「どんなに辛くても3年は辞めるな」は正しいか?

(3年もいたら辞めづらくなるから)「凄惨たるブラック企業で耐え忍んでる人に『会社が辛いなら3日で辞めろ』という言葉を送りたい」という、やしろあずきさんのツイートがバズったりと、たびたび話題になる

「3年は辞めるな神話」。

とはいえ、本当に辞めてもいいの? それとも、むしろさっさと辞めたほうがいいの? 社会人経験の浅い若手にとっては、不安が尽きないテーマかと思います。

そこで今回は、退職をやめた人、1年で退職をした人に実際にお話を聞いて、その背景や今の状況について語っていただきました。

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「3年は辞めるな」と言われる理由

はじめに、なぜ「3年で辞めるな」と言われているのかについて、考えてみたいと思います。例えば、親より上の世代が言う「ちょっとくらいの辛抱は必要」といった精神論とは別に、実際、どのような影響があるのでしょうか。1年目で退職を考えたものの、思いとどまったAさんにお話を聞いてみました。

HP制作・広告を手がけるITベンチャーに就職したAさん(現在30歳/男性、マネジャー職)

新卒1年目、半年くらい経った時にひたすらアポ電をする日々に嫌気がさして辞めたいと思いました。当時は、何でアポをしなければいけないかわからず、アポが嫌だということにとらわれて、とにかく逃げたかったんです。

結果的に、入社当時に希望していたマーケティング部門に異動させてもらうことが叶って、退職せず続けることに。私はこのマーケティング領域で活路を見出すことができました。異動したばかりの頃はアポの日々に戻りたくないという思いだけで、必死に勉強して、かなり努力しました。

実際、入社数カ月では会社のこと、業界のこと、仕事にまつわるすべてのことについてほんの一部しか理解できていなかったので、あの時に転職活動をしても何も“武器”がなかったと思います。嫌で仕方なかったアポの意味がわかったのも、あれから少し時間が経ってからのことです。お客様の悩みや要望など、アポで直接お話してみないと分からないこともあることを知りました

自分がやりたかったことと違う、自分の理想とは違う、という理由で辞めても、次の会社でもあまり続かない友だちが多いという現実もあります。

自分は、現在はマーケテイング部門でマネージメントをさせてもらっていて、本当にやりがいを感じていて、その時に辞めなくて良かったと思っています。

Aさんの話の中にあった、「あの時に転職活動をしても何も“武器”がなかった」がキーワードかもしれません。

転職活動といえば、職務経歴書や面接でこれまでの経験や身についたスキルをアピールする必要がありますが、新卒から短ければ短いほど、ここでアピールできることが限られてしまいます。しかも、応募する会社に「また同じように辞めるのではないか」と思われ、減点評価になる可能性があるかも。仮に、その理由が「ブラックだったから」や「思っていた仕事とは違った」というものだとしても、「入社する前に気づけなかったのか」「同じ失敗を繰り返さないか」と問われることもないとはいえません。

今の仕事が嫌だからという目先のことだけを見ると、すぐにでも辞めたいと思ってしまいますが、次に働く会社に入るためにどうすればいいか? という辞めた先のステップを考えると、自分が次にとるべき行動が少し変わるかもしれませんね。つらいから辞めたのに、次の仕事を見つけることのほうがさらに辛くなってしまっては元も子もありませんから。

辞める時期ではなく、辞める理由のほうが大事

だからといって、3年間続ければ良いのかというとそうとも限らないようです。次に、入社1年で辞めたBさんにお話をお聞きしました。

中堅広告代理店のネット広告部署に配属になったBさん(現在○歳/女性)

ずっとあこがれていた広告業界の営業職に配属になったものの、すごい体育会系の会社で数字に追われる日々。提案が通っても、運用が軌道に乗るまでは、営業がすべての調整を行なうため、社内外のたくさんの人に振り回されました。基本的にクライアントの都合に合わせなければならない広告業界の営業は、納期との戦いもあります。

クライアントの担当者がOKでも、その後その上司でNGになることもあり、限られた時間でまた一からやり直しなんてことも、日常的にありました。この調整にものすごく苦労しました。

ただ、当時は不満があったわけでもなく、新卒だったので「仕事とはこういうものだ」と思っていましたし、仕事自体はおもしろく、成果が出るとうれしくもあったので、かなりやりがいを感じて働いていました。

同期に負けたくない思いもあって、PCを持ち帰り、休日も家で仕事をするような生活が続き、1年が経った頃、ふと気づくと、スーツがブカブカになり、生理も止まってしまっていました。しばらくはそれにも気付かないくらいの忙しさだったので本当に異常ですね。病院でストレスが原因と診断され、ふと「体を壊してまで続ける仕事ではない」と考え、退職することにしました。その後、自分のペースで働ける会社に転職。広告の裏側を支えるディレクター見習いとして働いています。

ただ、あの1年が無駄だったかというと、あの時限界を超えるまでやりきったからこそ、今の仕事ができているとも思うんです。3年でやることを1年でやりきったかなとも思っていますが、あまり他の人におすすめはできない働き方でしたね。

3年でやることを1年でやりきった」と語るBさん。確かに、かなり濃い経験をされたようです。一方で、Bさん自身が語られている通り、体を壊してまで続ける必要はありません。

激務という理由以外にも、パワハラやセクハラといった、会社がブラックすぎて心身に影響が出てしまう人は少なくはありません。そのような場合、期間など気にせず、次の仕事に踏み切る決断も大事です。

現在、Bさんは次の会社でご自身のペースで仕事を続け、1年で辞めたことがハンデとなっていることはないと言います。自分の経験を生かしてちゃんと活躍されています。大事なのは、いつ辞めるかではなく、なぜ辞めるのか、そしてその経験をどう生かすのか、ということが言えるのではないでしょうか。

何より大事なのは自分の意思

AさんとBさん、共通しているのは、ご自身の意思でキャリアを選択し、その経験を次のステップに生かしているということではないでしょうか。自分の意思で決められず、辞めたほうがいいのか、辞めないほうがいいのか、もしくは辞める場合はいつやめればいいのか、などなど。正解のないあらゆる選択肢で迷っている人はたくさんいます。

とはいえ、キャリアの選択は人生(生活)に大きな影響を与えるファクターでもあるので、ひとつひとつの選択がとても重要で、誰か自分以外の人に委ねてしまうのはあまりにもリスクがあります。親に言われたから、友達がそうしているからなど、周りに流されると、いつまでも流され続けることになります。ずっと先が見えず、精神的にかなりしんどくなりそうですよね。まさに出口のないトンネルを歩くイメージでしょうか。

入社1日で辞めるにしても、どんな理由で辞めるにしても、自分の意思で決めたことであれば、必ず次のステップ、転職の際でその思いは語れるはず。自分の気持ちに正直に、そして何より自分の体を第一に考えてみてください。

まとめ

3年で辞めるのが正しいのか正しくないのか?

この問題には正解がないということが分かりました。退職を思いとどまった人も、1年で辞めた人も、人それぞれ、合う仕事も違えば、フィットする働き方も違います。自分にあったキャリアは自分にしか見つけられません。時に失敗をすることもあるかもしれませんが、キャリアは数十年と続く長い道のり。あまり急がず、長い目で本当に自分らしいキャリアを手に入れていただければと思います。

【検証インタビュー】「3年は辞めるな」は本当?
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