【働き方2.0】労働をアップデートせよ。日本と海外の事例にみる働き方の違いや変化

チームハッカーズではこれまで働き方改革を筆頭に「働き方が変化する」というテーマにフォーカスした記事をいくつかアップしてきました。そのため今後の日本では、働き方が大きく変わっていくということを意識されている読者の方々も多いと思います。
今回は、日本と海外の労働環境の違いや働き方の違いを比較しながら、働き方改革の展望や日本が取り組むべき課題についてお伝えしていきたいと思います。

アメリカ(シリコンバレー)の働き方

アメリカの働き方改革では、政府が主導で制度改革を行なっているわけではなく、個々の民間企業がそれぞれ独自に働き方を定めているという点に特徴があります。
シリコンバレーというとアメリカの中でもテクノロジー企業が多い地域です。企業側としても人手不足が深刻化している中、エンジニアを採用し、できるだけ彼らに会社に定着してほしいという意図から、社員にはできるだけ自由を与えており、オフィスは生活空間のようになっています。

アメリカでは、働き方として主に2つのパターンが存在しています。1つがホットワークと呼ばれる、ひたすら仕事に没頭するという働き方。もう一つが、労働時間の短縮化や休暇制度の利用など自由度を向上させる働き方です。このどちらの働き方でも自分自身で選択することができます。国として働き方を規定するのではなく、企業に任せることで、多様な働き方を生み、働く人々それぞれにとって”合う”働き方を選択できるというのはとても先進的な働き方だと言えるのではないでしょうか。

OECDが出している2015年世界労働時間ランキング平均年間労働時間を見ると、OECDの平均年間労働時間は1,776時間となっていますが、日本はその平均を下回る1,719時間、アメリカは平均を上回る1,786時間となっています。このデータを見るとアメリカのほうが日本より労働時間が長いように見えますが、実際はどうなのでしょうか?

アメリカでは、IT環境が整っているのでリモートワークも盛んにおこなわれています。そのため、定時に帰っていても、家でメールチェックをしたり、休みの日にもリモートワークで働いていたりと意外にも労働時間が長いことがわかります。柔軟な働き方が認められるということは、同時に、自分自身で労働時間を上手に管理する能力が必要になってくるということでもあります。自分もスケジュール管理が苦手だなと思った方は「効率アップ! 仕事がデキる人のスケジュール管理術」を読んでみてください。

余談ですが、最近、テクノロジースタートアップの聖地でもあるシリコンバレーの若者の中で「YOLO」という生き方が定着しています。YOLOとは「You Only Live Once」の頭文字をとったもので、直訳すると人生一度きりという意味です。具体的には、モバイルアプリやシェアエコを利用して、一度しかない人生を自由気ままに様々なことを経験しながら楽しく生きていこうという考え方のことを指します。YOLOという考え方は、これまでの「終身雇用」が当たり前の時代からは絶対に生まれてこなかった考え方だと思います。インターネットの発展と個人が活躍できるツールの出現でこのような先進的で自由な考え方が生まれ、実際に世の中が変化していっていることがわかります。

アジアの働き方

韓国の働き方

韓国では今年(2018年)7月に働き方改革がスタートしました。残業を含む労働時間が従来の68時間から週最大で52時間にまでに短縮され、違反すれば事業主が処罰されるという制度設定になっています。
これまでの週68時間の労働時間というと朝9時~24時くらいまで働くという計算になるので、明らかに長時間労働だといえますが、韓国ではこれが当たり前でした。

また、韓国では雇用市場の二重構造(大企業や公企業の正規職と中小企業正規職、または非正規職との格差がかなり大きいこと)が深刻な問題となっています。2014年韓国の一人当たりの国民総所得(GNI)は2853万ウォンで、日本は4423万ウォンです。しかし、韓国の大企業労働者が受け取る賃金は1人あたりGNIの2.5~3.4倍に達します。日本の大企業労働者の場合は1.3~1.8倍程度です。

このような超学歴社会である韓国ならではの「極端な大企業志向問題」や「若年層の失業率」の問題など、これらの問題を解決するための手段として、働き方改革が今後も進められ、働き方が変化していくでしょう。

中国の働き方

中国経済生活大調査によると、2017年仕事・睡眠以外の中国人の1日当たりの平均自由時間は2.27時間とされています。3年前の2014年のデータでは2.55時間だったため、さらに減少していることがわかります。
このように平均自由時間から計算してみると、中国人は「働きすぎ」と言えるのではないでしょうか。
中国の働き方の詳細ついては「日本人と中国人が一緒に働くときに知っておきたいこと5つ」という記事にまとめています。

東南アジアの働き方

東南アジアは、新興国になればなるほど労働時間が長いという特徴があります。若者が多い国ではできるだけ働いて、たくさん稼いで親に楽をさせたいという意識が強く、日本の行動経済成長期当たりの価値観や働き方に類似している点があります。

ヨーロッパの働き方

ヨーロッパを代表する国として、今回はフランス、イギリス、スペインの働き方についてみていきます。

フランスの働き方

フランスでは「働くときは一気に働いて、終わったらバカンスをとる」という働き方が一般的です。フランス人はバカンスのために働いているという言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、実際にそう考えている人は少なくないそうです。データで見てみると、フランスの労働者に与えられる有給はひと月当たり2.5日、つまり年間30日と定められています。また、労働政策研究・研修機構(以下、JILPT)のデータブック国際比較2017によるとフランスの年間休日数は145日となっており、日本の137.4日より一週間分ほど多い計算となっています。

バカンスはフランス人が精力的に働くために必要なリフレッシュ期間として、バランスよく機能していて、フランスの働き方はとてもメリハリがあるといえます。

イギリスの働き方

イギリスのことわざには”Work to Live, don’t live to work”という言葉があり、直訳すると「生きるために働く、働くために生きるのではない」という意味です。
多くのイギリス人にとって仕事は生活するための稼ぐ手段であって、仕事と私生活のバランス(ワークライフバランス)を保つことが必要不可欠となっています。

例えばイギリスでは、子供の就学に沿って働き方を選択することができるという特徴があります。もともとは育児をする女性のために作られた制度でしたが、最近では、配偶者や祖父母まで制度の適応範囲が広がっています。
このように仕事より家庭を優先する姿勢がイギリス流の働き方です。

また、JILPTのデータによるとイギリスの年間休日数は、日本とほぼ同等の137.1日となっています。年間休日数のうち年次有給休暇についてみると, 労使協約で合意した平均付与日数は,イギリスが25.1日となっており, 日本は平均付与日数でみて18.4日となっています。休日数はほとんど同じでも、働く人の意識や文化・環境・制度の違いで、働き方にも大きな違いがみられることがわかります。

スペインの働き方

シエスタ」はスペインの働き方を象徴するとても有名な習慣です。著者も高校生くらいの時に世界史の授業で「シエスタ」について学んだ記憶があります。スペインでは「シエスタ」が古典的な働き方のスタイルだったのですが、近年では、地方から都心へ働きに出る人が増えたり、オフィス環境の変化により、とくに都会では「シエスタ」が消滅しつつあります。シエスタは昼休みを3~4時間ほどとるため、帰りが遅くなってしまうというデメリットもあり公務員はシエスタ禁止になりました。このようにスペインでもここ数年で働き方が変化している様子がうかがえます。

ヨーロッパ(北欧)の働き方

北欧では、朝6時半から7時くらいから仕事をはじめ、お昼休憩もほどほどに、なるべく仕事時間を短縮して帰宅するという働き方が一般的です。この背景には、気候の問題(北欧は日本に比べて冬が長い)や物価、外食費が高いという問題などがあります。大手ハンバーガー店で食べられるような簡単な食事(バーガー、サラダ、ドリンク)でも日本円で4000円以上するということも珍しくないそうです。

北欧の企業は時間管理が柔軟な点に特徴があります。スウェーデンの企業では、月曜日から木曜日まで働いて、仕事が残った人に関しては、金曜日に出社するか、自宅で仕事を終わらせるかを選択できるというように、非常にフレキシブルな考え方をします。このような働き方ができるのは、「今週はこのくらい働く」というようにタスク管理ができているからで、仕事を成果で上手く切り分けているのです。
つまりスウェーデンの考え方だと、生産性を上げて働けば休みが取れるというようになります。一方で、これを日本人の考え方に転換すると、仕事が終われば、次の仕事へ!というように次から次へとタスクが舞い込んできます。それがいいか悪いかという問題は別にして、これだと一生終わらない(笑)。

この考え方が良いか悪いかという問題については、マネジメントの仕方について考える必要があります。

海外の事例から考える日本の働き方

仕事を時間で評価するか、アウトプットで評価するか

日本では、部下が目に見えるところにいないと「サボっているのでは?」と考えるマネジメント層は多いと思います。しかし、海外の事例を見てみると必ずしもそうとは限りません。海外の企業では、部下がオフィスにいる「時間」ではなく、働くことで生み出した「アウトプット」を見ているからです。
この点は、マネジメントの問題を考えるうえで非常に重要です。つまり、時間に対して報酬を与えるのではなく、生み出した成果に対して報酬を払うという考え方です。実際、「何時から何時まで働いた」ということよりも、いつ働いてもいいから「一定期間内にこれだけの成果を上げた」ということのほうが重要であるということは誰の目にも明らかです。

今後の日本でも、海外の事例のように、24時間という限られた時間のどの部分を仕事につぎ込むのか、どの部分をプライベートに使うのかといった選択は、個人で選ぶ時代になってくるのではないかと思います。

きちんと評価できるのか?

成果で測るということは「きちんと評価すること」が必要になってきます。働き方が個別に代わってくると、個人の生産性による成果の格差も顕著に表れてきます。現状、成果に対しての評価システムが明確でない企業が多いので、それをどのようにして見える化するかというのが今後の課題となってきます。
働き方をフレキシブルに変えるということは、自分の選択によっては報酬が減るかもしれないというリスクも存在しているということは十分に理解しておく必要があります。

多様な働き方を個人が選択できる

これまでの話をまとめると、必ずしも会社が一律のルールを決めるのではなく、「私はこうしたい」というように働き方を個人が選択できるということが重要です。同じ会社で働いている人同士でも、職種や属性は異なりますし、その会社に合った働き方、その人に合った働き方を選択できるというのが重要です。こうしたことの積み重ねが働き方を変えることにつながっていくのだと思います。

まとめ 今後、日本の働き方はどのように変化するか?

冒頭にも申し上げたようにチームハッカーズでも再三「働き方改革」の話題を取り上げていますが、それくらい国や企業も改革を推進しているということの表れでもあります。日本の働き方はここ数年で確実に変化しているといえます。フレキシブルな働き方を取り入れる企業が増えたり、女性の働き方が変化したりと、労働時間の柔軟化が起きており、筆者自身、身の回りでも働き方が変化を感じています。

まだまだ地方などでは働き方改革を取り入れていない企業があったり、個人の意識が変わっていない点があったり、と課題はありますが、こうした取り組みを積み重ねることで少しずつ働き方がアップデートされていくのだと信じています。

事例に学ぶ

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。ビジネスについても同じことが言えるでしょう。
他の企業の戦略や取り組みを分析し、そこから抽出した要素を組織に取り入れてみることで、あなたのビジネスを成功に導く鍵が見つかるかもしれません。

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