「部下から好かれたい!」と思っている人は少なくないかもしれませんが、「絶対に好かれる上司になれる方法」というのは、残念ながらありません。そこで本稿では、部下に好かれる上司になるためのヒントと、それとは逆に、部下から嫌われる上司の失敗パターンを紹介します。ぜひ、あなたのマネジメントに生かしてみてください。
部下から好かれることで得られる3つのメリット
日本人は、1日のうち大半の時間を仕事をすることで過ごしています。そのため、満足感を持って仕事ができるかどうかは、あなたの幸せに大きな影響を与えるでしょう。やりがいのある仕事、責任のある仕事、自分に合った仕事をすることも勿論大切ですが、仕事で満足感を得るためには、人間関係が上手くいっているかどうかも大きな要素ではないでしょうか。そのため、上司であるあなたが部下から好かれているかどうかは、とても大切です。
それでは、部下から好かれていると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか? ここでは3つのメリットについて述べたいと思います。
① 仕事を円滑に進めることができ、成果につながる
上司が部下に好かれているということは、信頼関係が構築されているということです。信頼関係があれば、日々の仕事でもコミュニケーション不足による弊害も生まれにくいだけではなく、部下は上司のために頑張ろうという気持ちで仕事をしてくれますので、生産性も高まります。さらに、上司が部下に頼みごとをしたいときも、スムーズにお願いすることができるでしょう。これらは全て、業績の向上に繋がります。
② 精神的充足感が、モチベーションを上げる
人間は誰しも他者から承認されたいという欲求を持っているので、上司は部下から好かれていると感じることで、精神的充足感を抱くことができます。これは、モチベーションを大きく向上させるでしょう。これによって、上司の仕事の生産性もあがり、より多くの時間を部下との良好な人間関係の維持に費やすことができます。
③ 出世につながる
上司が部下から好かれることによって、部下も上司もモチベーションが上がり、生産性の向上につながると前述しました。チームあるいは組織がこのような状態で活動をしていれば、結果は必ず後から付いてきます。そして、大きな成果を上げた上司は、優秀であると評価され、さらなる出世につながります。
上司が部下に好かれる3つのメリットをみてきました。どれも、魅力的なものばかりですよね。一方、上司が部下から好かれるデメリットは、ほとんど無いように思います。そのため、誰であっても、部下から好かれるということはとても重要なのです。
あなたの部下マネジメントは間違っていませんか?4つのチェックリスト
ここでは、部下から好かれるための方法論を述べる前に、今のあなたの部下に対するマネジメントに問題があるかどうか、分析することから始めましょう。ダメな上司の失敗マネジメントの例を4つあげるので、自分に当てはまるかどうか、チェックしてみましょう。
① 部下に「何を求めているのか」「何をして欲しいのか」具体的に示さない
上司からの命令・指示が曖昧だと、部下は自分がどうすればいいのか、把握することができません。ルーティンワークであれば、ざっくりとした命令・指示でも問題はありませんが、そうではない場合は、「何を求めているのか」「何をして欲しいのか」をはっきり示した上で、命令・指示を行わなくてはなりません。
② 部下にネガティブな発言をする
例えば、「上司になりたくてなったわけじゃない」「自分は上司に向いていない」などの発言は、絶対に部下にしないようにしましょう。部下の信頼を一気に失うことになります。また、「つまらない」「○○さんが嫌い」など、愚痴や悪口を部下にしていると、尊敬を得ることは難しいでしょう。
③ 残業する部下を評価する
例外はありますが、残業をするということは、そもそも時間通りに仕事を完了させることができていないというネガティブな要素です。それにもかかわらず、残業している部下を「頑張ってるな」と評価する上司は一定数存在します。そして、仕事を効率的に早く終わらせて帰る部下を「ヤル気がない」と批判します。そのような上司の元では、誰も効率的に仕事をするようにはならないでしょう。
④ 部下を信頼せず、仕事を任せない
部下のことを信頼せず、仕事を任せないと問題が起こります。それは、部下が成長しないということです。確かに、仕事を任せて初めから要求通りのアウトプットを出すことは難しいかもしれませんが、経験を積むことで、高いパフォーマンスをあげることができるようになります。部下が成長しなければ、そのチームや組織が成果を上げることは難しいでしょう。
ダメな上司の失敗マネジメントの例を紹介しました。心当たりのある項目はありましたか? もしあれば、それを意識的に改めていき、理想の上司を目指していきましょう。
部下から好かれる上司になるための7つのヒント
上司であれば誰でも部下から好かれたいですよね。ここでは、好かれる上司になるためのヒントを7つ紹介します。ぜひメモのご用意を。
① 笑顔で話しかける
笑顔は人間のコミュニケーションにおいて、とても重要な役割を果たします。基本的に、笑顔で話しかけてくる人がいれば、嫌な気持ちになる人はいないでしょう。部下に、自分から笑顔で話しかけてみましょう。しかめっ面ばかりしていてはいけません。
② 叱り方に注意
上司であれば時には、部下を叱る場面があります。その時にもっとも注意すべきは、感情的にならないことです。また、人格批判をしないことも忘れてはなりません。冷静に論理的に、どこが悪かったかについて、部下に伝えましょう。また、叱りすぎに注意です。
③ 部下に共感する
共感するということは、相手のことを認めるということです。自分が認められていると思えば、部下は次第にあなたに心を開いていき、信頼関係が生まれるでしょう。どうすれば共感できるのかわからないという方は、まずは同意の言葉、例えば、「なるほど」「そうだね」など、を使うと良いでしょう。
④ 責任を引き受ける
自分の失敗を部下の責任にするのは最悪です。それは、上司としてもっともやってはいけないことです。対照的に、部下の失敗を上司である自分の責任であると受け止め、引き受けてくれる上司がいれば、部下はその人のことを尊敬して好きになるでしょう。
⑤ 部下の長所を見つけて、褒める
「長所を見つけて、褒める」ことは、ビジネスに限らずプライベートの恋愛などでも効果的な手段です。部下は、自分でも気づいていなかった長所について褒められることで、「この人は、自分のことをよくみてくれている」と感じて、上司に対して良い印象を抱くはずです。
⑥ 相談しやすい雰囲気づくり
職場には必ず、腕組みをして気難しい顔をしている話しかけづらい人がいるものです。そのような人は、部下から敬遠されがちで、ましてや相談など、絶対にすることはないでしょう。逆に、相談しやすい雰囲気を常に作っていれば、部下からの相談回数も増え、それに比例するように、信頼も高まっていくでしょう。
⑦ 休み上手になる
これは少し、意外な感じがするかもしれません。ざっくり説明すると、上司がしっかり休んでいれば、部下も気兼ねなく休むことができるということです。それによって、部下は心に余裕を持つことができ、そのような雰囲気を作ってくれた上司に感謝するでしょう。
好かれる上司になるためのヒントを紹介しました。明日から、いや今日から、ぜひ実践してみてください。
まとめ
部下から好かれると、良いこと尽くめでした。あなたのマネジメントスタイルはいかがでしたか? 紹介した好かれるヒントは、必ずあなたと部下の関係を改善させてくれるはずです。
<参考>
http://the5seconds.com/buka-sukareru-kirawareru-joushi-16319.html