【転職】「とりあえず3年」ってイマドキどうなの? 人事担当者と転職エージェントが話し合ってみた

社会人として働き、キャリアを積んでいく際に「とりあえず3年」という言葉があります。企業が労働力不足にあえぎ、求職者優位といわれる昨今ですが、「1社で3年は働くべき」という原則は、転職においていまだ必須要件なのでしょうか。

今回は企業の人事担当者である私と、前職の人材会社で働く転職エージェントがホンネで話し合った内容をまとめていきたいと思います。

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1.「今は」必須条件ではない

結論として「今は必須条件ではない」というのが、私(企業人事)と転職エージェントの、共通の感覚でした。ちなみに私が人事として勤めているのは従業員数900人規模の企業で、転職エージェントが所属しているのは、グループ全体の従業員数が3000人をこえる人材会社です。

「今は」といういい方になるのは、今が採用難の時代だからです。人を採用する側・人を売り込む側、双方から見て、3年勤めていないという時点で足切りができるほど、今の社会・企業は人材に余裕があるわけではありません。

就職難の時代であれば、企業は多くの求職者を見定めて、選ぶ立場にありました。余裕がある状況だったからこそ、「採用してすぐにやめる人材は採用したくない」と堂々といえたのです。

そして、ひとつの目安として生まれたのが、「3年」という基準でした。もちろん、企業は今でもすぐに辞める人を採用したくないと思っています。今「3年」という基準が絶対的な判断材料にならないのは、なくなったのではなく、表に出てきていないだけなのです。

市況が変わり、採用難から就職難へと状況が変化した際に、「3年」がまた改めて強い価値を持つ判断基準になるかもしれません。

2.「人事担当者は」それほど気にしない

このような現状を人事担当者の視点で見ると、「3年」という数字は許容せざるを得ないというのが本音だと思います。そうしなければ選考対象の母集団形成が難しくなり、良い人材との出会いが減ってしまうからです。

また、最近はバブル崩壊後・リーマンショック後の景気低迷期に就職活動をしていた世代がもう一度就職活動をやり直しているタイミングでもあります。そういった方々の中には、いわゆるブラック企業に運悪く入社し、3年未満で退職してしまった人も少なくありません。

これは令和に改元されてから内閣府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針2019」の中に「就職氷河期世代支援プログラム」という項目が盛り込まれるほど、社会全体の問題になっています。

こういった背景があるからこそ、企業の人事担当者からすると、「3年」という数字は固執すべきものではないのです。もちろん応募のあった求職者を見比べるなかで、選考ポイントの1つにはなりますが、この要素だけで判断が決まるということはありません。

企業が人材を奪い合い、良い人材と出会う方法を試行錯誤している今、勤続年数「3年」を満たしていないという要素は別の部分で補い、覆せるものだといえるでしょう。

3.「エージェントにとっては」やっぱり気になる数字

一方で明らかになったのは、転職エージェントは、企業の人事担当者よりも3年という数字を重く見ているということでした。それはエージェントが人を企業に紹介し、売り込む立場にあるからです。

企業にとってエージェントサービスは、求人広告を出稿するよりもかなり高額な紹介料が必要になるものです。利用する企業は本当に良い人材を求めていて、エージェントにはその期待に応える必要があります。

さらにエージェントが紹介した人材が半年以内に退職した場合、紹介した人材会社は受け取った紹介料の一部を返還するというのが一般的です。こういった意味でもエージェントが求職者の勤続年数を気にしてしまうのは自然なことでしょう。

とはいえエージェントとしても社会の市況を無視できるものではありません。今回話し合いを行ったエージェントも、「3年の勤続年数がない求職者も数多く担当している」と、話してくれました。

そしてそのような求職者を担当する場合は、企業に対してまずはエージェントから勤続年数が短いことや、今回は長期的な活躍を望んでいることを伝えるのだといいます。

そのうえで求職者には「3年未満で退職した理由」を自分の口できちんと説明できるようにフォローするそうです。つまり、「3年」の経験がないから推薦できなくなるということはありませんが、手放しでは推薦しづらいということでした。

また、特にエージェントは複数の求職者への支援を行うなかで、担当する求職者をフラットな目線で見なくてはなりません。フラットな目線で見るということは、客観的なデータに基づいた立場を取るということです。

企業に紹介するために求職者を見比べる時、年齢・スキルが同じであれば、経験年数がある基準に達しているかどうかに注目せざるを得ないのです。そして、若手人材であればその基準は「3年」がわかりやすいのだと、現役エージェントは語ってくれました。

4.「必須条件じゃないから」3年に価値がある

今回の意見交換は最終的に、「勤続年数3年が必須ではないとしたら、3年という数字にどんな意味があるのか」という話に行き着きました。そして私たち双方が納得したのは「安心感」という結論です。

人事は採用することに対して、エージェントは紹介することに対して、「3年勤めた経験があるなら、大丈夫だろう」と思えるのです。この安心感を相手に与えられるかどうかは、求職者にとって大切な評価ポイントだといえるでしょう。

大切なのは3年という経験を社会が必須にしない状況だからこそ、勤続年数を積み上げている人は高い評価を受けられるということです。勤続年数3年未満でも転職できる今は、1つの場所で長く働き、成長することが重要な時期なのだと言い換えられます。

また、社会でキャリアを積んでいく私たちが考えなければならないのは、目先のことだけではありません。今後景気が低迷し、就職難の時代が訪れた時にむけて備えられるのは、求職者が余裕を持てる市況の現在だけなのです。

現時点でどう評価されるかだけではなく、将来市況が変わっても困らないキャリアを築いていく視点を持ちましょう。転職活動は目先の状況を変えるだけでなく、将来のあなたの評価も変えるものだということを忘れてはいけません。

転職しやすい状況だからこそ、いろいろな角度から自分のこれまでとこれからを考えることが大切です。もし今、自分の勤続年数が3年未満であることを気にしているのであれば、まずその場所で頑張り続けられる方法を探すべきです。

まとめ

今回は「とりあえず3年」というキーワードについて、企業人事(人材を採用する側)と転職エージェント(人材を紹介する側)が意見交換をした内容をまとめました。いかがでしたか。

「3年」という勤続年数を必須条件にできないのは、条件を満たす人材が社会に少ないということです。一方で、条件を満たす人はアドバンテージを獲得しやすくなるといえます。現時点で、すでにそうですから、今後の景気の変化を考えるとこのバランス加速することが予想されます。

「とりあえず3年」という考えはイマドキなくなりつつありますが、それは表面上見えにくいだけで、今後完全になくなるものではありません。1つの組織で実直に経験を積むことが重要なのは、昔も今も、そしてこれからも変わることはないでしょう。

転職は、本来自らの可能性を広げるためのアクションです。目先の決断が将来のキャリアを狭めてしまわないように、社会の状況に左右されるのではなく、自分に責任を持てる選択をしてください。

転職するまで3年待つべきって本当?
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