フリーランスとして仕事を取れるだけの技術力はある! そして仕事も簡単に取れる。なのに案件が継続しない…
という悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか? そしてその原因をスキルが足りないと考えていませんか?
もしそうであれば一度見直してほしいことがあります。それがヒューマンスキル、いわゆる仕事人としての力や常識です。
フリーランスになると技術を磨くことに邁進する人が多いですが、仕事が取れる・継続するのはスキルだけで決まるわけではありません。むしろそれより、仕事をきちんと遂行する能力を見られています。
今回はフリーランスに必要なヒューマンスキルについて解説していきます。
意外な事実! クライアントがフリーランスのスキルにとやかく言わない理由
フリーランスといういうと自分の腕一本で稼いで食べていくという印象があり、スキルが非常に重要だと思われているでしょう。しかし実際にはクライアントがスキルについて細かく言ってくるケースはほとんどありません。
それはなぜでしょうか? 詳しく解説していきます。
フリーランスは常にスキルアップをしているものだと思い込んでいる
クライアントにとってフリーランスとはどういう存在か? そして業務を依頼するメリットはどこにあるか? ということを考えてみましょう。ちなみに僕も発注者としてフリーランスに仕事を依頼することもあるので、フリーランスの存在価値やメリットを挙げると
- 即戦力としてすぐに業務に貢献できる
- どんどんスキルアップしていき業務幅が増え、発注者側の業務負担が減っていく
- 他の案件での経験や成功事例を活かしたり共有してくれる
- 案件を継続させるために常に仕事に全力。またスキルアップも怠らない
といった点です。これは誰しもが思うことでしょう。フリーランスは雇用形態上、クライアントと対等な立場になるので、業務依頼の拒否ができ、出社や業務時間の指定といった管理下に置くこともできません。若干扱いづらい存在でもあるフリーランスですが、それでも依頼するメリットは上記に上げた内容でしょう。
一方フリーランスにとってはすぐに契約を切られるというデメリットもあり、これがかなり精神的負荷になります。契約上対等とはいえ、主従関係という構図に変わりありません。
なのでクライアントにとって、フリーランスは常に仕事に全力でスキルアップも怠らないものと思い込んでいます。そのため、技術面やスキルに関して細かく言うことがないのです。
現状足りなくても間に合わせれば十分
一方フリーランスにとっては、どんな手を使ってでもクライアントが求めるレベルに達成すれば問題ないわけです。なぜならスキルアップの過程は問わないからです。納品物が納期までに満足いくものであれば、クライアントにとっては十分でしょう。
僕自身の経験で紹介すると
- (専門でやったこともない)SNSマーケティングの依頼を受ける
- 自費でコンサルを頼む
- 成果を出して案件継続になる
- コンサル費は2ヶ月目で回収できた、以降純収入
依頼された時点でスキルはなかったけれど、受注してしまったという点がポイントです。
元ライブドア社長の堀江貴文さんの著書で「ハッタリの流儀」というものがあります。先に宣言をしてそれを実現するために動くことが大事と書いており、過去にはプロ野球の球団やフジテレビの買収、選挙に出馬、ロケット打上げなどを実現しようと邁進していました。そのために数々の手を打ってきたのは、想像に難くありません。
フリーランスが仕事を取る上では、まずは受注し間に合わせるという動きを取れればそれで全然OKなのです。
テクニカルスキルよりヒューマンスキルが重要視される理由
フリーランスは、スキルや実力はあることが前提で成り立つ職業だということが理解できたかと思います。フリーランスに依頼する仕事内容は明確になっていることが多いので、それを担当できる人であれば、発注者サイドとしては誰でもいいのです。つまりスキルのみで受注競争するのは難しいということです。
なので、よりフリーランスとして活躍するにはヒューマンスキル、つまり人間力がとても重要になります。
詳しく解説していきます。
仕事をスムーズに進められてこそ、フリーランスに依頼するメリットがある
フリーランスは言わば即戦力です。必要なポジションにはまり、すぐに業務を進められてこそ依頼するメリットがあるのです。それを実現するのに、技術力は当然備えているものとしているので、重要なのは仕事を滞りなく進められることです。
具体例としては
- レスポンスは即日で返す
- 報・連・相は相手に明確に伝わるようにする
- 期日は必ず守る
などです。レスポンスが2日以上かかれば、その分進行が遅れ他の業務にも支障をきたします。報・連・相が不明瞭だとその分やりとりが多くなり無駄な時間やコミュニケーションが発生します。
技術がしっかりしていても、仕事がスムーズに進まなければ頼むメリットは半減します。
飛んでしまうフリーランスも少なくない
意外にも多いのが、案件の依頼途中でフリーランスとの連絡が途絶えてしまうことです。これをやられると、担当者にとっては再選定や業務説明など、1度やったことをもう1回する必要があります。そしてその分時間も使い、スケジュールが後ろ倒しになります。
僕自身、メディアのリライト担当者が2ヶ月目から全く連絡が取れないという事態が発生し、無駄な業務の発生にイライラしていた時期がありました。
クライアントからしたら「この人飛ぶかな?」という不安は抱えたくありません。そうならないためにもコミュニケーションをしっかりとることや、時には断るということも必要です。中途半端にすると訴訟トラブルになり、却って自分を苦しめる結果になることもあります。
結論、安心して任せられる人が欲しい
以上のような事例は少なくないので、ただ仕事をやるのではなく、依頼主の精神的不安を無くし、この人とならきちんとパートナー関係を築けるという印象をつけるようにしましょう。
まずは押さえておきたい、フリーランスとして安定して仕事が回せるヒューマンスキル
それではフリーランスがまず付けるべきヒューマンスキルについて説明していきます。そのためにはまずカッツモデルについて簡単に理解しましょう。
この図はアメリカの経営学者でハーバード大学教授のロバート・カッツ氏が提唱した、それぞれの役職に必要なスキルを表した図になります。
会社に関して言えばそれぞれ役職が明確にあるので、それぞれ役職に合わせてスキルを伸ばすことに注力できます。しかしフリーランスに関して言えば、その人自身が作業者になるのでテクニカルスキルが必須であるのはもちろん、クライアントと対等に仕事をするためにヒューマンスキルも重要になります。この図で言うならフリーランスは現場職層と中間管理者層をまたがっています。
カッツモデルで提唱されるヒューマンスキルは
- コミュニケーション力
- ヒアリング力
- 交渉力
- プレゼンテーション力
- 動機付け(働きかけ力)
- 向上心
- リーダーシップ
とされていますが、フリーランスに関して言えば「コミュニケーション能力・ヒアリング力・プレゼンテーション力」を抑えることを最重要視しましょう。
3つに分かれていますが、流れからして1つにまとめることができますね。相手の課題や要望をきちんとヒアリングして、それに対するソリューションを提案して、相手と擦り合わせしながら決めていく。すべて会話を通して成立します。
フリーランスの場合、オフィスに常駐して働くということは非常に少ないです。なのでコミュニケーションのほとんどがメールやチャット、定例のMTGになるでしょう。文字だけのコミュニケーションは伝え方によってはトラブルに発展するので注意が必要です。
また定例のMTGは時間が限られているので、その中で如何に課題を明確にする質問ができ、複数のソリューションアイディアを出せるかで信頼関係を作れます。
普段オフィスにおらず仕事だけの会話しかないので、そういった環境でも相手から信頼されるコミュニケーションを心がけましょう。
まとめ
フリーランスは技術だけ磨いていても、一緒に仕事をする上で不便だったり不愉快を感じてしまうと、クライアントは契約を継続してくれません。たとえどれだけ優秀であったとしてもです。
もし仕事は取れるのに長続きしないという人は思い当たる節があるのではないでしょうか? もしそういう人はスキルアップに執着するのではなく、仕事の取り組み方を見直しヒューマンスキルの向上もしっかりやっていきましょう。