モノであれサービスであれ、何かを作り出すには材料や資源、そして労働力が必要です。
これらの要素がひとつの仕事を仕上げるためにどれだけ有効に利用されたかの度合いを「生産性」といいます。
ここでは、仕事の生産性を上げるために必要なことと、そのチェックポイントについて簡単にまとめていきます。
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1. 仕事の生産性を上げるために必要なこと
そもそも生産性とは何か
生産性とは産出(アウトプット)の量を投入(インプット)の量で割った値です。つまり、単純に考えれば、生産性を上げるためには分子である産出(アウトプット)を上げるか、分母である投入(インプット)を下げるかということになります。
結論から言うと、どちらも、それだけで単純に生産性向上にはつながるとはいいがたいのですが、まずは、もっともよく試される、「インプットを下げる方法」について考えてみましょう。
インプットを下げる方法
時短では生産性は向上しない
生産性計算式の分母、つまりインプットを下げるために一番分かりやすいのは、所要時間を少なくすること、つまり「時短」です。
例えば、2人の社員がエクセルで顧客リストを作成するとします。仕上げるのに、Aは1時間、Bは2時間かかりました。この場合、出来上がった顧客リストという「成果」は同じなので、Aは労働生産性が高く、Bは低いとみられます。
確かに、時間を短縮することは生産性の向上に直結するように思われます。ところが、それを目標に掲げることで、製品の点検などの必要な時間を省くといった、過度な時間短縮を行ってしまう社員が出てくることが予想されます。その結果、余計に多くの時間がかかってしまうこともあるでしょう。
時間を意識して業務に取り組むことは生産性向上のために大切なことですが、これだけを意識して仕事を行うことにはリスクがあります。次に、インプットを下げるもう一つの要因である人件費について考えてみましょう。
労働力を減らしてもリスクを伴う
ある事務所に2人の事務員がいたとします。ある日、新たに「通常の倍速で仕事のできる事務員」を1人雇い、元から働いていた「処理能力が普通の事務員」2人は辞めさせることにしました。つまり、これまで2人でしていた仕事量を1人でこなすということです。すると、どうなるでしょうか。
給与が同じなら、単純に人件費が半分になるので、生産性は上がることになりますね。ただ、1人になってしまうことで、リスクも発生します。もしも、たった1人の事務員が体調不良などで入院したら、その間、仕事が回らなくなる恐れが生じます。また、それまで2人でやっていたことを1人でこなすわけですから、それ相応の報酬を求められることになるでしょう。結果的に、人件費は以前とあまり変わらず、リスクだけが増えることになります。
このように、単に「成果に要する時間・材料・労働力などを少なくすること」で、生産性を向上させるというのは現実的ではありません。
アウトプットを増やす方法
成果を増やす方法
では今度は、生産性計算式の分子、つまり、アウトプットを増やす方法について考えてみましょう。よくある手段として、社員研修などを行って、現状の労働力を向上させるということが挙げられます。
前述の仕事のできない2人の事務員に対してスキルアップ研修を行ったとします。幸い、研修の結果、処理能力が高まって、作業にかかる時間が短縮されました。この方法なら「アウトプット」という面で、成果を増やすことができるでしょう。
しかし、これには人間のモチベーション維持という、とても管理しづらい問題が付随します。せっかく作業効率が上がっても、その分速く仕事をこなそうとするマジメな人間ばかりではありません。仕事を早く行なえるようになっても、単に仕事量が増えただけだと思われてしまっては、本来の生産性を実現することができません。
このように、本当の意味で生産性を高めるためには、単純に投入(インプット)を減らしたり、産出(アウトプット)を増やしたりするだけではなく、働く人間のモチベーションを維持しつつ、作業の効率化を図ることが重要なのです。
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2. 作業のシンプル化と目的意識で働き方は変わる!
それでは、働く人間のモチベーションを維持しつつ、作業の効率化を図るためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。
ここでは、雇われる側、個人の目線で考えてみましょう。
解決分と未解決分を区分する
書類にしても、メールにしても、すべて残しておくと優先的に手を付けるべきものが見えてきません。解決したものはすぐ解決済みフォルダなどへ隔離し、未解決のものは常にシンプルに整理しておくことが必要です。
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明確な目的、目標を持つ
仕事をするにあたって、判断に迷うことも多いと思います。あなたの上司やクライアントが常に効率のよい指示を出すとは限りません。指示された作業が何のために行われるのか、最終的に何を目的としているのかを明確にし、それを常に意識することで、「こうしたほうが効率的ではないか」「この部分は不要ではないか」といった提案ができるようになります。そうすることによって作業の効率化が図れ、生産性の向上につながれば、あなたの評価もアップすることでしょう。
すべてをシンプルにする
時間を無駄にする代表的な事に「探し物」があります。書類やデータなどを、必要なときにすぐ取り出せるように、分かりやすく分類しておくことはとても重要です。「解決分と未解決分を区分する」のもそうですが、ありとあらゆることをシンプルに整理しておくことで、かなり業務の効率化が図れます。
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例えば、時間を取られがちな日々の雑務は、それにかける時間を決め集中して行なうようにしたいものです。毎日の報告書、毎週毎月提出しなければならない計画表、これらも自分の中でテンプレートを作成しておき、できたか否かということをアレンジするだけにしておくのもおすすめです。個人の考えで会社の体制まで変えることは難しいですが、自分の時間を無駄にしない工夫をして、本来使うべきところに時間を使えるようにしたいですね。
3. 今すぐできる8つのチェックリスト
ここまでのことを踏まえて、生産性を上げるための8つのチェックポイントを押さえていきましょう。
個人の生産性向上チェックリスト
□ | 書類やデータは必要時にすぐに取り出せる状態か |
---|---|
□ | 1日の終わりに未返信メールや未回答の案件が残っていないか |
□ | 未解決の案件は期日を把握し、忘れないように工夫できているか |
□ | 解決済みのメールやデータは隔離し、未解決のもののみを残しているか |
□ | 作業の目的や最終的な目標を明確に把握しているか |
□ | 今より効率よくできる方法を考え、提案できているか |
□ | 日々の雑務の無駄を省き、本来使うべきことに時間を使える工夫ができているか |
□ | これらを実践して、自分の業務量に無理がないか |
上のリストは生産性向上というよりは、むしろ個人の効率化を図るためのチェックリストになります。本当の意味で生産性を向上させるには、個人の努力だけでは限界があります。雇う側と雇われる側とが、お互いに施策する必要があるのです。
単に雇う側が、ノー残業デーや有給休暇の積極的な取得をすすめたところで、雇われる側個人が時間内に業務をこなせなければ、サービス出勤や持ち帰り残業などが発生してしまいます。雇う側は、業務の効率化を個人の裁量に任せるのではなく、雇用主として効率のよい作業法をルール化すべきなのです。
会社・企業の生産性向上チェックリスト
□ | 書類やデータの格納場所(フォルダ)を明確にする |
---|---|
□ | その日の未返信メール・未回答案件数を報告させる |
□ | 期日ごとにフォルダやファイルを作り、未解決案件をまとめるなど分かりやすく整理する |
□ | 解決済みの案件は、後から分かりやすいようにクライアントごとにファイリングする |
□ | 作業の目的や最終的な目標を個人単位まで明確に伝える |
□ | 個人からの提案が受け入れやすい態勢を整える |
□ | 社内報告はチェック方式にし、〇×や数字などで簡単に答えられるようテンプレート化 |
□ | 個人の業務量に無理がないか定期的にチェックし、能力開発に努める |
仕事の生産性を上げるために押さえておきたい8つのチェックリストのまとめ
どちらにしても確かなことは、あらゆることをシンプルに整理することによって無駄が見えてくるということです。無駄を省き、一人ひとりを本来すべき仕事に専念させることによって、個人の能力が分かりやすくなります。
業務の効率化だけでなく、生産性を向上させるためには、成果を大きくする必要があります。雇う側は個人の能力を評価し、開発すること、また個人の能力に応じて業務量を調整し適材適所に就かせ、個人からの提案などを受け入れる態勢を整えることが重要です。
雇われる側は目的意識を持ち、会社に貢献しているという自信を持って仕事ができればモチベーション維持につながるでしょう。雇う側と雇われる側が一丸となって施策すること、これが生産性向上のための要であるといえるのではないでしょうか。
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