やりたいことがないなら、「便乗」してみようーイベントファウンダー・米田悠人さん

リレーインタビュー連載『私の仕事が変わった瞬間』。 本連載では、ユニークな事業に取り組む方々へのインタビューを通して、「日本の働き方事情がこれからどう変わっていくのか」を探っていきます。学生や若手社会人の皆さんにとって、将来のキャリアについて考えるヒントになれば幸いです。

本連載第5回目のお相手は、米田 悠人さん。自己紹介の場では、ご自身のことを「ヤフー社員とイベンターです」と名乗っているそう。学生時代から、学生団体の設立やイベント企画など、様々な活動にチャレンジされてきた米田さんに「生き方の軸」や「大切にしている価値観」について詳しく聞いてみました。

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米田悠人さん(プロフィール)

1995年、横浜生まれ。

学生時代は、カンボジアボランティアの学生団体『DOIT』の立ち上げや法人営業インターン、都内でのBARの運営など様々な活動に取り組む。

大学卒業後は、ヤフー株式会社に入社。現在は、法人向けの広告営業を担当している。

本業の傍ら、都内IT企業の同世代を対象にしたイベントの企画・運営やBBQイベントの開催など「オモロイ」を主軸に幅広くチャレンジを続けている。

学生時代から今までのキャリアヒストリー

インタビューのはじめは、米田さんに学生時代から今に至るまでのキャリアヒストリーについてお伺いしました。

カンボジアボランティアの学生団体の立ち上げ

学生のときは、とにかく好きなことをやっていました。例えば、大学1年生の時は、留学ツアーでカンボジアにボランティアに行きました。現地の人と触れあったり、そこでの生活になじんでいく中で、カンボジアのことがとても好きになりました。

カンボジアでは日本に比べて人間関係がフランクな部分があり、例えば、カフェで隣の席になった人に話かけたり、そこから仲良くなったら「うちに泊まりに来なよ」などと声をかけてくれる事もよくあります。そこでの新しい出会いや人と人との輪が広がっていく感覚がたまらなく好きでした。

カンボジアで非日常に触れ続けたあと、いざ日本に帰ってみると、授業に出て、バイトに行って、また授業に出て、という変化のない日常のサイクルがつまらないと感じるようになり、もう一度カンボジアに関わりたいと強く思うようになりました。

そこで、ツアーの代表とともに、カンボジアボランティアの学生団体『DOIT』を立ち上げたのが、大学1年生の秋です。

法人営業インターンを経験

カンボジアでのボランティアとは別で、大学1年生から、法人営業のインターンをしていました。多い時だと300人くらいのメンバーがいるその会社のなかで、僕は「法人営業チーム」として、学生と企業のマッチングイベントの運営にかかわっていました。合同説明会と似たような形式の、もう少し認知度も、規模も小さいやつものをイメージして頂ければわかりやすいかなと思います。

ぼくは、最初チームの中で一番アポが取れない人間で、1000件電話をかけても、1件アポが取れるかどうか。デキる人だと10件に1件くらいはアポを取ってくるので、自分は正真正銘の「落ちこぼれ」でした。

今日の取材は、米田さんの明るさに引っ張られ、初っ端から盛り上がっています

でもあるとき、上司から「米田、おまえ何もやり方変えてなくね?」と言われて、その時初めてハッとしました。自分の中では、色々とやり方を工夫して変えていたつもりだったのですが、周りから見たら全く変えてるように見えないんだなって。

自分で言うのもどうかと思うのですが、これまでの人生「だいたいなんでも上手くできちゃうタイプ」だったので、インターンを経験して、必死こいてもできないことがあるんだということを身をもって知りました。

そこから、デキる人のやり方をマネしてみたり、ひたすらアポの練習をしたり、と試行錯誤を繰り返して、自分なりの答えを見つけていくことができました。

学生団体のメンバーとBARを運営

ご縁あって、カンボジアボランティアの学生団体のメンバーでBARを運営させてもらえる機会をいただきました。学生8人くらいで、仕入れから価格設定、諸々の企画まで、全て自分たちでやっていました。

「オモロイ」かどうかが全て

これらの活動をしていた当時を振り返ると、ただ単に「オモロイ」と思っていたからやっていただけかなと思います。ひたすら「オモロイ」と思えることをやってきて、気づいたら今の会社にいたって感じです。

ヤフーに入りたいと思った背景ときっかけ

ヤフーでは、法人向けの広告営業を担当している米田さん。働き方の選択肢が多様にある中で、なぜヤフーという大手企業で働く道を選んだのでしょうか。

フジテレビっ子だった子供時代

ぼく、昔から広告が好きだったんですよね。ルーツは、小学生ぐらいにあって、当時はフジテレビが大好きで、親も引くぐらいのフジテレビっ子でした。中学生の時の卒業論文にも「ぼくはフジテレビに入社して、世界を変えます。」みたいなことを書いていました。なんで入社しただけで世界変えられるねん、みたいな(笑)

でも、それくらいフジテレビが好きで、小学生から高校1年生くらいまでの夢は、フジテレビで働くことでした。そういった背景もありつつ、CMとかも含めて、メディアに触れる機会が多かったので、いつの間にか広告に興味をもつようになったんだと思います。

子どものころからスケールがデカすぎる米田さん、さすがです。

学生団体のSNS発信で感じた課題が、広告への興味を増した

大学生になって、団体の代表になってから、団体の活動を発信するためにFacebookやTwitterなどを運用するようになりました。アカウントを運用するなかで「どうやって自分たちの活動を多くの人に伝えようか」みたいなことを考えるのですが、そのプロセスが面白くもあり、一方で難しさも感じていました。

でも、いち学生団体の自分が「発信」に関して課題を抱えているぐらいなので、もっと大きい組織だったら、何か面白いことが発見できるんじゃないか、と思うようにもなりました。そこから、さらに広告に興味を持つようになり、紆余曲折しながらも、最終的にヤフーを選んだという感じです。

プライベートな活動と仕事のバランス

米田さんは、社会人になってからもイベントの開催など、プライベートでの活動も続けています。プライベートな活動と仕事のバランスはどのようにとっているのでしょうか。

これまでの活動と、ヤフーの仕事に明確な切り分けはない

まず、ぼく自身は、学生時代から起業をしたいと考えていたので、会社員になるか、ならないかで、人生の1つの大きな選択がありました。

大学4年間を卒業して、社会人1年目を会社員として会社に属して過ごすのか、自分で何か事業をやってみるのか、そこでかなり悩みました。でも、悩んだ結果、最終的には会社に入ろうと決めました。

なぜ会社に入ることを決めたかというと、そのキーワードは2つあって、「人脈」と「経験」です。

起業をを志している僕ですが、一度きりしかない人生のなかで、会社員としての仕事や、そこでしか得られない経験は、自分がいずれ起業し、様々な立場で活躍されている会社員の方々とお仕事をすることになるのであれば、相手の立場を理解するためにも、なおさら会社員を経験しておきたいと考えました。

また、大学を出てすぐに起業するとなると、経験も浅く、人脈もほとんどないまま進んでいくことになります。それよりも、例えば、5年間会社員として経験を積み、社会のルールや流れを知り、その後、起業するというほうが、結果的に僕が目指すゴールにたどり着くまでの時間が短縮できるのではないかと考えたからです。

そういう選択をしたから、今ぼくは自分がヤフーにいる「意味」を常に考えています。今ある環境でやりたいことを考え、学べることを、日々吸収しようと考えています。

これらを踏まえて質問に答えると、これまでやってきた活動と今ヤフーでやっていることは、自分の中では「何も変わらない」と思っています。やりたいことを自分の意思で決断し、楽しみながらやってきたからです。そういった意味では、プライベートな活動と、ヤフーの仕事に切り分けはないと思います。

学生とか社会人とかもなくて、自分は自分

学生の自分と社会人の自分みたい話は多いと思うんですけど、ぼくは学生の自分とか、社会人の自分なんてものは存在しないと思ってます。

自分自身、価値観は「自分」で生きているし、これまでもずっとそうしてきました。そういった意味では、学生の自分も社会人の自分もいなくて、プライベートな自分も働いている自分も、すべて同じ「米田悠人」なんだと思います。

学生時代と社会人になってからで価値観が変わったかと聞かれると、それはたぶん常に変わっていて、でもそうやって変わっている「今現在」そのものが米田悠人なんです。

米田さんにとっての仕事とは? なぜ働くのか?

自分らしく働く米田さんにとっての「働く」とは何なのか、その真意を聞いてみました。

やりたくないことは、やらなくていいんじゃないかな

学生時代、法人営業でインターンしていた時の話に戻るんですけど、当時ぼくがいた組織は、「稼げる」「成長できている」「優秀な人材を輩出する」みたいTHE・意識高い系なミッションを持っていました。

そこでは、仕事っていうのはやりたくないこともやらなきゃいけないし、顔色もうかがわなきゃいけないときもあるし、即レスしなきゃいけない、とか、いろいろと「自分の価値観とは違うこと」も受け入れて、やりたくないこともやらなきゃいけないのが仕事なんだよっていう話をひたすら聞かされていました。

そのときは「ふんふん、そういうものか」っていうインプットだったんですけど、今の僕なら「やりたくない仕事は、やらなくていいんじゃないの」って言うと思います。

既存の価値観に縛られて仕事をする必要はなくって、「これ違うなー」とか「これやってもきっと意味はないんだろうな」とか、みんな一度は、そう感じたことがあると思います。

ぼくの場合は、広告営業をやっているので、クライアントの売上につながらないなと思ったら、広告の提案をそもそもしないと決めています。自分にとっては利益になるかもしれないけれど、誰かを傷つけたり、誰かの不利益につながったりしてしまう仕事に価値はないと思ってる。

そういう意味でも、やりたくないことはやらなくていいんじゃないかなと思っています。

だから、なぜ働くかも、そこに答えはなくって、ぼくのように働くことが好きな人は働けばいいし、働きたくない人はムリして働かなくても良いんじゃないかなって思っています。

今の時代、好きなことで稼げる土台はたくさんある

今、この時代は『YouTube』もあるし、『SHOWROOM』や『LINE LIVE』、『17Live』とか、自分次第だけど、好きなことで稼げる土台がたくさんあると思ってます。だからこそ、ムリして会社で働く必要はないとも思います。

さきほど自分の価値観は常に「自分」だから、学生時代も今も一貫して価値観は変わっていないと言いました。でもそれは、ヤフーという会社のおかげでもあると思っています。

ヤフーでは、自分である程度働く時間を調整することもできるし、規模の大きな会社なので、できる仕事もたくさんある。他の会社に就職していたら、今と同じようなことは言えていないかもしれません。ここにいるからこそ変わらずにやれているという実感はあります。

自分らしさを形作った「軸」

「自分らしく働く」ことを体現されている米田さんに、自分らしさを形作った「軸」について聞いてみました。

24年間考えていることは「人生楽しんだもん勝ち」ということ

今24歳なんですけど、これまで24年間生きてきて考えていることは「人生楽しんだもん勝ち」ということです。その価値観だけは、小さい時からずっとブレない。

自分の人生だから、自分がオモロイと思った選択を常にしているし、そうすると他人からの評価は気にせず生きることができます。自分の「価値」を評価する物差しは、僕の場合、自分の内側にあるんです。

例えば、AとBの2つの選択肢があったとしたら、ぼくは迷わず「オモロイ」と思ったほうを選びます。

それを選んだ結果、ゴールにたどり着くまでに時間がかかってしまったり、すぐには自分自身の糧にはならなかったりすることもあると思うんですけど、自分が「オモロイ」と思って選択したので、後悔することはないです。

これまでの人生の中で、1つだけ後悔があるとしたら、小学6年生のときに好きな子にちゃんと告白しておけばよかったなってことぐらいです。(笑)

自分が見たことない景色なら、それを見に行きたい

あと自分の中の軸があるとすれば、その選択をすることで「自分が見たことない景色が見られるかどうか」という観点です。

米田さんの目線の先には、どんな未来が見えているのか…

誰か他の人がすでにやっている事でも、自分にとっては初めてのことだったり、その先の景色を自分では見たことがないのだとしたら、それを自分の目で確かめに行きたいなと思います。

見たことない景色を見るために挑戦している自分が、その瞬間が、自分にとっての「オモロイ」ということなんだと思います。

人と人の輪が勝手に広がる文化・環境をつくる

ぼくがよく言っていることがあって、それは「人と人の輪が勝手に広がる文化・環境をつくる」ということです。学生時代のカンボジアでの活動も含めて、これまでのぼくは、様々な人との「ご縁」で活動を続けることができてきました。

人と出会うことで、自分自身が成長できたなと思うことが何度もあったし、なんだかんだリアルでの「人と人との出会い」が今のぼくを形作っていて、自分の中でとても大切にしているキーワードです。

ぼくは、そういった文化や環境をつくることも好きだし、そういったコミュニティに自分がいるだけでも幸せを感じるタイプなので、これからの人生の中で、人との「つながり」みたいなものを、もっともっと作っていきたいなという思いがあります。

今はまだゴールは見えていませんが、最終的には、自分が関わった人たちが集まる「村」みたいなものを作りたいですね(笑)。

モヤモヤしている人たちのメッセージ

いまはまだ「自分らしいとは何か?」という答えを見つけることができずに、モヤモヤしている人達に向けて、米田さんからメッセージをいただきました。

正直、ぼくは、やりたいことばかりの人生だったから、やりたいことがないという感覚があまりわからないんですけど、確かに自分の周りにはそういった人たちがいっぱいいます。

自分がやりたいことがない感覚が分からないことを前提として、それでもアドバイスするとしたら、「便乗して良いんじゃないかな」ってことです。

例えば、自分の周りに「輝いて見える人」っているじゃないですか?もし、その人たちが輝いて見えるのだとしたら、何か自分の中でピンと来るものをその人はもっているんだと思う。

そういう人たちのすぐそばにいることは、結構重要かなと思っています。

マジ納得。

やりたいことがなくても全然よくて、でもモヤモヤしているんだったら、なんかこの人かっこいいなとか、この人面白いな、輝いてるなって思う人の近くにいってみる。

そして、その人のやっていることが、自分の描いている方向に直結していなくても、とりあえず便乗してみるっていうのがいいと思います。何かに便乗してみたら、きっと見えてくるものがあると思っています。

まずはこの人のココがすげーって思うことがあったら、近くに行ってみてください。きっと何かが見つかる。もし、そこで何も見つからなかったとしても、一歩踏み出したことで、それがまた次の一歩を踏み出すきっかけになるんじゃないかなと思います。

インタビューを終えて

日々、何とか自分なりに頑張ってみてはいるけれど、それをやる意義を見出せない、今の自分は何かちがう、と言葉にできない悩みを抱えてもがいている人は多いのではないでしょうか。

この記事を書いている私は、社会人になってから、いかに自分が「誰か」が引いたレールの上を走ってきたか、ということに気がつきました。

  • 親が進学校を進めるから、とりあえず地元の進学校に行く
  • 周りの友達が大学に行くから、自分も大学行く
  • 偏差値の高い大学に行くと周りから評価されるらしいから、偏差値の高い大学で志望校を絞る

これらすべてが、そうです。

他者からの評価を求めて、ちっぽけなプライドを守りながら、周りに忖度して生きてきた結果、これから進むべき人生の方向性が見えずに迷う結果となりました。

自分で、自分の人生を選択してこなかったことが原因です。

社会が目まぐるしく変化する今の時代、数年先の未来さえ、誰にも予測することはできません。だからこそ、米田さんのように、自分の内側にある物差しでものごとの「価値」を判断し、自分なりの「正解」を見つけていくことを私たちは求められているのだと思います。

米田さんのお言葉を借りるなら、自分の「オモロイ」に素直になって、やりたいことにチャレンジしていくことでしか「本当の正解」にたどり着くことはできないのです。

この記事を読んで、何かピンとくるものがあった方は、ぜひ、他人と比較することなく、本来の自分を素直に表現することを大切にして、やりたいことにチャレンジしていただければ幸いです。

Interview / 越野 樹

Photography / 大山 陸

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