6月といえば「ジューンブライド」といった言葉があるように、この季節に結婚について考える方も多いのではないでしょうか。最近では、女性の社会進出により共働き家庭が増え、以前と比べると結婚生活にも変化が現れています。昔は「寿退社」にあこがれを持つ女性も多かった一方、いまではその数も少なくなり、多様な生き方が模索されるようになったと感じます。しかし、実際に働く人は、男性と比べてライフイベントに左右されやすい女性について、「結婚や出産をしたらどうせ仕事辞めるんでしょ?」と考える人も少なくありません。そこで、今回は人事担当者の人に向けて、チームハッカーズを運営するインターン生たちで、女子大生113人にそれぞれの結婚観をアンケートしてみました。(※あくまで私たちの周りの意見なので、この結果が全体の傾向というわけではありません)
1.まずはマイナビデータを見てみよう
調査結果を見る前に、まずは2017年5月にマイナビさんが行なった、女子大生の結婚観に関するリサーチを見てみましょう。それによると、「将来結婚したいですか?」という質問に対して、
第1位「絶対にしたい」44人(40.7%)
第2位「できればしたい」41人(37.9%)
第3位「どちらでもいい」14人(12.9%)
第4位「どちらかと言うとしたくない」5人(4.6%)
第5位「絶対したくない」4人(3.7%)
https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/50479
という結果で、「絶対にしたい」と「できればしたい」の意見をあわせると78.6%、つまり8割弱の女子大生が結婚したいと考えているようです。
さて、それを踏まえて本題のインターン生が行なったアンケート結果をご紹介していきます。
2.結婚したいですか?
マイナビさんのリサーチに対し、こちらには「どちらでもいい」という選択肢がないこともありますが、結婚したいという女子大生が87.6%とマイナビよりも高い数値が出ました。さて、結婚したいと考える人、したくないと考える人の理由をそれぞれ見ていきましょう。
結婚したいと考える人の理由
家庭を持ちたい、支えあっていける人が欲しい
「子どもが欲しいから」
「新しい家庭環境を作ってみたい」
「誰かと人生を共有した方が楽しいと思うから」
やはり一番多かったのがこの意見でした。昔から「結婚」「出産」「子育て」は女性の幸せと考えられる傾向にありますし、生きていくうえでの支えとなる相手や、安心できる家庭の存在を求める人が多いようです。
両親に憧れて
「円満な両親に憧れているから」
「我が家が円満だから」
子どもを持つ親としては一番嬉しい回答ではないでしょうか。幸せな両親を見ていれば、自然と「自分もこうなりたい」と思うようになるというはとても自然のことであると思えます。
社会で生きるための手段として
「色々な社会制度に不利にならないため」
「社会における一種のステータスだと感じるため」
社会で生きていく上で、身を固めておくべきと考える女性も一定数いるようです。たしかに結婚するのが当たり前という考えが残っているような職場では、独身のまま働くには肩身が狭いのかもしれません。
20代後半で結婚したい女性が多い
結婚したいと考えている99人のうち、89人が25~30歳で結婚したいという結果になりました。やはり、大学を卒業し、就職して経済的に安定してからというのが理想のようです。さらに、その後の出産のことを考慮し、あまり遅くなってしまうと子どもができにくくなってしまうことや、若くて綺麗なときにウエディングドレスを着たいと考えるのか、30代ではなく、できれば20代のうちに結婚したいと考える女性が多いようです。早く結婚してしまうよりも、しばらくは自分のために遊んでおきたいという声もたまに聞かれるので、やはり就職してから何年か経った20代後半が結婚するには最適と考える女性が多いのかもしれません。
結婚したいとは思わない人の理由
結婚にそもそも憧れないという理由が一番大きいようで14人中10人がそう考えていました。また、「結婚=束縛」のイメージもあるのか、一人で自由に暮らしたいと考える人も一定数いるようです。「結婚=幸せ」とは考えず、それ以上にやりたいことがあるのならそれも素敵な生き方だと思います。
3.専業主婦になりたいですか?
こちらは意外にも8割以上の女子大生が、専業主婦になりたいと感じていないようです。それぞれの理由を見ていきます。
なりたい人の理由
育児と家事をやりたい
「子どもに時間をかけてあげたい」
「家事することは嫌いじゃない」
家庭のために子どもや家事に時間をかけてあげたいというのは、とても素敵な意見だと思いました。日々子どもと接していれば小さな成長にもいち早く気づくことができますし、それを最大の生きがいと考える女性も多いのではないでしょうか。
仕事との両立は大変そう
「育児と仕事を両立するのが難しそうだから。」
「両立は難しいから」
特に、育児は大変だとほとんどのお母さんが言っているの耳にします。仕事も決して楽なものではないので、安易に両立させようと考えるのはたしかに危険かもしれません。
その他
「そういう家族の在り方に憧れる」「楽そうだから」「経済的に安定してたらなってもいいと思うから」
「そういう家族の在り方に憧れる」
「楽そうだから」
「経済的に安定してたらなってもいいと思うから」
他にもさまざまな意見がありました。しかし、専業主婦になる上で「経済的に安定してたらなってもいいと思うから」という意見は当たり前ですが、専業主婦になる前に、その後の家計をしっかりと考えた上でどうするかを決断する必要があると思いました。
なりたくない人の理由
仕事をしたい
「仕事を続けたいから。旦那さんと家事なども分担して、共働きするのが理想。」
「子育てを理由に自身の夢の実現を諦めたくない。」
「結婚だけでなく、働くことで得られる楽しさや嬉しさも感じていたいから。」
結婚や子育てのほかにもやりたいことがあるなら、確かにそれも大事にしたいですよね。それを子育てを理由に諦めてしまったら、将来子どもがそれを聞いたときに責任を感じてしまうかもしれません。
家庭以外でも居場所が欲しい
「家事以外に外での世界をもちたいしたくさん色々な経験をしたい」
「家庭内に自分の世界をおさめたくない」
「所属するコミュニティが減って、世界が狭くなると思うため。」
意外に多かったのがこちらの意見でした。家庭にいるだけでは交友関係も狭くなってしまいますし、外に出てさまざまな経験をした方が充実した生活が送れるかもしれません。
そもそも専業主婦になりたくない
「暇が嫌いだから専業主婦は向いてないと思う」
「そもそも専業主婦になりたいと思わない」
たしかにすべての女性が家事が得意で好きだとはいえないですよね。家事は生活するうえで必ずしなければならないことですが、ほかに得意であったり好きな分野があるのなら、そちらで活躍することも大切です。
その他
「今社会が女性が働きやすい環境になっているから」
「仕事してるお母さんに憧れてたから」
「家庭だけでなく社会にも貢献したい」
「離婚してもお金があって不自由なく暮らせるようにしていたいから」
「働いている姿を子どもに見せたいので」
この中で一番印象に残ったのが「仕事してるお母さんに憧れてたから」という意見でした。筆者自身、物心ついたときから母はフルタイムで働いていたので、母を思い浮かべて真っ先に出てくるのはパソコンに向かっている姿ですし、私もその頃から「自分もこうしていくんだろうな」と漠然とした未来図がありました。
4.結婚、出産しても働き続けたい女子大生が職場に求めるもの
8割以上の女子大生が、結婚・出産後も働き続けることを望んでいますが、出産後も働き続けるとなると職場の環境が非常に重要になってきます。まだ就職してもいない女子大生が、職場に望むほど重要と考えるものは一体何なのでしょうか。
産休・育児休暇の取りやすさ、勤務時間の融通が利くか
「育児休暇が取りやすい」
「柔軟なシフト」
「子どもが熱が出ても休みやすい環境」
やはり、子育てをしていくうえで必ず休まなければいけないときはあります。筆者の母の職場では、与えられた有給休暇を超えて仕事を休んでしまうと、自分だけでなく上司の給料も引かれてしまうシステムだったためとても休めなかったそうです。
産休・育児休暇の取りやすさはもちろんですが、復帰後、休みづらかったとしてもせめて勤務時間に融通が利くような環境づくりが大切です。
職場の雰囲気
「育児をすることに後ろめたさを感じさせない雰囲気」
「人間関係のよさ」
「復帰しやすい雰囲気と環境」
いくら休暇や時短勤務がとれるシステムがあったとしても、それを利用するのに後ろめたさを感じさせない雰囲気がなければ意味がありません。特に、人間関係は仕事を続けるうえで最も重要と言われています。
キャリアアップで不利にならない
「キャリアアップができるかどうか」
「時短勤務ができる部署からでも最前線に復帰できること。キャリアアップという点で不利にならないこと。」
上記のような子育てを支援するような環境も大事ですが、同時に仕事に対してのやりがいも感じられるかということも重要な点であると思います。優秀な人ほどこのようなことを気に掛ける傾向があるので、子育ての段階を考慮しながら一緒に慎重に考える必要があるのではないでしょうか。
その他
「転勤があまりないところ」
「高い給料」
「自分がやりたい仕事を任せてもらえる。」
「ジェンダーや年齢に関係なく対等に仕事ができる職場。」
こちらもさまざまな意見がありました。「転勤があまりないところ」といった子育てをする上で不利にならないという観点から、「自分がやりたい仕事を任せてもらえる。」といった仕事に対するモチベーションを大事にしたいという観点からの意見が見受けられました。
5.今回のアンケートでわかった最近の傾向
アンケート結果を通して、同じ女子大生からみても興味深く感じられる箇所がありました。意外にも働き続けたいと考える女子大生が多いという結果から察するに、「夫は外で働き、妻は家庭を守る」といった昭和の価値観は21世紀には崩壊しつつあるようです。男女平等が謳われる中で、外で働くことで夫と対等の立場になりたいと考える女性がより多くなったのかもしれません。しかし、アンケート結果を見る限りそれだけが理由ではないようです。ここからは、そちらを深く考察していきます。
仕事とは社会と自分とを繋ぐツールである
「家庭には入ったけど社会から出たわけじゃないんです、私」
この広告コピーをご存知ですか?これは、2014年、通信教育でおなじみのユーキャンのポスターで使われた広告コピーです。今回のアンケート結果は、まさにこのコピーを体現していたといえます。
アンケート結果によると、最近の女子大生は、結婚願望は依然として高いものの、そのうちの8割以上は専業主婦にはなりたいと感じていないことがわかりました。その理由をよく見てみると、女子大生が「専業主婦が嫌だ」というマイナスなイメージを抱いているからというよりも、仕事に対してプラスのイメージを抱いているためのようです。なかでも、仕事を続けたいと答えた人のうち、「社会とつながっていたいから」という理由がよく聞かれました。ユーキャンの広告コピーのように、たしかに家庭を持ちたいと考える一方、家庭に入っても社会とつながっていたいと考える女性が多いようです。今回アンケートに回答してくれた女子大生は、仕事を社会と自分をつなぐ手段のように感じている傾向が見受けられました。
では、なぜそのような傾向が生まれたのでしょうか?
社会と繋がっていたいと考えるのはインターネットやSNSに要因がある?
今日、インターネットやSNSの普及により、世界の誰とでも簡単にコミュニティを作ることが可能になりました。例えば、若い人に人気のインスタグラムは#(ハッシュタグ)を使って同じ趣味を持つ人と繋がることが容易にできます。
一方、電車内でも大半の人がスマートフォンをいじっているように、インターネットやSNSがもたらす情報は片時でも離せない存在になっています。このように、従来では家庭で家事に専念していても社会から隔離されている感覚があまりなかったのが、いまではスマートフォン1つで誰とでもつながることができますし、社会のさまざまな情報もたやすく入手できます。
今回アンケートに協力していただいた女子大生たちは、生まれた頃からインターネットが存在しており、中高生のときにはそのほとんどがSNSを使いこなしていました。そのため、社会から隔離されてしまう不安は上の世代よりも大きいのかもしれません。
このような生活の変化がもたらした、コミュニティに属する楽しさやそこから外れる不安が、女性が社会とつながろうとするのを掻き立てる要因なのではないでしょうか。
女性は働く意思を持っている。じゃあどうすれば働き続けてくれる?
先ほど、働き続けたい女性が求めるものをご紹介してきました。しかし、それらの意見をみて実際に職場で働いている皆さんはどう思いましたか?おそらく、「これらをすべてやるなんてとても無理」であるとか、「こんなに気を使わないといけないなら男性を雇ったほうがマシ」という風に考えた方も多いのではないでしょうか。
たしかに、これら全てをこなすというのは厳しいですし、とても時間のかかることであると思います。ただ、これらの要望の優先順位はどれくらいなのかを整理してみれば、自分の職場にはなにが足りないのか明確になるはずです。
例えば、上記であれば、産休・育児休暇、勤務時間の融通>職場の雰囲気>キャリアアップとなるのが一般的ですが、家庭によって優先順位はさまざまです。子どもが熱を出しても面倒を見てくれる親戚がいるかどうかといったことや、子どもの年齢によっても優先順位は変わっています。
そのため、いま実際に働いている女性が考えている、これは絶対に譲れないポイントをそれぞれ把握することが重要ではないでしょうか。働いている女性や、これから働こうとしている女子大生も、自分が望んでいること全てがそろうとは考えていません。それぞれの妥協できるポイントを見つけ、お互いに働きやすい環境を作っていくことが一番の改善策ではないでしょうか。
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6.まとめ
今回のアンケート結果を見る前と後での、女子大生への印象は変化しましたか。多くの方が女子大生への認識と本来の姿にギャップを感じたのではないでしょうか。 世間では、婚活において女性が男性に求める年収が高額であることなど、男性を頼りたい女性の意見ばかりが取り上げられる傾向にあります。たしかにそのような意見も一定数存在すると思います。しかし、一方で男性に頼り切りにならずに働き続けたい女性も多く存在すること知って頂けたら幸いです。
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