“こんまりメソッド”で、ビジネススキルアップの夢を見る

Netflixでのオリジナル番組で、主役を張っている近藤麻理恵さんという日本人女性をご存知でしょうか。その番組とは、2019年1月1日にスタートした、リアリティショー『Tidying Up with Marie Kondo』(タイディングアップ・ウィズ・マリエ・コンドウ、邦題『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』)です。近藤麻理恵さんは、2015年にタイム誌の「もっとも影響力のある100人」にも選ばれており、この番組が放送される以前から、アメリカでの活躍の可能性を持っていましたが、この番組でさらに視聴者に大きなインパクトを与え、さまざまなところで影響を及ぼすなどし、大きな話題になっています。

この番組では、近藤麻理恵さん=こんまりさんによるお片付けレッスンを、片づけが苦手なアメリカ人が受けるうちに、家も人生も変わっていくさまをそれぞれの家庭のエピソードが放送されています。その様子はハートウォーミングで、感動的でもあり、見ていてとても心が動かされます。そしてこの番組でのこんまりさんの片付け法指南を見ていると、これからの時代に向けての新しいリーダー像や、ビジネスに役立つスキルを感じ取ることができます。

この記事では、こんまりさん自身、そしてこの番組内容から、参考になるビジネススキルについて考察していきます。

近藤麻理恵さんとは?

1984年生まれの彼女は、2010年に日本で出版した『人生がときめく片づけの魔法』がベストセラーに。そのころからメディアに取り上げられるようになりました。小学生のうちから、「オレンジページ」や「ESSE」などを愛読していた彼女。成長するにつれ片付けへの意識が高まり、東京女子大学2年生の時に片付けコンサルティング業務をスタートさせています。大学の卒論でも、掃除や片付けについて取り上げるほどに片付けや掃除に高い意識を持った彼女。卒業後、一流企業勤務ののち、2009年に退職。

そして本格的に片付けコンサルタントの道に進み、現在に至ります。

こんまりメソッドとは?

彼女の片付け理論は、片付けをうまく進めるための効果的な特徴があります。

特にもっとも大きな特徴は、ものを取捨選択するために「ときめき」を基準にすることです。英語で進行していくNetflixの番組では、「Spark joy」と表現されている「ときめき」。物を捨てる基準を「ときめき」という感情のフィルターに通してクライアントに取捨選択させるこんまりさんならではの片付けメソッドは、物を捨てるのか、捨てないのかを判断しようとするときに、理性的に考えると必要性を感じたり、買ったときの価格、思い出などが気になってしまったりと、いろいろな要因から捨てることを決断できなかった物も、一気に捨てやすくなるという魔法のようなメソッドです。

こんまりさんの片付けメソッドをみんなが試してみたい! と感じる理由と言えば、捨てるのか捨てないのかを「ときめき=Spark joy」を持てるか、持てないのかで決めてよいという、新しい考え方を提示されたときに、自分がどのような行動をできるのか知りたくなるからではないでしょうか。そして同時に、いらないものを捨てることでより良い自分へと進化していく過程を感じたいと思うからではないでしょうか。

斬新なメソッドの有意義さを知る

このように、ものの取捨選択に「ときめき=Spark joy」を感じるかどうかを問うというこんまりメソッドは、現代の一般的ビジネス社会に通底している、物事を理論的に考え進めていくこととは異なる考え方であり、斬新さも感じさせられます。このメソッドは、ビジネスに関しての決断を論理的に進めていくのではなく、自分の本能を無視せずに、やりたいこと、興味があること、気持ちが高まることを選択していくという考え方とも通じるものがあります。

現在のこの時代は、理論的で効率的なビジネスを突き詰めてきた結果、行き詰まりを皆が感じている時代でもあります。そんな時代のなか、いまの社会の現状を打破して自分自身を取り戻すために生活や自分を整えたいと考えている人が増えています。そんな人たちが、こんまりさんの片付けへの考え方のように本能を無視しないメソッドを受け入れる土壌を作っているのではないかと考えられるのではないでしょうか。

こんまりさんの笑顔で感謝を忘れない姿から伝わるもの

Netflixの番組を見ると、こんまりさん自身の持つかわいらしさと笑顔、そして感謝する姿が非常に印象に残ります。特に、こんまりさんが片付けを始めようとするときの儀式として、家の床(床だったり、マットの上であったり、カーペットの上のときもあり)に正座をして、家にお片づけをさせてくれてありがとうというような内容を心の中で話しかける感謝の姿は、それを一緒に行なったクライアントもなぜか感極まってしまうほど、説得力を持った感謝の心を感じさせられます。

海外の人たちになかなか理解されることが難しいという、物へ感謝を持つということ。それはなにかを捨てようとするときに、その対象物をある意味擬人化して、まるで人を想いやるように物を想いやる心。そうすることで、自然に片づけも丁寧かつ効率的にできることを、長年の経験からこんまりさんは知っているのでしょう。このような、こんまりさんの物への感謝の心は、海外で「アニミズム(精霊信仰)的」、仏教における「禅」的であるともとらえられているようです。

かのスティーブ・ジョブスも禅に精通していたことは有名ですが、アメリカにおいて「Zen」はクールなものとされていることから、アニミズム・禅的な思考を片付けに取り入れたこんまりさんも、スィートでかわいらしく、なおかつ片付けメソッドもクールであると認識されるに至ったと考えられるのではないでしょうか。アルバイトで巫女さんを経験しているというこんまりさん自身、捨てるものに対しての罪悪感を昇華するために、このような感謝の気持ちを持つように至ったと考えられ、自然な感謝の心がマーケティング的な成功ももたらしたと言えるのではないでしょうか。

仕事に関して言えば、環境に慣れたころには働くことに感謝の心を持つことは忘れられがちです。感謝の心を持たずに、上から目線でクライアントや周囲の人と接していると、口には出さなくとも周囲には伝わるものです。感謝を忘れてしまうと、忘れたころに大きな失敗や、問題を起こしてしまうときもあります。こんまりさんのような常に感謝の心を持って行動することは、人間的にも、仕事上でも、成長を促進してくれるのではないでしょうか。

駄目出ししないリーダー


小柄でいつもニコニコしているこんまりさん。日本人女性の良いイメージアップにも一役かってくれそうなやわらかい雰囲気を持っています。彼女は、どんなに汚くものが積み上がった部屋を見ても、泣き言も文句も言いません。クライアントがこんまりメソッドを受けて、不要なものを選り分けているとき、それがなかなか進んでいないことが番組上で視聴者に見て取れりほどでも、駄目出ししたり、文句を言ったりすることは決してありません。ニコニコした表情の裏に、絶対に駄目だししない、文句も言わない、強く強く決めているかのような、意思を感じさせられるその姿に、新しいリーダー像を感じさせられました。

近年、日本では管理職に就く日本人女性の割合が、世界各国に比べて著しく低いことがたびたび報じられています。常に丁寧さを、家事、育児、介護に発揮している日本人女性たちは、仕事でのリーダーシップに関して非常に控えめです。しかし、こんまりさんのように、やわらかな雰囲気ながらもすべきことをクリアに持ち、揺るぎない意思と感謝を持ってミッションをクリアしていくことのできる人材は、まだまだ日本人女性のなかに多くいるのではないかとこの番組を見て感じさせられました。

強い男性的なリーダー像とは違う、新しいリーダーシップの持ち方を目撃できたこの番組。単に片付けだけでなく、様々な観点から気づきや学びを感じることができました。

本当に大切なものは何か、を知る

この番組でも出てきますが、こんまりさんのメソッドは、ものを捨てるときには、捨てる順番を間違えないことが大事とされています。

その捨て方の順番とは、衣類→本→書類→小物類→思い出の品。

この順番で物を捨てていくと、スムーズに片づけをすすめていくことができるのです。捨てる、捨てない、の判断がしやすいものから片付けを進めていけるように、カテゴリー別に作業をすることで、片付けを楽にし、効率をアップさせているメソッドなのです。このように、こんまりさんによって考えに考えられたメソッドをクライアントが進めていくと、クライアント自身が、なぜ自分がこのように物を沢山持っているのか、物をたくさん持って物欲を満たしているのに、自分が満足していないのはなぜなのかに気づきます。

そして、クライアントにとって本当に大事なものは何なのか、何が必要で、幸せを感じられるようになるためにはどうすべきなのかを、片付けを通して自然に感じ取っていけるという、まるでセラピーのような片付けの物語をこの番組で目撃することができます。それはまた、ビジネスでも同じようなことが言えるのではないでしょうか。漫然と仕事をしていると、いつしか仕事の山とともに、なぜ自分自身がいつの間にこの状況に陥ってしまったのか、頭を抱えてしまうときがあるのではないでしょうか。こんまりさんの片付けのように、自分の幸せのために本当に必要なものは何なのか、不要なものに困らせられてはいないか、仕事も部屋と同じように整え、片付けを考えてみてはいかがでしょうか。

「こんまりメソッドでビジネススキルアップ」のまとめ

単純にエンターテイメントとしても楽しめる、ひとつとして同じようにはならないそれぞれの家庭の片付けの物語。
きっと参考になることが発見できるはずです。週末や通勤中などでも、見てみてください。

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