『AIやロボットに仕事を取られる』
最近各方面、特に単純労働や金融関係でAIやロボットを積極的に導入し、『人間より低コストでハイパフォーマンスな成果を出している』という話題が上がり、その界隈では危機感を抱いている人も多いと思います。
しかしそれは社内での話が多く、一般的な生活に表れていない・溶け込んでいないということで、実感がわかない人が多いのも事実です。
だがしかし、確実に自分の生活の周りから確実に人からAI・ロボット・システムに仕事が代替される実験を見に行ってきました。
日本はこの分野に関しては最先端のアメリカや中国には遅れを取っています。今回は無人コンビニの実証実験でのレポートです。
これら新しい技術を認知をしてもらい、便利さと快適さを知ってもらい広く一般的に普及することを願っています。
AIの画像認識による自動決済の実現。無人コンビニの誕生
今回は昨年埼玉県の大宮駅の実証実験イベントとして、無人コンビニに参加したレポートです。こちらは東日本旅客鉄道(JR東日本)とITベンチャーのサイポストによる共同の実証実験です。
サイポストが所持する「ス―パーワンダーレジ」という無人自動決済レジの特許技術を利用した無人コンビニを実験し、そこで得たデータを基に実現化を進めています。
JR東日本の表輝幸執行役員のコメント
今回の実験を基に混雑時のレジ待ち時間軽減や、従業員の人手不足を解消する手段として、今後の本格導入を検討している。
引用元:日本経済新聞
実はこの実証実験の成果を見て、今年の10月中旬より東京都北区赤羽駅で2ヶ月限定で無人コンビニをオープンしています。今回は都合が合わず参加できなかったが、記事をみる限り1年でだいぶ実現に近づいていると感じました。その点は後ほど紹介します。
そしてこういった人手を削減する技術は、社会的にもすぐに活躍してもらわないといけない背景もあるのです。無人コンビニは人手不足の解消が目的ではありますが、その裏には真の狙いが隠されています。
無人コンビニの実現の目的
- 単純労働をミスなく効率的に遂行できるAI・ロボットに代行
- 単純労働をしていた人の中からクリエイティブな人材を適材適所に配置転換
- 単純労働しか価値を発揮できない人材のリストラ
単純労働がロボットに代わってきた歴史は今に始まったことでありません。製造業の多くがライン作業に代わったのだって、ミスが少なく生産能力も高く、人間より労働価値が高いから代わってきたのです。
それがもっと身近になってきた。つまりボクらのやらなくていい仕事が増えたのです。
多くの人が無人コンビニに興味を持っている
実際の大宮駅で開催されている無人コンビニ実証実験の様子を紹介します。
期間限定ということで、多くの方が興味を持ってやってきています。かなり情報感度の高い人だと思います。
オンラインショップが当たり前になった現代。次に来るのはリアル店舗のオンライン化でしょう。
サインポストが技術特許を有するAI無人決済システム「ス―パーワンダーレジ」を組み込んだポップアップストアを展開します。
このシステムでは、棚から取った食品や食材などの商品をAIが把握することで、会計時に自動的に購入商品の合計額が算出されます。
これによりレジで会計待ちをすることなく、交通系電子マネーで短時間で決済を行うことができます。
昨年の大宮駅では実証実験ということで、カメラでのデータとして撮影をされることや購入の行動規制などがありました。
無人コンビニの入店から決済・退店までの流れです。
いざ、無人コンビニで初の買い物体験
交通系ICカードで入店します。
店内の様子です。写真だと少し分かりづらいですが、各商品の前にある四角の箱みたいなもので、商品をスキャンします。戻してもカウントされないようにしているそうです。そのまま、ICカードを置けば決済完了で決済が済めばゲートが開くようになっています。
1年で劇的に変化!昨年感じた実現に至るまでの、無人コンビニの課題を着々とクリア
自動決済の #無人コンビニ の様子です。
これ一般化したら本当にレジ打ちという仕事はなくなるだろうな。そのためには解決しないといけない課題が多いね。
☑︎客の出入りの上限をなくす
☑︎買い物の自由度を増す
☑︎商品の種類を増やす今回のは実証実験だったけど、この辺が課題。 pic.twitter.com/Gn4Z90flpm
— たかや@メディア運営フリーランス (@tabigrapher) 2017年11月24日
これは昨年感じた課題です。正直今のままでは実現は遠いなと感じていました。しかし今年のレポートを見て、その課題がいくつか解決されていました。(http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1810/16/news133.html)
昨年は待ち時間20分
昨年実証実験ということで20分待ちをしていました。正確にデータを取りたい企業側の意向で1人1人の入店だったのですが、20分待ったら意味がないと感じていました。
今後はもっと大胆にやった方が良いのでは?どうせ1人1人入店する店なんて想定していないのだから、より現実世界に近い環境で実験してデータを取った方が実現までの期間は早くなるのでは?
という感想を持っていましたが、今年は同時に3人まで入店できるようになったようです。たしかに駅のプラットフォームなどの小さい店舗であれば、3人を上限としたスペースで無人コンビニが実現できそうですね。
昨年はルートが決まった買い物しかできなかった
昨年は手前から取ってくださいという指示がありました。昨年時点では奥から取ってまた手前に戻って取ると上手く認識ができなかったようです。不規則の行動パターンにも対応することが求められるなと感じていました。
今年に関しては棚の奥から取ることも一度に2個取っても認識できるようになったようです。より一般的なコンビニに近づいてる印象です。
コンビニとして営業するには物足りない
イベント設営と実証実験ということで、こちらは昨年同様商品数はかなり少なめです。まだまだAIでの画像認識能力は高くなさそうなので、これから徐々に増やせることに期待。商品棚の前の四角の箱で読み取るので、そこまで難しくないのではと勝手ながら思っています。
しかし、今回のように駅のプラットホームのような限られたスペースでは販売商品を絞ればすぐにでも導入ができるのではと期待してしまいます。
中国はすでに実現の一歩手前まで来ている
以前中国の無人コンビニに関するニュースを見たときにこんなコメントをしていた。
【これ日本でやりたい!】
中国の無人コンビニのシステム。
①QRコードで入店
②オンライン決済で精算
③精算完了後、扉が開く精算せずに出ようとすると、警報がなりセキュリティ会社が駆けつける。
人件費も設備投資も少ない。https://t.co/m9d3wjoIxH
— たかや@メディア運営フリーランス (@tabigrapher) 2017年9月12日
①精算と会計システムをオンラインにする、納税も自動化
②人が入って来たと同時に電気が付く
③入店コードと購買コードを消費者属性を紐付けて、マーケティング余計なコストは全てカットできて、全てオンライン上で完結できる。超優秀。
あとは日本人の現金主義とどこまで馴染めるかだな。
— たかや@メディア運営フリーランス (@tabigrapher) 2017年9月12日
いま自分とシェアハウスしている女の子は中国人でLINEで働いている。
中国にはwechatというLINEと同じようなコミュニケーションアプリがあるのだが、いま中国ではwechatさえあれば、振込や決済や送金や買い物までできる。
1つのツールで日常のお金のやりとりが完結されるようになっている。そしていま日本ではLINEがその座を目指している。
ボクの前の彼女は中国人だったし、いまはLINEで働いている中国人と一緒にいる。中国のITにおける最先端は日本の遥か先を行っている。
日本もいずれキャッシュレス・自動決済が当たり前の時代になる。便利で快適なツールや制度を怪しいとして叩き潰してしまう雰囲気が日本には間違いなくある。
しかし今回紹介した無人コンビニは、人間がやらなくてもいい仕事が1つ増える。消費者側もレジ待ちという時間無駄遣いもなくなる。メリットしかない。
無人コンビニ・自動決済が生活の質を向上させることは間違いない。早く実現することを願う。
理想はAmazon Go。これを実現して欲しい。