大企業に入っても幸せになることができない。
インターネットを見ているとこれに近い内容を目にする機会が増えたのではないだろうか。生き方が多様化し、その様子がインターネットでシェアされることによって「あれ? 一流企業じゃない生き方も楽しそうだぞ」と、思う人が出てきたのである。
きっと私たちの親の世代はいい大学に入って、良い企業に入ればそれが子供達にとって幸せだと考えていただろう。(いや、きっと現在の親の世代も同じことを考えている人が多くいる。)理由を上げると、以下の理由があるだろう。
- 結婚できる可能性が高い(年収と既婚率は比例している)
- ボーナスが桁違い
- 給与水準高いので貯金たまる
- ステータスによる承認欲求満たされる
- 会社の中でキャリアの選択肢が多い
- 他人からマウンティングされない
世間の目が大事な日本人にとって、世間からうらやましいと思われるのは最高の幸せであると考えられる。
しかし、実際に大企業に入って、これが本当に幸せなのかと疑問を持つことが沢山あった。
社内では常に同期の出世競争の話が絶えないし、残業によって家族との時間もわずか。飲み会があっても、特に新しく学べることはなかった。
話の内容は仕事と奥さんの愚痴ばっかり。その頃は全然疑問に思っていなかったのだけれど、いま思えばずっと愚痴ばかりだったな・・・と感じます。
仕事を通じてスキルアップはできたし、給料も十分にもらえていたので、それに関しては感謝していた。しかし、40年間この職場で他のサラリーマンと出世や愚痴を言いながら時間を過ごす未来に正直意味を感じられなかった。
マズローの欲求5段階から事象を考える
ここでマズローの欲求5段階を見てみよう。マズローの欲求五段階説とは、1.生理的欲求、2.安全の欲求、3.所属と愛の欲求、4.承認欲求、5.自己実現の欲求にわかれている。1が優先順位が一番高く、1が満たされると2の欲求が出てくるという考え方だ。
- 生理的欲求
- 安全の欲求
- 所属と愛の欲求
- 承認の欲求
- 自己実現の欲求
では、これを一流企業と照らし合わせて考えてみよう。
生理的欲求
生理的欲求とは、食べたい・飲みたい・眠りたいというような生理的な欲求のことだ。
これは当たり前であるが、大企業に入る前から満たされている。
安全の欲求
安全な環境にいたい、経済的に安定したい、健康的にいたいという欲求。経済的な安定は大企業に入ると手に入りやすいが、貯金は貯める事ができるし、普段の生活が送れないほど困窮することはまずありえないので、これも大企業に入る前から満たされている
所属と愛の欲求
家族・集団を作り所属しているという満足感を作りたいという欲求である。これに関してはSNSが大きな役割を果たしている。スマホを触ればすぐに誰でも連絡が取れる世の中になった今、所属への安心感は以前に比べて簡単に入るようになった。
承認の欲求
集団から存在価値を認められてもらい尊重されたい欲求。これらもSNSで発信していれば、承認欲求が満たされる。
写真をアップロードすれば「いいね」がつき、何かをつぶやけば誰かが同意の返信をくれるからである。
自己実現の欲求
自分の能力や可能性を最大限に発揮したいという欲求である。
これはそもそも大企業に入ったからと言って実現することが難しい。むしろ、業務時間外で時間を作り、サービスや商品を生み出し、副業でお金という対価を得ることで実現可能な事である。
今までの社会では大企業が3〜4を満たす上で大きなウエイトを占めてきた。しかし、SNSの台頭によってこの構図が大きく崩れることになった。特に2、3、4がSNSの仮想世界によって満たされるようになってしまったのだ。
それとともに、大企業で働く弊害についても明るみになってきた。睡眠不足にも関わらず激務に追われている。それにより健康が損なわれるなど大事な基礎である1、2すら疎かになる状況が発生しているからである。
日本でうまく支出を下げれば、アルバイトや派遣でも十分に生きていける。自分の居心地のよい職場を探し、残りの時間を自分を表現するための時間にあてる。そんな生き方が注目を集めている。
そう、大企業神話が音を立てて崩れたのだ。
何が満たされると幸せかを自分と向き合って考えてみる
ここで大事なのはどうすればマズローの欲求5段階のB、C、Dを満たせることができるのかキーである。
- 歌を歌うことが幸せかもしれない
- 絵を書くことが幸せかもしれない
- ラグビーをするのが幸せかもしれない
- ゲームをするのが幸せかもしれない
これらは日本の激務でプライベートを殺していると、到底考える事ができない。
(※日本の会社で働くという事は、通常の業務の他にも飲みニケーションや休日出勤・ゴルフなどで落ち着いて考える時間を知らず知らずのうちに奪われている。)
子供の頃は自分が楽しいと思うことをして生きていたと思う。しかし、知らない内に親の期待に答えることや、いい学校に行くこと、いい会社に就職することが目的となってしまい、自分と向き合うのをやめてしまった人が多い。
この「誰か(世間)の期待に応える姿勢」の考えを変えるにはリハビリテーションが必要であり、今まで固定観念に縛られていた人が急に自分の好きな事をやりたいと思えることはできないのである。
周りの意見を聞くのをやめ、自分で考える事を始める
自分のやりたい事を考えるプロセスにおいて一番やってはいけない行為は他人に相談することである。他人はあなたの人生の責任なんか取る気なんか全くないのだから無責任なことを言うか、無難な事を言うことしかできないのである。
特に相手が会社員だった場合、相手も同じ状況に陥っている可能性があるので解決にいたることができないのである。つまり聞く先が誤っている。起業したい人が経営学部に行っても起業できないのは、授業を教えている先生が起業を経験したことがないからというのは有名な話である。
そのため、カウンセラーと呼ばれる職業でも会社員として働いているのであれば、あなたの相談に対して答えられる事はないのである。
結局、自分でやりたい事を見つけるためには自分で答えを出さなければならない。いい大学・いい企業に行けば幸せになれるという発想をやめ、一から考えなくてはならないので非常に大変な作業である。
しかし、考えてみて欲しい。昔の人たちはこの事を考える事ができるのはほんの一握りの人だった。日本で生きるだけだったらアルバイトでも問題なく、スマホさえあれば必要な情報にアクセスでき、音楽も聞けて、動画も見れて、友達ともいつでも無料で通話できる。これだけ物質的に恵まれた環境になったからこそ、新たなステージに突入したと考えるべきである。
わたしたちは選択の自由を手に入れたのだ。多くの選択肢があり、それを自分で決めていく力が必要なのだ。
答えはすぐ見つかるはずがない
自分のやりたい事を考え始めた時、急に見つかる事はないというのはまず念頭にいれておくべきだろう。
やりたい事をやるといった経験が圧倒的に足りない。まず小さな事でもいいからやりたい事を積み重ねる事が大事である。
例えば・・・
- 一週間会社の休みをとる
- 沖縄に旅行に行く
- やりたかった習い事してみる
- 友達とやりたかった企画をやる
これくらいの事でも仕事があると先送りにしている事が山ほどあると思う。(実際にぼくがそうでした。)
まずは、普段言い訳を作ってできない事を1個ずつやってみよう。それをやることで必ず新しい発見があるはず!
実際にぼくは会社をやめて、毎日ゲームをやり続けたのだが、一週間で飽きてしまった経緯がある。ずっとゲームをやっていれば幸せだと思っていたので、とんだ拍子抜けだった。
子供の頃やりたかった事は、大人になると全然感じ方が違うのである。つまり楽しい事を棚上げしておくと、後でやっても楽しめなくなってしまうのである。これはもったいない。
だから、やりたいことは全部やる。すぐにやる。これが大事なのである。
しかし、ぼくはここで、すぐに独立しろとかフリーランスになれ、大学をやめろというような乱暴な言い方をする気は全くありません。
比較的楽しめる仕事、人間関係がわずらわしくない職場、残業や無駄な飲み会がないような会社に通うだけで、自分のために考える時間は大幅に増えるはずです。派遣社員という選択肢を選んでも全く問題ないと思います。仕事はどこにでもあります。派遣社員で仕事がなくなったら新しい仕事を探せばいいだけです。今やどんな大企業でも翌月から仕事がないなんて事はあたりまえです。
大手メーカーシャープは台湾の会社に買収され、東芝は会社が分断し、エアバック大手のタカタも一回の訴訟で経営破綻である。これからさらに競争が激しくなるので、リスクは大手に働こうが常にあるのだ。
話はそれてしまったが、自分の時間を最大限にとれる仕事を見つけて少しでも自分のやりたい事を始めるのが、「本当にやりたい事」を見つけられる一番の近道である。
自分がいなくても社会は回る。なので気にせず辞めよう
ぼくの人生の例であげるとすると、会社を辞めてオーストラリアのワーキングホリデーに行きました。一回会社を辞めてみるととてもあっさりしていてアルバイトを辞める感覚とほとんど同じだったのを覚えている。
自分じゃないとできないというのは自分のおごりだったんですよね。会社なので自分がいなくても十分に仕事はまわるのですが、自分がいないと仕事はまわらないと勘違いしていた。
オーストラリアに行った後は、海でサーフィン三昧したり、語学学校に通ったり、現地でアルバイトを見つけたり、自分のしたいことに対して素直に行動していた。
そうしたら、「なんで日本の大企業で、あんなに肩肘を張って生きていたんだろうなぁ」と疑問を持つくらいまでになってしまった。環境が変わると人の考え方も大きく変わるんだという体験の一つです。
ぼくは大企業をあっさりと辞めてしまいました。しかも2回も。だけど、周りの友達は絶対やめないです。インターネットの世界では沢山いるように見えるかもしれませんが、現実世界を見渡してみるとまずいないです。彼らに「不満を持っている[…]
普段しない事をする・普段会わない人に会うのが答えを見つける近道
特別な事がない限り、人はいつもと同じ人に会って、いつもと同じところへ行く。リアルな繋がりでFacebook・Instagram・LINEの友達が5人増えるなんて出来事はそうそうないだろう。逆に言えば、それくらいの事が頻繁に起こるのであれば大チャンスなのである。
普段しないことをすると、普段会わない人に会う。それによって連絡先を交換する。それが新しい出会いだ。新しい出会いがあれば、新しい考えをもらえる可能性がある。つまりそれはあなたの新しい知識となり、新しい道を見つけるヒントになることだろう。
だからこそ、リアルで会って増えたSNSの友達の数を参考にしよう。一年間一桁しか増えていなかったらそれは赤信号。周りの友達が変わっていないという事は、環境が変わっていないこと。また、新しい事をあまり試していないことということになります。
リレーインタビュー連載『私の仕事が変わった瞬間』。本連載では、ユニークな事業に取り組んでいる企業の社長やフリーランスの方々を取材し、いまの事業を始めることになったきっかけや、どのようにしてその働き方に至ったのかを伺っていく。[…]
最後に
大企業に働いたら幸せになれるという神話は崩壊しました。ここまで読み進めて下さった方ならばご理解頂けたと思います。
ここまで読んで下さったからにはぜひ自分のやりたい事を見つけて欲しいと思います。しかし、やりたい事を見つけるには時間がかかります。
この記事を閉じて、やりたい事を5つ考えてそれを実行したら、新しい何かが見つかります。新しい友達が増えます。
ぜひ幸せを自分で探す時代においての第一歩を踏み出して下さい。