【独自】キャリアビジョンは必要か? 「やりたいことが分からない」人が知っておくべき2種類のキャリア

働き方改革関連法案が施行され、さらに史上初の10連休が終わって、「働き方」に関して世間の注目が高まっている今日この頃。しかしあえて、働き方ではなく、キャリアビジョンについて考えてみたいと思います。ここ最近は、リモートワークやフリーランスなど多様な働き方に関心が持たれていますが、少し前までは新卒の就職活動の頃から「自分は何をしたいか」「何を目指しているのか」といったキャリアビジョンを明確にしようといったメッセージをよく見かけました。5年後、10年後の明確な目標を定めて、その目指す姿に向けて日々の行動に落とし込むという考え方です。

働き方が注目されている現在だからこそ、いま一度、仕事視点のキャリア構築について考えてみたいと思います。

キャリアビジョンとは


ここでもう一度キャリアビジョンという言葉についての確認を行ないたいと思います。

キャリアビジョンとは、自分の経歴や人生(キャリア)のなりたい姿(ビジョン)のことを指します。簡単にいえば、将来どうなりたいかです。そのために自分の現在位置を確認して、将来なりたい姿を想像してどのような道をたどっていけば、それに近づけるかなどを考えることもキャリアビジョンの一部に入ります。もちろん将来なりたい姿、自分のやりたいことと言われても急には思いつきませんよね。ここからは実際に私の経験を交えながら、詳しく見ていきたいと思います。

誰もが悩む「やりたいことが分からない」不安

転職支援サービスに携わっていた時に、求職者から聞く悩みでもっとも多かったのが「やりたいことがわからない」というものでした。似たような悩みで、「どんな仕事が向いているかわからない」「どの会社を受ければいいかわからない」というものも多かったです。さらには「現在の仕事は向いてないと思うけど、何かはわからない」「営業は嫌いだから、それ以外の仕事」など、「じゃないほう」という意思しかない人がとても多いのが印象的でした。

それもそのはずです。就職活動の際は、興味のある業界はなんとなくあっても、どのような職種かまでイメージできている学生は少ないはず。実際に、志望業界の会社に入社しても、文系学生の大半は営業職に配属になるのが一般的です。就職して数年かけて、業界の理解はもちろん、会社の他部門、他職種などを知る機会ができ、ようやく会社の仕組みや仕事の種類がわかり始めてくる人が多いのだと思います。このなんとなく他の仕事もわかってきたタイミングで、多くの人が迷子になるのでしょう。このまま営業を続けたくはないけれど、じゃあ自分は何に向いているのか? 他にやりたいことってなんだろう? と。このようなキャリアの迷子になる人は、転職支援サービスを提供している会社の社員でさえたくさんいましたので、ごくごく普通のことなのです。

むしろ、ベテランのキャリアアドバイザーに聞いたところによると、20代などの若く、経験の浅いうちから明確にやりたいことが決まっているほうがリスクになることもあるようです。なぜなら、経験や知識があまりないにも関わらず、キャリアの選択肢を狭めることになるからだとか。確かに、自分自身の経験を振り返っても若い時に「これしかやらない」と限定せずにいろいろ試してみたのがよかったように感じます。

ゴールピープルとリバーピープル、どっちが正解?

「ゴールピープル」と「リバーピープル」という言葉はご存知でしょうか。リンクアンドモチベーションの創業者・小笹さんが提唱されている考え方ですが、世の中にはこのゴールピープルとリバーピープルの2種類の人がいるとされています。

ゴールピープルは、明確な目標を設定して、逆算して日々の行動に落とし込んでいく人を指します。明確な目標があるので、ブレたり悩んだりせずに日々の行動をこなして、結果に繋げられることができることができるのですが、目標を見失ったり、挫折したときにガタガタと崩れてしまうリスクがあります。

リバーピープルは、目の前の仕事や課題にひたむきに取り組む人を指します。リバーの名の通り、川の流れに逆らわず、流れに沿ってキャリアを築いていくような人です。周りに合わせる力があるので臨機応変に対応できる反面、目標が曖昧なので遠回りが多くなったり、結果的に達成するところが低くなったりすることもあります。

プロのキャリアアドバイザーいわく、特に女性はリバーピープルが圧倒的に多いそうです。明確な目標はないけれど、環境や状況に逆らわずにその時々の仕事を着実にこなし、気づいたらスタート地点よりだいぶ遠く離れたところに来ていたという女性がとても多く、また結婚や出産などのライフイベントに大きく影響を受ける女性にとってはとてもフィットしたキャリアの築き方だと言います。

リバーピープル的キャリアの築き方

確かに、私も完全なリバーピープルです。営業職で就職した印刷会社で「女だからデザインもしろ(いま考えるとアウトな指示ですね)」とMacを初体験。数年経験した後、デザインに目覚めた私は、制作会社にデザイナー希望で転職をします。しかし、まだデザインのスキルが乏しいと判断され、制作物の進行管理全般、取材、原稿制作などあらゆる仕事を丁稚奉公のように挑戦することになりました。初めは、「デザインがしたかったのに」と不満を感じていたものの、ここで「原稿を書くのが私の天職だ」と2度目の目覚めをします。若いので単純ですね。

そして、編集や執筆が専門的にできる会社に転職を試みますが、ご縁があって人材会社の広報へ入社。社内報や会社案内、リリースなど、広報にとって文章を書くことは切っても切れない仕事ですので、「自分のスキルが活かせる」と感じました。その後、すぐに結婚。そして第一子出産、第二子出産と続きます。子どもが生まれてからは子どもに振り回されっぱなしのキャリアですが、最終的には自身の経験を生かして、ワーキングマザーに特化したキャリア支援サービスを社内起業することになりました。

自分の意思に反した、配属や環境によってゆらゆらと川に流されるようなキャリアでここまで来たため、新卒1年目の頃には想像もしていなかった状態になっている現在。これまでを振り返っただけでも、とても満足していますし、このような地点まで私を運んでくれた川(関わった人や会社や環境、家族)に感謝してもしきれません。

リバーピープルで大事なのは、流れに逆らわないながらも、自分の意思で精一杯泳ぐということ。流されたくない! と、もがいたり、立ち止まったりすると、疲れるだけでなく溺れてしまいます。自分を取り巻くさまざまな環境を、それはそれとして受け入れ、川の流れと同じ方向に向かって全力で自分でも泳ぐにはどうすればいいかだけを潔く考え、行動することが、最終的により遠くに到達するポイントなような気がします。

まとめ

「何がやりたいか分からない」といったキャリアビジョンが見つけられず、モヤモヤを抱える転職希望の女性をたくさん集めたイベントで、登壇者であるプロのキャリアアドバイザーがこのリバーピープルの話をしました。私自身はこれまでやりたいことが見つからないという状況になったことがなかったので、「私はゴールピープルかな」と他人事で聞いていましたが、実際にキャリアを振り返ってみると、見事なリバーでした。

デザインがしたいのに原稿を書かされた制作会社でも、原稿が書きたいのに広報でイベントなどを任された時も、葛藤や抵抗感がなかったわけではありません。私がやりたいのはこんなことではないと常に感じていました。しかし、振り返ってみると、すべての経験が見事に今に生きているのです。抵抗感に従って、流れに逆らい、新しい領域にチャレンジしなかったら現在の私はありません。もちろん、20代の若い頃から明確にやりたいことが決まっている、そこに揺るぎないものを感じて貫いているという人が間違っているわけではありません。それはそれで素晴らしいキャリアだと思います。

ただ、明確なキャリアビジョンを持たずに周りに流されるままのキャリアパスも間違っていないということがお伝えできればと思います。目標がないことに不安など感じなくてよいのです。目の前のことに一生懸命に取り組むだけで次に繋がる何かが必ずあるはずです。

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