なぜ仕事のルールが守られない? 共有しやすいルール作りの基本とは

チームで仕事をする上でルールの存在は不可欠です。ルールのないところに良い仕事が生まれる素地はないからです。しかし、ルールを設けているにもかかわらず、上手くそれが共有できていないということはありませんか?せっかくルールを作っているのにそれが守られなければ、仕事の進行も阻害されてしまいます。
ここでは、ルールが守られにくい原因、そしてルールを上手く共有するためのさまざまなコツをご紹介していきます。

ルールが存在していても、それが守られない理由

管理コストを削減するために、仕事のルールを定めてそれを守らせる必要があります。ルールとは、単なる規制ではなく、作業のやり方を導くものでもあります。そのため、メンバーがルールをしっかりと理解している必要があります。このルールを守るということは、一見あたりまえのことのように思えますが、実際のところルールが守られていないケースも多いです。ではなぜ、ルールが守られないのでしょうか? それは、ルールが不明確で分かりにくい場合によく起こります。そのような場合は、大きく分けて2つのパターンが考えられます。

1.どんなルールが存在するのかわからない

1つ目のパターンは、「どんなルールが存在するのかわからない」パターンです。恐らくルールを決めた当初は、指定の場所にファイリングされていたはずです。しかし、担当者の移動やルールブックの個人持ちが横行するにつれて、次第に現在のルールがわからなくなり、新人はルールが存在していることも知らないという、ルールの暗黙化が起こってしまうのです。

2.最新のルールがわからない

2つ目のパターンは、「最新のルールがわからない」パターンです。新しく作ったルールをメンバーにどうやって伝えるのでしょう? それは、「電子メールでルールを送るだけ」ということになりがちです。しかし、自分の記憶もメールの履歴も、どんどん他の情報に埋もれてしまい。後から新しいルールを確認しようとしても、最新のルールが判別できず、古いルールを参照してしまう危険性もあります。

上述したパターンに陥らないためにも、ルールは明確化され、指定の場所に格納され、いつでも最新版を参照可能にしておく必要があります。仕事をサボる社員への効果的な対策7つの事例

ルールを書き出してみることから始めてみよう

仕事のルールは、会社内での「あたりまえ」を可視化するものです。「あたりまえ」の基準には当然、個人差があります。特に、リーダーの「あたりまえ」とメンバーの「あたりまえ」には、大きなギャップがあることが多いです。「あたりまえ」の感覚が違う人同士集まり、仕事をしていても、それらの違いが言動などにより露呈して、ストレスになり、居心地が悪くなる……。そのような状態で、いい仕事ができるわけはありません。「あたりまえ」は目には見えない感覚ですので、メンバー間でその違いをすり合わせることは、非常に難しいのです。そこで、ルールが必要になるわけです。

ルールを作るときに気をつけるべき2つの点

ルールを作る際に、まずやらなければいけないことは、ルールを(必要な)誰もが見ることができるように書き出し(明文化)することです。そうすることで、「あたりまえ」という個人差のある感覚ではなく、これが会社やチームのスタンダードであるということを、客観的に表すことができます。このことによって、それまで感じていたストレスは軽減して、働きやすく居心地のいいチームの環境作りをすることができます。

また、もう一つ重要なことは、明文化した最新のルールを、全メンバーが簡単に確認できるような場所に配置することです。それは、物理的な場所でも構いませんし、社内のサーバー上でも構いません。その場所をしっかりと全メンバーに伝えて、管理者が入れ替わったとしても、その管理がしっかりと引き継げるように注意しておく必要があります。

ルールを区分できるかどうか? 最上位のルールは明確ですか?

次の図では、ルールの分類と定義をまとめました。

順番に説明していきますね。

規範

規範とは、会社内で共有するべき価値であり、組織を運営する上で重要となる考え方を文書化したものです。具体的には、企業理念、ビジョン、ミッション、憲章、方針などが上げられます。ルールの区分の中では、最上位のルールといえるでしょう。規範は、抽象化されている場合が多いため、全メンバーが共通したイメージを持てるよう、明文化しておく必要があるでしょう。

諸規定

規定とは、必ず守らなければならない公式のルールです。それらは、法律やISOなどの規格に基づいて要求されたものの他、社内独自に定められたものもあります。

取扱説明書

取扱説明書とは、具体的なモノの操作方法を記した文書です。例えば、機械、製品、システム、アプリケーションなどの操作方法が書かれています。一般的に、すべての機能を機能別に解説するものが多いです。

作業標準書

作業標準書とは、業務を構成するひとつひとつの作業の手順に焦点をあてた文書です。作業とは、1人のメンバーが連続して行なう一連の定型的な処理のことです。企業によっては、作業標準書を業務マニュアルと呼んでいることもあります。作業標準書に書かれている手順に従えば、誰でも同じ結果を得られるような文書であることを目的としています。

業務マニュアル

業務マニュアルは、仕事の進め方やノウハウをまとめてある文書のことです。これにより、メンバーの場当たり的行動を無くし、より安全に、楽な気持ちで仕事が進められるようになります。業務マニュアルを読めば、経験が少ないメンバーでも、一人前の仕事ができるようになっています。

ここで分類したもの以外にも、会社やチームによって作成されたルールが存在すると思いますので、あくまでも大まかな分類と定義だとして、捉えてみてください。

またルールを確認したあとは、こちらの8つのチェックリストをチェックすることで、生産性の向上が図れます。「仕事の生産性を上げるために押さえておきたい8つのチェックリスト」を参考にしてみてください。

達成すべき目標とルールを、チームで共有するために

どんなに立派な目標やルールを作り上げたとしても、それがチーム内で共有されないのであれば、まったく意味はありません。この記事ではここまで、目標やルールをしっかり明文化して管理することの重要性を説いてきました。次に、「目標・ルールを共有する方法論」について考えてみたいと思います。

視覚情報を活用する

目標やルールをただ文字に起こしただけでは、十分に伝わらないこともあります。特に、それが抽象的であればあるほど各メンバーの抱くイメージにバラツキが生じる可能性が高まります。そのため、文字以外の方法で目標やルールを共有することにもトライしてみましょう。具体的には、

  • 写真や図を使う
  • 動画を使う
  • 絵を描く

などの方法が考えられます。これらは、一度作成すれば、使い回しがきくため、作成コストは長期的にみて十分に回収できるでしょう。

例えや事例を使う

例えや事例を使うことで、目標やルールに対するイメージを具体化させることができます。すでに目標を達成・ルールを運用している人やチームの話を聞くという手段も非常に有効でしょう。もし、関連がありそうなセミナーや勉強会などがあれば、足を運び、そこで学んだことをチーム内で共有することも良い方法ではないでしょうか。

定期的にフィードバックする時間を設ける

目標やルールを設定したら、ひとまず、それらを実践してみて、PDCAサイクルを素早く回していくことも有効です。特に、Check(評価)のプロセスを重要視して、定期的に目標やルールに関するフィードバックをメンバーから吸い上げることで、目標やルールを体に叩き込むことができるようになります。とりあえず実践してみるという心構えが大事になってきます。

「仕事のルールづくり」についてのまとめ

仕事におけるルールに焦点を当てて、ここまで説明してきました。ルールを不明確なまま放置するのではなく、明文化して、共有する必要性について、理解していただけたのではないでしょうか。ルールは使い方次第で、吉にも凶にもなります。本稿の内容を参考に、正しいルールの使い方を実践してみてくださいね。

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