書評『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』|私たちはこれからどう生きるべきか?

  • 2020年11月19日
  • 2020年10月29日
  • その他

GAFAとは「Google」「Apple」「Facebook」「Amazon」の頭文字をとった造語です。日本でもすっかりおなじみになりましたね。今回はベストセラーになった『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界(スコット・ギャロウェイ/東洋経済新報社)』を読み解きます。GAFAが支配する世界で私たちはどのように振る舞うべきか?GAFAの知られざる正体と繁栄の理由に迫りながら、解き明かしていきましょう。

GAFAを正しく理解することは現代の必修科目

GAFAを正しく理解することが重要な理由は、彼らが私たちの生活に多大な影響力を持っているからです。例えば、Google検索ができない世界を想像することができるでしょうか?少なくとも筆者は、それはとても不便だろうと考えます。今もこの記事をAppleのMacbookで書きながら、Facebookのメッセンジャーで仕事の連絡をしています。執筆の資料となる本は、ほとんどAmazonで注文します。

この本の著者であり「世界最高のビジネススクール教授50人」にも選ばれたニューヨーク大学スターン経営大学院のMBAコースで教鞭をとるスコット・ギャロウェイ氏は、GAFAについてよく知ることが、私たちの武器になり将来的な経済的安定をもたらすという理念に基づき、本書を執筆しました。GAFAは人々の生活にポジティブな影響を与えることもあれば、ネガティブな影響をもたらすこともできる支配者として、世界に君臨しており、彼はそのことを極めて深刻に捉えています。

GAFAの表の顔と裏の顔とは?

GAFAの表の顔とは、私たちの生活を常に良くして、新たな価値を世界に生み出し続けるクールな企業という印象です。実際、私たちはGAFAに対して好感を持つ傾向が強いといえます。著者も本書でその点を指摘しています。しかし、GAFAにはあまり知られていない裏の顔があることをご存じですか?

  • 雇用機会を著しく減少させ格差を助長している
  • 知的財産権やプライバシーを侵害し続けている
  • 莫大な利益に対する租税を回避し続けている
  • 個人情報を違法寸前の方法で取得・販売している
  • 将来的な競合となりうるビジネスは買収か盗用する

上記は本書で指摘されたGAFAの裏の顔の一部にすぎません。ですが、GAFAが正義の味方ではなくて強かな営利企業であることを証明するには十分でしょう。確かに、私たちはGAFAがもたらす利便性のみに注目して、負の面をあまり重大に考えていなかったのかもしれません。それらを考慮することで、GAFAとの付き合い方を改めて考えてみるべきでしょう。

GAFAの繁栄は人々の生存本能に訴えかけるから

GAFAが成功して圧倒的な力を持つに至った理由を、ビジネスの視点から考えるのもいいですが、人々の生存本能と結びつけて考えると面白いでしょう。本書では「脳」「心」「性」という三つの側面から、GAFAのビジネスを考察しています。

「脳」に訴えかけるとは、人々の合理性を味方につけるということです。GoogleやAmazonは、膨大な情報を整理して私たちの理性的な判断をサポートしてくれます。したがって、合理性が求められる局面において信頼できるパートナーとして、私たちの忠誠心を高めます。

「心」に訴えかけるとは、人々の共感やつながり、愛などのあたたかい感情をより育んでいこうとするアプローチです。おわかりのように、Facebookは私たちの「心」にアクセスするプラットフォームです。一般的に、人々は理性よりも感情によって動かされる場合が多いです。よって「脳」よりも「心」に訴えかけることは、効果的です。

「性」は、これまでの二つよりもさらに強力に作用します。わかりやすくいうと「異性に魅力的に見られたい」という本能のことです。ここで登場するのがAppleです。Appleの製品はエレガントで、持っているだけで自分が特別であるかのように錯覚します。要するに、孔雀の羽のようなものです。Appleは「性」に訴えかけることで、極めて高い利益率を実現して、高級ブランドの仲間入りをはたしました。

人間の生存本能は、現代社会の変化の速度に順応することはありえません。ですので「脳」「心」「性」に訴えかけるビジネスモデルを考え出すことは、非常に理にかなっています。もし新しくビジネスを考える機会があるなら、ここであげたような観点を考慮してみるといいかもしれません。

GAFA以後の世界で生き残るためには?

著者は、GAFAの強みであるデジタル技術によって生まれた勝者総取り経済の影響の一つとして、以下のようなことを述べています。

大まかに言ってしまうと、現在は超優秀な人間にとっては最高の時代だ。しかし平凡な人間にとっては最悪である。

オンラインかつグローバルな経済において、労働者市場は非常に流動的になります。これはとても秀でた人材にとって、極めて有利に働きます。例えば、あなたがすごく能力が高く経歴も素晴らしい場合、リンクトインに登録すれば世界中からオファーが届くことでしょう。そしてGAFAが労働者市場のパイを減少させている状況下においては、特に秀でたところがない人材にとっては、どこからも声がかかりません。著者は、教育者としてこの現状に対応する具体的な提案を述べています。

まず、マインドセットとして「心理的成熟」「好奇心」「当事者意識」が必要だと言及しています。これらは、どの時代においてもビジネスにおける大事な要素であるといえます。さらに、個人がセルフブランディングをする重要性について論じています。良い大学に行くことに加えて、資格・証明を取得すること、キャリアの見せ方などを挙げています。

その他にもいろいろなアドバイスを一つひとつ丁寧に説明してくれています。その中でも筆者の心に残ったことは「好きなことじゃなくて才能のあることをする」というアドバイスです。もちろん、好きなことを仕事にすることを否定しているわけではありません。しかし「やりたいことをやればいい」と無責任に若者にアドバイスする大人が多い中、そのようなアドバイスをあえてすることは、著者の良心のあらわれであると思いました。

まとめ:GAFAへの向き合い方を再考しよう

ここまで『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界(スコット・ギャロウェイ/東洋経済新報社)』で論じられているGAFAの正体や戦略、それに対して私たちがどうするべきかについて考えてきました。GAFAが私たちの生活に良い影響を与えてくれていることは疑いようもありません。しかし、力を持ちすぎた存在は必ずといっていいほど、暴走するということを私たちは歴史の授業で学んだはずです。まとめると、GAFAに対して肯定的な部分と否定的な部分があることを認識して、その姿をきちんと直視することが大切なのではないでしょうか。この記事をきっかけに、GAFAへの向き合い方を再考してみるといいかもしれません。

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