ES(従業員満足度)向上や生産性向上に欠かせない仕事へのモチベーション。多くの企業にとって「従業員が高いモチベーションを維持して仕事に取り組めているかどうか」は大きな関心事でしょう。
今回は、「働く人のモチベーション管理」を支援するツールを5つご紹介します。
ご紹介するのは「モチベーションクラウド」「Geppo」「RiCare」「jinjerワーク・バイタル」「Unipos」という5つのツールです。チームのメンバーが高いパフォーマンスを発揮するために、活用できるモチベーション管理ツールをピックアップします。
モチベーション管理ツールとは?
チームで働くうえでメンバーのモチベーションは日々変化し、常に良い状態でキープするのは簡単なことではありません。そのような社員の「モチベーション」を可視化し、管理しようとするのがモチベーション管理ツールです。
近年多くの企業が社員の離職に頭を悩ませ、定着・活躍を目指し、さまざまな取り組みを進めています。モチベーション管理ツールは、そのような企業にとって社員の気持ちのアップ・ダウンを把握しフォローできるようにするためのものであるといえます。
「社員の離職が続いている」「生産性が下がってきている」といった課題を抱えている企業は、社員のモチベーションの推移を把握するところからはじめてみるのがよいでしょう。離職や生産性低下への対策は状況把握の先にあるものです。
モチベーション管理ツールを利用するメリット
社員のモチベーションを把握するために、モチベーション管理ツールを使用するメリットは何なのでしょうか。さまざまな企業が提供しているツール共通のメリットとしては、次の3つのポイントがあげられます。
1. 必要なときにすぐスタートできる
社員のモチベーションを把握するシステムを、自社で独自に開発するためには時間的にも費用的にも負担がかかります。既存のツールを使えば、オリジナルのツールを開発するよりも素早く使い始めることができます。
今すぐに組織の状態や課題を把握したいと考えた際、すでに多くの企業が導入・活用しているツールなら安心して導入できるはずです。
2. 集計・管理にかかる手間を軽減できる
現在ESアンケートを実施し、社員のモチベーションを把握しているという企業もあるかもしれません。多くのESアンケートは自社内で集計するには人手を要し、外部に集計を委託すると結果がまとまるまでに長い時間がかかってしまうものです。
その点モチベーション管理ツールの場合、週次・月次といった形で社員の状態を示す数値が自動集計されます。過去の結果はデータとしてツール内やクラウド上にストックされますので、管理者が手間を感じにくいのは大きなメリットでしょう。
3. 回答する社員の負担も少ない
どんなに良いツールでも、使用する社員の業務を圧迫し負担となるものでは意味がありません。その点についても、モチベーション管理ツールは配慮されています。
具体的には、3問から5問程度の質問に回答することで回答者の状態を明らかにするツールが多くなっています。1回1回の回答時間は短く設定され、蓄積されていく回答からモチベーションの変化を可視化します。回答する社員に負担にならない点が特徴で、導入する際に社内の反発を受けにくいでしょう。
社員の活躍を支援するモチベーション管理ツール5選
このようなメリットがあるモチベーション管理ツール。実際に導入を検討する際にはどのようなツールを見比べればよいのでしょうか。今回は5つのツールをピックアップしますので、参考にしてみてください。
1. モチベーションクラウド
株式会社リンクアンドモチベーションが開発・提供するモチベーション管理ツールです。組織の状態を数値化することで、組織の問題を可視化・定量化。See・Plan・Do・Check&Actionのサイクルを回し、解決することを可能にするものです。
エンゲージメントスコアにより他社平均と自社数値を比較する「他社比較」、部門・階層ごとに数値を比較する「属性比較」、半年前の数値と今年の数値を比較する「経年比較」など、さまざまな形で自社の数値を分析できます。サーベイ1回の回答時間は20分です。
<公式ページ>
https://www.motivation-cloud.com/service
2. Geppo(ゲッポウ)
リクルートとサイバーエージェントの新規事業開発プログラムによって生まれた、株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジーによる従業員のコンディション変化発見ツールです。毎月3問の設問に回答するだけで、システムがデータの集積と変化のトラッキングをおこないます。
設問の回答時間は1問1分で回答者の負担になることはありません。回答時のフリーコメント内容については、Geppoのオペレーターが読み込み内容を振り分けたうえで、社内の適切な担当者に届けてくれます。
<公式ページ>
https://www.geppo.jp/
3. Ricare(リケア)
リクルートグループが手がける定着率向上を支援するモチベーション管理ツール。従業員の適性・満足度を見える化するアセスメントサービスです。1回の回答時間が約10分の設問で、受検者の性格の特徴や仕事に対する満足度を明らかにします。
離職要因の把握や従業員とのコミュニケーション改善など、社内における相互理解とケアを適切に支援。結果はわかりやすい1枚のシートにまとめられるので、組織の状況把握に専門知識は不要です。Ricareを使用すれば定着に関係する因子を網羅的に理解することができます。
<公式ページ>
4. jinjer(ジンジャー)ワーク・バイタル
従業員のコンディションを管理・解析するタレントマネジメントツール。人事業務関連のツールを一元管理する「jinjer」シリーズのひとつで、株式会社ネオ・キャリアが提供しています。従業員のコンディションを定点観測し、リアルタイムで可視化できる点が特徴です。
問いかける質問内容を自由にカスタマイズすることができるため、自社に合わせた運用ができるというメリットがあります。また、回答内容から明らかになる各人の状態は天気マークで表示され、直感的に各社員のコンディションを把握することができます。
<公式ページ>
https://hcm-jinjer.com/workvital/?_ga=2.243839939.711612423.1579004026-1893642800.1572201081
5. Unipos(ユニポス)
従業員エンゲージメントや働きがいを高めるモチベーション管理ツールです。手がけているのはUnipos株式会社。従業員同士が称賛・承認の形として少額の報酬をおくり合う「ピアボーナス」という仕組みによって、組織を活性化するものです。
導入メリットとして「認められている実感が湧く」「事業サービスに誇りが持てる」「企業理念が浸透する」という3つがあげられます。従業員同士が互いに影響し合い、よりよい組織作りを推進できる点が特徴です。
まとめ
今回は組織の活性化や従業員満足度・定着率の向上を支援してくれるモチベーション管理ツールについてまとめました。紹介した5つのサービスはいずれも大手から中小まで、多くの企業に導入されている実績があります。
もし今、組織の状態に何らかの課題を抱えているなら、モチベーション管理ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。ツールを使用する社員と管理者、双方にとって負担ならない形で活用できるサービスによって、組織の新たな姿が見えてくるかもしれません。