そのアラートは無視していいの? チームワークのためのアラート術

アラート術は、仕事で成果を出すために大きな役割を果たすスキルです。そのメリットと実践方法についてわかりやすく説明します。非常に実用的なスキルなので、ぜひ日々の業務を行う上で参考にしてみてください。

誰かが助けを求めていないか?

チームにおいて、リーダーがメンバーの仕事の進捗や状況を100%把握しておくことは不可能です。そのため、将来的に発生する問題・課題を事前に予測することは簡単ではありません。一口にチームといっても、メンバーの性格はさまざまです。問題が起きそうになると、すぐに上司に相談するメンバーもいれば、なかなかそれが難しいメンバーもいるでしょう。それでは、リーダーが将来起こりうる問題のリスクヘッジをすることはできないのでしょうか?

いいえ、それは可能です。チームメンバーにアラートを上げることを徹底させれば良いのです。アラートって何? ヘルプとは違うの? という方もいると思いますので、まずは、ヘルプとアラートの違いについて説明します。

ヘルプとアラートの違い

ここでは、ヘルプとアラートの違いについて解説します。

まず、ヘルプはすでに問題が起こってしまった時に上司に助けを求める行為です。例えば、「5分後にある会議の資料作成が間に合いませんでした。どうしたらいいでしょうか?」といったものです。一方、アラートは問題が起こりそうな時点で、上司に助けを求める行為です。例えば、「明日のプレゼンに使う資料ですが、現在緊急度の高いタスクをいくつか抱えていて、作成する時間がとれそうもありません。他のメンバーに頼むことはできないでしょうか?」といったものです。

要するに、前者が事後報告であるのに対して後者は事前報告です。アラートのほうが適切だということは言うまでもありませんよね。このアラートが上がるタイミングは早ければ早いほど望ましいです。起こりうる問題に対する打ち手の選択肢が増えるからです。場合によっては、リーダーや同僚がメンバーの仕事をすることもできます。さらに、例えば、資料作成などの締め切りに間に合わなそうな場合は、締め切りの期限を延ばすという対応もできます。直前に言われてもどうしようもないことでも、アラートを徹底していることによって対処できることがたくさんあります。

さて、早めにアラートを上げる重要性について、理解してもらえたでしょうか? 次に、早めのアラートを徹底させるコツについて説明します。

早めのアラートを徹底するために

早めにアラートを上げるために、チームとしては、どのようにすれば良いのかということについて説明していきます。それには、3つの方法が考えられます。

事前に先の情報を把握する

事前に先の情報を把握することで、早めのアラートを上げることができます。なぜなら、先の情報を元にして、「来週は大丈夫そうだ」「来月の頭は忙殺されるな」といった風に、将来の状況を予測することが可能になるからです。上の例で言えば、来月の頭に抱えている仕事量が多すぎて、終わらないリスクがあることを上司にアラートすることができます。それによって、タスク量を減らしてもらえたり、タスクのクオリティを80%まで下げていい、といった具体的な対応策を考えることができます。

アラート基準を設ける

早めにアラートを上げるためには、その基準を設けることが必要です。例えば、「再来月の収支が目標値の40%以下の場合はアラートを上げる」などが考えられます。あらかじめアラートの基準をいくつか決めておくことで、アラートを上げるかどうかの判断に迷うことなく、すぐにアラートを上げることができます。また、アラート上げる基準は、自分だけで決めるのではなく、チームのリーダーと話し合って決めるのが良いでしょう。

アラートを上げやすい雰囲気を作る

最後に、最も大事なことに、アラートを上げやすい雰囲気を作るということがあります。

アラートを上げると何らかの形で他の人に助けてもらうことになります。この時に、チームがギスギスした雰囲気だと、「アラートを上げたら他の人に迷惑をかけてしまうのではないか……」と不安になり、結果としてアラートを上げることができず、最終的には、ヘルプを上げることになることになってしまいます。そのため、リーダーはメンバー同士が協働し合えるような雰囲気作りをするだけではなく、メンバー同士のチームワークも高めていく必要があります。これによって、アラートを上げるハードルが低くなり、問題が事前に顕在化しやすくなることで、それの対処も可能になります。

早めにアラートを上げる3つの方法について紹介しました。アラートを早く上げることは、チームにとって非常に重要な意味を持ちますので、もし、その仕組みづくりができていないのであれば、早急に手を打つ必要があるでしょう。

上司にアラートをあげるメリット

アラートの徹底はチーム全体だけでなく、アラートを出す本人にも大きなメリットがあります。「上司を使うことがうまい人は出世する」という言葉がありますが、アラートを上げることによって、ある意味それを実践することができます。詳しく見ていきましょう。

上司に気にかけてもらうことで、協力的な態度を引き出せる

普段から上司にアラートを上げていると、上司はあなたの仕事の進捗や状況にアンテナを張るようになります。つまり、あなたのことを気にかけてもらえるのです。そのことによって、上司はあなたがアラートを上げた時に、協力的な態度をとってもらえるようになります。取り返しのつかないヘルプばかり飛ばしてくる部下と事前にアラートを出して問題解決をする部下、上司からすれば嬉しいのは間違いなく後者なので、協力してくれるのは当然のことですよね。

複数の解決策を得ることができ、結果に直結することができる

上司にアラートを上げることで、現状を打開する複数の解決策を得ることができます。その中には、自分で考えようとしても思いつかないような、長きにわたる経験に基づいた方法もあることでしょう。それらの解決策はすぐさま自分のタスクに反映して、結果に繋げることができます。

自力で解決しようとした時のリスクヘッジになる

自分で解決しようとしているタスクであっても、完了できるか不安な場合には、上司にアラートを上げておくことがリスクヘッジとなります。仮に自力で完了させられない状況になった場合にも、事前に報告しておけば、上司から対応策をすぐに示してもらえるでしょう。これが、まったく報告がなかったり、直前のヘルプであったりすると、上司が対応することは難しくなってしまいます。

上司にアラートを上げることで得られるメリットについて説明しました。ここで示したものは、仕事の成果に直結するものばかりですので、ぜひアラート術を使いこなしていきましょう。

「そのアラートは無視していいの? チームワークのためのアラート術」についてのまとめ

本稿では、チームにおけるアラートの重要性について繰り返し述べました。ヘルプではなく早めのアラートを上げることが、仕事で成果を出す秘訣です。ぜひ、実践してみてください。

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