プロジェクト管理に役立つ! WBSの使い方とツール

みなさん、WBSを作って(使って)いますか? また、作ったWBSを活用できていますか? システム開発のプロジェクトに携わる人たちの間では、WBSについて「WBSを作って管理した方がいい」「WBSを作る暇があれば開発した方がいい」と賛否両論です。 そこで、今回はWBSを作ることでプロジェクトを本当に管理できるのか考えたうえで、WBSを作るときに便利なツールをご紹介します。

WBSの考え方〜WBSってどんなものですか?

システム開発をしている人にはおなじみのWBS(Work Breakdown Structure)は、その名のとおりWork:作業をBreakdown:分解したStructure:構成図です。

プロジェクト全体の作業を洗い出し、どんな作業があるのか、その作業にどのくらい時間(工数)がかかるのか、作業は誰が担当するのか、がリストアップされているものです。 システム開発では、このWBSを使ってプロジェクトが管理され、進捗確認にもよく使われています。

WBSの問題点とこれまでの歴史

WBSの作成は、プロジェクト全体の作業を洗い出し、5日以下のタスクに分解するところから始まります。システム開発の作業は膨大にあるので、このタスクの洗い出しに時間がかかります。そのため、「WBSを作る時間があれば1行でもプログラムを書きたい」というエンジニアが出てくるのは当然のことです。

また、WBSの作成にはExcelが使われることがよくあります。Excelは誰もが使い慣れたソフトウェアであり、計算式やマクロを組み込んで簡単にカスタマイズできるため、WBSの作成にも広く用いられているのです。ところが、Excelを使うことでWBSそのものが膨大になり、ファイルサイズが大きくて「ファイルを開くのに時間がかかる」、「少し操作して保存するのにも時間がかかる」といった不満もよく聞かれます。

さらに、Excelファイルで作られたWBSを更新することがメンバーの負担になる、という場合も多いです。結果として、PM(プロジェクトマネージャー)が進捗確認するのにも負担になり、顧客への進捗報告のためだけに毎週1回WBSを更新している、ということもよく聞かれます。これでは何のためにWBSを作っているのかわかりません。

WBSの導入事例


WBSは作業の洗い出しから始まります。ただ、作業の洗い出しといってもどこまで細かく洗い出すかは人それぞれです。その上、作業のヌケ、モレも出てきます。

そこで、「成果物(作るもの)」を軸に構造化を考えていきます。

スコープを洗い出す

スコープを洗い出すためにはマインドマップを使うといいでしょう。ただし、絵を描く必要はありません。必要な成果物を洗い出すために、マインドマップを使うのです。この時に洗い出す成果物はドキュメント(資料や設計書)だけでなく、機能ベースに考えると書きやすくなります。

例えば、
ユーザー登録画面
 - 基本情報入力画面 - 画面設計書
 - 詳細情報入力画面 - 画面設計書

といった具合です。

こうしておくとユーザー登録画面は2つの画面があり、それぞれに画面設計書を作る必要がある、ということがわかります。

依存関係を意識して並べる

どの作業にも「これが終わらないと始められない」「これが決まらないと始められない」という依存関係があります。これを意識してタスクを並べます。

まずは工数と日付、担当者を置いてみる

まず、工数と日付を置いてみます。最初は、○○はいつまでに欲しい! とお客様から希望が出されている、といったことは、いったん無視します。まず工数と日付を置いてみましょう。

このときに合わせて担当者も入れておきます。なぜかというと、タスクによっては作業できる人が限られていることがあるからです。作業できる人が限られると、ボトルネックになる可能性が出てくるため、担当者も合わせて考えるといいでしょう。複数の担当者がいる場合は、主担当と副担当と分けて書いておきます。主担当が誰かを明確にしないと、誰もやってない、という状態に陥ることがあるからです。

バッファを考える

プロジェクトが遅れる理由に、「各自がバッファを持って作業する」ことが挙げられます。そこで、バッファをおもてに出します。おそらく進捗状況を週次で確認して報告することが多いと思われるので、週単位で0.5人日程度持っておきます。

プロジェクトは必ず「想定外」の出来事が起こります。作業だったり、想定していた実装方法がうまくいかずに調査が必要だったり、エラーが起こったり。そういったものをこの「バッファ」に取っていた時間を充てるようにします。

その代わりに各タスクの工数にはバッファは含まないようにします。こうすることで、「早めにできそうだけど、予定まで時間があるからゆっくりやろう」「早めにできたから、ちょっとおまけの機能もつけよう」といった無駄な作業が減ります。

クリティカルパスを意識して、スケジュールを調整する

いったん日付を置いたWBSを見てクリティカルパスを確認します。そうすると、マイルストーンで想定した日がずれる、納期に間に合わない、ということがわかるかも知れません。

ここで可能であれば、お客様とスケジュールを調整してみます。なぜスケジュール調整の必要があるのか、開発者の問題なのか、決めるべきことが決まっていないことが問題なのか、調整の理由をお客様と共有します。

進捗の把握は「成果物」で把握する

WBSの進捗をパーセンテージで報告するときに「50/50(着手したら50%、完了時に100%とする)」や「0/100(完了時にのみ100%とする)」など進捗度合を報告する数字はいろいろルールがあります。

ただし、これらのルールだと実際の進捗と乖離(かいり)することがありますので、実際にどこまでできているのか、で報告をしてもらうといいでしょう。

独りよがりで作らない

WBSを作るPM(プロジェクトマネージャー)やリーダーといった人たちは、もちろんそれなりの経験があります。そのため、「自分が作ったものは正しいだろう!」「前と同じようなシステムだから、今度も同じような工数でできるはずだ!」といった思い込みが出てくることがあります。

そんな独りよがりなWBSにならないように、「三人寄れば文殊の知恵」で複数の人でWBSを作りましょう。そうすれば他の人が気づいてくれるところもあり、精度も高くなるでしょう。

テンプレートやツールの比較

Excel Apps


Excelで使うWBSのテンプレートです。進捗を表すイナズマ線も描くことができます。色なども自分で変更できますが、シートの作りに慣れる必要があります。マニュアルがあるため、よく読んで使用する必要があります。
https://exl-apps.jimdo.com/

Edrwa 視覚化作図ソフト

WBSも作業分解図や構成図、マインドマップも描けるソフトです。それぞれテンプレートが用意されています。無料体験もできるようですが、基本的に有償のツールです。製造元は香港の会社のようで、ホームページの日本語が少し不自然な訳になっている部分もあります。
https://www.edrawsoft.com/jp/

Brabio!


最大5名まで無料のソフトウェアです。製品ページでも「初心者専用」とうたっているので、直感的にも使いやすいツールでしょう。ガントチャートも作成できます。
https://brabio.jp/

テンプレートやツールの比較まとめ

Excel、フリーソフト、有償ソフトとご紹介しましたが、それぞれに一長一短があります。カスタマイズしやすいほうが良いのか、ガントチャートなどさまざまな機能があったほうがいいのか、など、何に重きを置くかで選ぶといいでしょう。

ちなみに、Excelテンプレートは、フリーのものを使うとマクロ部分にロックがかかっていることが多いため、カスタマイズが難しく、テンプレートに合わせないといけなくなるので注意が必要です。

もちろん、Microsoft ProjectやTrello(トレロ)といったプロジェクト管理ソフトもあります。どこまで管理をしたいかを考えて、適切なものを選びましょう。

またそのほかのプロジェクト管理ツールを知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
プロジェクト管理ツールの比較・再評価をする【2018年度新版】

「プロジェクト管理に役立つ! WBSの使い方とツール」についてのまとめ

全体がぼんやりとしかわからないまま開発を進めてしまうと、今どこまで進んでいるのか、進捗状況はどうなっているのかがわかりにくくなってしまいます。また、作業が早い特定の人に作業が集中しがちになります。

そのため、WBSを使って誰が何をするのか、どの程度進んでいるのかを把握することが大切です。新しいプロジェクトになるたびに、WBSを1から作り直す必要はありません。前に使っていたものから必要なタスクを残し、不要なタスクを消していけばいいのです。WBS管理は特定の人しかできない作業ではないですし、もちろん力仕事ではありません。手を抜けるところは抜いて、ツールの力を借り、気楽に取り組んでいきましょう。

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