退職理由、どこまで許される?

「こんな会社いつか辞めてやる!」会社員なら誰もが一度は思ったことがあるかもしれませんね。

仕事にまつわる日々のストレスは、「毎週月曜日の朝礼」「毎月、目標未達を詰められる」「会社の飲み会の幹事」「隣の先輩の加齢臭」など、細かいことを挙げればきりがないでしょう。でも、実際に「会社を辞める!」と決意するそのきっかけは何でしょうか? 日々の積み重ねもあるのでしょうが、ガツンとこれだ!というものがないと、なかなか辞めるという一大決心はできなさそう。

そこで今回は、みんなどんな理由で辞めているのか?そんな退職理由について調べてみました。

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みんなが会社を辞める理由

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「上司が嫌い」「体育会系の雰囲気に馴染めない」「コニュニケーションがすべてメール(チャット)」など細かい不満はあったとして、会社を辞めるほど大きな理由はいったいどんなことなのでしょうか。厚生労働省が発表した「平成28年雇用動向調査結果の概況」によると、25歳~34歳男性の理由は「収入」と答えた人が16.7%ともっとも多く、「労働条件」が13.5%、「会社の将来性」11.2%でした。一方、女性の場合は、「結婚や出産・育児」と答えた人が20代で6.8%、30代で7.1%と、いまだ一定数いることがわかります。また、20代~40代の数字で見たとき、「労働条件」13.9%、「人間関係」11.2%、「収入」9.8%というように、「労働条件」は同様ですが、「人間関係」を男子(8.3%)より重視する傾向が強く、男性ほど「収入」を理由には考えないことがわかりました。

これらの結果から見えてくるのは、家計を担う男性、家事・育児などの役割の役割を担う女性という、生活における役割分担が退職の理由にも反映されているのかもしれないということです 。

別のデータも見てみましょう。転職サービス「DODA」の調査結果を見ると、男女総合で「ほかにやりたい仕事がある」が14.9%ともっとも多い結果です。続いて、「会社の将来性が不安」が10.7%、「給与に不満がある」が10.5%、「残業が多い/休日が少ない」が8.2%と続いていました。 こちらは、このサービスに登録している会員データの集計、つまり転職しようと活動している人のデータになっているため、1位に「ほかにやりたい仕事がある」がきているようです。次の仕事への意欲が感じられる退職理由となっています。

いずれのデータも、収入や条件、仕事内容など、いわゆるよく聞く退職理由ですね。

人材会社で転職希望者のアドバイザーをしていた友達に聞いてみたところ、こんな理由で辞めちゃったの? という例もありました。例えば「会社が移転して家から遠くなった(乗り換えが必要になった)」「暇すぎて定時まで時間を潰すのが大変だった」「親に辞めろと言われた」など。特に、最近は家の近い職場を希望する、地元志向の人が増えているようで、「会社が遠い」「乗り換えが嫌だ」といった理由は決して珍しくないのだとか。確かに、片道1時間の通勤だとすると1日2時間、週に10時間、月に40時間、年に480時間ぐらいが移動に費やされるということ。日数にすると20日間! 確かに無駄かもしれないと思ってしまいますね。

ただ、このような退職の理由は、次の会社を受ける時、必ず聞かれることを忘れてはいけません。むしろ、採用担当にとっては「なぜ前職を辞めたのか」は、選考において重要視するポイントです。「乗り換えが嫌だから」「仕事が暇すぎたから」など、そのまま伝えていいのでしょうか?

退職理由、どうやって伝えるべき?

転職活動で希望する会社を受ける際、必ず聞かれる「前職の退職理由」。上司が嫌いだったにせよ、仕事が暇すぎたにせよ、家から遠かったにせよ、そのまま伝えたらどうなるでしょう? やる気ない、忍耐力がない、適応力がない、そんな評価で落とされる可能性高そうです。

多くの転職サービスサイトが、退職理由の解答例や伝え方のポイントを解説してくれています。どの記事も、退職理由ではなく転職理由と表現しているのが印象的。面接では「転職する理由を教えてください」と聞かれるからでしょうか。

退職理由を考える際のポイント -「doda」-

doda」の場合、退職理由を考えるポイントは以下の5つを挙げています。

  1. うその転職理由を作らない
  2. 言わないことを決めておく
  3. キャリアプラン・働く目的との一貫性を持たせる
  4. 不満・愚痴だけに終始せず、状況と行動を具体的に説明する
  5. 前向きな姿勢と熱意を表現する

「うその理由を作らない」って、ドキっとしてしまいますね。なぜなら「家から会社が遠い」なんて言えなさそうだから、作るしかない!って思ってしまいそうですから。そうか、嘘はダメなようです。

退職理由をまとめる際のポイント -「マイナビ」-

続いて「マイナビ」の場合を見てみましょう。退職理由をまとめるステップとして紹介しています。

  1. どうして転職したいのかを洗い直し、言語化する
  2. 転職理由をポジティブな内容に変換する
  3. 転職後に「どうなりたいか」を考える
  4. 退職理由と志望理由を繋げる

なんだか難しい表現が多発しています。特に「転職理由をポジティブな内容に変換する」。これって分かっていても難しいこと。「会社が家から遠い」って、どうポジティブにすれば…?

「リクナビNEXT」も同じようなポイントを紹介

最後に「リクナビNEXT」。このサービスも3つのステップとして紹介しています。

  1. 転職のきっかけを挙げる
  2. 前向きな思いに言い換える
  3. 応募先の企業で実現したい目的を考える

ここでも「前向きな思いに言い換える」が出てきました! 言い換える例として「毎日残業が多すぎてしんどい」→「効率的に仕事を進めて成果を出していきたい」や「営業目標が高すぎて、ノルマがつらい」→「顧客とじっくり向き合って関係を構築していきたい」などが書かれています。さすがプロ! でも、ここまでのポジティブな言い換えは素人では思いつかないレベルかもしれません。しかも、家から遠いは、なんて置き換えればいいのでしょうか。

他にも、前向きな理由に言い換えるポイントを紹介している記事はたくさん見つかりましたが、参考になるようで「本当にこれでいいの?」「自分に当てはらまるものがない」など、闇は深まるばかり。そこで実際に、面接官として数十年の経験を持つ面接のプロに聞いてみることにしました。

実際に、面接のプロに聞いてみた

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30年以上、企業人事の採用部門で面接官の経験を持つエキスパートに、実際、面接で退職理由をどのように伝えればいいのか聞いてみることにしました。面接で退職理由をそのまま伝えると、やる気がないとか、また同じ理由で辞めるのではないかと思われそうですが、どのようにポジティブに“言い換えて”伝えれば良いのでしょうか?

「面接で面接官が一番知りたいことはなんだと思いますか? それは応募者の“本音”です。それは退職理由や入社の動機など全般に言えることです。つまり、言い換えたり、ましてや嘘を言う必要はありません」

なんと、面接では“本音”が知りたいのだそうです。でもなぜ? 悪い印象しか持たれない気がします。。。

「面接官は採用のプロですから、面接のために考えた建前など見抜けてしまいます。なぜ本音が知りたいかと言うと、ミスマッチを防ぐため。仮に希望する会社の収入や残業が少ないなどの条件面に惹かれて受けた場合、今の仕事と比較してそこ魅力を感じたということは本音で伝えるべきでしょう。それが、やる気がなさそうと思われたくないからといって、もっと成長したい、新しい事業に挑戦したいといった嘘や建前で入社したとしても、入社後に自分が希望していたよりもハードな職場環境に配属になったりすると、こんな環境は嫌だとなってしまうと思いませんか? 採用したほうも、面接と聞いていた人と違うとなります。両者にとって良いことではないんです」

確かに! それで入社できても退職するきっかけになった課題は解決できず、モヤモヤしそうです。

かといって、残業が嫌だ、家から遠すぎるって伝えても良いのでしょうか?

「伝え方の工夫は必要かもしれません。●●が嫌だとそのまま伝えるのではなく、残業が1日●時間だが▲時間に抑えたい、家から▲分程度で通勤できる場所が理想だ、などです。しかもなぜそういう希望があるかの理由も話せると良いと思います。プライベートの時間を充実させたいからでも良いでしょうし、会社以外の人脈(友達など)を大切にしたいでも良いでしょう」

なるほど! 本音とその理由を、最低限のビジネスマナーの表現を意識して伝えることが大事なんですね。嫌な理由を追加するだけで、志望動機にも無理なく繋げられそうです。

まとめ

調べたり、聞いたりしているうちに、会社を探して入社する転職活動は恋愛に似ているのかもしれないなと思いました。よく例えられることかもしれませんが、面接はお見合いみたいなものでしょうか。最初はよく思われたいから、ネガティブな退職理由を無理にポジティブに言い換えようとしてしまったり、中には嘘を言ってしまったりすることがあるかもしれませんが、そのまま結婚することになったとしても、いつか無理が祟ってしまいそうです。

何ヶ月後、もしくは何年後に、「無理が続いて苦しい」「合わなかった」といって別れる結果になるくらいなら、最初から本音を見せて、それでダメならそこまでの仲というくらいのほうが傷は浅くて済むのかもしれません。面接での本音、ぜひ挑戦してみてください。

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