プロジェクトマネジメントツールとは、比較的規模の大きなプロジェクトの管理を総合的にサポートすることができるツールのことです。単発的で、小さなタスクを管理するようなタスクマネジメントツールとは異なり、長期的でより多くの人数が関わるようなプロジェクトを管理するのに役立ちます。
ここでは、話題かつ評判のプロジェクトマネジメントツールをご紹介します。
1.プロジェクトマネジメントツールの特徴と手法
ビジネスシーンでは、近年多様なツールが使われるようになったと思います。プロジェクトマネジメントについても、数多くのプロジェクトマネジメントツールが存在しますが、話題となっているものを調べてみると、下記のような共通点が見られます。
手軽である
最新のプロジェクトマネジメントツールは、お試しプランのあるソフトウェアが大半です。そのため、手軽にツールを導入してみることができます。無料プランはそれぞれのツールによって制限が異なりますが、基本的な機能を実際に使ってみることができるので、イメージがつかみやすく、目的に合ったツールを選択するのに役立ちます。
多機能である
1つのプロジェクトマネジメントツールに、さまざまな機能が搭載されているので、複数のソフトウェアを使用しなくてすみます。たとえば、メンバー間のコミュニケーションを活性化させるようなチャット機能や、それぞれのメンバーの業務量を見える化するためのタイムトラッキング機能など、プロジェクトを管理するうえで便利な機能が工夫されたうえで複数搭載されています。
デザイン性が高い
ユーザーが使いやすく、そして楽しく直感的にツールを使えるように、デザイン性の高いものが登場しています。自分で好きなデザインを選択し、カスタマイズすることができるツールもあります。
≫チームハッカーズ編集部おすすめ!プロジェクト管理に役立つ記事はこちら
2.プロジェクトマネジメントツールの歴史
このような利便性の高いプロジェクトマネジメントツールが登場する以前は、エクセルを使ってプロジェクトを管理することが一般的でした。実際にエクセルのカスタマイズ性は高く、プロジェクトの内容に応じて、ToDoリストやガントチャートなど、さまざまなテンプレートを活用することができました。
しかし、より大規模のプロジェクトになればなるほど、管理は複雑化していきますので、この管理方法では限界がみえてきます。企業によっては、システムを内製化し、独自のツールで管理する試みもみられましたが、その手法ではコストが非常に高くつくため、引き続きエクセルで管理するといった企業も多かったようです。また、Googleスプレッドシートの台頭により、Googleスプレッドシートをエクセル同様に使用してプロジェクトメンバーで共有する、という方法を取っている人も現在では多いかと思います。
流れを大きく変えたのが、2000年代初頭に登場したクラウド型のプロジェクトマネジメントソフトウェア群です。クラウド型のソフトウェアは、コストが安く、インターネット環境があれば簡単に導入することができることから、個人のビジネスオーナーから大企業にいたるまで幅広く浸透しました。そして今日では、各社がさまざまなプロジェクトマネジメントツールを開発し、優れたソフトウェアが数多く存在しています。
3.海外製プロジェクトマネジメントツールおすすめ3選&比較
それでは実際にプロジェクトマネジメントツールを見ていきましょう。
ここでは、多くのサイトに取り上げられている話題のツールを3つピックアップしてみました。それぞれ代表的な特徴と料金プラン(2017年9月現在)について記載しましたので、あなたのプロジェクト管理にあったツールを選択する際に少しでも参考になればと思います。
1. Wrike
特徴: 洗練されたデザインで、使いやすいという声が多く聞かれるツールです。ドラッグアンドドロップ形式で簡単に使うことができるのがWrikeの強みです。プロジェクトの開始日・終了日が設定できる機能や、細かい作業ごとにタイムトラッキング機能などが付いているので、それぞれのプロジェクトのコストも分かりやすく管理できます。また、Gmail、Dropbox、Google Driveなどのツールとつなげることができるため、1つのツールでスムーズなコミュニケーションを実現できます。
料金プラン: 5つのプランに分かれています。
フリー | ユーザー5名まで。ベーシックなタスク管理を試すことが可能。 |
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プロフェッショナル | 5名から最大15名まで。1ユーザー1ヶ月あたりUS9.8ドル。 |
ビジネス | 5名から最大200名まで。1ユーザー1ヶ月あたりUS24.8ドル。 |
マーケターズ | 最低人数5名~。マーケティング、クリエイターの向けのツール。1ユーザー1ヶ月あたりUS34.6ドル。 |
エンタープライズ | 最低人数5名~。総合的なソリューションの提供。料金はカスタマイズ内容によって応相談。 |
公式サイト:https://www.wrike.com/ja/
2. Clarizen
特徴: 比較的大きな規模の企業をターゲットにデザインされたツールです。タスク、スケジュール管理のみならず、リソース・コスト・課題などをオールインワンで管理することが可能です。プロジェクトポートフォリオの管理やEVM(アーンドバリューマネジメント: 作業の到達度を金銭などの価値に換算するマネジメント)での管理も可能なため、経営層の視点からプロジェクトを分析することもできます。
料金プラン: フリーアカウントの提供はありませんが、30日間無料のトライアルプランがあります。料金プランは下記の2つです(36ヶ月プランの料金)。機能に制限はありませんが、容量やカスタムアクション数などでプランが異なります。
エンタープライズ版 | 1ユーザー1ヶ月あたりUS45ドル。ストレージ容量が500MB。カスタムアクション数は100件。 |
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アンリミテッド版 | 1ユーザー1ヶ月あたりUS60ドル。大規模な企業ユーザー向け。ストレージ容量は無制限。カスタムアクション数は300件。 |
公式サイト:https://www.clarizen.com/jp/
3. Zoho Projects
特徴: シンプルでムダのないデザイン。こちらのツールもプロジェクト管理に必要なものはすべて揃っています。タスク管理、ドキュメント管理、課題管理、作業時間管理、ガントチャート、Wiki、掲示板などのツールが1つにまとまっているので、わざわざ他のツールを使用する必要がありません。チャット機能も付いているので、チーム間のコミュニケーションに役立ちます。
料金プラン: 4つのプランに分かれています。フリープランを除く、3つの有料プランにはそれぞれ15日間のトライアル期間が設けられています。上記のプロジェクトマネジメントツールとは異なり、ユーザー数ではなく、プロジェクト数で課金されます。
フリープラン | 1プロジェクトまで。ストレージ容量は10MB。 |
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エクスプレス | 1ヶ月あたりUS25ドル。 20プロジェクトまで。ストレージ容量は20GB。 |
プレミアム | 1ヶ月あたりUS50ドル。50プロジェクトまで。ストレージ容量は100GB。 |
エンタープライズ | 1ヶ月あたりUS80ドル。プロジェクト数は無制限。ストレージ容量は100GB。 |
プレミアムとエンタープライズプランには、Pages(ファイル共有のイントラネット)とChat(コミュニケーションツール)が付いてきます。 |
zoho公式サイト:https://www.zoho.jp/
「2017年版プロジェクトマネジメントツール」のまとめ
このようにさまざまなプロジェクトマネジメントツールがある中で、もっとも最適なものを選択するためには、ツールを導入する目的を明確にすることが大切です。過去のプロジェクトからの反省をおこない、どのような機能があればより効率的にプロジェクトを進行することができるのか、メンバーとの話し合いを設けたうえで、一度トライアルプランを試してみるのもいいかもしれません。
ぜひこの機会に、あなたのプロジェクトを成功へと導くツールを探してみてはいかがでしょうか。