TeamHackersでは、これまで「ガントチャートを使ったタスク管理ツールの紹介」や「ガントチャートをプロジェクト管理で利用するメリットとおすすめツール」についての解説をしてきました。今回紹介するのは、Googleスプレッドシートを使ったガントチャートの作成方法です。
今や、Excelと並びビジネスシーンで広く活用されるようになったGoogleスプレッドシートでも、簡単にガントチャートを作ることができます。本稿ではその方法や作成時の注意点についてお伝えします。
Googleスプレッドシートでガントチャートを作成した際のメリット
Googleスプレッドシートとは、Googleが提供する表計算ソフトです。Googleスプレッドシートなら、複雑なガントチャートでも簡単に作成できるのはもちろん、他にもいくつかのメリットがあります。
まず、Googleスプレッドシートでガントチャートを作成するメリットを3つのポイントから考えてみましょう。
共有が簡単
ひとつ目のメリットは、共有のしやすさです。Googleスプレッドシートは、インターネット環境があればいつでもどこでもアクセスができ、権限がある人なら誰でも閲覧や編集が可能です。
オンライン上で共有され同時編集ができるため、リアルタイムに情報が反映されることも特徴です。
また、更新した情報は自動で保存され、常にバックアップが取られています。そのため、誤って削除や上書きをしてしまっても、変更履歴から復元ができます。
無料で使える
Googleスプレッドシートは、Googleのアカウントを持っていれば誰でも無料で使用できます。特別なソフトウェアをインストールする必要もなく、Windows、Mac問わず、同じように操作が可能です。
アレンジしやすい
表計算やグラフ化、関数などの操作方法がExcelに似ていて使いやすいこともGoogleスプレッドシートのメリットです。
GoogleスプレッドシートはExcelとの互換性があるため、Excelの表をGoogleドライブにアップロードすれば、変換作業をせずともGoogleスプレッドシートとして編集できます。
逆に、Googleスプレッドシートで作成した表は、ダウンロードすればExcelとして編集ができます。
Googleスプレッドシートでガントチャートを作成する方法
早速、Googleスプレッドシートでガントチャートを作成してみましょう。ここでは簡単にガントチャートを作成できる方法を2つ紹介します。
あわせて知っておきたいExcelでガントチャートを作る方法については、以下の記事をご覧ください。
参考:Excelを使ったガントチャートの作り方
「ガントチャートとは?プロジェクト管理で利用する3つのメリットとおすすめツールをご紹介」
Googleスプレッドシートのテンプレートを活用する
Googleスプレッドシートには、ガントチャートのテンプレートが用意されています。
Googleスプレッドシートのトップページの右上にある【テンプレートギャラリー】を選択すると、さまざまなテンプレートが表示されます。
その中から【ガントチャート】を選べば、ガントチャートの表が出来上がります。
上記の表が、テンプレートギャラリーのテンプレートを元にして作成したガントチャートです。テンプレートをベースに、タスクや担当者、開始日、期限を書き込んで、ガントチャートを完成させましょう。
Googleスプレッドシートのアドオンを活用する
Googleスプレッドシートの機能を拡張するアドオンを活用することで、ガントチャートが作成できます。ガントチャートの作成には「Projectsheet Planning」がおすすめです。
空のGoogleスプレッドシートを開き、【拡張機能】>【アドオン】>【アドオンを取得】を選択します。検索バーから「Projectsheet Planning」を検索し、インストールしましょう。
すると、【拡張機能】の中に【Projectsheet Planning】が追加されます。クリックしてガントチャートの表を表示させます。
B列【Task description】にタスクを並べ、C列・D列にタスクの開始日と終了日を記入します。
この時、カレンダーから日付を選択できるように設定しておくと、入力をする際に便利です。C列・D列を選択した状態で右クリックし【データ入力規則】を選択し、条件を「日付」「有効な日付」に設定して保存しましょう。
タスクごとに開始日と終了日を入力すると、ガントチャートのグラフが自動で表示されます。「=」は進捗度合いを表し、E列に%表示で入力すれば自動的に反映されます。
プロジェクトによってタスクを階層化する必要があれば、【拡張機能】>【Projectsheet planning】>【Open sidebar】を選択し、右側のサイドバーから設定を行います。
階層にしたいタスクを選択しサイドバーにある【WBS>】をクリックすると、子タスクのインデントが下がり、親タスクの進捗は自動的に反映されます。
Googleスプレッドシートを使って、ゼロからガントチャートを作成することももちろん可能ですが、テンプレートや拡張機能を使うと表を作る時間が短縮できるでしょう。また、行を足したり関数を組み合わせたりして、自由にカスタマイズするのもおすすめです。
Googleスプレッドシートでガントチャートを作成した際の注意点
チームでの共有やアレンジのしやすさなど、メリットの多いGoogleスプレッドシートですが、ガントチャートを運用する際に必ず注意してほしいポイントがあります。プロジェクトの成功にも関わるため、しっかりおさえておきましょう。
運用ルールを決める
ガントチャートの中に数式や条件付き書式を入れた場合、行や列の挿入や削除などを行うと、数式や書式が反映されず、正しくガントチャートに反映されない場合があります。納期や進捗状況などにズレが生じたまま作業を進めてしまうと、遅延やトラブルにつながりかねません。
編集ルールを設定したり不適切な操作が行われた際にはアラートを表示させたりし、誤った操作を防ぎましょう。また、定期的にエラーが発生していないかチェックすることも大切です。
運用管理の時間をとる
作業に変更があった時には、ガントチャートの更新作業を早急に行いましょう。リアルタイムに閲覧できるGoogleスプレッドシートだからこそ、情報は常に最新にしておく必要があります。
作業に発生した遅れや追加したタスクなどはすぐに反映することはもちろん、進捗状況をみて遅れがないかなどをチェックする運用管理の時間を確保しましょう。
共有設定をこまめにチェック
複数のメンバーで共有し運用できるというメリットの反面、セキュリティ面には注意が必要です。ガントチャートには社内の機密情報が書かれることもあり、共有設定を丁重に管理しないと情報漏洩のリスクが高まります。
あらかじめ閲覧や編集権限の設定を細かく行い、メンバーごとに適切な公開範囲や編集権限を付与しましょう。定期的に見直しをして、すでに離脱したメンバーの権限削除などをこまめに行うことも重要です。
まとめ
Googleスプレッドシートは汎用性が高く、ガントチャートの作成にも有効なツールです。気軽に導入できることはもちろん、運用に慣れればさまざまな関数や条件付き書式を用いて、プロジェクト管理の効率を上げることができます。
ガントチャートやGoogleスプレッドシートは、タスク管理やプロジェクト管理において避けては通れないツールです。さらに活用の幅を広げるためには、ガントチャートやGoogleスプレッドシートの関連記事もあわせて読んでおくことといいでしょう。
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