チーム
2018.03.29

よいチームの文化とは? 理想のチームは幻想か? 第3回

どのようなチームにも、必ず文化というものがあります。それはチームが目指すべき、あるべき姿へ向かう行動習慣なのか、会社の文化を素直に反映したものなのか、いずれにせよ人間が集まる最小単位であっても、10チームあれば10通りの、100チームあれば100通りの文化があると言っても過言ではないでしょう。
チームのメンバーとして成果を上げるには、そのチームが持つ文化を理解することが重要です。言い換えれば、チームの文化をスポイルして成果を上げようとしても、正当な評価に繋がることは残念ながらあまりないと言わざるを得ません。

そもそもチームの文化とは何なのか

そもそもチームの文化とは何なのか、を理解しないことには話が始まりません。例えば、あるプロダクトが社名よりも有名で、そこで働く誰もがそのプロダクトの存在意義を理解しているような会社に勤めていれば、チームの文化を理解するのは容易いでしょう。なぜなら、目指すゴールがほぼ一致した認識だからです。

しかし、そのような会社は誰もが知っている有名企業で、あたかもIT業界の大部分を占めるかのように見られがちですが、単純に企業数で見るとほんの一握りでしかありません。大部分の企業は、プロダクトごと、機能別にチームを構成したり、SIerなどの業種では、顧客ごとにチームを構成したりしていることでしょう。

チームの構成方法や期待のされ方に違いはあるとは言え、チームの文化とは、
•チームの存在意義、目標・目的を行動習慣として体現したもの
•チームを構成するメンバー全員が「あるべき姿」としてもつ共通認識
•望ましくないことがおきた場合に取る行動と評価基準
これらの3要素に収斂されると言ってよいでしょう。これらの、チームの文化を構成する要素は、チームに期待される役割から由来することもあれば、メンバーの個性が文化として自然発生し固定化されるケースもあります。

なぜチームの文化を理解するべきなのか

私が属したチームのほとんどは、チームのあるべき姿が最初からできていたわけではなく、ましてや最初からチームの文化を懇切丁寧に教わったことがありませんでした。これをよしとするかは別として、チームの文化を理解するために、こちらから理解しようとする姿勢が暗に求められていた(勝手にそうしていただけかも知れませんが)ように思います。
私も若い頃はチームの文化を理解せずに(私自身のスキルが足りていなかったのもありますが)、チームが目指す方向とは別のベクトルを向いていながら「なぜこんなに頑張っても評価されないのだ」と勘違いしたこともありましたが、先ほど挙げたチームの文化3要素を理解していれば、チームにとっては貴重な戦力を保持でき、メンバーの立場としても、もっとも効率よく自らのスキルを発揮することができたかも知れません。

チームメンバーにとって、チームの文化を理解するということは、チームの戦力として貢献するための最短距離である、という考え方をしてみると、チームに馴染むためのストレスが幾分緩和されるのではないでしょうか。勿論、この考え方がすべてというわけではありませんが、少なくとも目的を達成するまでの過程において遠回りを強いられる、というリスクは少なくて済むでしょう。
一方、チームリーダーにとって、新しくジョインしたメンバーのスキルを早期に発揮してもらうためには、チームの文化を正しく理解し、あるいはチームの文化をリードし、これをはっきり示さねばなりません。

よいチームの文化とは

チームの文化と一口に言っても、よいチームの文化と、残念なチームの文化は大きく異なります。よいチームと残念なチームの文化を比較すると、以下の表のようになる傾向があるのではないでしょうか。

※よいチーム(左)、残念なチーム(右)になります。

意思決定のプロセス トップダウンであってもボトムアップであっても、意思決定のプロセスに透明性がありメンバーが納得するまでのコストを惜しまない。 トップダウンであることが多く、意思決定のプロセスが不透明であり、メンバーが納得するかどうかは二の次である。
メンバー間のリスペクトや信頼 ある ない
失敗に対する態度や非のあるメンバーへの批判 メソッドやナレッジを共有することが当たり前にできており、常に改善されている。 一度作ったドキュメントは改版されないか、そもそもドキュメント化されない。
疑問や改善提案 疑問を持つことが否定されないか、または推奨されており、どうやって解決したかがチームで共有される。 疑問をもつことそのものが悪であり、決まった手順に従順であることのみが求められる。
例外発生時 例外に対してチーム一丸となって対処し、健全な解決を図り、再発防止策が正しく共有される。 例外そのものが悪である、という考えで、時には隠蔽されることもある。
マネージャーとメンバーの関係 マネージャーはメンバーのバリューを最大化するため喜んで黒子になる。 支配と従属
チームのルール 公平な判断基準を設けるためにあり、目的が明確である。 前例踏襲またはルールのためのルールであり、忖度が求められる。
目標の持ち方 メンバー全員がチームのために自身のバリューを最大化する。 チームでありながらメンバーの目標に一貫性がない。

よいチームと残念なチームの対比を挙げてみましたが、すべての項目において必ずしも二極化しているとは限らず、改善提案ができる余地があるなら、そのチームはよいチームに化ける可能性はあります。

チームリーダーは常にこうしたよい文化を保てるか気を配る必要があります。勿論、常に気を配り続けるのは現実的ではないので、ある程度タスクに落とし込めたら、その執行をメンバーに委ね、フィードバックを受けて改善する仕組みを作ってしまえばよいのです。

チームの文化に疑問が生じたら

どんなチームであっても、完璧なまでに理想のチームであり続ける保証はありません。筆者が経験した最高のチームは、ハイスキルなメンバーが集まり高い理想を持ち、言わば「背中を預けられる関係」でした。しかし、チームとして上手くいっていたにもかかわらず、会社の方針と相いれずに次々とメンバーが退職し、チームの生産性とクォリティが維持できず、その後チームが空中分解・・・という結果に終わってしまいました。

ここまで大きな話ではないにしても、チームの文化や行動習慣などに疑問が生じるケースもあるのではないでしょうか。こうした状況で個人が組織と対立することはよくある話ですが、いきなり「対立」に持っていくことは得策ではありません。理由を挙げますと、

•「対立」から入ると、決着の付け方が勝負ごとになってしまい、禍根しか残さず、その後の人間関係が不健全なままである
•「組織のここが受け入れられない」と「組織そのものに属することが苦痛である」を混同しがちであり、感情や面子を落とし所にしてしまいかねず、本来改善すべき点が置き去りになりかねない
•本来「外向き」に振り向けるべき思考やリソースが内向きかつネガティブになり、生産性を大きく阻害する

このように、誰にとっても不幸な結果になってしまいます。これを防ぐには、前回取り上げた「アサーションスキル」が役立ちますので、チームの文化に疑問を投げかける際には、アサーティブな関係を維持することを心がけてください。こうすることで、改善提案も前向きな提案として受け入れられやすくなり、感情のわだかまりを一切残さないことが可能になります。

よいチームの文化とは? についてのまとめ

よいチームの文化は、必ずしも完璧である必要はなく、メンバーにとって公平であり、性善説が通用し、アサーティブな関係が維持できるものである、といったことがおわかりいただけたと思います。

あなたとチームが健全に日々を過ごすことができるか、これはチームの特性をよく観察し、理解することから始まります。いちどチームの文化を理解し、取るべき行動が理解できれば、より少ないストレスで質の高いアウトプットができるようになるでしょう。

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