組織のコスト意識を高めるには?高める目的や方法について解説

組織の利益を考える上で、切っても切り離すことができないコスト。組織のコスト意識を高めることを目指すために、やみくもにコスト削減ばかりを唱えても、従業員の士気を下げてしまいかねません。

そこで今回は、組織のコスト意識を高める目的や方法を解説します。コスト削減に成功している企業の事例も紹介しますので、参考にしてください。

コスト意識とは

まずはコスト意識とはどのようなことを指すのかを理解しましょう。

企業活動を成り立たせるためには、オフィスの家賃や人件費・水道光熱費・備品代など、あらゆるところにコストが発生しています。これらのコストに見合うだけの利益が得られているか、もしくは得るためにはどうするべきかを常に意識することが、コスト意識です。

企業を安定的に発展させるには、従業員のコスト意識を高めることが重要です。

コストの具体例

企業のコストには、従業員が意識しやすいコストと、普段は目がいかず把握しにくいコストがあります。企業のコストを金銭的コストと時間的コストに分けて、具体的に解説します。

金銭的コスト

金銭的コストは、実際に金銭が発生するコストを指します。主なものとして、以下の経費が挙げられます。

・オフィス家賃
・水道光熱費
・人件費
・事務用品などの消耗品費
・旅費交通費

時間的コスト

一方、時間的コストはプロジェクトや各業務に費やす時間のコストを指します。プロジェクト始動から完了までのチームメンバーの就業時間や業務説明、従業員への教育や研修の時間、待機時間などが該当します。

多くの場合、業務が効率的に進行していれば時間的コストは抑えられ、逆の場合には時間的コストは増加傾向になるでしょう。また、時間的コストが増加すると、金銭的コストも比例して増加してしまいます。

コスト意識を高める必要性

組織のコスト意識を高める必要性は、具体的にどのような点にあるのでしょうか。

利益向上

最も大事なのは企業の利益向上においてです。

企業において売上を上げることはもちろん重要ですが、コスト削減の意識を持たなければ、結果的に利益は向上しません。従業員の意識は売上をアップさせることには向いやすいため、同時にコスト意識を高めておく必要があるでしょう。

経営基盤の強化

コスト意識が高まり利益が向上すると、企業のさらなる発展のためにコストを割くことができます。新規事業への参入や新たな雇用の創出など、経営基盤強化の施策に取り組みやすくなるでしょう。

コスト意識の高まりにより、水道光熱費や消耗品費の削減に取り組むことは、環境への意識を高めることにもつながります。社を挙げてSDGsへの意識を高めるなど、一体感を生むこともできるでしょう。

コスト意識を高めるためのポイント

コスト意識を高めるためには、コストの可視化を行います。ここではコスト意識を高めるために、可視化すべきポイントを3つ紹介します。

業務のムリ・ムダ・ムラの可視化

現状の人員では実現が難しいと思われる業務(ムリ)や、効率化できるのに行っていない無駄な業務(ムダ)、適正な業務手段が定まっていないために担当者によりやり方にむらが出ている業務(ムラ)を洗い出して、可視化させましょう。

これらはコスト削減を妨げる要因となります。可視化により業務の効率化に取り組むことができるでしょう。

部門別のコストの可視化

従業員それぞれがコスト意識を持つためには、部門別のコストを可視化することも有効です。

自分が所属している部署内で、コストがどこにどれくらいかかっているのか、どこにコストが集中しているのかを理解することは、コスト意識を高めることにつながるでしょう。

案件別のコストの可視化

自分が関わっている案件のコストは、より具体化されて理解がしやすいでしょう。

売上だけに注目するのではなく、金銭的コストと時間的コストを可視化して、どのくらいコストがかかっているかを常に意識できるようにすると、必然的にコスト意識を高められるでしょう。

従業員のコスト意識を高める方法

ここからは、従業員のコスト意識を高める方法を5つ紹介します。

コスト削減の目標設定を行う

コスト意識を高めるためには、コストについて考える機会を設けることが重要です。
具体的にどの程度コストを削減するのか、コスト削減の目標を設定することから始めると良いでしょう。

できるだけ数値化して目標設定を行うと、コストへの意識が高まります。「経費を10%削減する」というように、実現可能な数値目標を設定しましょう。

コストダウンプロジェクトチームを結成する

設定した目標を実現させるために、プロジェクトチームを結成するのも一つの方法です。
具体的なコストの削減方法などをチーム内で話し合い決定し、従業員がモチベーションを保ちながら取り組めるように活動をします。

従業員へのサポートやアドバイスを行うことにより、継続的にコスト意識を高められるようになるでしょう。

業務工数の可視化

コストの大半を占めるのが人件費ですが、給与制の企業ではなかなか見えづらい側面があります。そこで行いたいのが業務工数の可視化です。

プロジェクトに必要な業務工数を洗い出し、タスク完了までの時間を把握することで、どれくらいの人件費が使われているのかが意識できるようになるでしょう。

業務ごとに優先順位を考える

業務工数を可視化させたら、業務ごとに優先順位を考えます。優先順位をつけるには、「緊急度と重要度のマトリクス」を用いることをおすすめします。

緊急度と重要度の2つの軸から業務を分類していくと、優先順位づけが行いやすくなります。優先順位をしっかり行うと、無駄な工数を省きコスト削減につながります

TeamHackersでは優先順位のつけ方について詳しく解説しているので、下記の記事で確認して優先順位づけをしっかり行ってください。

緊急度と重要度のマトリクス(時間管理のマトリックス)とは? タスクの優先順位の付け方や進め方のコツを解説
優先度・優先順位ってどうやって決めればいい? 設定方法のコツを紹介

コスト削減を評価に反映する

コスト削減を評価に反映させると従業員のモチベーションが上がり、コスト意識の高まりが期待できます。

評価する際には、金銭的コストと時間的コストの両面から行うようにしましょう。金銭的コストが抑えられていても、残業時間が多ければコスト削減にはなりません。時間的コストを意識できると業務の効率化にもつながり、コスト削減の実現が叶います。

従業員のコスト意識を高める際の注意点

従業員のコスト意識を高めて、コスト削減を実施することはとても重要ですが、 無理に進めてしまうと逆効果になってしまいます。以下のことに注意して行うようにしましょう。

生産性が下がる原因になるようなコスト削減はしない

生産性の向上とコスト削減の両方を実現させることが、企業の利益向上には大切です。
ですから、従業員のモチベーションを下げるようなコスト削減は避けた方がいいでしょう。

例えば、人件費削減のために給与を削ったり福利厚生を縮小したりすると、従業員のモチベーション低下を招き、生産性が下がってしまいます。売上も減少しかねませんので注意が必要です。

コスト意識を高める必要性・目的を伝える

コスト意識を高める必要性や重要性・目的を、従業員にきちんと伝えておきましょう。
コスト削減ばかりを唱えていると、従業員の自由な発想やアイディアを奪ったり、柔軟な取り組みを妨げたりするかもしれません。

目的を共有することで、従業員が必要性を理解できれば、自然とコスト意識を高める方向に向かっていけるでしょう。

コスト削減の企業事例

コスト削減については、各企業でさまざまな取り組みを行っています。今回はその中から実施例を4つ紹介します。より良いコスト削減を実施するために、事例で紹介するアイディアを参考にしてみてはいかがでしょうか。

株式会社三菱UFJ銀行

メガバンクの一つでもある「株式会社三菱UFJ銀行」で行ったコスト削減策としては、固定電話の廃止が挙げられます。

コロナ禍のリモートワークの実施を経て、社内に設置していた固定電話を廃止し、スマートフォンへの置き換えを行っています。固定電話の廃止により通信費の削減を実現しただけでなく、在宅勤務などの働き方に左右されずに、スムーズな電話対応が可能となりました。

通話料も、固定電話からスマートフォンへの置き換えにより割安になり、大幅なコスト削減を実現しています。

▶️参考記事:【三菱UFJ銀行が固定電話75%廃止で10億削減?】法人スマートフォンのメリット

株式会社ニトリ

「お、ねだん以上。」でお馴染みの株式会社ニトリでは、ロボット倉庫システムを導入し、物流センター内で作業量が多いピッキング作業を省力しています。

ピッキング作業は単純ですが、商品の大きさや種類が多く、移動距離が長く腰にも負担がかかる作業です。システムの導入により、腰に負担のかからない姿勢でのピッキングが可能となり、労働環境が改善されています。

また、商品保管用の棚を作業者の手元まで運んでくる無人搬送ロボット「Butler(バトラー)」を導入し、作業者の負担を減らしてます。ロボットにはAIが搭載されていて、人気商品を保管している棚を作業者の近くに移動してくるなど、作業効率を向上させています。

▶️参考記事:32期増収増益の「ニトリ」がつくった物流でもうかる仕組み

経済産業省

省庁の一つでDXの旗振り役でもある「経済産業省」では、ペーパーレス化に取り組んでいます。本来、行政機関は変革が難しく、行政手続きには紙媒体が多く用いられているのが現状です。

しかし、紙媒体は印刷費用のコストもかかり、企業にとって業務改善の妨げになる側面もあります。そのような省庁の現状に危機感を抱き、積極的にデジタル化の促進をしています。

高いセキュリティや利便性を実現させるため、SaaS型の認証サービスなどを積極的に採用しています。

▶️参考記事:【事例】経産省自らのDXへの挑戦に見る、デジタル化を支えるSaaS型認証サービスのあり方

株式会社電通

広告代理店大手の「株式会社電通」では、人員削減を含まずに7%のコスト削減目標を掲げ、取り組んでいます。

広告代理店は外部の企業や業者との連携が多い業種ですが、不要不急の出張を見直すなど、出張費や接待費を削減し、コロナ禍以降はZoomなどを活用したオンライン会議も積極的に活用しています。
労働時間の短縮や報酬減額なども行い、先行き不透明な難局にある中でも盤石な経営を維持しています。

▶️参考記事:電通、7%のコスト削減へ

まとめ

コスト削減には、組織のコスト意識を高めることが一番の近道です。従業員一人ひとりのコスト意識を高められるように、本稿を参考に実践していくことをおすすめします。

世の中の先行きが不透明な現代だからこそ、企業の安定的な利益確保のために、より一層コスト意識を重視して、高めていく必要があるでしょう。

組織のコスト意識を高めるには?高める目的や方法について解説
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