「プログラミングにおけるソースコードやタスク管理にはGitHub(ギットハブ)が最適」という話があります。
そんな話を聞くと、
- GitHub(ギットハブ)ってどんなもの?
- ソースコードの管理にしか使えないの?
- どうやってタスク管理するの?
という疑問をお持ちではありませんか?
そこで本記事ではファイルやタスクの管理に何かいいツールがないかというお悩みを、
実際にGitHub(ギットハブ)を利用している観点から解説しています。
具体的には
- GitHub(ギットハブ)とはどういうものか
- GitHub(ギットハブ)の料金体系
- GitHub(ギットハブ)の使い方
- GitHub(ギットハブ)の評判、口コミ
の順番に解説していきます。
5分くらいで読めますし、抜け漏れが発生しやすいタスク管理がGitHub(ギットハブ)を使うことで
改善される可能性が高いので、まずはご一読を!
GitHub(ギットハブ)とは?
出典:GitHub Japan
GitHub(ギットハブ)は、Gitをバージョン管理システムとして利用しているソフトウェア開発の
プラットフォームになります。
個人から法人向けまで様々な規模に対応し、ファイルの共有や開発、レビュー、タスクの管理を
行うことができるツールになります。
対応しているデバイス
GitHub(ギットハブ)自体はウェブブラウザで動作しますので、PC(Windows、Mac)はもちろん
スマートフォン、タブレットに対応しています。
PCに限りデスクトップ用アプリケーションも用意されています。
日本語対応はしているの?
GitHubを運営しているGitHub社の拠点がアメリカのため、ユーザーインターフェースは日本語に
対応していません。
しかし、のちほど解説するissueなどに入力する文字として日本語を利用することは可能です。
また、ヘルプに関しても日本語翻訳したものがホームページに用意されています。
GitHub(ギットハブ)の料金
GitHubの料金体系は下記の表のようになっています。
プラン | 料金 | |
個人向け | Free | 無料 |
Pro | $7(月額) | |
法人向け | Team | $9(ユーザー/月) |
Enterprise | $25(ユーザー/月) |
タスク管理に必要な機能に関しては、Freeプランでカバーできているので基本的にはFreeプランで十分です。
小規模のチーム開発が発生しそうであったり、Freeプランの機能範囲で不足した場合、
そこで初めてProプランに切り替える形がおすすめ。
法人向けに関しては、250人規模までの社員の会社であればTeamプラン、250人以上となると
Enterpriseプランで利用する形になります。
また、Enterpriseはクラウド版とセキュリティ面を充実させたオンプレミス版が用意されていますので
企業クラスで使う場合はセキュリティポリシーに合わせた運用も可能となっています。
無料で使える範囲
主要機能のプランにおける比較表は下記の通り。
Free | Pro | Team | Enterprise | |
パブリックリポジトリ | ∞ | ∞ | ∞ | ∞ |
プライベートリポジトリ | ∞ | ∞ | ∞ | ∞ |
コラボレータ | 3名まで | ∞ | ∞ | ∞ |
issue作成およびバグトラッキング | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
プロジェクト管理 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Pages,Wiki,ブランチの保護及び コードオーナー、Insightsなどの機能 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
オンプレミス及びクラウドでの利用 | × | × | × | 〇 |
SAMLシングルサインオン | × | × | × | 〇 |
アクセスプロビジョニング | × | × | × | 〇 |
シンプルなアカウント管理 | × | × | × | 〇 |
統合的な検索機能ならびに コントリビューショングラフの統合 | × | × | × | 〇 |
Enterprise Cloudにおける 稼働率SLA 99.95% | × | × | × | 〇 |
請求書の発行 | × | × | × | 〇 |
高度な監査機能 | × | × | × | 〇 |
Freeプランでは、リポジトリという保存領域の使用と3名までの共同作業者設定、タスク管理に
必要なissue及びプロジェクト管理機能が利用できます。
基本的な機能はFreeプランでカバーできているので、タスク管理ツールとして一度試してみると
よいかと思います。
GitHub(ギットハブ)の使い方
GitHub(ギットハブ)のおすすめの使い方を紹介していきます。
GitHub(ギットハブ)でできることは、以下の通り。
・コードレビュー
・プロジェクト管理
・インテグレーション
・チーム管理
・ソーシャルコーディング
・ドキュメント作成
・ソースコードのホスティング
上記の機能から、タスク管理に使える部分の使い方を解説いたします。
GitHub(ギットハブ)の使い方1:リポジトリでファイルを管理
リポジトリの作成
リポジトリの作成を行います。
「Start a project」をクリックすると、リポジトリの作成画面に移動。
下記の情報を入力し、「Create repository」をクリックすることでリポジトリが作成されます。
- リポジトリ名
- リポジトリの説明
- リポジトリの区分(パブリック or プライベート)
- READMEファイルの初期化
作成したリポジトリに対し、後ほど説明するブランチ、issueなどが紐づいていきます。
ブランチの作成
ブランチとは枝を意味する英語で、GitHub(ギットハブ)においては検証用のバージョンとして
枝を分けて管理することを意味します。
リポジトリの作成とともにmasterというおおもとのブランチが作成されます。
masterブランチから、検証用の枝としてSubブランチを例として作成してみます。
Branch:masterを選択するとプルダウンメニューが表示され、テキスト入力フィールドにSubと入力し、
「Create branch:Sub」をクリックすることでSubブランチが作成されます。
masterとSubの切り替えは、作成時に選択したプルダウンメニューから行えます。
Subブランチを使うことで、masterブランチのデータを変更することなくファイル検証を行うことが
可能です。
プルリクエストで更新データを反映
Subブランチで検証したデータを、おおもとのmasterに反映させるためにプルリクエストという
機能があります。
Subブランチのファイルの内容を書き替えると「Compare & pull request」というボタンが表示されるので、
ボタンをクリックします。
概要を記述し、「Create pull request」ボタンをクリックしてプルリクエストを送信。
Pull requestsタブを選択すると、プルリクエストが届いているのがわかります。
どのように変更したデータをmasterブランチのデータと統合するかをプルダウンメニューから選択し、
ボタンをクリックすることで指定した操作が行われます。
GitHub(ギットハブ)の使い方2:issueでタスクを管理
タスクの管理は、issueという機能を使用します。
プログラミングにおけるソースコードのバグの指摘や修正指示を行うことを目的に作られてはいますが、
実はソースコードに限った話ではなく、多くの場面で活躍が期待できます。
簡単なタスク管理を例としてissueを作成していきます。
まず、タブからissuesを選択し、「New issue」のボタンをクリック。
issueの作成画面に移りますので、タスクの名前と詳細を記述し、「Submit new issue」をクリックすることで
タスクを登録することができます。
GitHub(ギットハブ)では作成したタスクが未完な場合は「Open」、
完了している場合は「Close」で表現します。
対応者は、対象のタスクに対する回答及びファイルをつけて「Close issue」をクリックすることで
タスクの完了を伝えます。
完了後、不備があった場合も再度タスクとして「Reopen」が行えます。
タスクの対応は時系列で残っていくので、どのように対応したかを振り返ることができるのが
GitHubのメリットです。
GitHub(ギットハブ)の使い方3:プロジェクトを設定
タスクの管理はプロジェクトごとに行うこともできます。
タブからProjectsを選択し、「Create a project」ボタンをクリック。
Projectの作成画面に移りますので、プロジェクト名と詳細を入力し、「Create project」ボタンを
クリックすることでプロジェクトが作成されます。
後ほど説明するテンプレートが用意されていればオプションとしてテンプレートも設定できます。
カンバン方式などのテンプレートは標準で用意されています。
カンバン方式であれば各カンバンにある+ボタンをクリックすることで、タスクを追加することが可能。
もちろん各タスクの並び替え、リストへの移動も可能です。
また、カンバンに追加したタスクをissueに追加することも可能です。
GitHub(ギットハブ)の使い方4:マイルストーンの設定
タスクにマイルストーンを設定することもできます。
issueのページの上部にあるMilestonesを選択します。
Milestonesの画面に移りますので、「New milestone」ボタンをクリック。
タイトルと期日、詳細を設定し、「Create milestone」ボタンをクリックすることでマイルストーンが
作成されます。
マイルストーンはissue同様完了したら「Close」することが可能。
また、マイルストーンはissue画面にある歯車マークから特定のissueに紐づけることも可能になっています。
GitHub(ギットハブ)の使い方5:テンプレートの設定
issueをより使いやすくするために、issueに関するテンプレートを作成することが可能です。
まず、Settingsタブ>Optionsを選択し、Featuresのissuesの項目にある
「Set up templates」をクリック。
「Add templates:select」を選択すると初期で設定されているテンプレートリストが出てきます。
「Custom template」をするとテンプレートが追加されますので、「Preview and edit」をクリック。
プレビューが展開されますので、ペンマークを選択し編集を行います。
編集後、「Propose changes」ボタンをクリックするとリポジトリに反映するかの確認画面に移動。
「Commit changes」ボタンをクリックしてテンプレートの作成は完了です。
issueで新たにタスクを作成する際に、テンプレートの選択画面が出てくるようになります。
GitHub(ギットハブ)の始め方
ダウンロード
アカウントの作成方法
Step1 アカウントの作成
アカウント作成のページにアクセスしてアカウントを作成します。
アカウント作成には必須項目となっている下記の情報を用意。
- メールアドレス
- ユーザー名
- パスワード
各情報を入力して、認証を行えば「create an account 」ボタンがクリックできるようになります。
「create an account」ボタンを選択すればアカウント作成手続きは完了。
Step2 プランの選択
Free、Proの2つのプランから必要なプランを選択。
プランの選択後、「Continue」ボタンをクリックをすれば次の画面に移動。
法人プランを選択する場合、「Help me set up an organization next」にチェックマークを入れることで
法人プランの選択画面に移動することができます。
また、アップデート等の情報が記載されたメルマガが不要な場合、
「Send me updates on GitHub news,offers ,and events」にチェックマークを入れる必要はありません。
Step3 GitHubの使用用途及びメールアドレスの認証の確認
プログラミングの経験レベル、GitHub(ギットハブ)の使用用途、興味に関して確認画面になりますが、
Step3自体は飛ばしても特に問題はありません。
「submit」ボタンを選択することで、GitHub(ギットハブ)の利用が開始できます。
設定したメールアドレスに認証メールが届きますので、メールに記載のある「Verify email address」を
クリックして認証は完了です。
GitHub for Windows(or for Mac)のインストール
Step1 GitHub for Windowsのインストール
デスクトップツールが必要な場合、公式ダウンロードサイトからセットアップツールをダウンロード。
セットアップツールを起動すれば自動的にインストールされ、デスクトップにショートカットが作成されます。
Step2 アカウントの紐づけ
作成したアカウントの紐づけをするには下記を行います。
- ツールバーからFile>Optionsを選択
- Optionsウィンドウが表示されるのでAccountsのタブを選択し、GitHub.comのSing inをクリック
- アカウント作成時に登録したユーザー名(or メールアドレス)とパスワードを入力
これでGitHub for Windowsとアカウントの紐づけが完了。
ログイン方法
GitHub(ギットハブ)のログイン画面にアクセスしログインを行います。
GitHub(ギットハブ)にログインする際に必要な情報は下記の2つ。
- アカウント作成時に登録したユーザー名またはメールアドレス
- アカウント作成時に登録したパスワード
上記の情報をログイン画面で入力することでログインができます。
ログインできない場合は?
GitHubにログインできない場合は、アカウント名またはパスワードが間違っている可能性があります。
パスワードを忘れた際には、下記の流れでパスワードの再発行を行うことが可能。
- ログイン画面で「Forgot password?」を選択
- 登録したメールアドレスを入力し、「Send password reset email」ボタンをクリック
- パスワードのリセットメールが届きますので、パスワードを変更
パスワードの再発行が終わったら、新しいパスワードを使って通常通りログインが行えます。
GitHub (ギットハブ)の退会方法
GitHab(ギットハブ)におけるアカウントの削除方法を解説します。
まず、GitHub(ギットハブ)にアクセスして自身のアカウントでログインを行い、
右上のアカウント画面からSettingsを選択。
Personal settingsの項目からAccountを選択し、Delete your accountをクリックします。
出てくるウィンドウに記載のある通り、下記の情報を入力。
・アカウント名または登録した際のメールアドレス
・入力フィールドに「delete my account」を入力
・ログイン時のパスワード
すべての入力を完了し、パスワードが合っていれば「Cancel plan and delete this account」を
クリックすることでアカウントが削除されます。
ウィンドウに記載されているように、アカウントに紐づいたリポジトリ、issueなども同時に削除が行われます。
GitHub (ギットハブ)の評判・口コミ
GitHub(ギットハブ)の良い評判
はじめに、GitHub(ギットハブ)に寄せられている良い評判を紹介していきます。
企業名:株式会社G.Oホールディングス
ユーザーインタフェースがわかりやすく整理されているのでとても使いやすいです。
外注案件でも、ほどんどの方がGitHubアカウントは持っているので連携がとりやすい。
企業名:株式会社Candle
特定の用途に特化したサービスが多いなか、GitHubはだれにでも使いやすい。
課題をIssueにあげてみんなで議論できる文化を形成しやすい。
あらゆるものがGitHub上に集積されるので、共有ミスが減少し、開発に集中できる。
企業名:株式会社ALLSEED
ソースコードだけじゃなく、記事などのドキュメントチェックとかにも幅広く使えて業種選ばない。 実際にソースコード以外における管理においても有用であることが評判からも読み取れます。
GitHub(ギットハブ)の悪い評判
GitHub(ギットハブ)に関する評判は好意的なものが多く、悪い評判は見当たりませんでした。 今年の初めにあったアップデートで、Freeプランにおいてもプライベートリポジトリの作成ができるように なったのも大きな要因かと考えられます。 そこで、本記事では実際に使ってみてここは難しいなと思ったポイントを紹介します。
ユーザーインターフェースが英語のため、とっつきにくい可能性がある。
GitHub(ギットハブ)自体は、有用なタスク管理ツールとして有用ではあるのものの、 初めて使う際に英語に苦手意識を持っている人に対してはすすめずらいように感じられます。
ガントチャートなどのタスク管理ツールが用意されていない。
外部連携でカバーできるとはいえ、幅広い管理ツールが標準で用意されて、GitHub(ギットハブ)のみで 完結するようにできればよりよいように感じられます。
GitHub(ギットハブ)のまとめ
本記事ではGitHub(ギットハブ)について解説しました。
今では多くのタスク管理ツールがありますが、GitHubはプログラミングの分野では多くの人に
利用されいますし、コード管理以外の分野においても利用できる有用なツールです。
無料で基本的な機能は試せるので、気になる方はお試しで使用されることをおすすめします。