チームビルディングってどうやってやるの? 代表的な手法やゲームを紹介

人を集めることで「チーム」という集団を形成することはできますが、それが成果をあげられるチームであるかはまた別の話。チームの成果を最大化するための方法として「チームビルディング」が注目を集めています。

チームの在り方が変化し続ける昨今、チームビルディングはどのような効果をもたらすのでしょう。チームビルディングのフレームワークや手法、効果的なゲームについてまとめてみました。

そもそもチームビルディングとは?

チームビルディング(Team Building)とは、組織を構築するための手法です。目標を達成するためには、多様なスキルや経験を持つ人材を集めねばなりません。

それらの能力を最大限に活かし、目標の達成を目指すチームを作り上げる必要があります。

そのために行うプログラムやゲーム、研修などの具体的な方法も含めて「チームビルディング」と呼ぶこともあります。

チームビルディングを行うことで得られる効果

テレワークが進み、顔を合わせてコミュニケーションをとることが少なくなった昨今では、チームビルディングがこれまで以上に重要視されています。

具体的に、チームビルディングによって得られる効果について考えてみましょう。

生産性の向上

チームビルディングによって、メンバーのスキルや経験を生かし、最大限のパフォーマンスを発揮できるチームが作られるため、生産性が向上します。チームが成長できる場になることも、生産性の向上につながります。

チームビルディングがもたらす活発なコミュニケーション、安心して意見のいえる環境、情報共有によって、業務の効率が上がり、高い生産性が期待できるのです。

コミュニケーションの活性化

コミュニケーションを活性化するために、チームビルディングが有効です。朝礼や終礼、ランチミーティングや研修会、レクレーションイベントなどを開催することで、チームメンバー間のコミュニケーションが生まれます

盛んにコミュニケーションを交わせるチームは、メンバーの持つ価値観や考え方、スキルや経験などを相互に理解できます。また、コミュニケーションによって、リーダーやマネージャーは適材適所な人材配置が可能になります。

チーム全体のモチベーション向上

チームビルディングは、チーム全体のモチベーションを高めることにもつながります。

自身のスキルが発揮できる役割や組織が作られると、メンバーはチームでの存在意義や貢献意欲を感じやすくなり、業務に取り組むモチベーションとなります。

また、チームでの連携や成功体験の積み重ねも、モチベーションを維持しやすいといえます。

新たなアイデアの創出

議論を交わしやすいチームを作ると、連携して課題を解決する習慣が根付きます。この習慣によって期待されるのは、チームだからこそ生まれるシナジーです。 

ネガティブな問題や課題が立ちはだかっても、前向きな議論ができれば、イノベーションが生まれるきっかけになるでしょう。

チームビルディングの5段階プロセス「タックマンモデル」の紹介

アメリカ心理学者、ブルース・ウェイ・タックマンが提唱したチームビルディングのフレームワークが、「タックマンモデル」です。タックマンモデルでは、チームビルディングの過程を5つのプロセスに分けて考えています。

5つのプロセスを経て、チームは段々とステップアップし、最高のパフォーマンスで最大限の成果をあげられるようになります。

各ステージの特徴を紹介します。

形成期

組織されたばかりのチームは「形成期」にあたります。チームにはピシッとした緊張感や遠慮があり、メンバー同士の理解も成されていない状態です。

目標や役割の認識や相互理解を深めるために、プロジェクトマネージャーなどのリーダーがチームをまとめ、率先してコミュニケーションをとるといいでしょう。

混乱期

「混乱期」のチームは、目標や役割、責任が明確になったゆえに、考え方や行動に対立が起こる時期です。モチベーションが下がりやすいのも混乱期の特徴です。

チームとして成長するためには、衝突を恐れずに意見を交わし、意思の疎通を図りましょう。

タックマンモデルのフレームワークでは、混乱期が最も重要と考えられています。混乱期をどのように乗り越えるかが今後のチームの成長に大きく影響するため、メンバーの意見をクリアにし、納得するまで議論する機会を設けるなどして、相互理解を深めることを大切にしましょう。

統一期

混乱期で相互の理解を深めたチームは、安定に向かう「統一期」を迎えます。共通意識が芽生え、互いに価値観や考え方を尊重できるので、目標に向けて、メンバーそれぞれが役割をしっかりと果たす時期です。

意見が交わしやすくなり、チームに活気やまとまりが生まれます。メンバーのスキルやモチベーションが高まるのも統一期の特徴です。

機能期

「機能期」は、メンバーが共通の目標に向けて主体的に動くことができ、チームとして機能する時期です。個々が能力を発揮しながらも一体感が増し、目標に対する成果が出始めるでしょう。

メンバー同士のフォローや成功体験の共有を通して、結束力や信頼関係を築くことができます。

散会期

プロジェクト達成やチームの活動が終わる段階になると、チームは「散会期」に入ります。次のプロジェクトに向けたナレッジの共有や振り返りを行い、チームビルディングの効果を検証します。

タックマンモデルや5つのプロセスについては「チームビルディングの要となるタックマンモデルとは? 混乱期の乗り越え方やおすすめの本を紹介!」でさらに詳しく解説しています。

チームビルディングを行うためのコツ・手法

ここからは実践に向け、チームビルディングのコツや手法を解説します。

チームの目標・ビジョンの浸透

チームの目標や目指すビジョンを明確に共有することで、チームは進むべき方向を見失わずにいられるでしょう。

メンバーは、目標から逆算し、自分に求められるものは何か? そのために今すべきことは何か? を自主的に考えて行動ができます。

個人では達成できないことでも、チームを作ることで、個々のスキルやリソースが集まり、目標を達成できます。そのためには、個々がチグハグな動きをしたり、迷子になったりしては、チームである意味がありません。

まずは、チームの道標として目標やビジョンを掲げ、浸透させましょう

What・Why・Who・Where・When・Howの5W1Hで情報を整理し、情報を共有するフレームワーク、「5W1H分析」が有効です。

適切な人的配置・役割の明確化

チームのメンバーに適した人員配置を行うとともに、それぞれの役割を明確にします。

リーダーやマネージャーはメンバーのスキルや経験、性格などを理解するためのヒアリングや面談などを実施して、役割の適正を検証し、適宜調整を行いましょう。

また、それぞれの役割が明確に分かるように、業務やタスクごとの責任の所在を見える化することも大切です。

多様性を受け入れる

チームには、年齢層や経歴、保有する知識、専門性や雇用形態など、多様な人が所属します。これらの多様性を受け入れることが、チームビルディングには欠かせません。

多様性を受け入れないと、どこかで不平不満が出ることもあるでしょう。

しかし、多様性を受け入れることで、特性を活かした協力体制や意見しやすい関係性が生まれ、チームを良い方向に導くのです。

自分がこれまで持っていなかった知識を得られる、興味関心や探究心が芽生える、多角的な視点を持てるなど、多様性があることによって享受できるメリットを自覚し、各々の多様性を尊重できるチームを作りましょう。

マインドセットの形成

チームで目標を達成するためには、目標を明確にするだけでなく、「目標を達成する」というマインドセットを形成することで、チームの機能を高めます。

目標に対する目線や足並みが揃うので、チームワークが生まれるでしょう。

マインドセットの形成には、定例会や研修会の開催のほか、メンバーに対するフィードバックやコーチングの実施も有効です。
 

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コミュニケーションを意識してとるようにする

これまでオフィスにいるだけでとれていたコミュニケーションも、近年のテレワークの普及やダイバーシティ経営の活発化により、これまで以上に意識する必要があります。

コミュニケーションをとることで、相互の理解が深まるだけでなく、モチベーションの維持やサポート体制の構築、トラブルへのリスクヘッジにもつながります。

報告・連絡・相談の徹底やアウトプットの場を設けるなど、コミュニケーションの場を積極的に作るようにしましょう。

チームビルディングに役立つゲームの紹介

チームビルディングの一環として、チームでゲームをすることは、非常に有効な手段と考えられています。

ゲームをチームビルディングに取り入れることで、「チームで目標を達成した」という成功体験を共有できます。ゲームによってコミュニケーションがとりやすくなったり、意見を交わしやすくなったりする事例も少なくありません。

今回紹介するゲームは、専門的な知識は不要で、誰でも気軽に挑戦できます。参加者は簡単に自分の意見を発言できるので、ゲームを通してそれぞれの持つ価値観や考え方を理解し合えるでしょう。

マシュマロ・チャレンジ

マシュマロ・チャレンジとは、乾麺のパスタ・テープ・ひも・マシュマロを使って自立するタワーを立て、その高さを競うゲームです。

4人でチームを組み、「どのチームよりも高いタワーを立てる」という目標に向け、戦略を練ったりPDCAサイクルを回したり、コミュニケーションをとることでチームの重要性を学ぶことができます。

マシュマロ・チャレンジの効果は、TEDでトム・ウージェック氏がプレゼンテーションを行ったことでも広く知られています。

主に、形成期のチームに有効なゲームで、互いに距離を縮めたりそれぞれの個性を理解したりすることを目的としています。楽しくゲームに参加し、メンバー間のコミュニケーションを促しましょう。

NASAゲーム

宇宙で起きたトラブルの中、目標とするゴールのために、15のアイテムに優先順位をつけるゲームがNASAゲームです。

NASAゲームで重要なのは、優先順位をつけることではなく、チームの意見を1つにまとめ上げることです。

もちろん意見が割れることがありますが、メンバーの考え方や価値観を認め合いながら、相互の理解を深めることができます。そのため、NASAゲームは混乱期のチームビルディングに適しているとされます。

意見の対立が起こることはもちろん、メンバーの動機付けや関心がチームの目標ではなく、それぞれの行動や発言に向きやすい混乱期だからこそ、議論を促し、チームで動くことの意義を再確認させるゲームを行うのです。

メンバー同士の理解を深めることにより、バラバラのチームが1つになり、次の段階である「統一期」に移行することができます。

リアル脱出ゲーム

リアル脱出ゲームとは、さまざまなロケーション下で謎を解いて「脱出」することを目的とした、体験型のゲームです。ストーリーやロケーション、ゴールなどは、会社ごとにカスタマイズできます。

リアル脱出ゲームをおすすめしたいのは「機能期」のチームビルディングです。チームで情報を共有し、密なコミュニケーションをとって謎解きをすることで、チームワークを発揮します。また、主体的な行動や相互のサポートの成果を通じて、成功体験を共有できます。

エンゲージメントを高めたいチームに効果的なゲームです。

まとめ

働き方や企業の在り方が目まぐるしく変化する時代に、チームビルディングはどんなチームにも有効な手法です。チームビルディングを意識することで、今よりももっと良いチームが作れるかもしれません。

同じチームに属したメンバー同士、単なる「集まり」を超えて、成長実感を得られるチームを目指すことが重要なのです。
 

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