夫が育休をとった話。在宅ワークママと育休パパの子育て実録

女性の取得が当たり前のような育休ですが、もちろん男性も取得が可能です。ですが日本では男性の育休はレアケース。まわりにもなかなかいないのでは?そんな中、実際に育休を取得したパパと在宅ワークママのお話を聞いてみました。

育児休業とは?

通常「育休」と呼ばれる制度は正式には「育児休業」のことで、法律で定められた制度のひとつです。子どもが1歳未満であることなど一定の条件を満たせば取得ができ、雇用保険から「育児休業給付金」として育休前の賃金の日額×支給日数×67パーセント(育休をとり始めてから6ヶ月を経過すると50パーセント)が支給されます。

また、間違えやすい言葉ですが「育児休暇」は「育児休業」とは異なる制度です。国の制度ではないので明確な規定はなく、会社ごとに取り決められた福利厚生や自身で育児のために取得した有給などが育児休暇ですが、国が定めた給付金などはありませんので会社ごとの規約を確認してみましょう。

ここでいう育休=育児休業は男女共平等にとることができる、働く国民の権利なのです。

パパの育休の実態

では実際に育休を取得した男性はどれくらいいるのでしょうか?会社やお友達に育休パパはいますか?

2018年度の厚生労働省の調査によると、男性の育児休業取得者の割合は6.16パーセントでした。ちなみに女性は82.2パーセントです。

それに対し、福祉先進国として知られるノルウェーでは男性の育休取得が90パーセントを超えているそうです。ノルウェーには「パパ・クオータ制度」という、育休を取らないと損をするような制度があることや、育休中に支給される給付金は給料の80パーセントから100パーセントを保証されることが高い取得率の理由として挙げられます。

制度からして、日本ではパパの育休が取りにくいのは明確です。かといって日本がノルウェーと同様の制度を導入したとしても、育休取得率がノルウェーに並ぶのかといえばそれは疑問が残ります。まだまだ日本ではキャリアに響くという心配や体裁、人手不足などが邪魔をして、育休をとることは容易ではないといえます。残念ながら日本はパパの育休取得においてまだまだ後進国なのです。

厚生労働省 平成30年度雇用均等基本調査https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05049.html

パパの育休体験談

この育休の取りにくい日本で実際に育休を取得したパパがいます。何を考え、どんな育休生活を送ったのでしょう。生の声を聞かせてもらいました。

育休を取ろうと思ったきっかけ

「払った雇用保険は回収しないとね!」と明るく話すパパが育休を取得したのは34歳の時。会社員男性の34歳といえば、役職に就いたり給料が上がったりと仕事の波に乗っている年齢ではないでしょうか。そんな時に育休取得を決めたのは、ママが在宅ワーカーだったから。在宅ワークは業務委託で仕事をするケースが多くどこかに雇われているわけではないので、ママには育休がありませんでした。また在宅ワークの場合、育休から戻った時に仕事があるかはわかりません。ママのその不安な気持ちを理解したことも育休をとったきっかけのひとつだと言います。

このような家庭環境から、育児休業給付金をもらえる立場にあるパパが育休をとることは、夫婦にとって自然なことだったそう。

そうは言ってもパパには復職時の待遇や育休中の収入などに不安がなかったのでしょうか? 答えはNO! 「もちろん不安はあったけれど、やりたいことがあったから思い切ることができた!」と楽しそうに振り返ってくれました。

育休中にやりたかったことをやる!

こうしてママは在宅ワークの仕事を続け、パパは育児と家事をする育休の1年がスタートしました。では実際に、育休の不安を乗り越えられた「やりたいこと」とは何だったのでしょう。

1.旅行

社会人になると、「お金はあっても時間がない」という、学生時代とは逆の環境におかれがち。育休中にしたいことのひとつは旅行でした。もちろん子どもが生まれて育児が落ち着いてからですが、イベントや季節のグルメに合わせた気ままな旅行に出掛けたそう。

「本当はハワイのような南国に行きたかったけどね。」

と話すパパは、学生時代のように航空券の安い時期を狙った海外旅行を目論んでいたそうですが、金銭面と慣れない子育てを考慮した結果、国内をゆっくりまわる旅をしました。

「こんなにゆったりとした旅行は良いリフレッシュになりました!」

2.ダイエット

毎日仕事に追われていた育休前。お腹はぽっこり、若かりし日のジーパンが入らなくなってしまい、育休を使ってダイエットを決意! ランニングをしたりスポーツジムに通ったり、目標を立てて夫婦でダイエットに励んだそう。

夫婦でとことん取り組んだので、食事にも気を使い、励まし合い競い合いながらのダイエットでした。

結果は育休ダイエット・産後ダイエットにそろって成功! リバウンドしないように維持し続けているそうで、復職した時には同僚もびっくりだったとか。

「実はとっても辛かったのがダイエット。でも夫婦で育児をしているので、子どもとの散歩や食事にこだわる余裕を持てたのは良かったです。」

3.歯医者に通う

「ついつい放置していた虫歯、これを機にすべて治そう! と歯医者に通いました。治した歯は全部で5本。仕事をしながら通うとなると、途中で離脱していたかもしれません。」

仕事をしながらの歯医者通いは行ける時間が限られてしまい予約が取りにくい、という経験はありませんか? さらには仕事の都合で一度キャンセルしてしまうとそのままになってしまいがちです。腰を据えて治療に専念できたのも育休のおかげだといいます。

「歯医者に限らず、なかなか行けなかった整骨院や禁煙外来へ通うチャンスです。」

4.資格取得

育休明けの出勤のことを考えると気が重く、夏休み明けの子どものような気持ちになってしまうのではないか…という心配がありました。そこで育休の1年で以前より興味があった資格の勉強をすると決めました。

実はこの資格取得が育休取得の一番の目的で、その先の転職やキャリアアップを狙っていたそう。やはり復職した時に自分の席はあるのか不安はあったので、久しぶりの受験生気分を味わったといいます。

こうして資格をとること、育児をすることを2大テーマとする一石二鳥の育休計画が進んだのでした。

パパの育児参加

「やりたかったことをやるというとただの休暇のようですが、育児はしっかりこなしました」というパパ。「世間のママさんはこれをひとりでやっているんだと思うと、ただただ尊敬しかありません。我が家では家事も育児も分担しました。そうはいっても具体的に分担表などがあるわけではなく、積極的にやれるほうがやる、投げ出さないというだけのルールです。」と話します。

妻の在宅ワーク中は家事育児のどちらも請け負い、自分の自由時間にはダイエットのために運動をしたり資格の勉強をしたりしました。でも勉強は泣き声が気になって家でははかどらず、図書館やカフェに行くことが多かったそう。

「同じ環境で在宅ワークに励む妻はすごいと密かに思っていました。」

ミルクも作れるし、おむつも替えられる、離乳食も作ったし寝かしつけもお手の物。育児に関しては何でもできるようになったので、子どもとの留守番も苦ではないといいます。ただ、世間はまだまだママが育児をする仕様になっていて、男性トイレにはオムツ替えシートがなかったり、授乳室で調乳をするにもなんだか肩身の狭い思いをしたそう。

「もっとパパが育児をしやすい環境が必要です。」

こっそり聞きたい家計の話

「まったく仕事に行っていないのにお金(育児休業給付金)がもらえるのは、なんとも不思議な気持ちでした。」

パパの育休には収入が減るという不安がつきもの。育児休業給付金だけでは暮らしていけない! と思う人も多いのでは。そんな時は税金や社会保険料が免除や減額の対象になるかを調べてみると良いでしょう。該当すれば育休取得へ一歩前進!

育休パパの家庭ももちろん、それまで通りにお金を使うことはできなかったので、切り詰めた生活をしていたそう。ですが、子どもが小さかったので外食の頻度が減ったことや職場で買っていたコーヒーや間食代がなくなったことにも助けられたといいます。

「苦しいのはほんの1年と思ったので乗り切ることができました。」

育休を終えて思ったこと

育休に入る前は久々の学生気分を味わえると考えていたのですが、まったくもって違った生活を送ったそう。

「アラームをかけずに寝たいだけ寝られるかも!? なんて思った自分が恥ずかしいですね」と笑います。

育休をとったおかげでわかったのは女性の偉大さ。復職してもすんなり子育ての分担ができ、休日に留守番を頼まれても全く問題なく過ごすことができるのは育休パパの強みになります。もちろん、世間でよく耳にする「パパだと泣く」とは無縁です。

「復職後も自然と役割分担ができ、お互いの時間を尊重できるのは育休のおかげといえますね。」

子育ての大変さはやってみて初めて知ることばかり。例えば、赤ちゃんは勝手に眠るものだと思い込んでいたので、ベビーベッドに寝かせて「おやすみ〜」とドアを閉めればOK!と、完全に海外のホームドラマを鵜呑みにしていたそう。

「育児って大変!それに尽きます。」

勉強していた資格は無事取得できましたが、それもしっかり自由時間を作って送り出してくれた妻のおかげと言います。心配していた復職後もすんなりと職場に戻ることができました。それは資格をとったからというわけではありませんでしたが、資格がある! という気持ちは、ある種お守りのような安心感につながったと話します。

そして、自分の次に育休をとる社員がいれば全力でサポートしたいと考えるようになったそう。「社会人になると堂々と1年も休めることは滅多にないので、育休をうまく利用して欲しい!」というのは実際に育休をとったパパの実感のこもった声です。どんな1年にするかは自分次第ということですね。

育休が変える夫婦のかたち

うらやましいくらい完璧な育休生活を送ったパパ。では、在宅ワークママはどんな1年を送ったのでしょう?

在宅ワークママのお仕事事情

パパの育休のおかげで1ヶ月の産休を経て在宅ワークに復帰したママ。その間在宅ワークの収入は、これまで以上に家計を支える存在でした。育休をとって子育てをしたパパは、ママの気持ちがよくわかるようになり、家計を支えたママはパパの気持ちがわかるようになった1年間だったと言います。

また在宅ワークをしている間、パパがみていてくれると思うと不思議と子どもの声は気にならずに仕事ができたそう。ブランクを最小限に抑え、仕事が減ることなく続けられたのは育休のおかげといって良いでしょう。

「育休が終わって、サザエさん症候群のような気持ちになったのはむしろ私の方かも!」

ママにとっても一緒に子育てができたこと、在宅ワークを応援してもらえたことなど、実りの多い育休だったことは間違いないようです。

まとめ

昭和のアニメやドラマを見ると、パパはお茶の間に座って新聞を読み、お茶だビールだとママを呼びます。もちろんママもパパを労い、それに応じます。パパが座ってお茶やビールを飲んでいる間、ママは子どもをおんぶしながら食事の支度や洗い物に勤しみます。座ってゆっくりしているのなら子どもの面倒をみてくれよ! と思うところですが、当時の役割分担はそれが自然だったのでしょう。

では、あなたのお家はいかがですか? 夫婦が共に働いているような令和の家庭の風景は変わっていくかもしれません。中でも子どもの誕生は家庭にとっても一大イベントです。男性も女性も出産のタイミングを分岐点に、これからの人生を見直すタイミングとして育休をうまく使い、パパ・ママのスタートをきるのもいいかもしれませんね。

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