【事例紹介】「残業ゼロ」の会社を実現するための仕組みづくり

長時間労働や残業は、高度成長期以降の職場において、企業のために必要で、当たり前であることととらえられていました。しかし、いまやそれは古い悪しき慣習で、避けるべきことであり、長時間労働を認める企業はブラック企業ともよばれ、勤務することも就職先として選ぶことも敬遠されるようになりました。

企業の口コミサイトなどでも、ブラック企業に対して、働きやすさを表してホワイトと呼ばれる企業ランキングが発表されています。そのランキングを参考にした職場選びを行なっている人も大変多いです。そのようなサイトに、あなたの会社が長時間労働とサービス残業が旧態依然として存在するブラック会社だと口コミされてしまったら、もう新しい働き手はやってきてくれなくなるかもしれません。

実際に、転職のときや新入社員は、入社先の企業を選ぶときに、ホワイト度がどれくらい高いかによっても入社を検討する時代になりました。
いまや少子高齢化時代、働き手はどんどん減っていくなかで、ますますその傾向は進むばかりです。仕事のできる、大切な社員を失わない為にも、また、魅力的な新しい働き手が入社し続けてくれるようになるためにも、ホワイト度をあげる会社や職場作りをすすめましょう。
参考:新入社員に優しい「ホワイト企業」トップ500

そもそも日本のビジネス環境は生産性が低いと言われて久しい。あなたの職場でそれを感じるときはありますか? 生産性をあげることができれば、成果もあがり、社員の仕事をする時間時間を減らし、残業ゼロの職場を実現できるでしょう。社員を定時に帰宅させることができれば、社員のプライベートや企業への満足度があがり、長時間労働に頼らない、新しい働き方を展開している進歩的な企業であるとアピールすることができるのです。

あなたの会社を残業ゼロにできるしくみを考えてみましょう

経営者みずから残業せず、定時退社することを宣言する

ライター個人の身近なところで、残業ゼロな職場について考えると、まず思いつくのがお役所の労働環境です。実家の近所にある役場では5時のチャイムが鳴ると同時に退社し帰路につく人々の姿をよく見かけたものです。なぜ、彼らは終業時刻と同時に役所から出ることができるのでしょうか。定時と同時に、5時に職場を離れる彼らは、そのために、5時前には業務を終え、帰宅の準備をしているはずです。つまり、もう4時半には帰宅準備にとりかかっているのではないでしょうか。
5時に退社ができる彼らは、退社準備を時間にあわせてできると同時に、それを叶える業務進行ができており、同時に、勤務先が、定時退社の文化を持っていることから、このことが実現できているのでしょう。

通常の会社が定時退社を行なうためには、まず会社のトップが残業ゼロを宣言して、定時に退社することにし、残業ゼロの文化をつくりましょう。経営者やトップが定時に帰ってしまうことを知っていれば、部下や社員たちは、今日中にトップに確認しなければならない事項があれば、その前に、必ずそれを行なわなければならないことになります。もし会社のトップが長時間労働タイプで、いつも会社にいるようであれば、そうはなりません。まず、社長の自分が早く退社するという行動をすることで、周囲もそれにあわせるようになるまで残業なしで退社し続けましょう。結果、周囲も残業をしなくなるはずです。

残業禁止にする

残業をしたら罰金をとる、と決めている企業もあります。極端な例ですが、一生懸命働いたお金を、みすみす罰金として支払いたい社員などいるわけはありません。当然残業をしないですむように働き方の改良を考えるようになるでしょう。
罰金とまではいかなくても、会社に残れる最遅時間をきめて、それ以降は残業を禁止にしましょう。徹底的に禁止にするならば、電気も消してしまい、社内イントラネットも使用できないようにしましょう。物理的に残業ができなくなれば、時間内に仕事を終わらせる工夫や努力をみな進んでせざるを得なくなります。
しかし、その努力は会社の成熟と、自分の人生の充実につながるものプラスのものです。残業禁止がプラスであるという認識を徹底できるようにしましょう。

仕事を早く終えたら得をするしくみ、残業したら損する仕組みをつくる

残業しないことのメリットは、早く帰れるだけ、と考える社員もいるかもしれません。そんな社員のモチベーションをあげるよう、残業をしない日が一番多かった社員に報酬がでたり、表彰したりするようにし、残業ゼロを会社にとっても社員にとってもよいものととらえられるようにしましょう。
実際、残業ゼロが遂行できれば、電気代などのインフラ料金はおさえられ、経費削減になり、その分を報酬にできます。社員にとって、もっともうれしいことのひとつは、報酬なのは間違いありません。

例えば、株式会社武蔵野の代表取締役社長小山昇氏は、「超ブラック企業」であった職場を、残業ゼロへの改革を経て、残業時間平均を60%近く減らし、人件費を削減しながら、過去最高益をたたきだした、ホワイト企業に変身したと話題になっています。残業代を削減してできた利益を、残業が少ない人には評価を高くして賞与を増やし、逆に残業が多い人には賞与を少なくなるというように残業が少ないと得をして、残業が多いと損をする仕組みをつくっているそうです。
(参考 http://diamond.jp/articles/-/109809

労働時間短縮のための具体的ヒント

1 ジョブディスクリプションを行ない、仕事内容を精査しよう

残業ゼロを宣言するのは簡単ですが、一番実行が難しいのが、減らない仕事をいかに効率よく終わらせられるかということだと言われます。
時間内に仕事を行ない効率化し、同時に業績は落とさず、むしろアップさせていけるようするためにどうしていくべきか考えていきましょう。

まず、社長も一緒に、社員皆の業務時間をくわしく把握するための、ジョブディスクリプションを行ないましょう。社員が多い会社は、全員のジョブディスクリプションを確認することは非常に大変なことかもしれませんが、一人ひとりが携わっている仕事について、人と内容のマッチングを細かく確認しましょう。
そのときに、仕事内容の一部を別の担当者に振り分けが必要な件などをしっかり確認し、人と仕事のミスマッチや重複が起こらないようにしっかり管理しなければなりません。

2 仕事の棚卸しを行なおう

ジョブディスクリプションを実行し、仕事内容と人のマッチングを徹底できたら、仕事内容の棚卸しを行ないましょう。あなたの会社の社員たち、またはあなたが毎日仕事をするときに、一つひとつの案件にどれくらい時間をかけているかを把握していますか? 仕事効率をあげて、残業をなくすために、まず自分の業務一つひとつが何時間かかっているのか把握してから、終業時刻ぴったりまでにどう仕事し、行動すればよいのか、時間をマネジメントできるようにしましょう。

社員たちが、さまざまなタスクを同時進行で行なう場合も、それぞれのタスクにどれくらいの時間がかかるかよく考えて、手帳などに書いてもらうようにしましょう。手帳はよくある時間刻みで記入できるものがよいでしょう。そうして社員たちに時間の使い方を可視化してもらい、仕事について、やる、やらない、緊急度、他の人に頼むなどと細かくふりわける設定をすすめましょう。また、こうしたことに長けているITツールもたくさんあります。

介護事業者むけ経営支援システムを開発しているセントワークスは、やむを得ず残業する社員は、派手な「残業マント」を羽織らなければならないなどの、残業削減のしくみ作りで話題にのぼっています。
具体的に個々の仕事時間のマネジメントをするために、その日の予定を同じ部署メンバーに送る朝メール、退社時に一日の成果や計画通りできなかったこと等を夜メールすることにしているそうです。このことで、自分の業務にかかる時間、今日の成果などを振り返ることができ、同時に他のチームメンバーにもわかるようになっているところがポイントです。
(参考 https://style.nikkei.com/article/DGXNASFE17H0M_X10C14A7NNMP00/?page=2

弁護士は、その大きな報酬もよく話に登りますが、弁護内容を作成するために、かかった時間など、すべてのことをクライアントに細かく報告するそうです。移動距離何分、調査時間何時間などなど、、、、 弁護士のように、時間管理を意識して、社員たちが生産性と効率をアップさせられるように、会社のトップは社員一人ひとりの力を発揮できるようサポートをしていきましょう。

個々の仕事量を可視化したとき、自分が他の人のかわりにする必要がある仕事がわかったとき、あるいは、仕事を頼まなけらばならなくなった人の依頼を、いやがったり後回しにしたりなどと、雰囲気が悪くなりそうな可能性がある場合はどうすべきでしょうか。そのとき会社のトップは、お互いに仕事を頼み頼まれる関係性が会社の成長と業績につながることを徹底して社員に伝え続けることが必要です。

3 資料作りに時間をかけすぎないようにしよう

会議で社員たちの作る資料に、妙に手のこんでいる美しすぎるグラフなどはありませんか? そのボールドやアンダーライン、カラフルなグラフをつくるための時間は残業のときに使われているのかもしれません。数値や説明をしっかり伝えることができれば、過剰に装飾した資料は必要ありません。

資料は内容が伝われば、シンプルなものでよいということを社員に伝えると同時に、時間のかかりすぎる資料作りを避けるように徹底させましょう。

4 会社のビジョンや目標など重要なことを徹底してインフォメーションし、無駄をなくそう

社長と社員の立場は違えど、皆会社の一員として、同じ目標や問題意識をもっているべきです。しかし、社員が必死に行なっていることと、社長のやってほしいことが一致しない職場もあるかもしれません。共通認識がばらばらだと、結果的に、仕事に無駄ができてしまったり、スピードが落ちる懸念がでてくる可能性があります。それを避けるためにも、会社全体のビジョン、目標や意識、デッドラインなどを皆で共有し徹底できるようにしましょう。

会議を決まったことの承認だけに利用するのをやめましょう。会議をするときは、ただの定例会議ではなく、目的やテーマを明確にして、参加者に通達しましょう。そして、案件すべてにデッドラインをつけ、それを徹底します。いつも会議の時に目が死んでいる社員がいると感じるときはありませんか? きっとその会議のテーマや解決すべき問題も、デッドラインも参加者に伝わっていなかったのかもしれません。
そのような社員がいないように、会社のトップは皆に働きかけ続けましょう。

5 会議の回数を減らして、時間制限をしよう

あなたの会社は会議の回数が多いでしょうか? 会社トップの場合、さまざまな会議に一日中時間をとられる場合もあることでしょう。そもそも、会議を開催することについて、よく吟味し、本当に必要な会議だけ行なうようにしましょう。そして会議をするときも、制限時間をもうけましょう。会議で皆の時間を拘束し、業務をストップさせている局面があることを忘れてはなりません。ひとつのトピックについて最高何分まで、などと決めて会議を進行してみましょう。

きっと無駄話をはじめてしまう社員は減るはずです。

≫あわせて読みたい…「労働時間を短くすることで日本の生産性の問題は解決するのか」

残業しないことを習慣にする

残業ゼロを習慣にできればしめたものです。

習慣にできるまでは、職場のとまどいや、反対などさまざまな抵抗勢力が足をひっぱるかもしれません。仕事量が減らないのに仕事の時間が少なくなることに対して、抵抗を感じる社員はまだまだいます。そんなときは、やはりトップダウンで残業しないことを徹底していくべきでしょう。社長みずから、見回りをし職場の電気を消す、イントラなど、社内のパソコンや機器を定時になったら使用できないようにするなど、残業しない、できないシステムをつくる設定を行なってもよいでしょう。

会社トップの、職場の残業ゼロへの執念が、社員に如実に伝わることに間違いありません。

「「残業ゼロ」の会社をつくるための環境と具体的ヒント」についてのまとめ

あなたの会社を残業ゼロの職場にして、社員の会社に対する満足度をあげることができれば、社員の離職率がさがります。同時に、社員にとって働きやすく、ホワイト力の強い会社を経営しているという評価につながります。
働きやすい会社は、現在、長時間労働に従事できず、力はあるが働けていない女性たちにも魅力的にうつることでしょう。働き方改革が叫ばれているいま、その流れにうまくのり、優れた人材の確保を続けられる会社を作っていきましょう。

事例に学ぶ

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。ビジネスについても同じことが言えるでしょう。
他の企業の戦略や取り組みを分析し、そこから抽出した要素を組織に取り入れてみることで、あなたのビジネスを成功に導く鍵が見つかるかもしれません。

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