上司として見せるべき姿。チームの成功に繋がるマネジメント3つの鍵

「指示通りに部下が動いてくれない」
「何を考えているのかわからない」
「報告連絡相談をちゃんとしてくれない」
管理職層を集めての階層別研修で必ず話題になるのは、部下のマネジメントに関する悩み。うまく部下とコミュニケーションが取れず、結局なんでも自分で仕事を進めてしまう。結果、さらに部下との間に溝が出来、成果が上がらないチームになる。

このようなパターンがよく見受けられます。でもちょっと待ってください。これって一概に部下だけのせいというわけではありません。うまくマネジメント出来ないのは、ご自身がマネジメントしやすい環境をつくれていないことも理由の一つかもしれませんよ。

管理職の仕事は自分個人だけではなく、チームで成功(成果)に繋げること。では、どのようにすれば成功へ繋がるのでしょうか。そのためには管理職も含めメンバーひとりひとりがふたつの力を持つ必要があります。それは「問題解決する力」と「信頼を築く力」。

部下を評価するとき、どうしても実務に直結するため「問題解決する力」に注目してしまう傾向が強いと思います。しかし、実際に仕事を進めていく中ではチーム内・社内外で協力し合う場面が多くなりますよね。仮に本人に問題解決力が足りていなかったとしても、自分より仕事が出来る人をうまく巻き込めれば結果的に成果に繋がります。

そのために必要なのが「信頼を築く力」です。今回はマネジメントの観点からチーム内に信頼という土壌をいかにして築くか、そのポイントをご紹介いたします。

仕事における信頼とは何か?

よく使われる言葉ではありますが、皆さんは「信頼」って何だと思いますか。似た言葉で「信用」という言葉もありますが、信頼と信用は何が違うのでしょうか。辞書での定義はこのようになります。

・信用
それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること。また、世間が与える、そのような評価。「信用を得る」「信用を失う」「信用の置けない人物」「店の信用に傷がつく」
https://kotobank.jp/word/%E4%BF%A1%E7%94%A8-539182

・信頼
ある人や物を高く評価して,すべて任せられるという気持ちをいだくこと。 「部下を-する」 「 -を裏切る」 「 -性」 「 -度が高い」 「 -が置けない」
https://kotobank.jp/word/%E4%BF%A1%E9%A0%BC-539229#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88

※引用:コトバンク

つまり、信用は「過去の実績」ありきで信じるかどうか決めること、信頼は「本人の想い」次第ですべて任せられると決断すること、となり意味合いが大きく異なります。 無条件で「この人にならば大切なことを全て任せてもいい」と思える状態が信頼であり、それには強い絆が必要であることがわかりますね。

僕自身の経験ですが、20代の頃、自分がいかに手柄を立てるか、ということばかりを考えていた時期がありました。なので、プレイヤーとしていかに自分自身が能力を高めるか、成果を出せるかに注力していたのですが、調子が良かったのは最初の2年目まででした。成果を出し、より大きな仕事をもらえるようになっていく中で、僕はあることに気づきます。

「自分ひとりでできる仕事には限界がある」

最初はいいんです。自分ひとりで完結できるレベルなら。しかし、仕事のレベルが上がるにつれ、周囲の部署や上司などたくさんの人を巻き込み、一緒に進めていかなくてはならなくなっていきました。そこで僕はうまくいかなくなった。

いつの間にか、周りに嫌われていたからです。

僕からの依頼事項は後回しにされ、上司に打診しても許可が出ず、マンパワーが必要な場面でも誰も手伝ってくれません。八方塞がりになってしまいました。いくら自分がプレイヤーとして能力が高くても、一定以上の仕事になると周りに助けてもらえなければ円滑に成果を出すことはできないのです。

また、転職者の本音の退職理由ではその大半が「人間関係」に絡むものというデータもあり、信頼を築くことがいかにチームの成功にとって大切かがわかります。(参考:スタッフソリューション https://staffsolution.jp/main-resignation-reason

ここからは実際にチーム内に信頼関係の土壌を築くために大切な3つの鍵をご紹介します。

  • 相手を大切にすること
  • 自分を指さすこと
  • 誠実であること

相手を大切にする

1つ目の鍵は「相手を大切にする」こと。人間の心理には「返報性の原理」という法則があることは広く知られていますね。

返報性の原理

人は他人から何らか施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く
(参考:Wikipedia https://bit.ly/1VfoP4U

自分のことを尊重して欲しいと思うのなら、まずは自分が相手を大切にすることから、ということですね。では、どんな部分を大切にすればいいのか。それには3つのポイントがあります。

約束とメンツを守る

待ち合わせや提出期限など、相手から依頼された約束は必ず守りましょう。上司自身が約束を守らなければ部下に守るように指示することは矛盾します。また、何か指摘したいことがあっても皆の前で伝えるのではなく、個別に2人の時に伝えるなど、相手の面子を大切にしてあげましょう。

相手の大切を大切にする

本人のことを大切にするのはもちろんですが、その人が大切にしているモノや価値観も大切にするとより好感を持ってもらえます。例えば、犬好きの部下に犬の話題を振る、犬のことも気にかけてあげる、などです。

相手の立場に立つ

何か相手に指摘しなくてはならないとき、自分の目線や感情のみで伝えてしまう人がいますが、一旦思い留まりましょう。一度、相手から見えている目線や相手の感情になってみて考えてみてください。

話しにくい環境になっていなかったか、初めての経験で緊張していたのではないか、など推し量ってから話すだけでトーンも伝え方も変わりますよ。

自分を指さす

続けて2つ目の鍵は「自分を指さす」こと。マネジメントする上で部下への指導や時には叱責しなくてはならない場面は必ずありますよね。自分を指さすとは、その際に行動に移す前に一度「自身のあり方」について考えてみるということです。

未来を選択する

人は何かを始める時、過去の経験則から判断してしまうことが多いものです。

「あ、彼は前回この仕事でミスを起こしたな」部下へ仕事を頼む際、こんなことを考えてしまった経験はありませんか。このように過去に引きずられるのではなく、「彼なら以前の経験を活かして出来るはずだ」と未来を信じてあげることで本人は救われますし、期待に応えようとモチベーションも上がります。

自分を指さす

部下が何かミスをした際に、頭ごなしに怒ってしまった経験はありませんか。ミスの指摘をする際、一回「自分に指をさして」考えてみてください。果たして自分からの指示は的確だったのだろうか、わかりにくくなかっただろうか。

一度それを考えるだけで、部下への指摘の仕方が変わるはずです。

可能性に集中する

チームで進めている仕事において、時には困難な壁が立ちはだかる局面もあるでしょう。その時、管理職のあなたが後ろを見ていないでしょうか。

「こんなのできるわけがない」
「会社の指示が無茶なんだ」

チームリーダーがこう思った時点で成果を出すことは難しくなります。

「どうやったらできるか」

出来ない理由を考えるのではなく、できるための可能性に集中することが大切です。

誠実である

最後に3つ目の鍵。それは「誠実である」こと。

部下へ規則遵守や報告連絡相談など、正しくあることを求める方がいますが、あなた自身も部下から見られていることを忘れていないでしょうか。上司がやっていないと、部下に言い訳できる隙間を与えてしまうことにもなりかねません。

言行一致させる

言っていることとやっていることを一致させること。ありがちなのは部下の不満を収めるためにその場しのぎで「考えてみる」「仕組みを変える」などと言ったのに、何もしないというケース。

これではかえって部下は腐ってしまいます。やると言ったらやる。出来ないなら出来ない理由をちゃんと説明する。誤魔化さずに向き合うということですね。

率直である

部下に気に入られようとネガティブなことを伝えない、指示や指導をしないという上司は管理職失格です。是正すべきことがあれば率直に伝える。

ただし、良かった点も同じく率直に伝えるなどどちらかに偏らないのが大切ですね。

謙虚である

「最近の若手は飲み会に来ない」という上司の愚痴はよく聞きますが、ではなぜ若手が会社の飲み会に来ないのでしょうか。もちろん、お酒を飲まなくなったことやオンオフをしっかり分ける人が増えたという背景はありますが、他にも行きたくない理由があるのをご存知ですか。

それは「上司の昔の武勇伝を聞かされる」「飲み会で仕事の説教をされる」からです。相手から求められたなら別ですが、自分から自分の自慢話をするのは謙虚じゃありません。

謙虚な人は、成功エピソードは他人の話、失敗エピソードで自分の話を話す傾向があります。部下に求める前にまずは自分が謙虚になってみるとチームの雰囲気が変わるかもしれませんよ。

最後に

信頼を築くための3つの鍵。いかがでしたでしょうか。文字で読んでみると一見当たり前のように感じますが、全てを実現するのは一朝一夕には難しいものです。でも、一つずつやり続けることが大切。

まずはあなたが始めることで少しずつそれを見たメンバーにも影響が及び、チーム内の雰囲気が少しずつ変わっていくはずです。

何を言ったか、ではなく、誰が言ったか

現実として。人は正しいことかどうかよりも、誰から言われたのかで判断していることが多いものです。信頼関係を紡ぐことで、チームの成功のために一丸となって動けるチームへ。

参考になれば幸いです。

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