会計事務所の規模によって違う? 資料整理&顧客管理方法比較

  • 2018年12月10日
  • 2019年8月14日
  • その他
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個人事業主や小規模事業者だと苦手に思う人も多い「会計」。プロフェッショナルである会計事務所にお願いしている人も多いのではないでしょうか。そんな会計事務所ですが、「会計事務所」とひとくちで言っても、規模によって仕事内容、社風も大きく変わります。今回は、複数の会計事務所や税理士法人に勤務経験があるAさんに話を聞きながら、規模ごとに4つに分類比較してみます。

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会計事務所の種類


会計事務所の種類を大きく分けると以下の4つのように分かれます。

  1. 個人会計事務所
  2. 準大手・中堅会計事務所
  3. 大手会計事務所(BIG4以外)
  4. BIG4

今回話を聞いたAさんは、流通業から会計事務所に転職。BIG4と呼ばれる青山監査法人、港監査法人、英和監査法人、監査法人三田会計社の経験はありませんが、個人会計事務所、中堅クラスの税理士法人、大手税理士法人グループで働いた経験があるそうです。
早速、各具体例を見てみましょう。

1.個人会計事務所

事務所規模

先代から引き継いだという創業数十年の老舗の個人会計事務所。先生1名に従業員10名の小規模事務所でした。顧客も先代からの地元の方や先生の親戚といった地元の方ばかり。

そんな事務所で進んでいる問題は、顧客の高齢化でした。また、事務所の従業員の高齢化も同時進行。事務所のナンバー2はなんと70代で、FAXの操作すら怪しく、メールやチャットが使えない以前の問題でした。

ただ、顧客も事務所も双方だったため、電話か対面での対応が主流で、むしろおしゃべりを楽しみにしているお客様も多かったようです。

資料・情報管理について

資料は当然ほぼすべて紙での管理で、申告書一式は、5年分ファイルして事務所内の棚に保管し、残りは倉庫へ格納していました。

決算資料、お預かり資料は担当者が自分で管理。そのため、担当者ごとに資料管理用のカゴがありました。

しかし、そんなに大きなカゴではなかったため、入りきらず机の下、机の上などあちこちに資料を積み上げる職員が多発。せめて「この資料はカゴ、こちらは机の下、こちらは別のファイル」などと場所が統一されていれば良いのですが、そのようなこともありません。

担当者が休みの時に顧客への対応が発生すると、資料を探し回る事態が多発していました。さらに、担当替えをすると管理の仕方が違うためしばらくは作業がもたつく事態となっていました。

さらに、先生と顧問先を抱える各担当者の間については、連絡ノートが一冊ありました。ノートには担当者が重要連絡事項を記載します。しかし、捺印欄やチェック、書き込みがあったわけではないため、先生が目を通していたかどうかは謎のままでした。

法人の担当者と資産税課の間では、譲渡や贈与、相続と連絡を密に取らなければならない事項がたくさんあります。しかし、情報共有のために何か仕組みが作られていたわけではありませんでした。そのため、お互いにそれぞれがお客様や先生から聞いているだろうと思い込んでしまい、情報の錯綜から顧客からのクレームがあがることが度々ありました。

特筆すべきこととして、この事務所は経費削減を徹底していたそうです。領収書を貼る紙も裏紙を利用しているくらいでしたが、会計事務所なので常用書類が山ほどあります。そのため、裏紙に使用する紙に他社の数字が入っていないか使用前に再度しっかり確認する、という手間が発生していました。ちなみに、両面印刷した紙は、シュレッダーで処理していました。

同事務所についてAさんの所感

個人事務所は先生のカラーが一番出やすくなっています。そのため同事務所では、改革を提案するたびに、却下されるという背景があり、従来のやり方で業務が続いていたそうです。

内部資料については、「探す時間」が大きな時間のロスだったため、電子化を進めた方が効率化できそうです。情報伝達の手段として、「口頭で」「1人だけ」への伝達が多く、情報の共有化が困難だったそうです。

2.準大手・中堅会計事務所

事業規模

銀行出身の50代の所長が切り盛りしている、税理士5人、社労士1人、支店と本店の2支店がある中堅の会計事務所。全体で40-50人の従業員がいる税理士法人で、今回の例の中では電子化が一番進んでいたと思います。

資料・情報管理について

Docuworks」を使用し、申告書等、現金出納帳などを含む必要書類はすべてにPDFとして保管していました。顧問先別、年度別に仕分けされ、共有ファイルとなっています。毎月一回、バックアップをサーバーに取っていたようです。

マニュアルによる管理・運営が徹底しており、ツールや制度が変わるたびに総務もしくは上司から都度マニュアルを渡され、講習が受講できました。紙の資料も保管が義務つけられていましたが、保管場所がすべて決められていました。また、机の上や机の下、引出し等、個人のデスクに資料を置きっぱなしということが禁止されていたこともあり、定位置管理徹底がされていました。

前述の個人事務所とは違い、裏紙の使用は禁止。不要な紙は、シュレッダーではなく、より確実性を期すために紙を溶かす業者にダンボールに詰めて渡していました。

情報共有のための仕組みとしては、各部門のリーダー会議が所長と週1回あるほか、毎朝の朝礼、各部門単位のミーティングによる連絡が徹底されていました。

同事務所についてAさんの所感

所長の性格によるところも大きいのかもしれませんが、非常に電子化が進んでいた印象です。業務内容が資産税に特化したため、資料が多くなり、保管期間が長くなる傾向がありました。そのため、資料の整理・管理は厳しいくらいに徹底されていました。事務所はいつも整理整頓されていたイメージです。一つだけ問題点をあげるとすると、サーバーがよくダウンしたため、なおるまで一定量の業務が止まっていたことです。

3.大手会計事務所(BIG4以外)

事業規模

中核都市でNo.1の税理士法人グループ。社長が一代で築き、税理士法人以外にも他業種も運営しており、グループ全体で100人~200人の従業員がいました。

資料・情報管理について

ここでも「Docuworks」が使用されていました。申告書など必要なものだけPDFとして保管され、顧問先と年度別に共有ファイルとなっていました。毎月1日に各パソコンのチェックが行われ、業務外の動画などを勤務中に見ているとすぐばれる、という環境でした。USBは完全に支給で、持ち込みは不可。中身を毎月1日にチェックされていました。

紙ベースの資料は、顧問先が多いためか、別途倉庫内に担当者ごとの棚が用意され、あり、2メートル四方ほどずつ割り当てられていました。しかし、それでも入りきらない資料が顧問先別に紙袋に入って置いてある状態でした。

顧問先別の書類棚というのも事務所内に壁に沿って設置されており、担当者や事務所側からの連絡事項など、絶対に渡さなければならない資料についてはその中に格納されていました。

また、こちらの事務所でも裏紙の使用は、禁止で、不要な紙は同じく紙を溶かす業者にダンボールに詰めて渡していました。

情報の共有のための仕組みとしては、毎月1日、グループ全体のミーティングが半日~1日というしっかりとした時間を取ってもうけられていました。事業所が遠方の場合はビデオチャットで接続し、遠方事務所の負担を減らしたうえで参加を求めていた形です。

また、毎朝朝礼、各部門のミーティングはもちろん、経営計画発表会や打ち合わせ、講習会、勉強会、所長主催の講演会が多かったそうです。講習会や勉強会などはすべてビデオ、音声で録画し、行事ごとに共有ファイルに保存し必要な人にはDVDに焼いて渡していました。見たい人はいつでも見ることができる反面、通常業務以外にこのような仕事が割り込むため、非常に仕事量が増えます。

同事務所についてAさんの所感

大手になると人数が多くなるため、電子化・資料、情報の管理がきちんとルール化されているように感じました。資料のしっかりとした分類が必要なのはもちろんですが、残す資料と処分する資料の分類も重要でした。顧問先が多いため、分類が甘いと資料であふれかえってしまい倉庫がいくつあっても足りないということになってしまうからです。実際、倉庫が足りないという話は同業他社と話す際によく出る話題でした。

まとめ

いかがでしたか?会計事務所の規模別に資料管理の方法などをまとめましたが、規模により千差万別ですよね。事業規模が大きくなるほど、資料・情報の管理をマニュアル化、ルール化する必要性に迫られているようにも感じました。

また、事業規模が大きくなるにつれ、業務の効率化のための電子化がより重要となります。電子化を進めることで、資料が多い業界ならではの「置き場所に困る」という問題も同時に解決していたように思います。

平成27年度及び平成28年度税制改正により、一定の要件を満たす帳簿書類等の保存期間が10年に伸びました。これからの時代は紙でのやり取りではなく、電子ベースでのお客様とのやり取りや自計化、AIの導入などが選択の中に入ってくるのではないでしょうか。

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