人生を楽にする「他人と比べない術」~アドラー心理学派コーチングの簡単3ステップ~

人と比べることで感じる劣等感。最近は、TwitterやインスタグラムといったSNSなどの情報が溢れていることで、よりこのような劣等感を抱く機会も増えているように感じます。そこで、ここでは「人と比べないにはどうしたら良いか?」について、アドラー心理学を取り入れたコーチングを手掛ける、ライフコーチ・ライフメンタルパートナーの湯本レイナさんにお聞きしました。人と比べること、劣等感を抱くこと、そんなネガティブに思えるアクションも、捉え方や考え方でポジティブに作用することもあるといいます。その真意とは?

湯本レイナさん

湯本レイナさん

新卒後、外資系コンサルに入社。ベンチャー企業に転職、結婚・出産後、夫の海外赴任に帯同のため退職。日本に帰国後、2015年よりカウンセリング、コーチングを学び、翌年からプロコーチとして活動開始。2017年アドラー勇気づけELMリーダー講座修了。海外駐在ママ向けオンラインELM講座開始。「今ココを感じてありのままに”失敗を楽しめる”オンラインサロン」主宰。エキスパート・ファスティングマイスター、NLP、マインドフルネス瞑想指導などの資格を取得し、多角的な手法でブレない自分軸の確立のサポートをする。

劣等感を抱くって悪いこと?

SNSなどで友だちのリア充っぷりを見て、「うらやましい」「自分より幸せそう」と劣等感を抱いてしまうことは、よくあることですよね。劣等感は、ネガティブや自信を損なうものと思われがちですが、実はそんなに悪いことではないという考え方があります。その理由は2つあります。

理由1:劣等感はもっと良くなろうと思う源泉

まず、1つ目は「劣等感はもっと良くなろうと思う源泉」だから。例えば、幼児が1人でできないことにイライラして悔しい気持ちを持つ時のことを想像してみてください。1人でうまく食べられない、洋服が着られないといって、悔しくて泣いてしまうことは至って普通のこと。このようにできないことにネガティブな感情を持つのは、人間なら本能的に備わっているもので、この感情をバネに人は成長していったり、苦難を乗り越えたりしていきます。

赤ちゃんだけでなく、どんな偉大な経営者でも、オリンピックのメダリストでも、この劣等感があるからこそ、上に上にと進んでいく。とても重要な感情です。

理由2:できていない自分に気づける

そして、2つ目。人と比べることで、「できていない自分に気づける」こと自体に価値があるという考え方です。完全な人間などいなくて、人は誰しも不完全な部分があるわけですが、人と比べることで、その不完全な部分に気づける自分の現状を把握することができるのはよいことですよね。

そもそも劣等感を抱くような相手は、ちょっと頑張れば手の届く距離にいる相手であることに気付くかと思います。例えば、芸能人のセレブな生活が記されたブログを見て「私は出来ていない・・・」と劣等感を抱くことはあるでしょうか。それよりも身近な友達やちょっと先行く人と比較して、「あの人は出来ているのに、私はまだ出来てない」と感じるのが、皆さんがお持ちの劣等感なのではないでしょうか。

ちょっと頑張れば、自分もなれるはず。うらやましいと思う人ができるのだから、自分にもできるはず。であれば、やり方を知って自分もやってみればいい。このように考えると、他者と比べているようでいて、実は他者ではなくこうありたいと思う自分自身とと比較しているといえます。理想の自分と今の自分のギャップにモヤモヤを感じてしまうのが劣等感なのです。

理想の自分(ゴール)を設定できたら、あとはやり方を知るだけ。劣等感をきっかけに今の自分を理解して、次のアクションにつなげていくことこそ、理想の自分に向かっての着実な一歩なのです。

人と比べないための、3ルール

他者(あるいは理想の自分)と比べて劣等感を抱くのが悪いことではないとお伝えしました。でも、自分には無理、自信がない、自分を認められないといった“ないない思考”になってしまう人は苦しいですよね。

「もっとやってやる!」といった、劣等感をバネに前に進むための活力に変換できず、ただただうらやんでいたり、自分には無理、自信がないという気持ちが強くなりすぎて本来持っているはずの力が出し切れなかったり、パフォーマンスが下がったり、集中力が下がったりで、どんどんマイナスの方向に進んでしまっては問題です。このような場合は、一度、人と比べない工夫をしてみるのもおすすめです。ここでは、人と比べないための3つの簡単な方法をご紹介します。

1. 自分と向き合う

自信を失って本来の力が出せなくなるほどに人と比べてしまう傾向のある人は、比較対象にばかり目がいきすぎている証拠。そんな時は、「自分はどうしたいか」「自分は何がしたいか」と、自分を主語にして、徹底的に自分と向き合ってみてください。といっても、自分と向き合うということは簡単ではないのですが、例えばこんなことを自問自答して「自分軸」を探してみてはいかがでしょう。

  • 自分の好きなこと、楽しいと思うことは何ですか?
  • 自分が嫌いなこと、イヤだったことは何ですか?

幼い頃の過去の自分から現在の自分まで、ポジティブなこと(好き・楽しい)ネガティブなこと(嫌い・イヤ)も、自分の中で心が動くことを書き出してみると自分が大切にしている価値観が見えてきます。

  • あなたが大切にしていること、譲れない価値観は何でしょう?

そのうえで、

  • その大切な価値観をもった未来の自分は、本当はどうしたい?
  • どんな生き方をして、どう在りたい?

自分の過去・現在・未来を丁寧に見てあげると、誰しも必ず、他人と同じにはなり得ないオリジナルな人生の楽しみ方が見えてくるはず。そこに気付いたら誰かと比較して落ち込むなんてナンセンスですよね。

2. 勝ち負けの土俵から降りる

誰かと比較して、自分が劣っている、相手が優っていると感じるのは、無意識のうちに「勝ち負けの土俵」に上がってしまっているから。でも、①でもお話しした通り、すべての人の人生は唯一無二のオリジナルですから、そもそも、誰かと勝ち負けを争えるものではないはずです。

そこで、まずはこの「勝ち負けの土俵」に乗ってしまってないかに「気づく」ことから始めましょう。あの人が羨ましい、悔しいといった感情が沸いているということは、無意識のうちに「自分とあの人を比べている(同じ土俵に上がっている)」ということです。これが気づきです。この「同じ土俵に上がってしまっている」状況に気付けくことが出来れば土俵から降りることができます。

あの人と私、同じ土俵に上がって戦っている姿を想像してください。しかし、土俵に上がっているのはあくまで自分が想像の中で作り上げたのもの。そんな土俵は現実には絶対に存在せず、存在する意味さえない。この事実に気づき、その存在しない土俵から離れるイメージをするだけでラクな気持ちになるかと思います。

存在しない土俵に上がっているということに気づかずにいると、ずっとありもしない土俵で戦い続けることに。つまり他人の生き方に左右される「他人軸の流れ」にどんどん巻き込まれてしまいます。

3. 自分の思考のクセやマイルールを知る

SNSなどの他人の投稿に自分の心が揺れ動く、つまり実際には存在しない土俵なのに、無意識に上がって戦ってしまう状況になっていたら、次のような方法で解決できることもあります。客観的に分析するという方法です。自分の中にある感情・思考を外に出す(書き出す)ことです。

例えば、友達が休みのたび旅行に行って羨ましいと思ったとしたら、「友達が旅行に行っているのが羨ましい。私はいつも家で寝ている。私にとって大切なのは、旅行か睡眠か。人と過ごす時間と1人の時間、どちらが大切か。1人の時間が好きだけれど、人と過ごさなきゃ充実していない気がする」など、羨ましく思っている自分自身、なぜ羨ましく思っているのか、自分の価値観は何かなどをすべて文字にして書いていくと、他人事のように冷静に客観的にそのパターンを知ることができます。婚活や闘病、離婚などさまざまな悩みを吐き出しているブログを読むと、「ブログを書くことで、気持ちが整理された。前向きになれた」といったことをブロガーが書いていることがありますが、それはこの吐き出す効果とも言えます。

ある出来事に対して、イラっとしたり、喜んだり反応することは、自分が今までに培ってきたマイルールや価値観の反映です。でも、マイルールや価値観はあくまでも「自分にとっての」もので、他人にとっては同じではないこともよくあります。ですので、自分にとってのマイルールや価値観で他人も同じように感じるだろうと思い込むことは、コミュニケーションにおいて危険です。自分のマイルールや価値観が「みんなにとっても同じ?」と今一度疑ってみることから始めるのもよいかもしれません。

まとめ(インタビューを終えて)

今回、コーチャーの湯本さんにお話をお聞きする中で、ハッとすることがたくさんありました。劣等感を抱かせる人が悪い、自分をイライラさせる人が悪い。そのような人を“嫌な人”として、いつもその人のせいにしている自分がいたなと気づきました。そして、すべては私自身の捉え方によっていくらでも見方を変えることができることに驚きました。このような専門的な考え方はなかなか個人では気づけないことかと思いますが、このアドラー心理学に基づいた思考法で少しでも悩み解決に役立てていただければ嬉しいです。

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