働き方に大きな違い!日本人と中国人が一緒に働くときに知っておきたいこと5つ

昨年夏ごろから政府が推進している働き方改革ですが、2018年6月に働き方改革関連法案が可決するなど、世間でもすっかりおなじみのキーワードになってきました。
このような取り組みを行っているのはなにも日本だけではありません。隣国である中国でも働き方改革が行われています。
最近、中国では、長時間労働による過労死が増加しており、これも影響してか、働き方改革への機運が高まっています。

本記事では、まず、中国の働き方の現状について押さえたあとに、日中が共同して働く際に考えておきたいポイントについてまとめていきたいと思います。

中国人は働きすぎ?中国人の生活と労働時間

中国経済生活大調査によると、2017年仕事・睡眠以外の中国人の1日当たりの平均自由時間は2.27時間とされています。
3年前の2014年のデータでは2.55時間だったため、さらに減少していることがわかります。

この傾向は、大都市になるほど顕著にみられます。以下は中国の大都市における1日当たりの平均自由時間をまとめたものです。

都市平均自由時間
深圳1.94時間
広州2.04時間
上海2.14時間
北京2.25時間

ちなみにアメリカやドイツ、イギリスなどの先進国では1日当たり平均自由時間は5時間ほどになっています。このデータから中国の人々がいかに労働に時間を費やしているかがわかります。
もう少しわかりやすい比較データを見てみましょう。北京師範大学研究員が集計したデータによると、中国人ワーカーの年平均労働時間は2000~2200時間とされています。

一方で先進国のデータは以下のようになっています。

年平均労働時間
アメリカ1790時間
日本1719時間
オランダ1419時間
ドイツ1372時間

年平均労働時間が2000時間を超えているのは、中国だけです。このように中国の労働状況は想像しているよりも悪く、過労現象に満ちていることがうかがえます。また、日本における過労死人数は年間482人となっている一方で、中国における毎年の過労死の人数は60万人となっています。これは1日1600人以上が過労死・過労自殺によって命を落としているという計算になります。

週休三日制を導入予定

上記のような労働状況を改善するため、中国政府は2030年までの週休三日制の実現に向けた取り組みを行なうことを発表しました。

現代人の生活は、昔に比べて利便性や生活の質に重点が置かれています。健康であることや上手く休むスキルというのも仕事を続けていく上ではとても大切なことです。タスク管理やプロジェクト管理を行なって生産性を上げつつ、ストレス管理やスケジュール管理で自分の健康を維持するというマルチな管理が求められるようになるかもしれません。

しかし、労働時間を短縮するためには、労働生産性を高めて生産効率を上げる必要があります。それができなければ、休んだ分、単純に残業の時間が増えるだけです。今後は、日本でも中国でも、労働時間は短縮される方向へ向かっていくのは確実ですが、改革は一筋縄にはいきそうにありません。これまで以上に適切な労働管理が求められるようになることでしょう。

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日本人と中国人のチームプレーは可能なのか?

ここまでは中国の働き方の現状についてデータを踏まえながらみてきました。

昨今、テクノロジーの普及により多くの新しい事業が生まれている中で、日中が共同して1つのチームとなって事業を行なう事例も増えてきています。
文化や習慣が異なる人同士が同じチームで働く時は、必ずといって良いほど誤解が生じたり、コミュニケーションがうまくいかずにお互いにストレスをかかえてしまうことがあったりします。

以下では、文化や価値観の違う日本人と中国人が一緒に働くときに最低限押さえておきたいこと5つをまとめていきたいと思います。

①日本人が中国人に抱くイメージは幻想??

昨今、日中関係のいざこざにより、メディアで中国関連の報道というとネガティブなイメージのものが多い印象があります。メディアの影響もあり、多くの日本人は、中国人の大部分が反日だと思っているかもしれません。

しかし、本当にそうなのでしょうか。東京の街を歩いているとたくさんの中国人観光客がいることに気づきます。彼らが本当に反日であれば観光目的で日本に来ることはまずないでしょう。

実際のところは、中国人も日本人と同じような生活を送っています。朝早くから出勤し、家に帰ったら子供の世話をし、車や住宅などのローンを抱えながら、多くの人が夢をもって生活しています。

メディアの報道だけで、中国についてすべてを知ることは不可能です。私たちは、メディアの報道から得られる偏った情報を鵜呑みにせず、自分の経験から中国の文化や人々の性格について考える必要があります。

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②仕事に対する中国人の考え方はとても合理的!

一般的に中国人は日本人と比べて、合理的な性格の人が多いです。これは仕事においても同じことが言え、与えられた仕事を決まった時間で終わらすというのが中国人の一般的な仕事の考え方です。
このように合理的な考えを持つ中国のビジネスマンからみると、日本のビジネスマンが夜遅くまで会社に残って残業する姿はさぞ驚きでしょう。決められた時間以外の時間に働いたり、与えられた仕事以外のことを気にしながら仕事するというのは、中国人にとっては損なことかもしれません。
一般的にいって、働くことの最終的な目標は「お金を稼ぐこと」なので、中国人の働き方に関する考えはとても合理的であることがわかります。

この点は、お客さんに対する接し方の違いにも強く表れています。一般的に日本の接客業では、売り上げに直接つながるかはさておいて、お客さんが来れば「おもてなし」の精神で「笑顔で丁寧な接客」を心がけて仕事をする人が多いと思います。
しかし、中国では、お客さんが来ても仏頂面で対応したり、スマホの画面を見ながら対応したりする光景をよく見かけます。このように、中国人は仕事において売り上げにつながらないことはムダだというように考え、このような行動をとるのだと思います。

筆者が中国に行った際のエピソードとして以下のようなものがあります。
ある百貨店でのこと。お土産を買おうと思い、店舗に立ち寄ったのですが、店員さんは椅子に座ってずっと新聞を読んでいました。気になった商品があったので、どれどれ、と商品を手に取った瞬間、「ヤスクスルヨー!!」という大きな声が…。
振り返ってみると、さっきまで椅子に座っていた店員さんが勢いよくこちらに向かってきました。
どこから持ってきたのかよくわからないパンダのぬいぐるみまで買わされそうになり、その場からどう立ち去ろうかを考えることしかできませんでした。

さっきまではのんびり座っていた店員さんが、商売のタイミングだと思ったとたん、ここぞとばかりにいろいろな商品を強引に進めてくる様子に、中国人の性格をよく表しているなと思いました。もちろん、すべての中国人がそうとは限りません。

③思ったことを率直に伝えるのが中国スタイル

日本で人に何かを尋ねたとき、大抵はとても丁寧な回答が返ってきます。質問の答えを知らない場合は、一緒に考えてくれたり、スマホで調べて答えを探してくれたりすることも多いです。

一方、中国では「わからないことはわからない」、「できないことはできない」というようにその場で思ったことを率直に答える傾向があります。これは中国だけでなく、アメリカなど他の海外の国でも同様の光景がみられます。

彼らは、答えるのがめんどくさいから適当に答えているのではなく、ストレートに「わからないことはわからない」と相手に伝えることがベストであるという考え方を持っているのです。

そう考えると、誰かに聞けば簡単に答えが返ってくるだろうという日本人の考えのほうが、少し安易なのかもしれません。

④基本的に”主張が強い”ということを知っておく

中国人の主張が強いというのは、日本人であれば誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。電車の中や店内、エレベーターの中など、所かまわず大きな声で話している中国人を見かけることがよくあります。

日本では、公共の場では静かにするのが習慣化されていますが、海外に行けば至るところでこのような光景が見受けられます。先日、ハワイに行った際もバスの中は、あっちこっちで話が弾んでいて大盛り上がりでした。海外ではコミュニケーションの一環としてこのような文化が浸透しているのかもしれませんね。

しかし、「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、日本で生活する場合は日本の文化を尊重し、公共の場では静かにすべきという意見ももちろんです。

⑤誰も一人では生きていけないという事実

このように日本と中国では、文化や習慣に大きな違いがあります。もちろん、分かり合えないこともたくさんあるかもしれません。しかし、上手くいかないからと言って、放置してしまうとそれまでです。

仕事をしていれば、日本人同士でも様々なトラブルや誤解を生むことは日常茶飯事です。異国の者同士となるとなおさらです。
それでも、中国人と日本人がお互いにもっている価値観は違うということを念頭に置いて、相手と真摯に向き合うことが大切です。一つ一つ課題を克服していくことで、よりよい関係を築くことができるはずです。

結論として、うまく仕事を進めていくためには、互いの文化、性格など「違う」ことへの理解と思いやりを持つこと、そして協力していくことが必要不可欠です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。中国人の性格や仕事に対する考え方は日本人とは根本的に異なります。正直、どちらが良いとか悪いと、比較することは難しいです。

ここで大切なことは、日本人の考え方やふるまいが当たり前で、中国人は日本人と比べて不愛想だ、などと批判することではなく、中国の文化は中国の文化、日本の文化は日本の文化としてお互いの文化を尊重して受け入れることです。

グローバル化が進み、変化の激しい現代においては、今後、同じアジアの国として日中の合弁企業の数や共同事業の数も着実に増えていくと考えられます。

もちろん、相手の文化をすべてそのまま受け入れればいいということではありません。お互いにスムーズに仕事ができるように上手く折り合いをつけて仕事を行っていくことが大切です。日本での前提を取っ払い、中国人の性格や仕事に対する考え方を見極める必要があるでしょう。

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