他人の目を気にせず、自分のやりたいことをやるー小林慎太郎さん

こんにちは。チームハッカーズ編集部、インターン生の會澤です。

私は、21卒の大学生なので、まさにこれから本格的に就活が始まろうとしています。就活が近づくにつれて、私も周りの友達も将来について考える機会が増えてきたように感じています。将来について考えている中で、もし何かやりたいことができたとしても、他人の目や世間体が気になっていつも立ち止まってしまう自分がいることに気づきました。

「こんな自分を変えたい!」と悶々としながらも、いつものようにTwitterをみていたときに、とあるツイートに目が止まりました。

『小林慎太郎 / ラブレター代筆屋』

「ラブレター代筆屋???」

不思議なキャッチコピーに惹かれ、さっそく調べてみました。
ラブレター代筆屋を名乗る小林慎太郎さんは、普段は会社員としてIT企業に勤めておられます。その傍ら、自ら「デンシンワークス」という会社を経営し、「ラブレターの代筆屋」としても活躍されている方でした。

ご自身で「ラブレター代筆屋」というお仕事を生み出し、そのお仕事と真摯に向き合っている小林さんは、他人の目を気にせず「自分のやりたいこと」を実現しているように感じました。今回は、小林さんに仕事に対する価値観や、「ラブレター代筆屋」のお仕事についてのお話を伺ってきました。

小林慎太郎さん

1979年 東京生まれ。立教大学卒業 経営学修士(MBA)都内のITベンチャー企業にて管理部門の管掌役員を務めるかたわら、ラブレター代筆等をサービスとして提供する「デンシンワークス」を運営。その活動を通して、現在までに100通以上のラブレターを代筆。 その特異な活動が注目をされ、新聞やラジオといった各種メディアで取り上げられるとともに、テレビ東京『ABChanZoo』、フジテレビ『アウト×デラックス』をはじめとするテレビにも多数出演。

Twitter:@DenshinWorks

社会人生活、「伝える」ということが苦手だった

ーー本日は宜しくお願いいたします。私は現在大学3年生なんですけど、今まで明確な目標を持たないまま学校生活を送ってきた気がしています。このままだとなんとなく就活して、とりあえず受かった会社に就職して働いて…いつまでも明確な目標を持たないまま日々を過ごしてしまう気がしていて、少し不安です。小林さんが就活をしていた頃は、「これがやりたい!」という明確な目標はありましたか?

当時は、将来のことについて全然考えてなかったですね〜(笑)

ーーそうだったんですか!

私の場合、最初のキャリアはエンジニアでした。エンジニアとして就職した理由は、当時はITバブル期だったので、その辺の知識を持っておけば将来的に役に立つんじゃないかなあという単純な考えからです。正直なところ、就職することをためらうほど「これをやりたい!」という思いはなかった気がします。

ーー会社員としての生活は順調でしたか?

会社に勤めている中で、個人的には仕事を器用にできている方でした。だから、「自分は仕事ができない」と思うこともなく、順調だったと思います。

でも、昇級して人を束ねたり、マネジメントしたりする立場になった時に、自分の考えがうまく伝わらず、「あまり信頼が得られていないな」と感じるときがありました。マネジメントでうまくいかなかった時はショックでしたね。

ーー小林さんにも「伝える」ということに対して苦手意識を持っていた過去があるのですね…いまは「伝える」お仕事をされているので、そこに対する苦手意識はあまり無いように思えますが、克服したきっかけは何だったのですか?

僕がマネジメントを上手くできない理由の根元は、自分の思いや気持ちをしっかり伝えることができない点にありました。「なんで上手く伝えることができなかったのか?」って考えた時に、単純に自分の思いを伝えることへの恥ずかしさや照れがあったんです。今ではそっちの方がかっこ悪かったと思いますが…(笑)

ーーそうだったんですね。。(伝えることへの恥ずかしさや照れ…自分にも当てはまるなぁ。)

克服したきっかけは、自分のプライベートにありました。自分の想いを伝えたかった人が、想いを伝える前にいなくなってしまった出来事があって…そこで、とても後悔したんです。

想いを伝えたい相手がいつまでも自分の目の前にいるわけではないから、「伝える」ということがかっこ悪いかかっこいいとかではなく、とにかく自分の考えはきちんと相手に伝えようと意識を切り替えることができました。

ーー後悔したくないですもんね、、でも想いを伝えるのは、結構な勇気が必要だと思うのですが。。

人から「自分の気持ちを伝えた方がいいよ」ってアドバイスをされたり、参考になるようなビジネス本を読んだりするだけだと、なかなか変わることって難しいと思うんですよね。やっぱり自発的に気づいて、自分の意思で行動しないと何も変わらないと思います。

ーー確かに、自分で動いてみないと何も変わらないですね、、!小林さんが「伝える」ということに対しての苦手意識を克服されたとき、ご自身に何か変化はありましたか?

正直、自分の中での変化はほとんどありませんでした。その代わり、自分の周りの変化が大きかった気がします。前よりも自分のことを理解してくれている、信頼してくれているという実感がありましたね。そこからは会社としても、マネジメントとしてもうまく立ち回れるようになった感覚はありました。

ーー衝突することもありましたか?

もちろん、率直に自分の考えを伝えることでぶつかることもありました。でも、それは必然ですし、ぶつかることが必ずしも悪いとも思わないので、衝突することに関してはネガティブに捉えてはいませんでした。

ーー全員が同じ意見ではないですもんね。たしかに、そう思えば衝突も怖くないかもしれません。

苦手だった「伝える」ことがお仕事に!?

ーー元々、小林さんは「伝える」というお仕事をしたいという思いは、以前から持たれていたのでしょうか?

僕は昔から、本を読んだり書いたりするのが好きだったので、「書く」というお仕事には興味がありました。やってみたいとは思っていたんですけど、そこまで現実的には考えていませんでした。

ーー「書く」というお仕事にもライターや作家など、様々な種類があると思うんですけど、どうして「ラブレター代筆」なんですか?パッと閃いたアイディアだったのでしょうか。

実は僕、子供の頃から好きな子ができるとラブレターを渡していたんですよ。

ーーえ〜!ロマンチック…!

いやいや、そんなことはないです(笑)好きな子にラブレターを渡していたのは、やっぱり伝えることが苦手だったから。手紙にすることで照れも消えるかなあって思って。

ーーどんな風に書いていたのですか?

便箋2〜3枚くらいは書いていました。学生時代ですから、単純に好きです、とか、相手のこういうところが好きです、自分はこういう人間ですっていうことを書いていたかな。ラブレターは6人くらいに渡したことがあるんですけど、成功率がほぼ100%だったんですよ。

ーー100%!それは代筆して欲しくなっちゃうなあ…(笑)

学生だった当時、この成功体験を友達に話したら、俺も好きな人がいるから代わりに書いて欲しいってお願いされたんです。引き受けて代筆したらそれも成功して。

そこから年月が立って会社員になった時に「伝える」ということへの重要性を知った。過去の自分みたいに「伝える」ということに躊躇している人を手助けしたいっていう気持ちから、その時パッと思いついたのが、過去にラブレターを代筆した経験。じゃあ「ラブレター代筆屋」をやってみよう!という気持ちになったんです。

ラブレター代筆というお仕事について

ーーまさかラブレターの代筆が仕事になるなんて思いましたか?

自分でやっておいてですけど、まさか依頼が来るとは思っていませんでしたね(笑)そもそも手紙で想いを伝えることが無くなってきている世の中なのに、さらにその手紙自体を他人に書いてもらおうなんて…普通じゃないですからね(笑)「どんな人が依頼してくるのかな」って思っていたんですけど、蓋を開けてみたら依頼してくださる方は結構たくさんいました。

ーー普通じゃない(笑)小林さんが今まで引き受けた依頼のなかで印象に残っているものは何ですか?

印象に残った依頼…たくさんありますけどね。手紙の種類としては告白、プロポーズは当然ありますし、誰かに感謝を伝えるとか、よりを戻したいっていう依頼も…逆に付き合っている人と円満に別れるための依頼もありますね〜。

ーーなるほど。告白だけじゃなくて感謝の気持ちを伝えるためや、円満に別れるために依頼される方もいるのですね!

そうなんです。印象に残っているのは1番最初の依頼でした。

依頼をしてくださった方は、「文章は考えるから文字だけ代わりに書いてほしい」とおっしゃっていました。元々、文字ではなく「文章を代わりに考える仕事」を想定していたので、本当にそれで良いのか確認してみると、その方はお身体が悪く、字を書くことができないために依頼をしてきたということがわかりました。

伝えられることが当たり前ではなく、物理的に思いを伝えることができない方もいるということを、その依頼で初めて気づかされました。「伝えることができる」っていうことは特別なんだなあっていうことをあらためて痛感しましたね。

ーー確かに、「伝えることができる環境にいる」っていうこと自体、恵まれているんですね…。そして、その依頼が初めてっていうのもすごい。

ラブレター代筆ってこういう感じか!って少し衝撃を受けましたね(笑)

始める前は、女子高生や女子大生が軽い感じで告白の依頼をしてくるのかなって思っていたんですけど、そういう依頼は逆にほとんどないですね。基本的には、依頼してくる方はそれぞれ複雑な状況に陥っていることが多いんです。自分では何を書いていいのかわからないし、どうしていいのかわからないっていう人が依頼してくださっている。

ーー行き詰まった依頼もありますか?

難しい依頼はたくさんありますよ。例えば、想いを伝えたい相手がカフェやコンビニの店員さんだった場合。依頼者とお相手に接点がない時は、お名前がかろうじてわかるくらいなんですよね。それだと、情報量が少なすぎてざっくりとしたことしか書けない。ですので、少しでも情報量を増やすために、お店とか教えてもらった場合は、実際に足を運び、お相手の姿を目にすることで、イメージを固めたりもします。

自分から動くということ

ーー本当に様々な依頼があるんですね!想像しただけで難しそう…。それでもこの仕事を継続している小林さんはすごいです。

どうにかしてこの「ラブレター代筆」というものを仕事にしたいという気持ちがありましたからね。

ーーなるほど…!私の場合、自分が何か行動するにあたって結構周りの目とか気にしてしまって。「この子何やってんだろう?」とか、「なんか変わってる」って思われるのが少し怖いなあという気持ちがあるんです。

確かにそうですよね、ラブレター代筆も同じかもしれませんね(笑)

僕がラブレター代筆を始めたのは35歳の頃なんですけど、自分の残りの人生を考えた時に、アクティブに行動できる時間はそう長くないって思ったんです。そうしたら、照れとか世間体とかを気にしている場合ではなくなってきていて。徐々に「とにかく自分のやりたいことをやるんだ!」という気持ちになってきました。周りを気にしている場合じゃないよ!って。

ーー確かに、誰かに行動を制御されているわけではないですもんね!そう思ってしまえば「行動する」ことは怖くないような気がしてきました。

そう思えば、なんでもできる気がしますよね。

「ラブレター代筆屋」のお仕事を始めた時は、ホームページもなかったし、広告にかけるお金も無かったから、新宿の駅前でティッシュ配りの人に混じってチラシを配っていました。

ーーえー!行動力が半端ない…

その行動について「恥ずかしい」という気持ちは無かったです。「この仕事をなんとかやりたい」っていう思いのほうが強かったので!

ーー信念がすごい、かっこいい!

でも、チラシからの集客はゼロでした(笑)しかも、駅前でチラシ配っている&ラブレター代筆って、いよいよ怪しいですよね…

ーーチラシにはURLを貼っていたんですか?

いや、当時はHPが無かったので、自分の携帯電話番号を記載していました。その後、Webメディアで紹介してもらったことで徐々にこの仕事が認知されて、依頼が来るようになったんです。

ーー確かにちょっと怪しい…(笑)それでも、自分から行動していたところがすごいです。この職業自体がダメいうことではなくて、小林さんの場合は集客方法がダメだったという認識から試行錯誤をされたのですね。

そうなんです。僕は書くのが好きだったから本を出せたらいいな〜という気持ちもありました。ラブレター代筆というお仕事は面白くて変わっているので、「これ絶対本にできるんじゃないかな…!」と思い、ある日、出版社にお手紙と仮原稿を送りました。そしたらなんと企画が通って、本を出すということが実現しました。これもラブレター代筆業のおかげですね。自分のやっていることがどこに繋がるかはわからないんです!

ーー本もご自身の力で実現されたのですね…!確かに、小林さんのお話を聞いていると小林さん自身が何気なくやっていたことがお仕事に繋がっているのがわかります。

もしよろしければ是非読んでみてください!

小林さんは、ご自身の本をプレゼントして下さりました。

ありがとうございます!大切に読ませていただきます。

小林さんがお仕事で大切にしていること

ーー小林さんが、「ラブレター代筆屋」というお仕事の中で大切にしているものは何ですか?

「ラブレター代筆」で想いを伝えることによって恋人になって欲しい、結婚に至って欲しいっていう気持ちはあるんですけど、そこを第1目標にはしていないです。「ラブレター代筆屋」としてのゴールは、結果は上手くいくかわからないけど、とにかく自分の気持ちを伝えてみるっていうことだと思っています。

ーー想いを「伝える」ことは簡単に見えて簡単ではない気がしてしまいます。

難しいですよね、抵抗もあると思います。

僕は、無理に何でもかんでも誰かに伝えなければいけないっていう必要もないと考えています。1番大切なのは、伝えるべき相手に、伝えるべき時に、伝えるべきことを伝えるということです。

ーー伝えるべき時に、ですね。後悔することが無いように、少しずつ意識していきたいと思います!次に、会社員としての小林さん含め、お仕事をする上で大切にしていることをお伺いしてもよろしいですか?

お仕事の全てに言えることは、とにかくなんでもやってみるということが大切です。たとえば、「書く」仕事に就きたいって思っている人は多いと思うのですが、そういう人って、たいていの場合、編集者かコピーライター、作家の3つくらいに選択肢を絞ってしまっている。でも、「書く」仕事ってそれだけじゃなく、いくらでもあると思うんです。

だから、これから仕事に就く人に対して、また、今仕事を既にしている人に対してお伝えしたいのは、自分の興味の範囲や、自分のできることを勝手に自分で限定しない方がいいよ、ということですね。

ーー小林さんのラブレター代筆のように、何気なくやっていたことが自分のやりたいお仕事に繋がるかもしれないですよね。ちなみに、小林さんがこれからやりたいことや取り組んでみたいことはありますか?

今はラブレター代筆の延長線上に何かやろうっていうのは特に無くて、これからもこの仕事を続けていきたいと思っています。

以前は会社員としての野心があって、出世しよう、昇格しようって意識していたんですけど。現在40歳で、あまり残りの人生も長くないだろうって考えたときに、出世するよりも、本当に自分が満足できる、納得できることを日々やっていきたいな、というのが目標ですね!

インタビューを終えて

インタビュー中、小林さんは新しい取り組みとしてYouTubeの動画配信を始めたとおっしゃっていました。ラブレター代筆に限らず、自分の「やりたいこと」を次々と実行している小林さんのお話を聞いていて気付かされたことは、「自分の意思で行動してみないとなにも変わらない」ということです。「これがやりたい!」という気持ちと、それに伴う行動が合わさることで初めて人は変わることができるのだと感じました。小林さんに取材するなかで、人生は1度きりなのに「他人の目が気になって行動できない」のは、すごくもったいないことに気づかされました。この記事が、1人でも多くの人が「自分が心からやってみたい」と思えることに踏み出すきっかけになれば幸いです。

残りの人生を考えた時に行動を起こせる時間は長くないー小林慎太郎 ラブレター代筆屋
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