人と比べることは決して悪いことばかりではありません。しかし、人と比べるのをやめることで得られるメリットは数多くあります。
本稿では、人と比べるのをやめた結果どうなるのかを解説するとともに、人と比べてしまう人の特徴や自分軸で生きるための方法について紹介します。
人と比べるのをやめた結果どうなる?
人と比べるのをやめた結果、どのような変化が起こるのでしょうか。ここでは、人と比べるのをやめたことで得られる、良い変化を紹介します。
具体的なイメージを持つことで、人と比べるのをやめやすくなります。
思い切った決断ができるようになる
新しいことにチャレンジや思い切った行動をするとき、「周りにどのように思われるだろう」「失敗したら恥ずかしい」と考える人は少なくないでしょう。これらは他人と自分を比較することで生まれる不安です。
人と比べるのをやめた結果、嫉妬や優越感といった感情に左右されることなく、思い切った決断ができるようになります。
人前に立つのが怖くなくなる
人と比べていると、人前に立つときに「上手くできるか不安」「一人だけ失敗したらどうしよう」などと考えてしまいます。ネガティブな考えがパフォーマンスの障害になってしまっては、実力を発揮することはできません。
人と比べるのをやめた結果、ネガティブな考えがなくなり、人前に立つのが怖くなくなります。本来の実力を100%発揮でき、次のステップへと進むこともできるでしょう。
ストレスを感じる機会が減る
人と比べるのをやめた結果、ストレスを感じる機会は減少します。
常に人と比べることを続けていると、焦りや不安からプレッシャーを感じやすくなります。そのプレッシャーは、次第にストレスへと変化するでしょう。心と身体はつながっているため、ストレスから睡眠不足や体調不良といった身体的な不調が起こる恐れもあります。
人と比べるのをやめるとそのストレスから解放され、心身ともに健康状態を保てるようになります。
周りからの評価を気にしなくなる
自分の力量を知ることは大切です。しかし、そこに周りからの評価が含まれてしまっては、本来の自分の力量と向き合うことはできません。やりたいことよりも評価されやすいことを選んでいては、自分らしい人生を歩めないでしょう。
人と比べるのをやめた結果、周囲からの評価は気にならなくなります。自分の頑張りを自分で認めて褒めることで、自信が生まれ、前向きに行動できるでしょう。
他人の幸せを心から喜べるようになる
人は、他人の幸せや成功に対して、嫉妬心を感じ、劣等感を抱きやすい傾向にあります。素直に祝福できない自分に対して、嫌気がさすこともあるでしょう。
人と比べるのをやめることができれば、自分は自分、人は人と切り分けて考えられるようになります。他人の幸せに嫉妬することがなくなり、他人の幸せを心から喜べるようになるでしょう。
周りとの人間関係が良くなる
周りの人をライバル視ばかりしていると、他人より自分が上に立ちたい思いから、トゲのある言葉使いやそっけない態度をとりがちです。その言動によって人を傷つけてしまっては、人間関係が悪化するかもしれません。
他人を「敵」ではなく「仲間」と思えるようになると、自然と良好な人間関係が構築できます。互いに情報交換したりアイデアや知識を共有したりできれば、パフォーマンスの向上も期待できます。
人と比べてしまう人の特徴
つい人と自分を比べてしまう人には、いくつかの特徴があります。
ここでは、人と比べてしまう人の特徴を紹介します。自分に該当する特徴がないかを確認してみましょう。
自己肯定感が低い・自信がない
自己肯定感が低い人や自分に自信がない人は、人と自分とを比較しやすい傾向があります。
「自分にできるはずがない」「自分はダメな人間」と自己否定していては、たとえ周囲から高評価を得たとしても素直に受け入れられません。自己否定感が高まれば、さらに自己肯定感が低くなり、自信もなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
誰かと比較される機会が小さいころから多かった
育ってきた家庭環境は性格の形成に大きな影響を与えます。どれだけ頑張ったとしても、優秀な兄弟姉妹と比較され、褒められることがなければ、自信が持てなくて当然です。
人と比較され続けた結果、人と比べることが自然に染みついてしまった可能性があります。
承認欲求が強い
「自分の活躍を見てほしい」「自分の頑張りを褒めてほしい」という承認欲求が強い人は、人と比べてしまいやすい傾向があります。
承認欲求は誰もが持っているものです。しかし、承認欲求が強くなればなるほど周りの目が気になり、「自分がどう思うか」よりも「人がどう思うか」で物事を決断してしまいます。
勝ち負けを基準に生きている
負けることを嫌う勝気な性格も、人と比べてしまう人の特徴です。
常に勝ち負けを意識していると「負けたくない」「常に自分が優位でいたい」と、人間関係にまで優劣を付けてしまいます。
勝ち負けを基準に生きているということは、他人の評価基準が人生の軸となっています。勝ち負けにこだわることは時に必要です。しかし、人生そのものに勝ったも負けたもないことを忘れてはいけません。
閉鎖的な環境
閉鎖的な環境は、開かれた環境と比べて、人との比較が強くなる傾向があります。
たとえば社員数が少ない職場や人事異動が少ない企業は、閉鎖的な環境になりがちです。前例や慣習にとらわれ、少しでも変わった言動をすると奇妙な目で見られてしまいます。その結果、周りからどう見られているかを気にするようになってしまうでしょう。
人と比べるのをやめ自分軸で生きるための方法
人と比べるのをやめたいのにやめられない人も少なくありません。ここでは、人と比べるのをやめ自分軸で生きるための方法について紹介します。無理せずできることから実践していきましょう。
身の回りの環境を変える
人と比べずにはいられない環境に身をおいているのなら、その環境をガラリと変えてみましょう。
具体的には閉鎖的な職場環境であれば転職をする、マウントをとってくる友人とは距離をおくなどです。家族環境が影響しているのなら、引越しをして一人暮らしをはじめてみるのも良いでしょう。
環境が変わり、関わる人が変われば、自分の考え方に変化が生まれます。自然と人と比べることもなくなり、行動にも変化が生まれるはずです。これまで想像もしなかった新しい世界が広がる可能性もあり、連鎖的に人生が好転していくでしょう。
SNSアプリの使用を控える
人と比べるのをやめて自分軸で生きるためには、SNSアプリの使用を控えることも有効です。
SNSアプリは、友人とのつながりを深められたり、興味のある情報収集ができたりといったメリットがあります。しかし、結婚や出産といった幸せそうな投稿やおしゃれな生活の投稿を自分と比較し、不必要に劣等感を抱きやすいデメリットがあるのも事実です。
SNSアプリそのものを手放す必要はありません。暇さえあればSNSアプリを開いてしまう方は使用目的を決める、SNSアプリが生活の中心となっている方は使用時間を決めるなど、SNSと上手に付き合う方法を見つけましょう。
自分自身の「幸せの基準」を設定する
人と比べることを続けてきた結果、幸せの定義が他人との比較だと思い込みがちです。しかし、幸せの基準は人それぞれです。羨ましいと嫉妬心を抱いた人の幸せは、自分にとっての幸せとは限りません。
自分自身の幸せの基準は、人との比較ではなく、自分の意思で設定しましょう。「自分にとっての幸せとは何か」が明確となれば、人と比べて落ち込むこともありません。
自分の幸せに焦点をあてれば、人生の満足度も向上するでしょう。
目標を作る
人と比べて他人軸で生きてしまっている場合は、自分の目標を作ることも有効です。
目標達成のためには努力が必要です。「絶対に目標を達成する」という強い欲があれば、他人と比較する時間すらももったいなく感じるようになるでしょう。
人と比べるのをやめたい場合の目標設定は、簡単すぎると効果がありません。必死に努力して、やっと達成できるような大きな目標を設定すると、目標達成だけに打ち込めるようになります。
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他人とではなく過去の自分と今の自分を比べる
人と比べてしまうのであれば、過去の自分と今の自分を比べるようにしましょう。
人と自分を比較して「自分はダメだ」と落ち込んでいても、現状は何も変わりません。それどころか、モチベーションが下がり、状況は悪化する恐れもあります。
人は誰しも成長しています。過去の自分よりも、今の自分の方ができることが増えているはずです。自分が成長していることを実感できれば、モチベーションが上がり、新たなチャレンジにも意欲が湧きます。おのずと人と比べることがなくなり、自分軸の人生を送れるはずです。
他人の良いところ真似してみる
他人と自分を比べて嫉妬心を抱いた場合、「羨ましい」と思うだけでなく、その部分を真似してみると良いでしょう。
他人の良いところを真似するためには、観察と分析が必要です。
話を聞くのが上手な人を真似したい場合は、会話中の振る舞いを観察してみましょう。「適切なタイミングで相槌を打っている」「相手の話を最後まで聞いている」など、聞き上手になれるプロセスが見えてきます。
そのプロセスを一つずつ真似することで自分のスキルとなり、人と比べることはなくなるでしょう。
まとめ
人と比べるのをやめた結果、思い切った決断ができたり、人前に立つのが怖くなくなったりなど、さまざまなメリットが得られます。
人と比べるのをやめるには自分軸で生きることが重要となります。今回紹介した自分軸で生きるための方法を実践し、人と比べない自分本位の人生を送りましょう。