす』(デール・カーネギー)では、人とうまくやるにはどうしたらいいかを豊富な事例を元に体系化しています。

『マネジメント-基本と原則』(P・F・ドラッカー)では、その名の通りマネジメントの本質を端的に述べています。

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これらの本はすぐに読破して実践することは難しいですが、繰り返し読むことにより、仕事における成功を後押ししてくれるはずです。

実際に多くの経営者や成功者が愛読しています。

本を読む習慣をつけるためには?

本章では、本を読む習慣をつけるために、筆者がオススメする方法を紹介します。

自宅や職場の近くにMY書店を見つける

みなさんは本をどこで買っていますか? 最近だと、Amazonや楽天などのECサイトを利用する方が多いかもしれませんね。筆者もよく利用しています。でも、必ず書店にも定期的に足を運びましょう。そして大事なことは、自分にしっくりくるMY書店を自宅や職場の近くに見つけることです。書店の陳列は、スタッフの方が趣向を凝らして行っているため、当然それぞれ個性が出てきます。それが自分の価値観とマッチしていると、欲しい本が次から次へと目に入ります。また、本棚のコーナーも把握できているので、効率的に本を探すことができます。筆者は、MY書店によく行くのでスタッフの方と顔見知りになり、売れている新刊や隠れた名著などの情報を教えてもらっています。これもMY書店の醍醐味の一つですね。

友人・知人がオススメする本はすぐにスマホでポチる

友人・知人と話していると、最近読んだ面白かった本の話題になることが多くあります。もし彼らがその本をオススメしていたら、スマホを開いて何も考えず購入しましょう。そもそも、カジュアルな話をできる友人・知人は、価値観が似ている場合が多いです。そのため、面白いと思う本の感覚も似通っています。読み終わったら、その本について議論を交わすこともできるため、忘れないうちにすぐポチることが大切です。面白い本を読むと、どんどん読書が楽しくなってきます。また、自分では見つけられなかった本と出合えるチャンスでもあります。

「スキマ時間」にとりあえず本を開く

本を読む習慣がどうしても身につかない方は、スキマ時間にとりあえず本を開くことから始めましょう。通勤や移動時間、ランチタイム、就寝前など。最初は、1行でも2行でも構いません。とにかく開くということが大事です。そのため、本を必ず鞄に潜ませておきましょう。もちろん、枕元の傍に置いておくことも忘れずに。これを繰り返していると、1行が1ページになり1ページが1章になり⋯⋯と、不思議なことに読む量が増えてきます。これで本を読むことへの抵抗感をなくすことができます。これができるようになると、スキマ時間に本を読む癖が身につき、読む本の数も増えてきます。とにかく、最初のハードルを下げることが肝要です。

まとめ:読書と年収は比例する

本記事では、まず「読書量と年収は比例する」ことを示すデータを提示しました。次に、メインテーマとして、なぜ「読書と年収は比例する」のかについて、筆者の意見を述べました。これによって、「よし、明日から読書するぞ!」と考えた読者の方も多いのではないでしょうか?

最後に、読書を習慣化させるコツを紹介しました。継続は力なり。読書も続けないと年収を増やすことは夢のまた夢です。本記事を読んで、「読書と年収は比例する」と思い、多くの人が読書をしようと思ってくれたら幸いです。

「読書量と年収が比例する」本当の理由
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