プロセスはプロジェクトの要、「プロセスフロー図」を使ってプロジェクトを効率的に管理しよう

プロジェクトはさまざまなプロセスの組み合わせによって構成されています。そのため、個々のプロセスについて学ぶことは、プロジェクト理解の一助となることでしょう。PFDやバッファについても触れながら、プロセスを重視したプロジェクト管理法をご紹介します。

プロジェクトの定義

ここでは、「そもそもプロジェクトって何だっけ?」という疑問に対して、プロジェクトの持つ3つの特性を解説します。

まず1つ目の特性は、「独自性」です。プロジェクトは繰り返しのない、一度きりの取り組みで、一つひとつ異なったアウトプットを生み出します。次に2つ目の特性は、「有期性」です。プロジェクトは、有期性のある業務であり、「いつから、いつまで」という期間が明確に決まった活動のことをいいます。

最後に3つ目の特性は、「決められたスコープ」です。プロジェクトは期限までに「ここまで実現しないといけない」という範囲が決められていて、この範囲のことをスコープと呼びます。要するに、プロジェクトとは「独自性」「有期性」「決められたスコープ」という3つの特性を持つ仕事のことをいいます。

プロジェクトを構成する5つのプロセス

プロジェクトはいくつかの大きなプロセスによって構成されています。PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)では、「立ち上げ」「計画」「実行」「監視・コントロール」「終結」の5つが定義されています。それぞれのプロセスにおけるポイントを説明していきたいと思います。

① 立ち上げ

「立ち上げ」プロセスでは、プロジェクトに求められる要求を理解して、プロジェクトの方向性を定めます。「なぜ、プロジェクトを立ち上げたのか?」という目的と、「何をもってプロジェクトは成功したと判断するのか」という目標を明確にして、プロジェクトのゴールを決めます。これを利害関係者の共通認識として、正式にプロジェクトをスタートさせます。

② 計画

「立ち上げ」でプロジェクトのゴールを定めたら、「どうやってそのゴールまでたどり着くか」を考えるのが「計画」プロセスです。プロジェクトは、ほぼ100%計画通りにはいきません。後になって、要件が変更されたり、スケジュールが遅延したりと、必ず不確実性が存在します。そのため、その時点、その時点でわかっている情報で「計画」を立てて、徐々に詳細化していく「段階的詳細化」をしていく必要があります。

③ 実行

「計画」を立てれば、それを「実行」するプロセスに移ります。「実行」している間、プロジェクトマネージャーは利害関係者と情報共有を行い、積極的にコミュニケーションしていくことが求められます。

④ 監視・コントロール

プロジェクトは往々にして、「やってみないとわからない」取り組みであることが多いです。ただ、逆に言えば、「やってみるとわかることがある」ということを意味します。いくら精度の高い計画を立てたとしても、計画通りにプロジェクトが進むことは、ほとんど有り得ません。計画と実績には、必ずギャップが存在するのです。そこで思い悩むのではなく、経験によって新しく学んだことを適宜、計画にフィードバックすることで、プロジェクトの成功に貢献します。

⑤ 終結

プロジェクトには、「独自性」があるということは前述しました。それでは、一つのプロジェクトで学んだ知見を水平展開することはできないのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。プロジェクトで、うまくいったこと、いかなかったこと、どのような問題が起き、どう対処したか、などを組織に共有することで、組織のプロジェクトマネジメントの成熟度を高めていくことができるのです。

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プロセス管理ツールPFDとは?

プロジェクト計画を立てる時に、一般的に最も重要視されるのが WBS(Work Breakdown Structure)でしょう。ただ、WBSは静的なものを構造化されたリストにすることは得意ですが、もっと動的なもの、つまりプロセスを表現することには、あまり適していません。それでは、プロセスを表現するにはどうすればよいのでしょうか?

その一つの答えが、「プロセスフロー図(Process Flow Diagram, PFD)」を用いることです。PFDは、ソフトウェア構造化設計技法である「データフローダイアグラム(DFD)」をヒントに、清水吉男氏が開発したプロセス設計図法です。


参照:http://blogs.itmedia.co.jp/hideshibamoto/2012/05/post-c0e8.html

上の図で大まかなイメージは共有できたかと思います。詳しい書き方などは、ネットで検索すれば調べることができるので、ここでは割愛します。その代わりに、PFDを使うメリットを4つほど紹介したいと思います。

① シミュレーションができる

PFDを使って、「インプット – プロセス – アウトプット」のつながりを見える化することによって、シミュレーションが可能になります。

② プロセスの変更が容易

プロジェクトは必ず変更が伴います。要求の変更、納期の変更、想定外の事象の発生による変更などは、すべてプロセスに影響を与えます。そこでPFDでプロセスを表現しておけば、要求に応じてプロセスを変更することが容易になります。

③ 先の見通しや影響が見える

PFDは要素間のつながりが見える化されており、あるプロセスのトラブルや遅れが、他のプロセスにどのような影響を与えるのか、今後どのような事態が起こり得るのかを予測することができます。

④ 専門知識がなくても理解できる

PFDはシンプルで直感的に理解しやすいツールです。そのため、誰であっても内容を理解することができます。これによって、利害関係者にプロジェクトをどのようなプロセスで進めるのか、変更がどのような影響を及ぼすのかなどについて、わかりやすく説明することができます。

以上、PFDについて解説してきました。興味がある方は、ぜひ学んでみてください。

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バッファを効果的にマネジメントするためには

プロセスを組み立てることができたら、次はそれらをタスク単位におとしていきます。タスクを見積もる際にバッファ(余裕)を設けることが多いと思いますが、ここではバッファに潜む2つの落とし穴を説明したいと思います。

① 学生症候群

期日にバッファを持たせた時に、果たしてどれだけの人が早めにタスクに着手するでしょうか? 恐らくほとんどの人が、「この仕事はまだ余裕があるから、他の仕事をしよう」というように、バッファを見込んで、着手する時期を遅らせてしまいます。例えば、夏休みの宿題を思い出してください。まだまだ余裕があると思って、のんびりしていると、着手する時期が限界ギリギリになってしまうという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。この現象をエリヤフ・ゴールドラットは「学生症候群」と表現しました。

② パーキンソンの法則

パーキンソンの法則とは、「仕事の量は、与えられた時間を消費するまで膨張する」というものです。

具体例で考えてみましょう。あなたが、あるタスクに対して20時間かかると申告しました。仕事にとりかかると、実際は15時間で終了しました。この時、あなたは、仕事が早く終わったことを上司に報告するでしょうか。しないという方もいるのではないでしょうか。そのような方は、その報告をしても「早く終わったなら、Xさんの仕事を手伝って」「じゃあ今度からもっと時間を短めに見積もって」というようなことを言われるのではないかと考えているはずです。

それなら、残りの5時間はブラッシュアップなどの必ずしも求められない作業で時間を食いつぶす方が得をできると考えることは自然なことです。

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バッファをまとめて管理しよう

「学生症候群」「パーキンソンの法則」によって、バッファを持たせても、結局ギリギリになってしまうことがわかったかと思います。それでは、どのようにバッファを利用すればいいのでしょうか?

その答えは、「個々のタスクからバッファを分離して、まとめて管理すること」です。こうすることで、実際に使用するバッファの総量を減らすことができます。この時に注意するポイントとして、バッファは本人の管理とし、クローズドではなくオープンなものにすることです。

本人管理だと余計バッファが使われるのではないかと思われるかもしれませんが、人は自分のものは使いたくないと考えるものです。その結果、バッファは総量を減らしながら、本当にトラブルが起きた際にはしっかりと緩衝材として機能するようになります。

「プロセスはプロジェクトの要、PFDを使ってプロジェクトを効率的に管理しよう」についてのまとめ

本稿では、プロセスを重視する「プロジェクト管理」について述べてきました。まず、プロジェクトの定義を明確にして、プロジェクトを構成する5つのプロセスについて説明しました。さらに、応用的な内容として、PFDの活用とバッファマネジメントの考えを解説しました。プロジェクトを成功させることは、チャレンジングなことですが、本稿が少しでも参考になれば幸いです。

<参考>
芝本秀徳 (2017) 『プロセスデザインアプローチ 誰も教えてくれない「プロジェクトマネジメント」』

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