ひとたび、インターネットで「資格」と調べると、色々なまとめサイトが出てきますね。
しかし、その資格本当にあなたに必要ですか?
資格というのは、どう活用するかという目的が決まっているからこそ、取得するメリットがあります。しかしそれが決まってなく「将来役立ちそうだから」という曖昧な理由で勉強に励んでいる人も多いのではないでしょうか?
今回は、資格との向き合い方について説明していきます。
資格勉強の目的の多くはキャリアアップ
資格勉強は時間とお金がかかります。仕事から帰ってきて、ゆっくりしたい気持ちを押し殺して、机に向かう必要もあります。資格取得は人生における投資です。
なぜ、「資格を取る」という投資をするかと言うと、「年収を上げたい&理想の仕事がしたい」という人が多いのではないでしょうか。
資格取得はゴールではない
資格勉強の目的はキャリアアップです。その資格を利用した転職や独立もゴールに挙げられます。資格の取得がゴールではありません。
しかし、資格の広告を見ていると「取っておいて損はない資格」なんて書かれている事が多く、「なんとなく将来のために勉強したい」という人達へのニーズを埋める役割になっている現状があるのではないでしょうか。
特に専門性が高く活用できる場面が限られている資格に関しては、改めて「資格取得の目的」を明確化すると良いでしょう。参考までに有名な資格勉強は以下の通りです。
- 簿記
- 宅地建物取引士
- 中小企業診断士
- ITパスポート
- マイクロソフトオフィススペシャリスト
資格は利用してこそ意味がある
資格コレクターという人がいます。資格勉強をするのが楽しいというタイプです。
「資格勉強をするのが楽しい」という事であれば、一つの趣味ですし、全く悪い事ではありません。
しかしながら、趣味として資格を取る事は将来の年収を上げる上で役に立つ可能性が低い(投資した金額が返ってこない)という事を覚えておくべきでしょう。
どんな目標があって資格を取得するのか
友人のAさんは司法書士の資格を取り独立したいと考え勉強に励んでいます。その目的は、会社の人間関係や上司からのストレスから解放されたいということです。
Aさんの目標は「独立する事による嫌な人間関係からの脱出」に他なりません。しかし独立をしたとしても、司法書士ですのでクライアントは法人になります。もし取引先の担当者が同じようなストレスフルな人だとしたら、また同じような悩みを抱えるのではないでしょうか?
ですから、「独立=資格の獲得」という簡単な式で考えずに、「独立してどうなりたいのか」を掘り下げて考える事が大切です。
時間とお金をかけて資格を取得しても、目的が達成できなければ意味がありません。
本業と関係ない資格は給与に反映されない
残念ながら、苦労をして有名な国家資格を取得しても、本業と関係なければ、全く給与に反映されません。
ぼくも資格取得を考えた事がありました。しかし、考えた末に資格を取得するのではなく、「マナー研修に参加する・コミュニケーションコンサルティングの指導を受ける」事にしました。営業成績を上げるのに必要だと思ったためです。
結果、資格というわかりやすい印籠は持っていませんが、給与は売上のインセンティブで上げる事ができました。
あくまで一例に過ぎませんが、資格取得だけが給与やキャリアアップにつながるわけではありません。本業との関連性の高いスキルを身につけしっかりと活かし結果を出せば、十分に目的を達成することもできるのです。
資格取得をしたが活かせていない例
実は、周りに簿記2級を取得した友達が3人居ます。
理由は・・・
- 税理士になりたい
- 司法書士になりたい
- 数字を計算できるのは強みになるだろう
このような理由です。
税理士や司法書士を目指した理由は、独立するという目的で、資格を持って差別化できつつ、初期投資があまりかからないという理由でした。
約5年かかって、司法書士の資格を手に入れた友達は、現在も大企業で働いています。なぜなら、大企業で働くのと、司法書士として開業して働くというのを年収だけで比べた場合、圧倒的に前者の方が「安定・高収入」だと判断したからです。
税理士を目指している友達は、今も勉強中です。
このように、実際に資格を取得しても、最初の目的を達成していない人もいるという事を覚えておいてください。本当にその目的を達成することを、自分が望んでいるのか? という点もしっかり見極めてから行くことが正解でしょう。
組み合わせの良い資格事例
ここでは、ぼくの周りに居る「仕事×資格」で収入がアップした人の例を紹介します。
人材派遣の人がキャリアコンサルタント
「キャリアコンサルタント」という資格はあまり聞きなれていないかもしれませんが、平成28年4月より国家資格になりました。
これは、労働者の職業選択、職業生活設計、職業能力の開発、向上、相談、助言、指導を行うための国家資格です。
人材派遣会社の売上アップのポイントは、どれだけ人材をマッチングさせて、企業からお金をもらうかの一言につきます。
その業務を遂行するために、上記のような知識を身に着けるのは、相談者の気持ちに寄り添ったり、将来の選択肢を提示する上で必ず役に立つはずです。
必然と相談者から信頼され、マッチングする仕事も増えるはずです。
グローバル企業で働く人がTOEIC
日本は依然として根強いTOEIC崇拝傾向があります。
日本での就職活動と日系企業で駐在員の切符を取得するという2点では、TOEICは最強の武器です。
昔勤務していた大手の複写機メーカーでは、TOEICの点数が高い人は、海外へ転勤になっていました。給与が約1.5倍になり、住宅手当やその他手厚い福利厚生の恩恵が受けられるため、TOEICが高い人で海外志向のある人の多くが海外駐在員となりました。
就職活動においてもTOEICの点数は武器になります。しかし、大手企業ですと、850点や900点の猛者がいるので、TOEICを武器にするのであればそこまで到達しないと、残念ながら強さを訴求できません。
ところが、業績のいい中小企業を狙うのであれば話は別です。中小企業でも伸びている会社は海外の売上比率が上がっている傾向があります。しかし、TOEIC高得点を持っている人材獲得は、至難の業です。(人事をやっている友達も嘆いています)
そのため、海外に売上がある中小企業であれば、TOEICの点数を武器にして就職し、英語を利用して責任のある仕事を任せてもらい、給与を上げていくという方法ができます。実際、この方法を利用して、ぼくの友達は英語系の仕事を全て引き受けて、会社から信頼される人材となっています。
サラリーマン大家がマンション管理士
東京でサラリーマンとして働いていると、サラリーマン大家が多い事に気付きます。
これは、親から相続した土地にマンションを建てる事で、不動産収入を得ているからです。
マンション管理士は、マンション運営に関する様々なトラブルの対処法を学んだ上で獲得できる資格です。
- 修繕工事の計画作成、進行
- 総会、理事会等の会合運営
- 管理費や修繕積立費の会計
例えば上記のような事を学ぶ事ができます。
法律を知らないと、いざという時にどのように対処して良いかわかりません。
実際、マンション管理士を取得した友人は、自身の不動産管理に非常に役に立っていると言っています。
まとめ
今回、説明した内容を考えてみると、「何となく勉強したいから・・・」という理由で汎用性の高い資格の勉強を始めるのは費用対効果が悪いという事がわかります。
資格は実務で使用するからこそ意味のある物です。そして、それによって年収が上がる事で資格勉強という費用と時間の投資を回収する事ができるのです。
汎用性のある資格という甘い言葉に惑わされず、専門的な業務×資格を身に着けて「転職・独立・キャリアップ」を狙いましょう。