仕事がもっと早くできたら、と思ったことはありませんか?今回、私がお話をする「仕事高速化プロジェクト」とは、個人の仕事スピードを2倍、3倍にするためのナレッジをみなさんに共有するものです。
私がいままでシステム開発、システム導入、業務改善などさまざまなプロジェクトを経験してきた過程で、圧倒的なスピードとクオリティで仕事をこなす先輩や上司には、一定の法則があることがわかりました。
今回はそれらの仕事ができる人の法則を整理し、5個のポイントにまとめ、ナレッジとして紹介したいと思います。
「プロジェクト」的に動くクセを身につける。
プロジェクトマネージャーは役柄上、常にQCDを意識しながら日々プロジェクト進捗を確認します。
QCDとは、「Quality(品質)」「Delivery(納期)」「Cost(費用・工数)」の頭文字を取った言葉です。
例えば上司から「○○の分析レポートを作成して欲しい」と依頼があった場合、
・どんな分析レポートを提出すればいいのか?Quality(品質)
・いつまでに提出すればいいのか?Delivery(納期)
・どれぐらい時間をかければいいのか?(Cost(費用・工数))
これらを個々人のタスクでも明確にしてから着手すべきと考えています。
特に重要なのはタスクのゴールを明確にすることです。
なぜなら、例えば分析レポートの品質が上司が求めているものとは異なった場合、
手戻りが発生し余計に時間がかかってしまいます。
そうならないようになるべく早い段階でQuality(品質)の認識を合わせることが重要です。
例えば、このタスクを私が着手する際には、アウトラインを作成した段階ですぐ上司に確認を取ります。口頭ベースでは、Quality(品質)齟齬のリスクがあるからです。
できるだけ早くタスクに着手するクセを身につける。
以前、私はあるタスクを上司から依頼されたとき間違ったアプローチをしていました。
「ゴールも明確になった。このタスクは概ね3日あれば完了しそうだから締切3日前から着手すればいいか」
と安易に予測してしまったことです。この時、2つ予想外だったことがありました。
- 1つ目はいざ、作業に着手するとなると3日ではなく、5日かかりそうなことがわかったこと
- 2つ目は予想外の緊急の案件があり、それを優先させる必要が出てきたこと
どちらも遅延する理由としては一見もっともらしいですが、上司の依頼している納期を守れないとなればNGです。
これを防ぐ方法は1つあります。
それは、「依頼されてからすぐにタスク仕掛かること」です。
当たり前に感じるかもしれないですが、多くの人はこれができていないのではないでしょうか。
しかしながら、これができれば仮に5日工数がかかっても間に合う可能性がありますし、急な依頼があっても対処できる可能性があります。
仕事ができる人はメール返信が異常に早いと感じたことはないでしょうか?
それはタスクをストックする上記リスクを経験的に把握しているからだと思っています。
メール・チャット・ドキュメント文章を書くコツ
近年、メールやチャット、ドキュメントのみで相手と確認・相談・報告などすることが多くなってきました。
打ち合わせの時間を省略するための場合もあるのですが、文章力が一定以上ないとチャットでのやりとりの方が打ち合わせよりも時間がかかってしまう、ということになりかねません。
私は、文章力とは自分が伝えたいことを正確に、簡潔に相手に伝える力だと考えています。わかりやすい文章を書くポイントは相手から自分が書いた文章に対し、「意味がわからない」「ここはどういうことか」というような質問が少なく、相手とのやりとりが少なく済むように意識することです。
私が実践している文章作成のコツを一部例と共に紹介します。
- 結論から先に述べ、理由は3つ以内にする
- 1文70文字以内にして、空行も利用して少しでも読みやすくする
- 件名に要旨を書くこと
- 5W1Hを意識して書くこと
- 依頼事項があるときは期日を明記する(=お手数の際にとは書かない)
- 送り手の状況を鑑みた文面になっていること
仕事が速い人は上記のようにちょっとしたコツを持っていて、相手とのコミュニケーションを円滑にする術を持っています。
相手とのコミュニケーションが円滑であるほど、仕事は速く進みます。
ステークホルダー(利害関係)は誰なのか。どういう風に進めればいいのか明確にする
よくある話ですが、過去私はあるタスクを遂行する際、関係している人は上司とAさんの2人だけだと思い込みタスクを進めていました。
ところが、途中から他の部署のBさんが必要だということがわかり、Bさんからタスクの指摘が入り、それの修正も対応しようとすると期日までにタスクが完成しないような状態に陥ったことがありました。
みなさんも一度はこんな経験、ありませんか?
私も当初はなぜBさんが急に出てくるんだろう、なんて他責にしていました。
ですが、私が最初にこのタスクについてステークホルダーを明確にする作業を行なったかと言われるときちんとしていませんでした。
つまり、タスクに取り掛かる前にステークホルダーをきちんと確認しなかった私のミスでした。
タスクのステークホルダーは誰なのか? そのステークホルダーとはどういう風に進めればいいのか、きちんと明確にしておきましょう。
例えば、あるタスクについて上司とBさんがステークホルダーと判明しました。
そして、Bさんはタスクの最終確認者ではないものの、共有すべき相手という場合。
この場合は定期的にメールや打ち合わせをしてタスクの共有をするようにしましょう。
また、別のタスクで今度はCさんとDさんがタスクの最終確認者(レビュアー)である場合。
CさんとDさん別々にレビューをすると、指摘事項に齟齬がある可能性があります。
この場合は、CさんとDさんが一緒にいる場でレビューしてもらうようにしましょう。
仕事が速い人はタスク仕掛り中でちゃぶ台返しが起きないようにするために関係者や進め方を明確にしています。
個人の問題か組織の問題か切り分けるクセを身につける
これは個人を守るための手段です。
どんなに個人のタスク処理スピードをアップしても対処しきれない問題というのが
発生します。
それは組織による問題です。
例えば、ある上司から私は他部のタスクをフォローするよう依頼がありました。
しかしながら、他部の部長Bさんはそのことを知りませんでした。むしろ、なぜ私が着手するのか? と快くは思っていませんでした。
もちろん、Bさんはそう思うはずです。なぜならBさんの組織内ですべきタスクなのですから。
このような場合、タスクを完遂すべく私一人で上記問題を解決すべきでしょうか?
私はそうは思いません。私の上司とBさんとで解決すべき問題だと考えます。
私は上司にBさんと調整して欲しい旨、伝えました。
あくまでわかりやすい例ですが、これは組織の問題だと考えています。
ここで伝えたいことは、自分が持っているタスクを完遂しようとしたとき発生した問題が個人の問題か組織の問題かを切り分けることです。
後者の場合は上司に相談しましょう。
まとめ
いかがでしたか?個人のタスクスピードは達人と素人では雲泥の差があります。
いきなり達人は無理でも、日々改善を行っていけばタスクスピードは必ずアップしていきます。そのために定期的に自身の仕事の仕方に改善箇所がないか、振り返りをして欲しいと思っています。
ぜひ、個人の仕事スピードをアップして余った時間を趣味や、家族、自己研鑽などより有意義なものに使って頂ければ幸いです。