論理的な文章、書けていますか?絶対に知っておくべきロジカルライティングの2パターンを解説!

突然ですが、「論理とは何か?」という問いに答えられますか? 私は前職はコンサルタントをしていました。同僚と仕事の話をしていたときは常に

  • 論理に穴がある!
  • ロジックが通ってない!

といった言葉が頻繁に飛び交っていました。

クライアントやステークホルダーを説得することが必要なコンサルティングという業務において、「論理的じゃない」という指摘は「その主張0点」というのと同義です。

しかし、論理の定義を改めて振り返ったとき、スパッと答えられる人はなかなかいないのではないでしょうか? ましてや「論理的な文章とはどのような構造を持った文章のことか」という問いではなおさら答えに窮することでしょう。論理的に説明するスキルはコンサルに限らずビジネスパーソンの必須スキルであるにも関わらず、その基礎的な知識を持っていない人がとても多いのです。

そこで、この記事では「論理とは何か」について説明したのち、ロジカルライティングの二パターンを解説します!

本記事の内容はマッキンゼーで教育担当をしていた照屋華子さんの『ロジカル・ライティング』の記述をもとに、初芝の知見を交えたものです。本記事を読めば論理的な文章を書くコツが身につきますので、ぜひご一読ください!

元マッキンゼーのコンサルタントが語る「論理」の定義とは?

そもそも、論理とは何でしょうか? 辞書的な定義だと、「議論の筋道・筋立て」となります。しかし、これだとよくわからないですよね?「論理的な文章とは、筋道がしっかりした文章である」と言われても、「なるほど。で、筋道がしっかりした文章ってどんなものなの?」と堂々巡りになってしまいます。

この「論理とは何か」について、元マッキンゼーのコンサルタントである照屋華子さんは明快な定義をしています。

「論理とは、問いへの答えを構成する結論と複数の根拠を、縦と横の2つの法則性で構造化したものであり、3つの要件を満たす。

要件1:結論が問いの「答え」になっている

要件2:縦方向には、結論を頂点に複数の根拠がSo What?/Why So?の関係にある

要件3:横方向には、複数の根拠がMECEな関係にある」

『ロジカル・ライティング』 照屋華子/ 東洋経済新報社(2006)

この定義は論理的な文章を書くにあたってとても参考になります。ただ、要件2の意味が少しわかりづらいという人もいるかもしれません。ですので補足で説明をします。

要件2は、結論に対する「それなんで?」という問いへの答えが根拠として存在しており、一方で根拠に対して「それで?」という問いへの答えが結論になっているということです。

例えば、「傘をもって出かけるべき」と言われたとき、「なんで?」と思いますよね。それが ”Why So?” です。また、「降水確率が90%となっています」とだけ言われても、「それで?それがどうしたの?」となりますよね。このとき、「傘を持って出かけるべき」「なぜなら降水確率が90%となっているから」と結論と根拠をそれぞれ示せていれば、結論と根拠が So What?/Why So? の関係を満たしていると言えます。

この要件1~3を図に書いてみるとわかるのですが、論理構成がピラミッド状になっています。結論に対して複数の根拠が配置され、ピラミッド状に構成されている文章。それが「論理的」でわかりやすい文章の基本となります。

ただ、ピラミッド状に文章を構成すると言っても、その構成の仕方は大きく二パターンあります。それが「並列型」と「解説型」です。これらは根拠の並べ方によって区別されます。

以下に、それぞれのパターンについて解説します!

パターン①並列型:複数の根拠を並べて説明する!

一つ目のパターンは「並列型」です。並列型とは、「主張に対して根拠を複数並列する」という説明の仕方になります。主張に対する根拠は単一であるよりも、他の可能性も網羅した方が説得力が高くなります。

例えば、「今度の大阪旅行には新幹線で行くべきだ」という主張が説得的か考えてください。このとき主張の根拠として「新幹線だとたったの3時間で着けるから」と言われたら、納得するでしょうか? おそらく、しないかと思います。

「飛行機や車はダメなの?評価基準は時間だけなの?」という疑問が出てくるからです。

それにするべき情報の網羅性が低い説明は読み手の納得感を著しく低下させます。

この例の場合は、

  1. 新幹線
  2. 飛行機

それぞれの場合のメリット・デメリットを比較したうえで「○○という移動手段がベストである」と主張することが必要です。徒歩や船を除いた遠距離の現実的な移動手段はこの三つに限られるため、網羅性が高く説得力も上がります。

ここで根拠を網羅するときのポイントは、「なるべくMECEになるようにする」ということです。MECEとは、「必要な情報の漏れがなく、同じような情報が(ダブり)なく」という意味です。

先ほどの例だと、「車と新幹線」だけだと飛行機が選択肢としてモレてしまい、「自動車とキャンピングカーと新幹線」だと自動車とキャンピングカーがダブってしまいます。

議論の全体像を簡潔に示して説明したい場合、並列型の論理構成を心掛けましょう!

パターン②解説型:思考の流れを明確にして説明する!

二つ目のパターンは「解説型」です。解説型は、「事実」「判断基準」「判断内容」の三要素によって説明する方法です。

ここでも先ほどのように「大阪旅行をするのにどんな交通機関を使うべきか」という例を用いて解説します。この場合、「事実」は次のようになります(便宜上、詳細な想定は省略します)。

  1. 車:最も時間がかかるが、費用は安く抑えられる
  2. 飛行機:最も早く着くが、航空料金券が高い
  3. 新幹線:時間的にも費用的にも車と飛行機の中間くらい。

この事実に対して、解説型では「判断基準」を用いて「判断内容」を導き出します。ここで判断基準が「今回の旅行はなるべく節約したい」というものであるなら、費用を抑えるという観点から三つの選択肢を検討することになります。ここでそれぞれの手段を用いた場合の費用を計算した結果が判断内容となり、「今回の旅行では移動手段に車を用いるべし」といった結論が導出されることになります。

解説型のメリットは、主観と客観の切り目をはっきりさせながら説明できることです。みなさんの中に「それは事実と意見どっちなの?」と言われたことはないでしょうか?

日常会話なら突っ込まれることもないかもしれませんが、ビジネスの世界では客観的な裏付けのある事実と話者の主観から語られる意見は明確に区別する必要があります。

その点、解説型の論理構成であれば、客観的な「事実」主観的な「判断基準」「判断内容」を区別して順に説明することになります。そのため聞き手側も「まず事実として選択肢はそれしかない?」「判断基準はそれで大丈夫?」と順に追いながら論理展開の検証を行えます。

思考の流れを順々に追いながら説明したい場合は解説型を使ってみましょう!

迷った時は図で書いてみよう!

この記事では「論理とは何か」を説明したのち、論理的な文章の二パターンについて説明しました。議論の全体像を示しながら結論を伝えたい場合は並列型を、自分の思考の流れを順々に説明したい場合は解説型を使うのがおすすめです。

しかし、説明を聞いているときは「ふんふん、なるほど」となんとかなりそうに感じますが、実際に自分で手を動かすとなるととても難しく感じるでしょう。MECEに分ける、So What?/Why So? の関係性を確認するのにも慣れが必要です。

そこで、論理的な文章構造の作成を難しく感じる人に勧めたいのが、「文章を図にしてみる」という作業です。結論と根拠、複数の根拠同士がどのようになっているか、図に書き起こしてみましょう。そうすることで、横並びの根拠に漏れがあることがわかったり、結論と根拠の間が飛躍しているなどの問題に気づくことがあります。これは論理的な文章を苦手とする人へ指導する際に実践していたことですが、驚くほど効果があります。

論理構造を意識して書くように心掛けたら、自分の文章はみるみるうちに変わっていきます。ぜひロジカルライティングを実践してみてください!

まとめ

論理的な文章を書こうと思い込むほど手が止まってしまいます。慣れの部分も往々にしてありますので、まずは文章の骨組みや型を作りそこに必要な情報や主張を入れていきましょう。そうすることで文章を書く勘所を掴めるようになっていきます。

説明上手になる論理の組み立て方
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