心理学におけるフロー状態とは?意味やフロー状態に入るためのコツを紹介

究極に集中をしている精神状態を「フロー状態」と呼びます。スポーツ選手が高いパフォーマンスを発揮できる精神状態として、よく耳にする言葉です。

「フロー状態」の効果が期待できるのはアスリートの世界だけではありません。ビジネスシーンにおいても、生産性の向上や自己成長が期待できます。

この記事では、フロー状態の意味やメリットを解説するとともに、フロー状態に入るためのコツもあわせて紹介します。

フロー状態とは?

フロー状態(Flow)とは、ハンガリー出身の心理学者であるミハイ・チクセントミハイ氏が提唱した概念です。人がある活動に没頭し、全身全霊で集中し、時間を忘れて没入する状態を指します。

読書をしているときやゲームに没頭しているときなど、時間が経つのを忘れるほど集中した経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。「いつの間にか時間が経っていた」という感覚が、まさにフロー状態なのです。

フロー状態では、今行っていること以外はすべて忘れてしまうような領域に入ります。空腹や疲れ、感情や時間の感覚なども忘れるため、完全に集中した状態です。他のことが全く気にならなくなることで、高いパフォーマンスを発揮できるとされています。

また、その活動自体で得られる結果や報酬よりも、活動そのものが楽しいと感じ、充実感や満足感が得られることもフロー状態の特徴です。

フロー状態の2つの種類

フロー状態には「マイクロフロー」「ディープフロー」の2つの種類があります。それぞれのどのようなフロー状態なのかをみていきましょう。

マイクロフロー

マイクロフロー(Microflow)とは、短期的で一時的なフロー状態を指します。たとえば、美味しい料理を食べたり、漫画を読んだりなど、日常における些細な行動時に起こる比較的短く浅いフローです。

ディープフロー

ディープフロー(Deepflow)は、長期間かつ集中度が深いフロー状態を指します。たとえば、趣味に没頭したり、仕事に集中したりなど、より深く長く続くフローです。

「フロー理論」における8つのメンタルステート

ミハイ・チクセントミハイ氏の「フロー理論」では、人間の精神状態(メンタルステート)を、フロー状態を含めて8つに分類できると定義されています。

8つの精神状態とは以下です。

・Anxiety(不安)
・Worry(心配)
・Apathy(無感動)
・Boredom(退屈)
・Relaxation(くつろぎ)
・Control(制御)
・Flow(フロー)
・Arousal(覚醒)

図の縦軸はチャレンジレベル、横軸は自分のレベルを示しています。

自分のスキルに対し、難易度が高いタスクを与えられた場合、「Aanxiety(不安)」の状態になります。難易度が中くらいでも、多くの人が「Worry(心配)」の状態となるでしょう。自信のない仕事は、不安や心配、プレッシャーなどに精神が支配されてしまいます。

では、自分のスキルに対し、難易度が低い状態だとどうでしょう。タスクに対するやりがいを感じられず、精神状態は「Relaxation(リラックス)」や「Boredom(退屈)」となります。自分の能力を持て余している状態が続くと、モチベーション低下にもつながりかねません。

フロー理論で最も好ましいとされている精神状態は、チャレンジレベルとスキルレベルのバランスがとれている「Flow(フロー)」です。二番目に好ましいとされるのが、自分のスキルよりも難しいタスクにチャレンジする「Arousal(覚醒)」です。

しかし、初めはチャレンジレベルが高く、スキルレベルが低い「Aanxiety(不安)」な状態でも、タスクに取り組むうちにスキルレベルが上がり、「Flow(フロー)」へと変化する場合もあります。

反対に、精神状態が「Flow(フロー)」だったにもかかわらず、徐々にスキルレベルが上がり、やがて精神状態が「Relaxation(リラックス)」へと変化するケースもあります。

フロー状態に長く入るためには、タスクのチャレンジレベルを上げ続けていくことが重要であるといえるでしょう。

フロー状態になることのメリット

フロー状態になることには、以下のようなメリットがあります。

・目の前の課題に楽しさを感じる
・高いパフォーマンスを発揮できる
・自己成長を味わうことで充実感・達成感が得られる
・集中状態に入ることでストレスが軽減する
・課題に取り組むことでスキルが向上する
・仕事へのエンゲージメントが高まる

このように、フロー状態によるメリットを効果的に得ることができれば、パフォーマンスの向上や個人の幸福感など、さまざまなプラスの影響を受けることができます。

多くのメリットをもたらすフロー状態ですが、いくつかのデメリットがあることも事実です。具体的には、時間の経過を忘れて没頭しすぎてしまったり、集中しすぎるあまりにコミュニケーションが薄くなってしまったりなどが挙げられます。

個人の特性や状況、環境によってもフロー状態で得られる効果は異なるため、適切なバランスを保ちながらフロー状態を追求するようにしましょう。

フロー状態に入るためのコツ

フロー状態に入るためには、いくつかのコツがあります。なかなかフロー状態に入れない方は、コツを意識しながら取り組んでみましょう。

明確な目標を立てる

まずは、難易度が適切で明確な目標を立てましょう。フロー状態に入るためには、高い集中力が必須です。目標が曖昧でぼんやりとした状態では、何をすべきかがわからず、集中力も散漫になってしまうでしょう。

明確な目標があれば、いま何をすべきかがわかるため、活動に集中しやすく、フロー状態にも入りやすくなります。

挑戦と能力の釣り合いを保つこと

フロー状態に入るためには、挑戦と能力のバランスが取れていることも大切です。挑戦するレベルが高すぎると、行動する前に不安やストレスを感じてしまい、フロー状態に入ることができません。

しかし、簡単にクリアできるレベルが低い挑戦も、退屈さを感じてしまい、フロー状態に入ることは難しいでしょう。挑戦と能力の釣り合いを調整し、適切な刺激を得ることがポイントです。

注意が散漫にならない状態を作る

一度フロー状態に入ってしまえば、外部からの情報を排除するので、作業に集中できます。しかし、誰かから声をかけられたり、メールの着信音が聞こえたりなど、注意力が散漫になる環境ではフロー状態が途切れてしまうこともあるでしょう。

フロー状態に入るためには、外部の干渉を排除し、活動に完全に集中することが大切です。静かな場所に移動したり、通知オフやサイレントモードに設定したり、集中力を高める環境を整えましょう。

マルチタスクをやめる

マルチタスクとは、複数の作業を同時に並行する手法です。一見効率の良い手法ではありますが、実際には同時進行で進めているのではなく、短期間で脳のスイッチを切り替えを行っている状態です。短期間なら効率が良い手法ではありますが、集中力に欠け、結果的に作業効率が下がる手法でもあるといえるでしょう。

フロー状態に入るためには、特定のタスクへ没頭することが必要です。そのため、集中力が途切れがちなマルチタスクは避けた方が良いでしょう。

迷ったときは好きなことをする

頑張ったり無理をしたりして、フロー状態に入れるものではありません。コントロールしようとすればするほど、難しくなるでしょう。

フロー状態は、外発的動機ではなく、内発的動機によって機能します。違和感や苦手意識があるものよりも、好きなものや興味があることの方が集中できるものです。迷ったときには、フロー状態を意識せず、まず自分の好きなことに取り組んでみると良いでしょう。

組織単位でフロー状態に入るためのコツ

組織単位でフロー状態に入ることができれば、メンバーのスキルや能力を最大限に活かし、より高いパフォーマンスを発揮することが期待できます。ここでは、組織単位でフロー状態に入るためのコツをみていきましょう。

組織の目標を明確にする

個人の場合と同様、組織単位でフロー状態に入るためには、まず目標を明確化しましょう。ただ明確にするのではなく、組織のメンバーがその目標に共感できる内容に設定することも重要です。

組織の目標が明確で共感できている場合、メンバーは自発的に行動でき、フロー状態にも入りやすくなるでしょう。一方、目標が明確でない場合、目標へ向けてどのようにアプローチすれば良いかがわからず、フロー状態に入ることもできません。

個人のフロー状態があってこそ、組織のフロー状態が叶うのです。

チームメンバーのそれぞれの働き方・特徴を理解する

チームは、個性あふれる人の集合体です。朝一番から効率よく仕事をこなせる人もいれば、午後になるにつれて集中力が高まる人など、メンバーは一人ひとり働き方や特徴が異なります。

チーム全体でフロー状態に入るためには、全員に同じやり方を強いるのではなく、メンバーの個性を考慮することが大切です。メンバーの働き方や特徴を理解し、タスク管理やスケジュール管理を行うことで、フロー状態を促せるようになります。

チームメンバーそれぞれにあわせた裁量のある仕事を用意

組織単位でフロー状態に入るためには、メンバー全員が自己が仕事をコントロールしている感覚を持つことも大切です。

単純作業や同じ作業を繰り返すだけの仕事では、自己コントロールを感じることができず、フロー状態にも入れません。自己コントロール感を与えるためには、チームメンバーそれぞれに見合った裁量のある仕事を用意し、決定権や責任の意識を高めましょう。

まとめ

フロー状態は、身体能力やスキルに関係なく、工夫次第で誰でも生み出すことができる心理状態です。

ビジネスシーンでのフロー状態は、充実感を抱きながら仕事に取り組める、モチベーションが高い状態といえます。生産性やエンゲージメントの向上、個人の成長など、さまざまな期待ができます。

フロー状態を上手く活用し、個人はもちろん組織単位でのパフォーマンス向上を目指しましょう。

心理学におけるフロー状態とは?意味やフロー状態に入るためのコツを紹介
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