- 喫茶店で仕事や勉強を1人で始めたけど、結局スマートフォンをいじってしまって何も進まなかった。
- 自分の部屋で1人で何かしようとしても結局、ベッドで横になってしまって時間が過ぎてしまった。
- 休みになく延々と1人で仕事・勉強に打ちこんでも思うように捗らなかった。
そんな悩みをキッチンタイマー1つで解決するのが、生産性を高めるポモドーロ・テクニックです。ポモドーロ・テクニックを使えば集中力を高め自分のやるべきタスクに取り組むことができます。本記事では手軽に生産性と集中力を高めることができるポモドーロ・テクニックの活用法をご紹介します。
ポモドーロ・テクニックとは
まずはポモドーロ・テクニックの簡単な概略と由来についてご紹介します。ポモドーロ・テクニックはシンプルな時間管理術。集中力を高めてタスクに集中するためのテクニックです。とてもシンプルな方法ですので誰でもすぐに実践できます。
ポモドーロ・テクニックは25分集中・5分休憩の繰り返し
ポモドーロ・テクニックとは生産性を高める時間管理術です。25分間集中・5分休憩の繰り返しで仕事や作業を取り組むテクニックです。そんな簡単な方法で生産性が高まり集中できるのかと疑問に感じる人もいるかもしれません。しかし、このシンプルな方法でプログラマーやデザイナー、ライター、開発者など様々な職種の人が仕事を成し遂げています。資格試験や受験勉強にも使えます。また、効率的な時間管理の方法については「タイムトラッキング(時間管理)ツールを使って効率よく仕事をしよう【2018年度新版】」で詳しくご説明しています。
ポモドーロは「キッチンタイマー」の名前
ポモドーロ・テクニックは、1992年にフランスの起業家フランチェスコ・シリロ氏が考案しました。「ポモドーロ」はトマトという意味ですが、実はシリロ氏が学生時代に使っていたキッチンタイマーの名前。シリロ氏は
長時間、だらだら作業をして集中力が続かずに悩んでいました。しかしタイマーをセットして作業をすると作業効率があがったそうです。
ポモドーロ・テクニックの効果
ポモドーロ・テクニックはこんな悩みを持った人に試してほしい時間管理テクニックです。
- 仕事や勉強をしていても集中力が途切れてしまい作業効率が落ちてしまう
- タスクに集中できず他のことに手を出してしまう
達成したい目標があるのに集中力が続かなくて悩んでいる人は、キッチン・タイマーを1つ用意すれば
ポモドーロ・テクニックを簡単に試すことができます。
ポモドーロ・テクニックでタスクに集中できる
ポモドーロ・テクニックは「25分集中・5分休憩」で1ポモドーロと数えます。このように時間を区切って
人間の集中力が維持できる25分、目の前のタスクに集中します。また5分休憩を挟むことで集中力を維持する効果があります。人間の集中力はどうしても限界があるので休憩を入れずにタスクに没頭すると、後半になると集中力を維持できず作業の効率が落ちてしまいます。しかし適度な休憩を入れることで1ポモドーロ・2ポモドーロ・3ポモドーロと続けていくことで休憩を挟まずにタスクに集中するよりも、集中力を維持することができます。タスクの集中と休憩のメリハリがつくため結果的に生産性が高まります。ポモドーロ・テクニックのほかにも具体的に作業効率を上げる方法を「作業効率が3倍上がる、質を落とさず早く仕上げるタスク管理・時短編」でご紹介しています。
ポモドーロ・テクニックをする前の準備
ポモドーロ・テクニックはキッチン・タイマー1つで実践できます。「25分集中・5分休憩」を繰り返すシンプルな方法です。これだけでも集中力を高め生産性を高めることができますが、ポモドーロ・テクニックの効果を、さらに高める前に準備をすることで、ポモドーロ・テクニックの効果がさらに高まります。
ポモドーロ・テクニックは時間を守れる環境で行う
ポモドーロ・テクニックは「25分集中・5分休憩」のペースを守ることが前提になっています。そのため途中でタスクに取り組む時間が中断される環境では行うことはできません。例えばポモドーロ・テクニック実践中に、何か他の仕事を頼まれたり、付き合いでタスクを中断せざるを得ない環境ですとポモドーロ・テクニックはうまくいきません。ポモドーロ・テクニックの時間をしっかり守ることができる環境でタスクを行いましょう。
ポモドーロ・テクニックの前にTodoリストの作成
その日のうちにやるべきタスクを洗い出してリストにまとめます。やらなければならないタスクを見える化する
ことが大切です。そしてTodoリストを元にして、「25分集中・5分休憩」の1ポモドーロが何回分、必要になるかを事前に考えておくと闇雲にポモドーロ・テクニックをするよりも効果が高まります。
取り組むタスクを決める。1ポモドーロ1タスク。
ポモドーロ・テクニックをする前に取り組むべきタスクを決めておく必要があります。取り組むタスクが曖昧だと、せっかく集中力を高めても何をすれば良いのか分からないため時間を無駄にしてしまいます。ポモドーロ・テクニック中に取り組むタスクを事前に決めておかないと、効果があまり期待できません。基本的に「25分集中・5分休憩」=1ポモドーロに対して1つのタスクを決めることがおすすめです。例えば1ポモドーロの中に10分間は読書、10分は作文、5分は計算、これで合計25分としてしまうと、1ポモドーロに3タスク入ってしまいます。1ポモドーロに3つも違う種類のタスクを入れてしまうと集中力が途切れてしまいます。ポモドーロ・テクニック中はシングルタスクで取り組むべきタスクを1種類に絞って取り組みましょう。
ポモドーロの前にやらないことを決める
ポモドーロ・テクニック中はスマートフォンを弄らないなど、やらないことを決めることも大切です。やらないことを事前に決めておくことでタスクへの集中度が高まります。ポモドーロ・テクニック中は電話やメールの対応をしない等、予め決めておきましょう。やらないことを予め決めておくことで取り組むべきタスクにだけ集中でき生産性の高い時間の使い方ができるようになります。
ポモドーロ・テクニックの基本的な手順
基本的にポモドーロ・テクニックは「25分集中・5分休憩」を繰り返すだけのシンプルな方法です。これだけでも十分に実践可能なのですが、もう少し細かい基本的な手順も見ていきましょう。
手順1.「25分タイマーを設定」
まずは25分のタイマーを設定します。そして25分経ったら音が鳴るようにタスクに集中していても、分かるように設定しておきます。タイマーはキッチンタイマーで十分です。手元にキッチンタイマーがなければスマートフォンや時計のタイマー機能を利用しても構いません。
手順2.「タイマーをスタート」
25分に設定したタイマーををスタートします。スタートしたら自分の決めた1タスクに集中してください。
基本的には「25分集中・5分休憩」の1ポモドーロに1タスク。電話やメールの対応などもせず、自分の決めた
タスクにのみ集中して取り組みます。
手順3.「タイマーが鳴ったら5分休憩」
25分に設定したタイマーが鳴ったら5分休憩します。取り組んでいたタスクが中途半端でキリが悪いところでも休憩を必ず5分とります。25分タスクに全力で集中したら最初はかなり疲れることもあります。この小休憩の5分でしっかり休みましょう。
手順4.「4ポモドーロ終了後は15分〜30分の長めの休憩」
「25分集中・5分休憩」の1ポモドーロを4回繰り返すと2時間になります。2時間ポモドーロで集中してタスクをし続けると集中力を継続してタスクに取り組んでいる分、疲れてしまうはずです。長めの休憩を15分から30分程度挟みましょう。休憩をとらずに延々とタスクに取り組んでもメリハリがつかずに時間が経てばたつほど集中力も低下しがちです。休憩をしっかりと挟むことで高い集中力を維持することができます。
手順5.「手順1〜4」を繰り返す
4ポモドーロ(25分集中・5分休憩を4回に加え15分〜30分の長めの休憩)以上、タスクに取り組むなら「手順1〜4」を繰り返すだけです。もちろん5ポモドーロ、6ポモドーロで終わっても問題ありません。
ポモドーロ・テクニックで用意すると良いものリスト
ポモドーロ・テクニックは「キッチンタイマー」1つでも気軽に実践可能です。スマートフォンのタイマー機能を代用しても構いません。しかし用意することで、よりポモドーロ・テクニックの効果が高まるものがあります。
ポモドーロ・テクニックをサポートするものをご紹介します。
ポモドーロ・テクニックで使えるアプリ
キッチンタイマーだけでもポモドーロ・テクニックの実践は可能です。しかしスマートフォンのアプリやWebアプリの中にはポモドーロ・テクニックをする時に便利な機能を持ったものがあります。
・「Be Focused」:ポモドーロ・テクニックと相性のよいアプリの1つです。タイマーだけではなくTo doリストもセットになっていることに強みがあります。さらに拡張機能で、ついついタスク中にも見てしまうサイトに
閲覧制限をすることも可能です。
・「Focus Timer」:iPhoneを裏返すことでタイマーをスタートできるアプリ。指定した時間ごとにアラームを
鳴らすなどカスタマイズ機能が充実しています。
・「Moosti」:ポモドーロテクニックの実践に利用できるオーソドックスなWebアプリです。.focus(25分)、
.Short break(5分)、.long break(15分)を画面に設定して時間を計測できます。
・「Pomodoro Time」:PC用のWebアプリ。MacOS向けで画面上にポモドーロ・テクニックに対応している
タイマーを表示させることができます。タスク管理の機能もついています。
パソコンやスマートフォンを使ってポモドーロ・テクニックの時間を計測したい人はスマホ・Webの便利なアプリを試してみましょう。
ポモドーロ・テクニックを複数人で同時に行う方法
1人で黙々とタスクに取り組むのに疲れたと時々、感じる人もいるのではないでしょうか。そんな時は人を誘って一緒にポモドーロ・テクニックを実践してみてはいかがでしょうか。
みんなで同時にポモドーロ・テクニック
ポモドーロ・テクニックを仲間、友人同士で集まって行うこともできます。例えば4人で同時に1つのキッチンタイマーを使い一斉にポモドーロ・テクニックでタスクに取り組みます。学生時代に友人同士で図書館に集まり各々で机を囲んで勉強したことがある人も多いのではないでしょうか。そんな時にもポモドーロ・テクニックを使うとタスクに集中できます。例えばエンジニアやライター、デザイナーなどの人達がコワーキングスペースやシェアオフィスで何人かで集まって、一斉に同じタイマーでポモドーロ・テクニックで時間をはかりタスクに取り組むことがあります。1人ではタスクが捗らないと感じる人は、たまには誰かを誘って一緒にポモドーロ・テクニックをしてみると気分転換にもなります。
ポモドーロ・テクニックの体験談
ポモドーロ・テクニックでタスクに集中的な取り組めるようになった具体的な体験談をご紹介します。タスクに
集中的に取り組めずに悩んでいた人達がポモドーロ・テクニックで悩みが解決したケースを見ていきましょう。
プレゼンや講義の準備もポモドーロで時間を区切るとうまくいく
私はとある海外の大学で講師業をしていた時期があります。1回の講義で180分と長時間の講義をしなければならず毎回、講義で使うパワーポイントやレジュメをつくらなければなりませんでした。しかし講義もプレゼンテーションの準備も納得がいくまで作り込もうとすると際限のない仕事でした。作り込めば作り込もうとするほどズルズルと時間が過ぎてしまうのです。そんな時にポモドーロ・テクニックを同僚から紹介され、試しに実践して見ました。「25分集中5分休憩」と時間が区切られているため、講義の準備は3ポモドーロ以内に終わらせようという意識が芽生えました。講義やプレゼンテーションの準備は凝れば凝ろうとするほど、際限なく時間がかかりました。講義の準備中にだらだらと資料や本を読んでしまったり、必要以上に資料を作り込んでしまう癖がポモドーロによって解消されました。また時間あたりの資料作成の生産性も向上しました。何か成果物を作る仕事の方で際限なく時間をかけ過ぎてしまう悩みを持った方にもポモドーロ・テクニックはおすすめです。
ポモドーロ・テクニック中もSNSや動画をみてしまう人は閲覧制限がおすすめ
私の知り合いのデザイナーはタブレット型のパソコンでデザインを描く仕事をしています。しかし仕事用のパソコンでオンラインの動画をつい見てしまったり、SNSサイトを眺めてしまったり、スマートフォンをいじってしまったり気分にムラがあるタイプでした。ポモドーロ・テクニックを紹介してみましたが、ポモドーロ中でも動画やSNSが気になり眺めてしまう癖がありました。そこで特定のサイトの閲覧を制限する機能を紹介しました。例えば、ブラウザGoogle Chromeなら「Strict Workflow」というサイト閲覧を制限する拡張機能があります。これで、仕事中に動画やSNSを見てしまう癖がある人も閲覧制限をすることで、ポモドーロ中のタスクに集中できるようになりました。
ポモドーロ・テクニックで割り込みタスクを入れない工夫
ポモドーロ中にメールや電話の対応がかかってくることで、取り組んでいたタスクが中断してしまうという経験がある人も多いようです。このような割り込みタスクが発生する環境でタスクに取り組まなければならない人は
どうすれば良いのでしょうか。私の友人のリモートワークエンジニアのケースですが、割り込みタスクをできるだけ抑えるために電話は留守電、メールは休憩時間中のみ返信、なるべく業務連絡がない朝方にポモドーロ・テクニックをする時間をを取り入れるという工夫をしていました。ポモドーロで休憩時間にメールや電話の確認をすることで、タスクに取り組んでいる時に割り込みタスクを入れないことでメリハリをつけて生産性を高めることができる例です。
まとめ
ポモドーロ・テクニックは「25分集中、5分休憩」を繰り返すシンプルな時間管理術です。キッチン・タイマー1つで簡単に実践でき集中力が高まります。なかなかタスクに集中できずに悩んでいるという方もすぐに実践できるのがポモドーロ・テクニックの良いところ。また仲間を誘って同時にポモドーロ・テクニックで勉強会や作業会をしてみることで気分転換にもなります。タスクに集中して取り組めない人は、まずはキッチンタイマーか時間をはかれるスマートフォンを用意しましょう。そしてポモドーロ・テクニックをするだけで、あなたの集中力が続かない悩みも、すぐに解決できるかもしれません。