会社での雑談が苦手…それなら!「バックトラッキング法」を試してみて。

あなたは、仕事で関わる人たちと気軽に話せていますか?

たとえば、上司や先輩、取引先の人。敵ではないし、嫌いなわけでもなく、どちらかといえばいい関係を築きたい相手。なのに、その人の前では緊張する、できれば二人きりのシチュエーションは避けたいと思ってしまう相手が少なからずいるな…という方へ。

そんな人たちとの会話をラクにし、苦手意識もなくせるバックトラッキングという話法をご紹介します。

上司との会話がなかなか続かない

仕事ではいろいろな人と関わります。

同期や友人との話なら盛り上がるのに、目上の人となると何を話せばいいかわからなくなってしまう…と苦手意識を持つ人も少なくないかもしれません。

相手の話に気の利いた反応をしなきゃ! 会話を盛り上げなくちゃ! でも、ビジネスマナーに気を付けないといけないし、相手の言ってる内容に対して興味もないし…。思考はムダにフル回転しているものの、会話はまったく盛り上がらない。そんな経験ありませんか?

苦手な相手とは、お互いの距離が縮まりにくいのも事実。でも、そんな関係のままでは、仕事で必要なたったひと言の伝達さえ、言いそびれてしまうことがあるかもしれません。そうやってコミュニケーションが不足しがちになると、誤解や認識違いが起こる可能性も。余計にギクシャクしたり、評価に影響したりすることも考えられます。

何とかして、壁のない間柄になっていきたいものですよね。

会話がラクになるバックトラッキングのすすめ

苦手な相手との会話なら、バックトラッキングのテクニックを使ってみませんか?

手法としては、オウム返しと呼ばれることもあります。

たとえば…上司のこんな話。

「休みは家族で海外旅行だったんだ。久しぶりで楽しかったよ。」

きっとあなたは、「そうなんですか!」「いいですね!」と懸命に相づちを返すでしょう。でも、たいていはそこからが問題。なかなか会話が続かない…ということはよくあります。その上司といつも話を弾ませている同僚と、自分との差にがっかりする人もいるかもしれませんね。

こんなときに、相手の話を使っていく「だけ」のバックトラッキングがおすすめなのです。

バックトラッキングの3つのパターン

バックトラッキングは、そのまま相手の言葉を繰り返す話法です。相手の言葉を使えば、あなたを悩ます「気の利いた返し」も「話のネタ探し」も不要になります。繰り返すといっても、方法は一つではないので、難易度別に3つのパターンを紹介しますね。

【難易度低】そのまま事実を繰り返す

 もっとも簡単なのは、聞いた事実をそのまま繰り返してしまう方法です。

  • 「海外旅行に、ご家族で行かれたんですね!」
  • 「ご家族で海外旅行を楽しまれたんですね!」

【難易度中】相手の感情を繰り返す

相手の感情を汲み取って、再び言葉にしてみるのも効果的です。「楽しかった」と聞いたのであれば、その感情を取り出します。

  • 「家族で海外旅行に行けるっていいですね~」
  • 「家族で過ごす海外の○日間、あっという間だったんじゃないですか?」

【難易度高】相手の話の全体をまとめて繰り返す

まとめる方法は、例に挙げたようなすでに短い一言には使いません。

たとえば、「〇と、▼と、なんと■まで巡れて、楽しかったよ」

このような、やや長めの詳しい話を聞いたときに、要点を短くまとめて返します。

  • 「■まで行けたんですか? 充実の行程だったんですね!」
  • 「○日間でそれだけ広範囲を巡れたら、ご家族も大満足だったんじゃないですか!」

あなたのバックトラッキングを助ける材料

会話している上司と部下

繰り返すバックトラッキングですが、注意点もあります。

上司:「〇なんだ」
部下:「〇なんですね」
上司:「うん、▼してさ」
部下:「▼されたんですね」
上司:「でね、■だと思うんだ」
部下:「■ですよねー」

このように単調な繰り返しが続くと、相手は「イラッ」とするかもしれません。バカにしているかのように聞こえて逆効果になることもあるのです。

そこで、バックトラッキングのブラッシュアップにつながるコツもチェックしておきましょう。

続きにつながる一言をプラス

簡単なバックトラッキングのあとには、「どうでしたか?」「それでどうなったんですか?」「それからどうされたんですか?」など、続きを促す一言を加えてみましょう。それだけで相手は、バックトラッキングの単調さを感じることなく話し続けてくれます。相手に話を広げてもらえるのです。その広げられた話をさらにバックトラックすれば話は簡単に続けられますよね。 

相手の言葉に共感/肯定する

相手の言葉に共通点や賛成意見を持っているなら、積極的に共感の言葉を返しましょう。

たとえば、「私も好きなんです!」「ほんと、そうですよね~」「わかります!」

逆に相手の好みや見解が自分とは違うというときもありますよね。無理に偽りの共感を示して、後でウソがバレたら逆効果です。そのときは「〇〇がお好きなんですね」「〇〇だったんですね」で留めるのが賢明。それでも、上記の一言プラスでその先を聞くことは可能です。

 質問を付け加える

相手の話の中で、まだ知らされてない要素を、質問で返すのもおすすめです。最初の上司の旅行の話の例でいえば、

  • 「家族で海外ですか、どちらへ?」
  • 「食べ物が美味しいって聞きますが、どうでしたか?」
  • 「お子さんって、おいくつでしたっけ?」

好奇心を持って知らないことを探れば、いろんな掘り下げ方ができると思います。質問に答えてもらえたら、また3つのパターンやプラスの一言で返して、話を弾ませましょう。

相手の話を活用するバックトラッキングのメリット 

バックトラッキングの重要ポイントは、「相手の話を使う」ことです。このバックトラッキングに、どんな効果があって、どんなメリットにつながるのか想像できますか?

バックトラッキングが習慣化できれば、苦手な人だけでなく、仕事や人間関係が今よりうまく回り出します。ぜひ、効果やメリットを理解して活用してくださいね。

 自分で話題を考える必要がないのでラク

まず、自分で話題を考える必要がありません。相手にとって「退屈」「禁句」「不快」な話を口走ってしまうリスクも避けられます。そう考えると、会話の負荷がかなり下がるのではないでしょうか?

 傾聴力が上がる

緊張すると焦ってしまったり、ネタ探しに頭がいっぱいで、実は相手の話を聞いてないことが多いです。相手の話を使うためには、相手の話をよく聞く必要があるため、聞く力も磨かれていきます。

 「相手の話をきちんと聞く」なんて当たり前、と思えるかもしれませんが、実のところ、話上手、話し好きの人でも、実践を忘れる人は少なくありません。傾聴力が上がれば、営業する顧客や接客するお客様、取引先との関係構築もうまくいきやすくなるでしょう。

相手の情報がより多く得られる 

相手が話す割合が多いほど、あなたは相手の情報を多く得ることになります。会話するたびに相手の情報が増え、より相手を深く理解できるようになるのです。あなたが得るその情報と理解は、次の会話はもちろん、仕事や人間関係を含めたさまざまな場面で役立つでしょう。

好かれる

バックトラッキングは、相手に「聞いてくれている」という印象を持たせます。誰もが持っている「認められたい」「尊重されたい」という欲求を満たすことができるのです。

 自分の話を聞いてくれる人、自分に興味を持ってくれる人なら、また話したいと思うものです。つまり、バックトラッキングが使えるようになると、みんなから好かれやすくなるのです。

まとめ

バックトラッキングの話法をお伝えしましたが「簡単そう!」「難しいぞ!」と、いろんな感想があると思います。はじめのうちは、ぎこちない感じがするかもしれませんが、意識して実践していれば必ず慣れます。使いこなせるようになれば無敵です!  職場だけでなく、あらゆるシーンで円滑な人間関係を築く助けになるので、ぜひ、マスターしてください。

気の利いた返しはいらない!苦手な上司との会話が続くテクニック
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