私はこれまでベンチャーや大企業で働き、その中で仕事ができる上司や先輩をたくさん見てきました。彼らの仕事ができる秘けつは一体なんなのか?と観察しては振る舞いを徹底的にマネをしました。その結果、気がつけば自分も仕事のパフォーマンスが高く発揮できるようになっていたものです大企業からベンチャーまでさまざまな企業で働く中で、私が体得した仕事術はどの会社にでも活用できるものだと確信がもてるようになりました。今回は仕事を取り組むにあたって必要な技術的の汎用スキルと行動指針を意味するスタンスのふたつを紹介します。新卒・中途採用面談の採用判断基準として活用できますので、ぜひ参考にして下さい。
5つのスキル編
スキルには、業態や業種によって特化されるものと、どんな仕事にも活かされるものに大別されます。この項では、どんな仕事、部署、企業でも活かされるスキルをご紹介します。
1.生産性が高いこと
生産性が高いことは、結果的に会社へ与えるインパクトが大きくなることといえます。
たとえば、周りが10日かかって仕上げている毎月の定常業務を、より速く仕上げるよう工夫して、2日で仕上げることができたとします。そうすると余った8日で別の案件に着手できますよね。
このとき別の案件の成果で会社に影響を与えられるため、生産性を上げることはとても重要なのです。
仕事ができる人は圧倒的に生産性が高いです。私もそうなれるよう、日々自分の仕事を振り返っては改善しています。
私はメンバーマネジメントにおいて生産性を高めるためには
キッチンタイマーでもいいので、自分の仕事にかかる時間を測りながら仕事をするよう伝えています。
そうすることで、日々の雑務に思っていたより多くの時間がかかっていることに気づくことができるでしょう。
このように自己認知をすることで、初めて改善に向けたアクションを取れるようになるのです。
2.自己のタイムマネジメントが徹底していること
たくさんの仕事があるなかで、期日を守りながらも仕事のクオリティも高い人は、タイムマネジメントがしっかりしています。
そのような人は、優先順位付けを明確にしている傾向があります。。
優先順位付けをする際に私がおすすめしているのは、ToDoリストにタスクを箇条書きにする方法ではなく、カレンダーにタスクを入れる方法です。
たとえば、月末までに業務報告の資料を上長にレポートするように命じられた場合は、期日までに資料を完成させられるようなスケジュールを以下のようにに登録します。
(例)
- 2019/5/17(月) 13:00-15:00 情報収集
- 2019/5/19(水)10:00-12:00 草案作成
- 2019/5/21(金)10:00-11:00 上長レビュー
- 2019/5/24(月)10:00-11:00 レビュー後提出
なお、期日ギリギリのスケジュールを組むのではなく、できれば前倒ししてスケジュールを組むといいでしょう。
突発的な事案が発生したときに期日ギリギリのスケジュール組みでは対処できなくなる可能性があるためです。
3.レポート資料作成
仕事ができる人は、言語選択が的確で簡潔に相手に伝えることができます。私は上長や関係者に業務課題やトラブル、KPIなどの報告事項を自分の意見を交えて的確に伝えられる人は少ないと考えています。
「あなたの言いたいことがわからないんだけど、つまり、あなたの言いたいことは○○だから××という意味で合っていますか?」
このように言われてしまう人は、伝え方が上手いとは言えません。相手に自分の思考を整理してもらっている状態で、結果的に相手の時間を奪っていることになるのです。
整理してもらえるならまだいい方で、経営者や幹部の方達は基本、忙しいので冗長で的を得ないレポートは一喝されてしまいます。
上手な伝え方がわからないという人は、レポートを何度も書き、仕事ができる人にレビューしてもらうことをおすすめします。
また、レポート作成のスキルを高めたい人には下記の本がおすすめです。
『外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック』(著:山口周)
4.高いコミュニケーション能力
自分の考えを相手にわかりやすく伝えることと同じくらい、相手の考えを正しく理解することは重要です。そうすることで円満な人間関係を築くことができます。
相手の思いを受け止めることができないと、相手はないがしろにされたと思い込んで関係性が悪化するおそれがあるのです。
もし、相手の言っていることがよくわからない場合は
「あなたがおっしゃっているのは、△△という意味でしょうか?」ときちんと確認するようにしましょう。
また、仕事におけるコミュニケーションで曖昧な返事や対応はNGです。
真剣に相手の話に耳を傾けるだけでもコミュニケーション能力は劇的に向上します。
5.高い専門性
仕事ができる人は自分が従事している仕事について日々勉強しているため、高い専門性を有しているものです。
エンジニアであれば最新の技術の論文を読んだり、カンファレンスに参加したり、自分の学んだ内容を発表したりして知見を深めています。
また、専門職でなくても日々おこなっている業務は何のためなのか、日々生産性を上げるためには何をすればいいのかを考えて勉強していればおのずと専門性が高くなります。
私自身のことで言えば、今まで会社全体の予算編成に携わることはありませんでした。しかし、その仕事を任せられてからは必死に本を読み、知人に聞きながら予算の仕組みを学び、ある程度のことは人に説明できるようになりました。
専門性を高めるために勉強は欠かせません。、学んだことは社内外の勉強会などで積極的に公開することをおすすめします。
公開準備をするためことで、さらに知見が深まるでしょう。
また、副次的に第三者からフィードバックをもらえたり多くの人とネットワークを築いたりすることができます。
6つのスタンス編
仕事や生活でその人の行動を決める「スタンス」。どちらかというと仕事によって変わるというよりは、その人の生き方や「その人らしさ」に直結してくると考えます。普段の生活にも活かせる6つのスタンスを見てみましょう。
1.圧倒的な当事者意識
私がプロジェクトマネージャーをしてきた経験から考えるのは、当事者意識が高い人と仕事をするとプロジェクトの成功率が格段に上がるということです。
つまり、高い当事者意識を持って仕事に取り組む人は非常に重宝されます。
たとえば、先方からの返信が来なくて仕事が進まない場合、「先方から返信がないから」と言い訳するのはは当事者意識が薄いと言わざるをえません。
当事者意識が高い人は、返信の催促なしでは仕事が進まないことを理解しているので、早めに催促したり、上長に相談してアクションを検討したりするなど、仕事を進める解決策をみずから実行します。
2.できる理由を探す
「こんな仕事できっこない。自分には無理だ。」
やる前からできないと決めつけてはいないでしょうか?
すぐにはできないかもしれないけど、「まずはやってみよう」とか「ここまでならできるかもしれない」と考える人は
どの組織においても重宝されるはずです。
できない理由を懸命に探す人よりも、できる理由を懸命に探す人になりましょう。
3.どんな相手でも尊重して接していること
どの相手にとっても尊厳を持って接していますか?ときには感情的になって対立することはあるかもしれませんが、基本的に相手を尊重する意識を持つことは仕事を円滑にする上で非常に重要です。
人は自分が尊重されているかどうかを敏感に感じる生き物です。。大事に扱っていない相手とは、信頼関係を築くことはできません。
仕事ができる、できないにかかわらず尊重して接することはその人の器の広さを示すものだと私は考えます。
器の広くない人に周りはついていくものでしょうか?
4.学び続けていること
『大局観』という本では、著者の出口治明さんが「人・本・旅」の3つをすすめています。
『大局観』 (著:出口治明)
自己成長をするため、勤務時間以外でみずから学んでいますか?さまざまな勉強方法の中で最も費用対効果が高いのは本を読むことだと考えます。
読む本は直接仕事に関する本でなくても構いません。自分の好奇心に従って、自分が読みたい本を読むといいでしょう。強制的な読書は挫折しますので、自発的に読むようにしましょう。
5.自分に素直になること
相手から必要とされるのは、大変素晴らしいことですが、期待を応えようと無理をしすぎないようにしましょう。
私は以前、自分のしたいことを押し殺して上司の期待に応えようと必死に仕事をしていたものです。
そのときは上司から高く評価されていましたが、本当にやりたいことをかなり制限していたためストレスはかなりたまっていました。
反対に、自分のしたいことが現在の仕事とマッチしていると、パフォーマンスはものすごく高まります。
理由は簡単で、自分のしたいことでモチベーションが高くなるためです。
自分は何がしたいのか、また今の状態に対してどう自分は思っているのか? 日々自分の心に聞いてみる癖をつけましょう。
6.感謝していること
感謝の心を持っている人はよく「自分は運がいい」と口にするような気がします。
「運がいい」とは自分の力だけでコトがうまくいったのではなく、人の助けのおかげで今の自分があるという思考なのだと私は考えます。
そうすると、周りにも感謝の気持ちを持って接することができて円滑な関係を築けるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?ここで紹介したスタンスとスキルがあれば、どの会社でも通用するのではないかと私は考えます。最後にスタンスとスキルを掛け合わせて、必要なものがひとつあると考えています。それは「プロフェッショナルであること」です。私が定義する「プロフェッショナル」とは、自分の仕事に対して責任を持ち、全力を持って真摯に取り組みながら結果を出し続けることです。不条理な状況下でも結果を求められることもありますが、それでも結果を出している上司や先輩を私は何度も見てきたものです。厳しい環境は人を劇的に成長させます。その中で高いパフォーマンスを発揮できた人は、どの会社でも必要とされる人材になれるのではないでしょうか?