先日、学生時代から親しかった友人に会いました。久しぶりに会うと、長い間会っていたとは思えないほど自然体で、さすが子どもの頃から知っている友人同士、楽しく話が出来ました。
しかし、なんとも言えない「話すことがない感」が2人の間にはありました。あの頃は話が尽きることなんてなかったのに…
子どもから学生、社会人となり、独身の人、既婚者もいれば、当然子持ちだっている。私は独身かつ海外に長く住んでいるので、日本に住んで働き、結婚している友人からすれば「普通じゃない」のだとは思います。
海外在住2年目頃までは、日本の友人も「がんばって」と応援してくれていたのですが、5年目ともなると、「もう帰ってこない人」扱い。環境が違えば考え方も違うのは当たり前なのですが、なんとも寂しく感じてしまいました。
オトナになると、同じライフステージの人同士でしか仲良くなれないんでしょうか?
今日は、そんなことを考えてみたいと思います。
あの頃の私たち
小学校から中学、高校、大学、社会人とさまざまなライフステージを経験してきた私たちですが、いつの時代もクラスや環境内に1人は、「自分と1番仲の良い友達」がいたのではないでしょうか。
- 寒い冬も校庭で「どれだけ硬い土団子を作れるか」夢中になった友達
- はじめてのお小遣いで、胸を躍らせながら100円ショップへ買い物に行ったこと
- キツい練習の当てつけに言いまくった、顧問の先生の悪口
- 「恋」のマネごとに、痛くも痒くもなかった初めての失恋
- とびっきりのオシャレをして、男子高の文化祭に行ったこと
- 自由なキャンパスライフへの驚き
- 初めてのお酒と初体験
- あることないこと言いたい放題で、半ば悪口のような他人へのお節介
どんな思い出だって一緒に共有してした女友達。時には家族や恋人よりも長い時間を一緒に過ごし、あまりにも一緒にいすぎて話すことがなくなったりして。でも、そんなことも楽しかったり。
時間だけは永遠にあった昔と比べて、仕事が始まるとプライベートの時間が次第に少なくなり、自分の時間ですべきことに優先順位を付けた結果、友人との時間が少なくなってしまうのかもしれません。
また、環境によって各々の考え方も異なり、昔と同じように盛り上がれなくなってしまうこともあると思います。
なぜライフステージが変わると友人関係も変わるのか?
ここで「なぜライフステージが変わると友人関係も変わってしまうのか」ということについて深掘りしていきたいと思います。
理由①:共感できない
これがおそらく一番の原因だと思うのですが、ライフステージが違うと、共通の話題が恐ろしいほどなくなります。
例えば、30歳前後で言うとザッと5種類ほどのパターンの女性がいます。
- 独身で働いている人
- 既婚者で子供はおらず、働いている人
- 既婚者で子供はいないが、専業主婦の人
- 既婚者で子供がいて、働いている人
- 既婚者で子供がいて、専業主婦の人
実際にはA〜Eの中でも、学歴や会社、住む場所やパートナーのレベルによって話の内容は異なるのですが、それはひとまず置いておき。
独身の人は既婚者の悩みに共感してあげられないだろうし、子供のいない人は子育ての悩みを共有することはできません。
もちろん、違う環境の人たちが集っていつもと違う話ができるのは楽しいものです。自分の知らないことを聞けるのは勉強になるし、お互いを高め合えるのは良いことだと思います。
松井博著の『僕がアップルで学んだこと』でも、人の考え方は環境で大きく変わると説いています。例えば、ひとつの物事に対して環境(立場)が違えば当然、意見も分かれます。
日本政府が「出国する日本人に出国税を課す」と定めたニュースが流れれば、私のように頻繁に海外と日本を行き来する者にとっては嫌なものですが、それが「子供の社会保障にはなる」のだとすれば、日本に住む子持ちの主婦には嬉しい話でしょう。(出国税は各国でも導入されていますし、1000円程度なので、個人的に文句はありません。)
例えばの話ですが、このように一つの時事ニュースでも考え方の違いが出るため、違うライフステージに立つ友人関係がうまく成立しない理由になっているのではないかと思います。
理由②:自分の生活に満足できていない
「共感できない」と少し似ていますが、人によっては「環境が異なる人がする話」を「新しい知識や経験」とは思えず、拒否反応を示す人もいるようです。
他人の環境や話をそこまで疎ましく思い、影響されるということは、現在の自分の環境に満足できていない、不満に感じている、嫉妬している証拠だと言えます。
大人の「友達付き合い」とは?
そうは言っても、年々友達がいなくなるのは寂しいですよね…。ここでは、「大人の友達付き合い方」について考えてみました。
新しい付き合い方①:干渉しすぎない
大人同士の友人関係は、「適度な距離感を保つ」ことがとても大切です。子ども時代とは違い、大人になれば自分の経験や判断に基づき自己責任のもとでアクションを取っています。
友人の行動が、「自分の常識とかけ離れていたこと」であっても「それはオカシイよ!絶対あなたはこうあるべきだ」と、自分自身の考えを押し付けるのではなく「そうなんだ。がんばってね」と、遠くから見守ってあげた方が喜ばれるでしょう。
新しい付き合い方②:干渉されすぎない
あなたが友人に「干渉しすぎない」のと同様に、自身も「干渉されすぎない」ようにしましょう。
あれこれありがたいアドバイスをもらったところで、その人生を実際に生きるのほ自分なのですから「ありがとう。でも私はこうしたいから。」とハッキリ友人に伝えることも大切です。
「うーん、どうしようか。」といちいちアドバイスに悩み、従っていたらもう次回から会うのも億劫になるのではないでしょうか。自分の意見をハッキリ伝えることができないと、苦痛に感じなんとなく友人関係をフェードアウトさせることになってしまい、とてももったいないと思います。
まとめ
リンダ・グラットン著の『ライフシフト』や政府の人生100年時代構想会議によって知られるようになった「人生100年時代」という言葉。
長い人生、一度連絡の途絶えた友人と今後も交わうことは無いのか?というと、そうではなくきっと「いま」がそうなだけ。連絡を取らない「いま」は、お互いの人生を尊重しあっているだけであって、ずっと疎遠になるというわけではないと思います。
お互い人生に一区切りついたら自然と、「また会いたいなあ」と思える日が必ずきます。
あまり考えすぎず、いまの自分が一緒にあるのが自然な人、楽な人と楽しく過ごせれば良いのではないかと思います。
【参考資料】
・女の友情ってナニ? 大きな声では言えないホンネ調査
・細くなっていく大人の女の友情。ずっと友達でいられる7つの方法
・もう、無理するのやめない?40代からの女友達との付き合い方
https://www.google.co.jp/amp/s/www.cafeglobe.com/amp/2016/08/056442friends.html
・20代と30代の友情「6つの違い」
https://www.google.co.jp/amp/s/tabi-labo.com/amp/283829