なぜチームが回らないか?メンバーを動かしてチーム力を向上させるマネジメントのコツ

メンバーが思うように動いてくれないと感じるとき、何をどうするのが得策なのかを考えて、試行錯誤を繰り返しますよね。うまく回っているチームの特徴を知ることで発想転換や改善策の材料になるかもしれません。メンバーが動くチームが積み重ねているものを参考にしてみましょう。

メンバーの強みが反映されている

うまく回っている・活気のあるチームの大きな特徴の一つは、それぞれのメンバーが担う業務に自分の強みが反映されているということです。マネジメントする立場にあるとき、個々のメンバーの強みを見極めることは重要事項となります。

1.重要なのは適材適所

適材適所への人員配置はマネージャーの最重要任務の一つ。

マネージャーに求められる能力は、特定の職種の技術やスキルに長けていることよりも、部署内の職種に必要な適性を深く知り、個々のメンバーの個性や資質を良く理解した上で、相応しいメンバーを配置することができる能力です。適した人材とは、その業務をより良く遂行できる人のこと。本人も自覚があり、納得して業務に取り組めるのが理想です。

さらにマネージャーは、環境の変化やメンバー自身の成長に合わせて新たに適所を提供していくことも考える必要もあります。そのためには変化していく職種についての知識が必要ですし、メンバーを理解するために密なコミュニケーションを心がけたり、あらゆる状況でメンバーを観察していかなければなりません。

2.強みのパワーを最大活用

強みを発揮できる場面を与えられているメンバーは、ポジティブな意識をキープして働くことができます。
強みを発揮するには、メンバーが自分の強みを自覚することから始まります。メンバーに自分の強みを自覚させ、それを発揮させることを後押しするのは、マネージャーや他のメンバーからの承認です。

マネージャーには、業務をスムーズに進めたり、メンバーの成長を促すことが求められているため、つい注意点や改善点に目がいきがちです。しかし、指摘に終始してしまうと、メンバーは「自分が持っている強み」を忘れてしまいます。そして、心理的にエネルギー不足となってしまうでしょう。

自分の強みを発揮して「感動」を得ることで、ポジティブな気持ちで業務を改善したり、困難が発生した時にも踏ん張ったり、仕事に対するモチベーションを維持することができるようになります。なので、マネージャーはメンバーにそのような感動を得られる機会を与えていきましょう。

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ミスコミュニケーションの回避


チーム内の相互理解はコミュニケーションを通じて得ていくものです。言ったことが伝わらない、指示した行動につながらないこともあります。そんなことが続いている人は、ミスコミュニケーションの原因を探ってみましょう。

1.理解レベルを理解する

メンバーを理解することが大切だということはよく耳にします。では、具体的にメンバーの何を理解すればいいのでしょうか。その答えの一つがメンバーの「理解レベル」です。

メンバーが「はい」と答えたことがらでも、実はメンバー自身も分かったのか分かってないのかが、分かってないということがよくあります。なので、実際に行動するときになって頭に「?」が浮かんでしまい、伝わっているはずの行動がとれないという確率が高いのです。そこで、マネージャーは、指示や指摘、承認などをする際に、自分がメンバーに対して使う言葉や内容をメンバーの目線で伝える意識が必要です。

伝える側が意識し直してみることがミスコミュニケーションの回避策として最も有効なのです。

2.主語を意識する

主語の重要性を意識されたことはありますか? 主語は、相手の捉え方を変化させる力があります。
日本語は、特に1対1の会話の中で、主語を省いても通じてしまう、あるいは無意識に通じるはずと考えて話してしまう言語といわれます。実は、この習慣にミスコミュニケーションを発生させる原因が潜んでいます。

  • 「~が言いました」⇒ 誰が言った?
  • 「届く予定です」 ⇒ 誰が届ける?
  • 「問題があります」⇒ 何が?
  • 「良かった」   ⇒ 何が?
  • 「分かりません」 ⇒ 何が?

そこで、主語を意識してみることで、取り違いや勘違いを防ぐことができます。

また、指摘や注意をする際に、主語を「相手」にせず、「もの・こと」にすることで、相手を直接的に否定しないようにすることも有効です。

例えば、間違いが起きたときに「なぜそれをしたのか」「どうして言わなかったのか」だと相手を責める直接的な表現になりがちです。「それ(問題)が、なぜ起こったのか」「言いにくくしたのは何か」など事象に焦点を当てて問うことで受け止め方が変わってきます。

3.具体的に伝える

ビジネスでのミスコミュニケーションで大きなポイントになるのが言葉の具体性です。
曖昧な表現による理解のズレが「できない部下」「ダメなメンバー」という捉え方や、上司としての「イライラ感」「うまくいかないという悩み」の原因になっていることもあります。

曖昧な表現にはいろいろありますが、例を挙げてみましょう。

  • 「早めに」 ⇒ いつまでに、何時までに
  • 「丁寧に」 ⇒ どの部分なのか、何を丁寧にするのか
  • 「コミュニケーションを活発に」⇒ 挨拶をするのか、笑顔になるのか、雑談するのか、頻度をあげるのか……
  • 「頑張る」 ⇒ 何をどう行うのか
  • 「増やす」 ⇒ いくつ、何枚、何件増やすのか
  • 「積極的に」⇒ 何をどう行うのか

これらの言葉に戸惑うメンバーは多いものです。メンバーに指示を伝える際には出来るだけ具体的に言うようにしましょう。

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信頼関係を確実に作っていく

チームの中に信頼関係が築かれていると、メンバーは安心して業務に取り組めます。信頼関係を一朝一夕に構築することは不可能ですよね。信頼関係は、日々の業務を同じ空間でこなしていく中で少しずつ、少しずつ、ときには一進一退を繰り返しながら強固になっていくものです。優秀なマネージャーたちは、信頼を築くために意識すること、行動すべきことに力を注いでいるようです。

それでは、信頼関係を築いていくために意識するべきポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。

1.一貫した雰囲気づくり

一人ひとりの個性に合わせたコミュニケーションは大切ですが、全体で共有しているルールがあるにも関わらず、その都度、対応の仕方や雰囲気を変えることはメンバーを戸惑わせる原因になります。例えば、部下への指摘や称賛、お客様の対応やクレームのような場面です。

どんな時でもマネージャーの態度や言動は常にメンバーから見られているものです。そこで一貫性を欠いた対応をしていると、それをすぐにメンバーに見破られてしまいます。マネージャーの一貫性は、メンバーの一貫性のあるフォローにつながっていくのです。

2.緊張感を最低限にする

ビジネスシーンに限ったことではありませんが、適度な緊張感のもと、できるだけリラックス感を持つことで最大以上の能力が発揮されるともいわれます。そのようにして自分の最大の能力を引き延ばしていくことで、人は成長を遂げていきます。そんなときの充実感は計り知れないものです。

マネージャーが威圧的になると、メンバーはネガティブな緊張感を抱いてしまいます。失敗してはならない、間違えてはいけない、早く終わらせなければならない……。せっかくの見守りや観察も監視されていると受け止められるかもしれません。

ネガティブな緊張感で失われるものは甚大です。クリエイティブな発想、やってみようと思うチャレンジ精神、サポートし合う余裕と意欲、サポートがあるという安心感、できるという達成感。これらのすべてが、メンバーの能力を向上させるものであり、チームの成長にも不可欠なのです。

マネージャーは適度にプレッシャーをかけつつも、暖かい声掛けなどを通じてメンバーの緊張感を下げていく必要があります。

3.共に成長する意識の共有

マネージャーや上司という立場で仕事をしていると、つい他のメンバーとの上下関係のほうに意識が向いてしまいがちです。ですが、マネージャーも日々の業務の中でマネジメントなどのスキルを学んでビジネスパーソンとして成長をしている立場なのであり、その点ではマネージャーもメンバーも同じ立場です。

お互いがある意味、対等な立場であるということを意識して、謙虚な姿勢を貫く意識が必要です。

4.弱みを共有できる強み

どの役割を持っていても、どの立場にあっても、人は自分の弱みを認識してくれている組織に対して安心感を抱きます。きちんと、うまく、しっかり行なう自分しか見せられないチームの中では、人は業務に全力投球することができません。なぜなら、四六時中、弱みを隠すことに注ぐエネルギーも必要になるからです。

このことは、本人にとっても企業にとっても無駄なエネルギーと言えます。

弱みを共有することで、本人は無駄なエネルギーを浪費する必要がなくなります。そのことを強みとするメンバーからのサポートを受けることも容易になります。マネージャーがその采配を行なうことも可能でしょう。一人で苦手なことに時間を掛ける頻度が下がれば、業務スピードも上がります。サポートし合うという環境も生まれます。お気付きのようにメリットはとても多いのです。

CEOにもマネージャーにも弱みはあります。大切なことは、チームの中にそれを知っている仲間がいるということなのです。弱みを共有できることは強いチームの必須条件なのかもしれません。

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メンバーを動かしてチーム力を向上させるマネジメントのコツのまとめ

チームのマネジメントをスムーズにする要素として、メンバーの強みが反映されること、ミスコミュニケーションを回避すること、そして信頼関係を構築することをご紹介しました。皆さんのチームでは、これらのことをうまく実践できていますか? マネージャーやメンバーの括りを外して、良いチームづくりのために皆で語り合ってみるのも一つの有効策かもしれません。

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